2017.12.11
経営学部の本藤です。
寒くなってきましたね・・・( ;´Д`)
昨日(12月10日)に、配偶者と一緒にいつものスーパーマーケットに行ってきたのですが、いつも以上にお客さんが入っていて盛況でした。
小売業にとっての12月は、文字通りの「書き入れ時」です。購買データからも間違いなく12月が最も売上金額も来店客数もピークになります。
これはスーパーマーケットでもドラッグストアでも同様の傾向が見られます。
ドラッグストアのPOSデータを見てみると、年末に特に売れているものは、「飲酒とおつまみ」類が最上位にあり、年末年始のお餅や和惣菜といった「年末年始の御馳走」系がつづいて、それから使い捨て紙クリーナーなどの「大掃除」関連商品が売れます。
ドラッグストアで年末年始の惣菜が買われているんですから、スーパーマーケットとドラッグストアの競争は熾烈を極めるはずですね。
一般的に、食品カテゴリーが好調なドラッグストアは業績も安定しています。これは食品カテゴリーは来店頻度が多くなり、結果として店舗と顧客のタッチポイントが増えることが理由として挙げられます。とりあえず店舗に行けば、統計的には「予定外のもの」を75%も購入してしまうという購買行動研究について様々な報告が発表されています。したがって、なにはともあれ来店させることが戦略的に重要になっています。ですから、「大掃除用品を買いにドラッグストアに行ったけど、お惣菜もついでに買っちゃった」というパターンは、ドラッグストアが求める展開になります。
ただし、お店に入って、目的の「大掃除用品」を買いに、日用品売場に直行して、必要なものを買ったら、すぐにレジに直帰されてしまうと、店舗の目論見ははずれてしまいます。
そこで、店舗では、売場を戦略的にレイアウトしています。
最初は、エントランスから正面の突き当りに仕掛ける「第1マグネット」と呼ばれる売場です。これによってエントランスから、まずは突き当りまで来店客を誘導します。
そして、「第2マグネットと呼ばれる売場が、そこから横に曲がった突き当りに仕掛けます。ここまで引き入れられれば、来店客はエントランスから最も奥の売場まで誘導されたことになりますから、そこに行くまでに店内の売場全体で必要なものを想起しやすくなります。
先週、見学に行ったサンキュードラッグ中井店は、6年前くらいに行った時に、第1マグネットが「シャンプー」売場でした。そこから第2マグネットが「食品」だったのですが、大きく様変わりしていました。
何と第1マグネットに「ビール」売場を持ってきていました。これは、素人には思いつかないマグネットです。でも、このレイアウト変更によって、売上が明らかに伸びた(来店頻度前年比108%、買上点数前年比105%)という話を聞いて、やってみないと分からないことが多いとつくづく感じました。そもそも好調だった店舗で、更に上乗せできることがあるんですよね。
このエントランスの季節棚の突き当りが「ビール」! |
ビジネス全般に言えることですが、このような最適解を模索していく上で、常識を超えた仮説構築が、革新的なアプローチを発掘することがあります。この仮説構築のためにデータは検証ツールとして重要な役割を果たしています。
文責:本藤貴康(流通論、流通マーケティング入門、地域インターンシップ担当)
本藤ゼミナールBLOG http://hondo-seminar.blogspot.jp/
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