2018年7月30日月曜日

フレッシャーズ・セミナーaでの図書館展示

流通マーケティング学科の丸谷です。25回目の執筆です。今回は1年生の科目であるフレッシャーズセミナーaの授業で行っている図書館の展示企画について報告します。 
この科目は1年生の1期(4月~7月)までに設定されている20名程度が履修する少人数科目です。ゼミを重視する東京経済大学は、2期(9月~1月にもフレッシャーズ・セミナーbという少人数科目を設置し、少人数科目を継続的に履修できる環境を整えています。
私の担当するフレッシャーズ・セミナーaではゼミ生企画による展示企画を授業の課題として行うことになりました。


授業は半期15回ですが、大まかな流れとしては、第1回目授業でのオリエンテーションとチーム分けの後、第2回目に資料検索実習兼展示方法のレクチャーを行った後、第3回から合計6回にわたりテーマ選定のためのグループ報告とその他のチームの皆さんとの議論を行った後、企画展示の準備を行い、実際に展示してみる仮展示を経て(図書館の方と私が担当するマーケティングのゼミの皆さんによるアドバイスを頂きます)、修正し本展示開始となります。
 
なお、フレッシャーズ・セミナーaでは、今回の展示のテーマとも関連する人権委員会による人権に関する学習とキャリアセンターの方によるキャリア形成に関する講習も各1回組み込まれています。そのため、仮展示は第11回と第12回の授業ではいよいよ図書館にて実際に展示の準備を行いました。

展示仮レイアウト

展示素材作成
説明を追加

展示素材


展示本の展示のための登録

第13回授業では展示のための登録が終わった展示本と作成した展示素材を展示し調整し、仮展示を完成させました。

仮展示完成
第14回授業では図書館の方と私が担当するマーケティングのゼミの皆さんによるアドバイスに基づいて修正案を考えて頂きました。


アドバイスを考える丸谷ゼミのゼミ生



第15回授業では、修正案に基づいて修正してもらったその他のグループの本展示を相互に論評してもらい、さらに修正を行っていきました。結果的に以下のような展示となりました。図書館1階マガジンラックの前のブックウォールCにて、ぜひご覧ください。



              
                       (文責:流通マーケティング学科 丸谷雄一郎)

                             






                     







































             



2018年7月23日月曜日

【学問のミカタ】Amazonが覆しつつある常識・・・

2018.07.23

 東京経済大学で、流通論及び流通マーケティング演習を担当している本藤です。
 先週月曜日7月16日正午から翌17日まで「Amazonプライムデー」が行われました。
Amazonの売価設定は、基本的にネット内で優位性のある価格帯になるように管理されていますが、年に一回のスーパーセールが開催されました。期間中は、アクセスできなかったり、カートに商品追加できなかったりなどのシステム・トラブルなどあったようですが、過去最高の売上と新規会員獲得を記録したとの発表がありました。さすがAmazonです。


 Amazonは、僕が大学院の頃(15年くらい前)は書籍のネット通販でしたが、どんどん取り扱いカテゴリーを拡大して、昨年4月には、日本のAmazonでも「Amazonフレッシュ」が立ち上がり、生鮮食料品の扱いを始めています(対象地域限定)。これはレシピからのプロモーションもあり、非食品以上に関連購買を促せそうな印象です。
 更に、近年はネットにとどまらずリアル店舗への布石も打ち始めています。


 ちょうど1年前くらいに「Amazon Go」についてはブログでも取り上げましたが、レジもなく、専用アプリを通して個人認証されて入店するリアル店舗です。センサーで買い物商品を認識し、代金決済は登録している口座から引き落とされます。したがって、スーパーマーケットでよく目にするレジ待ち行列がないようです。もうすぐ(この秋には)同じシアトル内に2号店を出店する予定になっているということです。Amazonは走り続けます。


 昨年8月には、「Amazonがホールフーズを1.5兆円で買収した」というニュースが流れてきました。ホールフーズは、米国内では安定した地位を獲得している高級スーパーですが、この買収によって他の小売企業の株価が下がるくらいのインパクトでした。これは、Amazonが関与するホールフーズが強くなるという思惑なのか、Amazonがネット小売としてリアル店舗を凌駕してくるという思惑なのか定かではありません。


 日本の生活者は、欧米の生活者と異なって、先進国の中でも断トツに(ネットよりも)リアル店舗の利用率が高いという消費者特性があります。これは、ずっと継続する傾向なのでしょうか?
 人口減少が深刻化している日本では、今後減少する人手不足解消策として「働き方改革」へとハンドルがきられており、今後も「ネット通販よりリアル店舗」の傾向が続くのか予断を許しません。


 この「働き方改革」では、女性や高齢者の労働力を活かせる社会を実現するという方針が盛り込まれています。既に「専業主婦」は激減しており、少なくとも「兼業主婦」が大半を占めているように感じます。更に、正社員の副業を受け入れる企業も増えつつあり、人口減少の中で、社会全体における生産人口(勤労者)を捻出する方法を模索しています。このような社会的なパラダイムシフトは、小売業ビジネスに大きな影響を与えます。

 多くの家庭のなかで「働ける人は働く」という状況になると、日中にスーパーマーケットで買い物をする人がいなくなってくることは明らかです。必然的に、仕事帰りや週末に買い物をする人が増えてくることになります。そうなると、小売店舗の立地として駅ナカや駅前立地が有利になってくることが考えられます。もっと時間がなくなってくると、リアル店舗に買い物に行かず、生鮮食料品も「Amazonフレッシュ」のようなネット通販で購入する購買行動が主流になってくる可能性が高まってきます。

 そこで問題が生じてきます。日中に買い物をする人がいなくなるということは、同時に日中に在宅している人もいなくなる可能性が高まるのです。そのような家庭では、どのようなニーズが出てくるでしょうか?
 これに対してのサービスとして、自宅前に宅配ボックスを設置する方法が広がりつつあります。最近は、冷蔵宅配ボックスなども発売されていますが、これが駅ナカに設置されている駅もあります。このほかにも、最寄駅や最寄バス停などに近接出店しているコンビニエンスストア、スーパーマーケット、ドラッグストアなどが商品受取窓口として機能することも考えられます。特に、コンビニエンスストアは、今のところ24時間営業を継続しているので、宅配受取窓口としては好都合な小売業態と言えます。


 ここで、再びAmazonが買収したホールフーズの話に戻ります。
 ホールフーズは、米国を中心に440店舗を有していて、主に富裕層の住宅近辺に展開するスーパーマーケットチェーンです。生鮮食料品の受取チャネルとしては適格な条件を備えているとも考えられます。しかも、ホールフーズだからと言って、必ずしもスーパーマーケットの品揃えに縛られる必要はありません。Amazonは、好立地の小売店舗を大量に獲得したということになります。※このあたりは今後の動きを注目したいところです。


 Amazonのビジネスモデルは、膨大な購買データを戦略的に活用するビジネスモデルであり、レコメンデーション(推奨販売)や定期配送などの生活提案を個々の顧客に対して行っています。Amazonが積み上げ続けるこのビッグデータが差別的優位性として活かされているのです。現時点では、食料品カテゴリーの購買データは潤沢とは言えない状況で、ホールフーズの購買データを入手して、アッパー(富裕)層のデータを収集できる環境が整備されたとも捉えることができます。このデータの蓄積に伴って、生鮮食料品カテゴリーにおいても提案力を強化し、ネット受注してリアル受渡しされるようなO2O(オンライン・トゥ・オフライン)を導入することが予想されます。スーパーマーケットで配布されているレシピを片手に、商品を探すのは時間のない買い物客にとっては煩わしい作業かもしれません。特に、日本では仕事帰りに買い物するとなると、いかにショートタイム・ショッピングを実現させるかが大切なポイントになってきます。それを考えると、ネット上でレシピに一括購入ボタンがあれば、買い物時間は大幅に効率化できてしまうのです。


 それだけでなく、近年盛り上がりを見せながら、なかなか成功事例にたどりつかないオムニチャネル構想への布石にもなります。ネットからリアルに送客するだけでなく、リアルからネットに送客する選択肢も提供するものです。翌日や当日配送を実現しつつあるAmazonであれば、ロングテールと呼ばれる売れ筋ではない商品も対応できてしまいます。Amazonのデータ量であれば、このような多角的複合的小売業態も夢物語と言い切れず、数年後には実現させてしまうことも十分に考えられます。

 Amazonは、ビッグデータを推進力として、ネット通販とリアル店舗を様々な形で進展させていける要素を集めまくって、突如として物凄い小売業態を現実化させてしまうかもしれません。


文責:本藤貴康(担当科目:流通論、流通マーケティング演習)
本藤ゼミナールBLOG http://hondo-seminar.blogspot.jp/


【学問のミカタ】
東京経済大学では、各学部で高校生向けに分かり易く専門分野の教員がブログを公開しています。是非、お立ちよりください。

経済学部ブログ「復興支援の経済学
コミュニケーション学部ブログ「アスリートは勝負をどう学ぶのか
現代法学部「裁判員って何をするの?
センター日記「ドイツの政治教育
キャリアデザインプログラム「就職活動ではなく「入社活動」を!




2018年7月1日日曜日

今年の夏もTFT健康ランチで決まり!(小木ゼミ通信vol.27 ゲスト講義は突然に、国分寺物語、OCなど)

マーケティング論、ソーシャルマーケティング論担当の小木です。
今回で27回目となります。


 さて、今回のラインナップは、次の通りです。

.今年の夏もTFTランチが熱い! 7月2~6日、9~13日実施!
2.ゲスト講義は突然に(株式会社NAGAOKA 長岡香江社長 登壇!)
3.その他(国分寺物語、成績優秀者表彰、オープンキャンパス)


 1.今年の夏もTFTランチが熱い!~7月2~6日、9~13日実施!~


2018年度夏の「TFT×東経大生協×小木ゼミコラボ:健康ランチ販売プロジェクト」での日程と内容が決まりました!今年も東経大生協の協力を得て、6月7日に試食会が行われ、メニューなど詳細が決定しました。

 東経大・小木ゼミが進める本プロジェクトは、

 小木ゼミ女子プレゼンツのプロジェクト

 なのです。

 本取り組みは、すでに6年目を迎え、東京都内の大学でもまだ数校しか行っていないものです。本プロジェクトは、皆さんが購入してくれた健康ランチの売上の一部(20円)をアフリカの子どもたちの給食に寄付する取り組みです。

 これまでのTFTメニューをまとめてみます(詳しくはバックナンバーをご覧下さい)。
第 1弾 2013年夏  キーマカレー
第 2弾 2013年冬  ふわとろオムライス
第 3弾 2014年夏  たっぷるこぎ丼
第 4弾 2014年冬  2種ルゥ☆ふわとろオムライス
第 5弾 2015年夏  先取り夏のマサラ・ナン・カリー&サラダ
第 6弾 2015年OC   ふわとろオムライス
第 7弾 2015年冬  俺のがっつり鶏丼 VS 私のホワイトオムティ
第 8弾 2016年夏  鶏とポテトベストマッチ鶏丼、真夏のトマチー鶏丼、ガーリィ豚丼
第 9弾 2016年OC   ふわとろオムライス
第10弾 2016年冬     BBNB 卵とろーりピリ辛ビビンバ丼
第11弾 2017年夏  ぷっタル丼 / バジトマティーナ丼
第12弾 2017年OC ふわとろオムライス
第13弾 2017年冬  ガッツリ!ジューシー!俺の鶏丼/肉盛!~ナムルと温玉のせ~
 
 そして、2018年夏にお届けする第14弾は、次の通り!

「とろたま生姜焼き丼」左と「とろたまネギトロ丼」右


TFT健康ランチ名と販売期間:

*7月2日(月)~6日(金)

小木ゼミTFT「とろたま生姜焼き丼」(410円:390円+寄付金20円)


*7月9日(月)~13日(金)

小木ゼミTFT「とろたまネギトロ丼」(430円:410円+寄付金20円)


場   所:東経大生協食堂




TFT試食会の模様 2018


 2.ゲスト講義は突然に(株式会社NAGAOKA・長岡香江社長登壇!)

忙しいからだめかなと思いつつ、だめもとでゲストの依頼をしたら「OK!」との連絡!急遽、6月27日(水)に、流通マーケティング入門とゼミのゲスト講義に、「株式会社NAGAOKAの長岡香江社長」が登壇いたしました!
 株式会社NAGAOKAは、レコード針においては、なんと現在では世界独占の企業で、いま大注目の企業のひとつです。1980年代のCDの登場、2000年度代以降の音楽デジタル化の波に抗い、レコード針の生産を続けてきました。ここにきて、レコードブームの到来と、ライバル企業の脱落で、レコード針では世界独占企業となってしまったのです!2016年には、桑田佳祐さんの16枚目シングル「ヨシ子さん」に「♪~ナガオカ針しか記憶にねぇよ~♪」で歌詞にNAGAOKAが登場しています。
 ただし、株式会社NAGAOKAの全体の売り上げからしたら、レコード針は20%程度しかなく、実はその他で頑張っている企業なのです。主にAVアクセサリー生産や機械部品など、BtoB(Business to Business)が主流で、今後は、カーナビやハイレゾイヤホン、各種オーディオ周辺機器などBtoC(Business to Consumer)も視野に入れた世界展開をもくろんでいます。
 長岡香江社長とは、名古屋出身の同郷で、かわいがってきた後輩(逆かも)でもあり、昔からの悪友ですが、いまは日本を代表する女性社長として大注目の人物です。なかなかお声をかけられないレベルにまでいってしまいました。千駄ヶ谷に新社屋が出来たばかりの伸び盛りの会社に注目です!
 講義は、流通マーケティング入門・小木クラスの1年生も、小木ゼミ生も大満足している様子でした。ゲスト講義は突然に!またの機会を考えたいです。

NAGAOKA・長岡香江社長とゼミ生とのショット



 3.その他(成績優秀者表彰、国分寺物語、オープンキャンパス)


 ①成績優秀者表彰
 成績優秀者表彰が5月16日に開催!小木ゼミからは、経済・経営両学部合わせて4名が選出されました!昨年は、2名と寂しかったので、今年は倍増の4名!嬉しい限りです。成績優秀者の皆さん、おめでとうございます。


 ②Web「国分寺物語」
 新たに2年生のゼミ生を加え、今年も「国分寺物語」がキックオフしました。早速、4月には国分寺駅北口の再開発ビル内のcocobunnjiのこけら落としイベントで、さらには6月4日に「こくベジ」イベント(http://www.kokuvege.jp/)のボランティアとして参加しました。
 今年の学年企画は、「こくベジ」を使った商品開発と聞いています。第1弾として、清水農園さんのブルーベリーを使って、喫茶店とコラボしてのスイーツの販売を企画しています!
 乞うご期待のほど!

清水農園・清水さんと何やら作戦を練っておるゼミ生



 ③小木ゼミは、8月1日のオープンキャンパス(ゼミ紹介)に出ます!
 東経大・夏のオープンキャンパス(8月1日、2日、25日、26日)の話題ですが、今年も小木ゼミは、経営学部ゼミ紹介のコーナーにて8月1日にアテンドさせていただきます。
ゼミ紹介の内容は、「企業とのコラボ企画~お菓子の新商品開発、Web国分寺物語、TFTランチ企画~」です。関心のある、高校生諸君は、8月1日に来てください(それ以外のオープンキャンパスの日もね)!



 今年の夏も、東経大オープンキャンパスで決まり!


 多くのご来訪、心よりお待ち申し上げます。

   
                            文責:小木紀親