2021年1月18日月曜日

フランス発外資の巨人再び幕張に

 流通マーケティング学科の丸谷です。41回目の執筆です。私はグローバル・マーケティング論(簡単にいうと海外でどのようにマーケティングを行なっていくのか)を専門分野にしているので、海外に出張に行くことが多く、このブログでも米国、インド、中国、チリ、ペルー、ブラジル、ケニア、ガーナの出張の模様を取り上げてきました。  
 海外出張では小売業者の店舗調査を行うためにショッピングモールをよく訪れます。そんな時に日本ではあまり見かけないけれど海外では頻繁に見かける店舗として「デカトロン」について取り上げ、最後に関東初出店をしたという情報を紹介しました。情報を紹介しておきながらコロナ禍で遠方への取材は自粛していたこともあり、約半年間現地取材に行けていなかったのです。しかし、ようやく現地取材に行けるようになったので取材した内容の一部を紹介します(なお、今回の現地取材は2020年10月に行っています)。
デカトロン関東1号店周辺の地図
 デカトロン関東1号店は「イオン幕張店」が入るショッピングモール内にあります。イオンの幕張といえば、「イオンモール幕張新都心グランドモール」が日本有数の小売業者総本山としてあまりにも有名であり、私が1年生対象として担当する「流通マーケティング入門」でも日本を代表するショッピングモールとして取り上げているほどです。ちなみに、イオングループの本社は海浜幕張駅の目の前にあり、本社近くの大規模モールということでイオングループの新たな試みの多くがこのモールを使ってなされてきたようです。
デカトロン関東一号店が入居するイオン幕張店外観
 イオン幕張店は「イオン幕張新都市店」に併設する巨大モールの近くに立地し、今や地味な存在に見えますが、私はかつてここを取材したことがあります。イオン幕張店は2000年にフランス出身の巨大小売業者として鳴り物入りで出店したカルフール日本1号店の跡地にイオンが出店した店舗なのです。
 カルフールは私が研究してきた世界最大の小売業者ウォルマートの長年のライバルであり、ウォルマートが西友を買収し参入したのと近い時期に、コストコなどともに参入した世界の小売業界の巨人です。フランス発の世界的スポーツ専門店デカトロンはなんと同じフランス出身小売の巨人が日本1号店を出店したモールに関東1号店を出店していたのです。
 私も情報を確認していてデカトロンの出店場所が「イオン幕張新都市店」が入るモールではない近くのモールであることは理解していたのですが、カルフール日本1号店の跡地であることに気が付いていませんでした。思い込みとは怖いもので改めて現地取材の大切さを感じると同時に、自粛中に鈍ってしまっている部分がだいぶあると感じた瞬間でした。
 
カルフール時代からあるスロープ

デカトロン1号店はイオン幕張店が入るモールの1階部分の大部分を占有していました。

1階の大部分を占有しているがわかる店内図


デカトロン関東一号店レイアウト

平日の昼間ということもあり店内はすいており、多く配置されている店員の皆さんはウインターシーズンに向けての準備や多く配置された体験ゾーンのメンテナンスを行いつつも、ゆったりと店内で歓談する姿が多くみられました。何人かに話しかけてみると明るくフレンドリーであり、雰囲気はアップルストアと少し似ている感じました。

体験するスペースが充実

しばらく観察しているとファミリー層が多い立地ということもあり、小さな子供が店内に置かれたキャンプのテントに入る姿や、最近はやりの子供用のキックボードを店内で試す姿が散見されました。店員さんによるとイベントもようやく行えるようになってきたそうで、「こんなイベントがあるんで」とチラシとともに紹介されました。

頂いたイベントのチラシ

店から直接つながる屋外スペースでも週末などにはでられるとのことで、かなり巨大な店舗をゆったりと使っているようでした。

日本への対応がかなと考えられる野球のティーバッティング体験などもあり、試行錯誤しながら日本市場を学習している状況が垣間見えて興味深かったです。

(文責:流通マーケティング学科教授 丸谷雄一郎)


2020年12月14日月曜日

クリスマスなんてなければ♪いつも通~りの~♪(小木ゼミ通信vol.42 経営学部ゼミ研究報告会、ゼミ活動報告など)

 マーケティング論、ソーシャルマーケティング論、消費者問題担当の小木です。 42回目のブログになります。 前回(10月)は「鬼滅の刃」ネタから入りましたが、煉獄を300億円の男にするとの掛け声よろしく、12月14日リリースでは302億円の興行収入を突破した模様です。よもやよもやだ。歴代1位の「千と千尋の神隠し」(308億円)を年内中に抜くのが、いよいよ現実味を帯びてきました。

 さて、ハッと気づけば、年の瀬が近づいてきました。私の家の前の百貨店では大きなツリーが建てられており、街はクリスマスモードに突入ですが、今年のこの環境下では少し盛り上がりに欠けそうです。
 
 いつもこの時期になると、クリスマスソングをかけながらの仕事になりますが、いつも定番の曲ばかりなので、なんか新しい良い曲はないのかなと、ここ数年ずっと思っておりました。しかし、きました、ついにきました。セカオワの『silent』を聞いて、ビビッときました。いまエンドレスで『silent』かけながらのBlog書きですが、本当にとっても良い曲。。。「聖なる旋律は雪にと~けて♪」これは定番のクリスマスソングになりそう。

  本日のラインナップは次の感じです。
 1.経営学部ゼミ研究報告会 
 2.小木ゼミの活動報告
  などなどです。

  1.経営学部 ゼミ研究報告会
 
 12月12日㈯午後に経営学部ゼミ研究報告会がZoomで開催されました。今年は経営学部の17ゼミから54もの研究報告が8会場で発表されました。
 私は第1会場を管理担当していましたが、研究報告会では初めてのZoomによる発表にもかかわらず、各ゼミの皆さんは本当に上手に発表していました(司会等もとても良かったと思います)。これから就職活動もリモートを使った面談があるはずなので、Zoomなどの遠隔ソフトを活用できることが強みになるかもしれません。特に、1年生の皆さんは今年は遠隔授業ばかりだったので、このあたりのスキルはぐーんと上がっているのでないでしょうか。
  全体として研究発表の内容もとても良かったですし(小木ゼミ生の発表も良かった)、なんといっても例年に比べて参加者が多かったことが良かったかもしれません。もちろん対面での研究発表はそれはそれでいいのですが、リモートによる発表もメリットは大きかったようです。
 同日には、経済学部や全学共通教育センターのゼミの研究報告会も開催されていたので、なんか大学が久々に賑わっていた感じで嬉しかったです。懇親会がなかったことだけが残念でした。


   2.小木ゼミの活動報告 
  
 ①.西武信金主催の知的財産を活用したアイディアコンテストの決勝戦
 12月12日㈯午後に、ゼミ研究報告会と並行して開催されたのが、西武信金主催の知的財産を活用したアイディアコンテストの決勝戦です。こちらにも、小木ゼミは出場しました。上記、ゼミ研究発表と被っているゼミ学生が2名おり、彼らは行ったり来たりで大変そうでしたが、無事に両方に参加することができました。残念ながら、最優秀賞、優秀賞を獲得することはできませんでしたが、良い経験になったと思います。ゼミからは初めての参加でしたが、後輩にバトンタッチしていってほしいと思っています。私も複数のPCを使って参加したのですが、とても勉強になりました。もう少ししっかりと指導してあげれば良かったなと反省しております。

 ②.多摩大学アクティブラーニング祭への招待ゼミとしての参加
 12月12日㈯午前に、3年連続で、多摩大学のアクティブラーニング祭への招待ゼミとして、ゼミの企業とのコラボ活動の発表を行いました。こちらも、我々小木ゼミはZoomでの参加でしたが、現地会場はたくさんの来場者がいたようです。
 今年はコロナの影響であまりコラボ活動がしっかりできなかったのですが、活動した部分をしっかり報告してきました。

 ③.「国分寺物語」活動報告及びニッポニアニッポン代表による講演(オープンゼミ)
 12月16日㈬10:40~は、Zoom開催による「国分寺物語」活動報告及びニッポニアニッポン代表による講演会が開催されます。当日は、オープンゼミにもなっていますので、特に1年生の皆さんは見に来てください。講演会後~お昼休みに、ゼミ生と1年生との懇談会もあります。


2020年11月23日月曜日

東経大生にもお馴染みイケア、立川に続き原宿での新たな取り組み

 流通マーケティング学科の丸谷です。第40回目の執筆です。私はグローバル・マーケティング論(簡単にいうと海外でどのようにマーケティングを行なっていくのか)を専門分野にしているので、現地調査で頻繁に海外を訪問します。このブログでもこれまでも海外調査で訪問した企業に関する新たな試みについて取り上げてきました。私はスウェーデンのエルムフルトに訪れて現地調査をして以来、機会を見て米国、中国、ドミニカ共和国の店舗を訪問し、日本でも立川、船橋、福岡の店舗を訪れてきました。今回は今年6月に開店し話題となっているスウェーデン初の家具店イケアの都市型店舗原宿店にようやく訪問できたので取り上げます。

イケア原宿店外観

イケア原宿店はJR原宿駅の目の前に開業した複合商業施設「ウィズ ハラジュク」内に立地しています。従来のイケアはスウェーデンの国旗をイメージさせる黄色と青のカラーの外観が象徴的でしたが、原宿店は都市型店ということもあり、従来のイメージを覆すガラス張りの外観であり、外観で遠くから見ても分かりやすくし、スウェーデン発雰囲気をある意味安易に打ち出す従来のCOO(原産国)効果を狙ったやり方を改善しようという取り組みがあらわれていました。ちなみに、原産国効果を狙った分かりやすい例としては、日本発を打ち出すためにカタカナを用いた赤白で構成されているユニクロのロゴがあげられます。

皆さんイケアという企業についてどのようなイメージでしょうか?北欧発のデザインがお洒落な郊外立地の家具の大型店舗という感じではないでしょうか?


 イケアはセルフ組み立て方式の北欧テイストの家具を販売するというコンセプトのお店を世界50か国以上に展開しています。日本にも北は仙台、南は福岡まで9店舗の大型店舗、1店舗のB2B対象店舗、札幌と岡山に2か所の商品受け取りセンターがあります。図表は私も分担執筆した書籍(佐々木保幸、鳥羽達郎編著『欧州小売企業の国際展開』、中央経済社、2019年)より抜粋したものです。



図表からもわかるように、イケアは大型店舗をロードサイドと呼ばれる都市郊外を中心に出店してきました。しかし、同社日本7号店に当たる東京経済大学に近い立川店ではこれまでとはかなり異なるチャレンジをしています。ここの店舗の特徴は従来の郊外型の店舗とは少し異なるターゲットを取り込もうとした点です。立川店は近隣に団地やマンションが多い駅チカ立地ということもあり、セルフ組み立て方式の前提となってきた自動車での持ち帰りを重視しないやり方を提案したことで開店時は注目を集めました。上記図表をよく見ると、その後に出店した大型店舗を含めても全て駐車場は無料であり、自動車利用を前提としているのに対して、台数は一定数確保しているものの、立川店の駐車場は有料です。

イケア立川店(組み立てサービスや配送サービスを重視)

ちなみに、イケア立川店の周辺は再開発がさらに進み、20204月にはグリーンスプリングス(GREEN SPRINGS)という公園、劇場、ホテル、オフィスなどを有する大型複合施設がコロナ禍で開業し、20206月には最上階インフィニティプールが話題のソラノホテルも開業しました。地方から東京に上京される学生も当然ターゲットになっており、学生さんの中もイケアで家具を購入される方もいらっしゃいます。イケアの店内では今や名物となっている安価なスウェーデン料理も提供されているので訪れてみるといいかもしれません。

イケア原宿店は日本では初めての都市型店です。イケアは201810月にロンドン、20194月にニューヨークに都市型店を出店済みであり、東京での取り組みもこの流れの中にあります。出店の背景にはこのブログでもたびたび取り上げている都市部でのネット小売普及があり、従来の郊外型大型店舗中心の出店からの転換があります。

オンラインをアピールする店内POP

 イケア原宿店もネットとの融合に向けた取り組みが工夫されていました。その1つが専用のアプリを使って商品タグのQRコードを読み取るとAR技術によって再現された家具が現れる仕組みです。実際にソフトをダウンロードしやってみました。機動性にやや難は感じましたが、1つの試みとしては面白いなと感じました。

 

イケア原宿専用アプリ


イケア原宿アプリを体感

 イケアの特徴である提案型の陳列も1階には「眠る」「整える」、2階には「くつろぐ」「料理する」というように区分され、今回のコンセプトである都市型店舗らしさに基づいていました。

イケアの提案型陳列

 イケアのスウェーデン料理を出す店内レストランは立川店のところでも紹介しましたが、都市型店舗ならでは工夫がなされ、1階の入口付近では北欧イメージが強いシナモンロールなど軽食を出すカフェとスウェーデンをイメージできる食も購入できる「スウェーデンコンビニ」を、2階の店内奥では従来のスウェーデン料理を出すカフェテリアが小規模に展開されていました。

スウェーデン名物シナモンロールセットと乳脂肪分なしのアイス

今月末には2019年10月31日に日本から撤退した「Forever21」の旗艦店の跡地に、都心出店2号店として今度は7フロア1455坪の大型店舗を出店するそうである。合わせて訪ねてみるのも面白いかもしれない。

(文責:流通マーケティング学科 教授 丸谷雄一郎)



2020年10月26日月曜日

マンガ・アニメで地域活性化(小木ゼミ通信 vol.41 日経円ダービー表彰、企業コラボ進捗状況、その他)

 マーケティング論、ソーシャルマーケティング論を担当しています、小木です。41回目の投稿です。


 マンガ・アニメで地域活性化

 日本のマンガ・アニメが文化(サブカルチャー)として捉えられ、国内外で大いに盛り上がりを見せていることは周知の事実です。マーケティングの観点からみると、『鬼滅の刃』などはとてつもなく上手な売り方をしています。もちろん、原作のパワーがあってなせる業なのでしょうが、潔い完結の仕方(今から読んでも到達できるくらいの絶妙なボリューム)、最終話の際の原画コピー付き(有料)の販売、単行本初回限定販売の際にキャラクターグッズ付きの販売、テーマソング・挿入歌・声優による盛り上げ方、劇場版への切り替えによるここ数年の公開、子ども・大人問わずファンにさせる戦略など、まさにマーケティングの髄を施したものになっています。10月26日の速報によりますと、劇場版『鬼滅の刃』の興行収入は、公開から10日間で107億円突破で、観客動員数も790万という歴代の日本映画史上最速を記録したとか。まだまだ公開されたばかりなので、どこまで記録を延ばすか楽しみです。ちなみに、歴代興業収入1位は『千と千尋の神隠し』で308億円(100億円突破が25日間)、2位以下は『君の名は。』(興行収入250億円、100億突破28日間)、『ハリーポッター賢者の石』(興行収入203億円、100億突破28日間)となっています。鬼滅の刃劇場版「無限列車編」は単行本7巻あたりですので、ピークはまだまだ先であって、今後おそろしい興行収入になるかもしれません。

 拙著『マーケティングEYE【第5版】』(小木紀親、中部経済新聞社、2020年)でも「マンガ市場にみるマーケティング戦略」を書いてあるので、ご覧ください。

 さて、そんなマンガ・アニメですが地域活性化と非常に強い結びつきを持っています。現在、外国との往来は滞っていますが、アニメのゆかりの地(聖地)と呼ばれる場所は、どこもかしこも国内外のファンで盛況でした。たとえば、『君の名は。』(飛騨市、高山市)、『聲の形』(大垣市)、『スラムダンク』(鎌倉市)など枚挙に暇がありません。

 ちなみに、アニメやマンガのゆかりのある地を訪れることを「聖地巡礼」と呼び、それを核に地域活性化を狙った動きも出ています。最近訪問したところで言えば、春場ねぎ作『五等分の花嫁』(愛知県・東海市)の聖地がありましたが、娘に「五等分の花嫁、パパ知らないの」と言われたので、悔しくなって訪問してみました。まだ盛り上がりに欠けますが、太田川駅前から日本福祉大学にかけての地域がマンガに描かれており、もし東経大もマンガ・アニメなどの舞台になっていたら、聖地巡礼などで大いに盛り上がるだろうから、何か良い手はないものかとしばし考え込んでしまいました(ウチのゼミOBの妹さんがマンガ作家の卵なので連載になったら東経大を書いてもらおうと思っています)。


 また、新潟市はマンガ作家(『翔んで埼玉』の魔夜峰央、『うる星やつら』『犬夜叉』の高橋留美子、『DEATH NOTE』の小畑健など)を多く輩出しているとして、新潟市上げてのマンガによる地域活性化(聖地巡礼)を狙っています。


 このあたりは、前述の著書にまとめてありますので見てほしいです。


 小木ゼミの動向

国分寺物語

講演会を開催すべく検討中です。こくぶんじ写真コンクールの審査員・国分寺物語賞の表彰式参加が決まりました。その他、InstagramやFacebookでの配信を行っています。


TFT

12月TFTメニューが生協で販売される予定です(詳細はまた別途いたします)。おうちでTFTなど、コロナ禍でも活動しています。


日経円ダービーの表彰

日経円ダービーは総合で5位となり、表彰状をいただきました。ありがとうございます。




ゼミ紹介・オープンゼミ

アカデミックコンパス内で10月28日分(1月13日まで配信)として、小木ゼミが紹介されています。webオープンゼミのお知らせもしていますので、1年生のみなさんは合わせてごらんください。


多摩大学AL祭り参加・ゼミ研究発表に参加

12月12日㈯、両方ともWebオンラインで多摩大学AL祭りとゼミ研究発表会で、それぞれ企業コラボ、個人研究を発表します。


知財活用スチューデントアワード2020年度本選出場

学内選考を経て、小木ゼミの1チームが本選に出場することになりました。こちらも頑張ってほしいものです。


 といったように、何だかんだで、ゼミは忙しく動いております。ゼミ生の皆さん、お疲れ様です。このまま2020年度も駆け抜けましょう。「全集中 小木の呼吸 拾の型 希望!」って感じで。








2020年9月28日月曜日

西アフリカの資源輸出大国ガーナを訪れて

流通マーケティング学科の丸谷です。39回目の執筆です。私はグローバル・マーケティング論(簡単にいうと海外でどのようにマーケティングを行なっていくのか)を専門分野にしているので、海外調査に頻繁に訪問します。このブログでもこれまでも海外調査で訪問した国について取り上げました。今回は20202月から3月にかけて訪れたガーナについて取り上げます(622日プログでも若干ふれています)。

 皆さんガーナといえばどのようなイメージでしょうか?多くの方がイメージするのはチョコレートではないでしょうか?ロッテのガーナチョコレートは非常に有名であり、私も実際最初のイメージはそうでした。実際ガーナにとってチョコレートの原材料であるカカオの重要性は高く、詳細は、ロッテHPhttps://www.lotte.co.jp/products/brand/ghana/kodawari/material/)に譲りますが、ガーナではチョコレートの主な原材料である高品質のカカオが取れることは事実です。

 

   ロッテガーナチョコレート

 1960年代にはガーナのカカオ生産は世界最大でした。現在でもGDPの約2割、雇用の約半数を占める農業において主要作物ではありますが、1957年の独立当初、資金不足であった政府はカカオ産業を統括し、生産者からの買い上げ価格を低く抑えすぎていたために、カカオ豆密輸出が横行し、ガーナ産カカオ豆の生産量減少を招いてしまいました。近年になり構造調整によって民営化をすることによって回復しつつある状況ですが、かつての繁栄はありません。                                      

 現在ガーナの輸出を現在支えるのは鉱物と原油生産である。最大の輸出品目は南アフリカに次ぐ第2位の金です。ガーナの金鉱は南アの金鉱に比べて露天掘りであることもあり採掘掘コストが安価であり国際競争力が強力です。今回現地調査で訪れた内陸のクマシ近くの都市オブアシには世界第9の金山があります。金の交易を中心に内陸で栄えたアシャンティ王国は19世紀末から20世紀初頭の数次にわたり当時植民地化を進めていたイギリスと激戦を繰り広げました。そして、1901年にイギリスの植民地となった際にも 黄金海外を意味する 英領ゴールドコーストという名前となりました。


 


原油生産は2007年に発見されたギニア湾の油田が2010年から本格的に商業生産が開始され、Jubilee 油田、T.E.N.Tweneboa,Enyenra and Ntomm)油田に加えて、20185月にはSankofa Gye Nyame 油田の採掘が開始され、現在3つの油田で採掘がなされており、石油依存度が高まっています。

んな西アフリカの資源輸出大国ガーナですが、かつて金と並んで輸出していたのが奴隷でした。アシャンティ王国は、自分たちと他の部族の黒人を捕まえて、白人たちに売り利益をあげていたのです。今回白人を海外へ送り出す拠点となった場所を訪れることができました。

奴隷貿易の拠点となった場所は、ヴォルタ州、グレーター・アクラ州、セントラル州、ウェスタン州の城塞群として世界遺産となっています。今回訪れたのはケープコースト城とエルミナ城でした。

ケープコースト城は当初は金や木材の輸出拠点でしたが、18世紀頃には英国がアシャンティ王国から買い入れた奴隷を世界に送り出す拠点となりました。奴隷として待機させられていた黒人たちがいた牢屋は劣悪であるのに対して、城砦を管理する英国人側の居住場所は風通しもよくその眺めも素晴らしく、コントラスは衝撃でした。

奴隷として世界へ送り出す城砦からの出口
風通しのよい居住場所

              活気のある城砦前の現状

エルミナ城も奴隷拠点となりましたが、こちらは大航海時代に繁栄を誇ったポルトガルの拠点となった場所で、サハラ砂漠より南のアフリカ(サブサハラアフリカという呼ぶ)で最古の欧州建築で、欧州による最初のギニア湾の拠点として有名です。このブログでもブラジルに関して取り上げた際に、ポルトガルの三角貿易については取り上げていますが、三角貿易について改めて考えさせられました。

               エルミナ城の外観

コロナ禍での渡航制限が厳しくなる直前でいくつかアポイントがキャンセルになることもありましたが、アフリカとラテンアメリカとの関係を振り返る意味でも貴重な機会となりました。西アフリカは遠いですが、コロナ禍が終わり再び自由な往来ができる日には機会があればぜひ訪れて欲しい場所です。

               (文責 流通マーケティング学科教授 丸谷雄一郎)

2020年8月30日日曜日

日経円ダービー 総合順位は全国5位(小木ゼミ通信vol.40)

 マーケティング論、ソーシャルマーケティング論、消費者問題を担当しています小木です。今回で40回目の投稿となりました。

 2020年 私の夏休み


 2020年の夏休みは、東京オリンピックに興じて、旅行や出張にも行って、夏休みを有効に使おう、と数か月前までは考えていましたが、すべて中止。今年の夏はしんどい夏となりました。コロナと暑さのWパンチで、家に籠り、後期の授業準備、教務、学会の仕事などをしていたら、夏休みがほぼなくなりました。

 昨日は、同時刻に、学会の理事会や全国大会開催準備の会議と、娘の某大会が重なり、2台のPCで両方ともZoomで参加・視聴という、まあなんとも行儀の悪い所業をやってのけました。娘はなんと優勝グランプリを獲得!そこからは、(自分の中では)理事会どころではなくなりました。学会のZoomのカメラオフを頻繁に繰り返しながら表彰式をじっくりと視聴していたら、ふと「こんな風に、何かをしながらZoom授業を聴いている学生は結構多いかも」と思い、妙に納得してしまいました(そうではないと思いますが)。

 また、今年の本学のオープンキャンパスは、昨年までとは異なってWebオープンキャンパスとなり、動画配信による各学部長のあいさつや各学部の先生による模擬講義と、Zoomによる相談会となりました。毎年、暑い中、校内は盛り上がりを見せていましたが、今年は一味違ったオープンキャンパスとなったようです。

 しかしながら、多くの高校生の皆さんが参加していただいたようで、ありがたい限りです。受験生の皆さんは、体調管理を万全にして受験頑張って下さい。 

 と、まあ、ここ数カ月で、明らかに従前の仕事や生活の様式が変化してきたことを、ひしひしと感じている次第です。


 円ダービーは総合全国5位!


 さて、小木ゼミの活動ですが、夏休みで充電期間とはいえ、夏合宿もなくなったため、ゼミ生はZoomを使って後期のスタートダッシュをすべく、頑張っている模様です。

 8月29日㈯の日本経済新聞に日経円ダービーの総合結果が掲載されました。小木ゼミの1チームが全国5位となりました。表彰状もいただけるようで、ゼミ生には素直におめでとうと言いたいです。特に、7月末の急激な円高を、6月末に予想するのは至難の業でしたが、よく頑張りました。

 後期は対面式授業も混ぜていく予定です。ゼミ生の皆さん頑張っていきましょう!

 

円ダービーの記事
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63009850V20C20A8PPD000/

2020年8月24日月曜日

コロナ禍で日本でも普及するかBOPIS

流通マーケティング学科の丸谷です。38回目の執筆です。私はグローバル・マーケティング論(簡単にいうと海外でどのようにマーケティングを行なっていくのか)を専門分野にしているので、現地調査で頻繁に海外を訪問します。このブログでもこれまでも海外調査で訪問した国で普及する新たなサービスについて取り上げてきました。今回は数年前に米国で普及し始めたBOPISというサービスがコロナ禍で普及し始めたそうなのでとりあげてみます。


皆さんBOPISという言葉を知っていますか?


BOPISとはBuy Online Pick-up In Store(オンラインで注文し店舗で受け取る)ことです。お客さんは事前にスマホなどでイオンのオンラインサイトで食品などの商品を注文し、店員さんが店頭商品も含む在庫から注文された商品をピックアップし、店舗の駐車場の指定の場所まですべての商品をパッキングし、指定時間に持ってきてくれ車に積んでもらえます。

顧客側のメリットは配送なら一定料金以下ならかかる送料がかからないこと、いつ来るかわからない商品を自宅で待たなくていいこと、事前に決済まで終わりパッキングもしてくれるので車から降りず買い物ができることに加えて、コロナ禍という条件付きではありますが、入店しなくていいので感染リスクも低いことです。

私が長年研究対象とする日本では西友を展開する世界最大の小売業者ウォルマートでは、コロナ禍とは関係なく、2010年代半ばから都市部から郊外へ攻め込むアマゾンへの対抗策として普及し始め、既に米国店舗ではかなり浸透していました。海外の店舗への導入も進み、私が2018年に取材したアルゼンチンの首都ブエノスアイレスの店舗でも既に受け取り専用レーンが一部店舗に導入されているのを確認しました。

アルゼンチンのBOPIS対応店舗

私はネット小売の普及に関して国内取材も続け、このブログでも2019129日に「福岡でスマートレジカートを実用化した店舗」を取材した内容を取り上げています。BOPISに関しても、私はコロナ禍直前の20202月初めに既に先行導入が開始されていた三重県の津市にあるイオンモール津南に取材に行っていました(導入したのは2019年11月)。

イオンモール津南のイオンスタイルに導入されたBOPIS用設備はそれなりに立派でしたが、取材した際には開店休業状態で、設備はつくってみたものの、利用はなされていないようでした。店員さんにインタビューしてみても「利用は週末に少しされているが・・・」という寂しい感じの回答で、取材にはつきものなのですが、「時間かけていってのに・・・」という感じでした。

            イオンモール津南BOPIS専用受け取り窓口

           イオンモール津南のBOPIS専用受け取りレーン

コロナ禍となり、イオンが細々と実験的に導入していたBOPISに急激が集まり始めています。コロナ禍でイオンが運営するネットスーパーの売上は3-7月に2割増加したことがきっかけでした。これまで食品のネット販売はあまり普及していませんでしたが、イオンもネット販売の利便性を知った顧客への対応を積極的に行う方向に一気に舵を切りました。BOPISの普及もこうした動きの一つであり、730日からは関東のイオン柏店でもBOPISが開始されたと経済ニュースなどでも大々的にとりあげられました。

イオン柏店ではまだイオン津南店のような専用レーンは設置されていないようですが(コロナ禍でなければすぐに取材に行くのですが直接見れていませんが)、イオンリテールも施設整備を積極的に行っていくことを検討しているようです。

こうした動きが進めばネット注文した商品を店頭でも受け取ることもできるという従来のレベルの対応から、ネットと店舗の継ぎ目がないシームレスな対応という一歩進んだレベルへネット対応が進む可能性が高まり、対応レベルが上がれば当然利用も促進されていくでしょう。

コロナ禍で都心部ではウーバーイーツが一気に普及し、東京経済大学の周りにもあの特徴的なかばんを担いだ自転車が多く走り回るようになりましたが、郊外のショッピングモールの風景も大きく変わるかもしれません。

                    (文責:流通マーケティング学科 丸谷雄一郎)