2019年8月14日水曜日

夏休みをどう過ごせばよいのか?:大学での学習を効果的にするための夏休みの過ごし方

 経営組織論・ケース分析などの講義を担当している山口です。
 定期試験が終わって約2週間たち、夏休みも残り1か月ほどとなりました。
 大学教員にとっての夏休みは、ひたすら「自分の能力向上」に取り組む時期です。論文を書いたり、自分の研究にとって最適な研究の方法論について考え直したり、学会や研究会に参加したりして、少しでも自分の研究能力が向上するように努力しています。
 授業期間中に、講義やゼミなどで「他者(学生)の能力向上」に関わる以上、自分がより成長し、能力を向上させておく必要があるからです。

 では、大学生にとっての理想的な夏休みの過ごし方は、どのようなものでしょうか?
 もちろん、最近の大学生は忙しく、資格試験の勉強に集中的に取り組んだり、アルバイトをしたり、夏休みにしなければならないことが多々あるのは承知しています。しかし、大学教員としては、大学生には、夏休みを「1期にインプットしたことを定着させ、2期の研究のアウトプットのための土台を作る『橋渡し』の時期」として、ぜひ活用してほしいのです。

 あえてこのようなことをいう理由は、大学生、特にゼミに入っている学生にとって、2期は「知識のインプット」中心の学習から、「知識のアウトプット」中心の学習へと切り替えなければならない、一番大変かつ重要な時期だからです。
 例えば、2~3年生は、12月に行なわれる経営学部ゼミ合同報告会や他大学との合同ゼミに向けて、研究報告のプレゼンを作ったり、その内容をゼミ論文にまとめたりしなければなりません。レポートなどをまとめて各種のコンテストに応募するゼミもあります。4年生の中には、1月の締め切りに向けて、研究論文(卒論)を書く人もいるでしょう。

他大学との合同ゼミ報告会で、報告後に他のゼミの先生からコメントをいただき、議論するゼミ生
(報告をまとめるだけでなく、質疑応答にも、高い「論理的思考力」が必要になります)

 このような、2期における「知識のインプットからアウトプットへの切り替え」をスムーズに行えるようにするには、夏休みに何をしておけばよいでしょうか?

 私のおすすめは、「1日3問ずつ、論理的思考力を鍛えるドリルを解いてみること」です。具体的には、野矢茂樹著『論理トレーニング101題』(産業図書)をおすすめします。

 これを勧める理由は3つあります。
(1)研究に必要な「文章を読む力・書く力」の維持・向上
 上記で紹介した野矢先生の本の最初にもあるように、「論理の力とは、思考を表現する力、あるいは表現された思考をきちんと読み解く力」です。プレゼンや論文作成には、文章を正確に読んだり書いたりすることが不可欠なので、論理的思考力を夏休みにつけておけばスムーズに2期の学習が始められます。

(2)問題の答えをノートに書くことによる「アウトプット」の練習
 一般的には、独学は、1人で本を読むなど「インプット中心の勉強」になりがちです。しかし、ドリルだったら、問題の答えを書き出すことにより、インプットだけでなく、アウトプットの練習もできます。まずは短い語句・文章でいいので、アウトプットの練習をしておくと、2期にアウトプット中心の学習が始まったときに、対応しやすくなるでしょう。

(3)短時間でも毎日継続して学習に取り組む習慣をつける
 ゼミ論文は、1万字以上など、結構な分量があるので、「明日まとめて書こう」と思っても書けません。毎日少しずつでも取り組むことが重要です。このドリルは101問あるので、1日で全問解くことは困難ですが、1日3問ずつやれば、1回あたり30分もかからないでしょう。例えば、朝起きたら、まず3問解く。これを夏休みの間継続し、毎日少しずつ学習する習慣をつけておくことで、2期の論文やプレゼン作成が計画的に行えるようになるでしょう。
ついでに言うと、仕事で忙しくなる就職後も、語学や仕事に必要な資格の勉強などを続けるのに、こうした習慣をつけておくことは非常に重要です

 大学生の夏休み、いろいろしたいことがあって忙しいとは思いますが、朝の30分、1日3問だけ、論理トレーニングを一緒に続けてみませんか?

文献情報
野矢茂樹(2001)『論理トレーニング101題』産業図書.(定価2000円+税)

(文責:東京経済大学経営学部准教授 山口みどり)

2019年8月4日日曜日

オープンキャンパス便りなど(小木ゼミ通信 vol.33 国分寺物語、TFTランチ、日経円ダービー結果など)

マーケティング論、ソーシャルマーケティング論担当の小木です。
今回で33回目の投稿となります。


7月後半は採点・成績評価で大変でした。
8月に入れば、好きなことができると思いきや、この猛暑!もはや暑いを通り越して危険を感じる域です。これで、来年、オリンピックできるの?と思うわけですが、先日ニュースをみていたら、主催者側が実際のマラソンコースを来年のスタート同時刻に合わせて廻ってみたようです。結果、早朝にもかかわらず平均気温も30℃とのこと。選手は本当に大丈夫なのでしょうか。スタート時刻を思い切って、AM4:00くらいにした方がいいのではないかと本気で思ってしまいます。

そういえば、8月と言えば、オープンキャンパスです!


本学も8月1日・2日にオープンキャンパスが行われ、昨年同様、盛況でした!

8月24日(土)、25日(日)にも、オープンキャンパスが開催されますので、ぜひご来場下さい。詳しくは、本学オープンキャンパス(https://www.tku.ac.jp/opencampus/)をご覧ください。

ちなみに、8月24日(土)は、私も参加します!同24日には、小木ゼミのゼミ活動発表も12:30~13:10/E305(5号館3階)にて行わせていただきます。興味のある方は、ぜひお立ち寄りください。タイトルは、「企業とのコラボ企画~こんなお菓子あったらいいなプロジェクト、Web国分寺物語、TFT健康ランチ企画~」です!


6月・7月は、特に2年生が個人研究に四苦八苦しておりましたが、頑張って乗り切りました。成長著しいです。次は、夏合宿です。

以下は、今後の小木ゼミの活動予定です。


①国分寺物語
* 9月4日(水) 国分寺第2中学でレクチャー予定です
*11月1日~3日 葵祭にて、こくべじを販売する模擬店を出店いたします
*12月4日(水) 国分寺市との共催でコラボでサロン&国分寺物語シンポジウムを国分寺駅ビルホールで開催します!詳細は次回にお知らせいたします。


②TFT健康ランチ
*7月のTFT健康ランチの販売が終了いたしました!みなさまのおかげをもちまして、過去最高の売り上げを更新しました!1859食の売上です。37180円をTFTを通じて、アフリカの子どもたちの給食に寄付させていただきます。ありがとうございました。次回のTFT健康ランチは、12月を予定しています。すでに、試食会の準備は着々と進んでいる模様です。TFT健康ランチの取り組みは、過去の小木ゼミ通信をご覧ください。


③こんなお菓子あったらいいなプロジェクト
*夏休み期間中に、お菓子新商品の考案をゼミ生各自行います。社長プレゼンは、来年の2・3月になります。


④日経円ダービーの結果
日本経済新聞社主催の学生対抗円ダービーの6月末予想が発表され、小木ゼミが全国3位となりました!1年生のフレセミ(小木担当クラス)でも参加したのですが、そこの1チームも全国5位にランクイン!日経新聞からも取材を受ける展開に!詳しくは、こちら(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47129970Z00C19A7000000/)をご覧ください。



2019年 日経円ダービーの結果(第1回目)全国3位と5位に東経大(小木ゼミ)ランクイン!


⑤その他
* 8月24日(土) オープンキャンパス内にて小木ゼミの取り組みを発表します。
* 9月前半は、草津でゼミ合宿です。
*12月14日(土) 経営学部ゼミ発表会及び多摩大学AL祭りにて研究発表します。




2019年7月22日月曜日

ファイナンスコースのお知らせ


来年度入学者より、ファイナンスコース開設!

 

 

 

 

 

 

 

8月2日(金)オープンキャンパスで体験授業!

今年度初登場の経営学部の吉田靖です。
さて、20204月以降の経営学部入学者を対象に新たにファイナンスコースが開設されます。
このコースは、下図のように、法律分野、会計分野、経済学分野、情報・データサイエンス分野をバランスよく学べるのが特徴です。これらの複数の分野を学ぶことにより、進歩が著しいファイナンス分野で活躍できる卒業生の輩出を目指します。


また、ファイナンスコースの開設を記念して、本学にて開催のオープンキャンパスのうち8月2日(金)に、「ファイナンスを学んで拡げるあなたの未来」というタイトルで、体験授業を私の担当により実施しますので、是非おいで下さい!



       ファイナンスというと、まず経済学や金融の授業が思い浮かぶかもしれませんが、これらの知識だけでは実務では全く十分ではありません。この分野で資格を取ったり、何か新しいことを始めたりするには、法律の知識が必要不可欠です。そして、企業を分析するには、財務データを理解するために会計の知識も必要です。さらに分析に進むには、統計学などに基づくデータサイエンスを学ぶ必要があります。
入学後、これらの分野を効率よく学ぶために以下のようなカリキュラムになっています。その他に沢山の授業科目がありますが、ここには例としてごく一部の代表的な科目を掲載しています。これらを第1年次の入門的科目から、その後の専門的科目まで順に学べるカリキュラムになっています。
 
  
それに加え、本学では、知識のみならず、実践的な勉強ができるよう、図書館に充実したデーターベースを用意し、第1年次の少人数の演習形式の授業から、第2年次以降のゼミ、第4年次の卒業研究まで、データーベースを活用して、最新のデータによる分析が可能になっています。このデータベースを使えば、例えば日本の全上場企業の直近の決算データや今日までの株価データを僅かな操作で、PCにダウンロードして、統計分析を行うことが可能になっています。

ファイナンスは抽象的な理論を勉強するだけでなく、実際の沢山のデータによる検証を行うことが可能な学問です。講義形式の授業で理論を学ぶだけでは本当に使える実力はつきません。入学した学生の皆さんがデータベースを使いこなせるような環境にすることを我々は非常に重視しています。

最近では企業の財務データや経済指標だけではなく、文書データや画像データも対象とするなど、さまざまな発展が期待されています。皆さんのアイディアをチャレンジする環境が整っています。
さらに、ファイナンスと情報テクノロジーが融合したフィンテック急速に実社会に浸透しています。そのため、これらに対応できる人材が求められています。対応できない人の仕事は人工知能に取って代わられるなど、明らかな差がますます拡がりつつあります。以上のように、ファイナンスコースでは、多学識豊かな教授陣が彩な授業科目で皆さんの未来を拡げるお手伝いができるよう準備し、入学をお待ちしています。

2019年7月9日火曜日

ゼミ合宿に向けて 〜なぜ、沖縄の平均収入は低いのか?〜

お久しぶりです。

経営学部の石黒です。
今回は、今年のゼミ合宿テーマについて書いていこうと思います。

唐突ですがみなさん、日本の平均賃金がいくらかご存知でしょうか?
厚生省の『平成29年賃金構造基本統計調査』によると、その平均は30万4300円です。
ちなみに都道府県別で見ると、もっとも高いのは東京で37万7500円です。
この数字を覚えておいてくださいね。


話を沖縄に向けてみましょう。
沖縄の主要産業は何と言っても観光業です。
沖縄県が公表している産業割合は以下の通りです。


https://www.pref.okinawa.jp/site/kodomo/sangyo/uchiwake.html

やはり観光業をはじめとする第3次産業の割合が非常に大きいのがわかると思います。
それもそのはず、沖縄への観光客の増加は眼を見張るものがあります。


https://www.pref.okinawa.jp/site/bunka-sports/kankoseisaku/kikaku/report/youran/documents/tourist_number_income_transition.pdf



こちらも沖縄県が公表しているデータですが、国内外からの観光客が増加し、観光収入が著しく伸びていることがわかると思います。
あの美しい海がある限り沖縄への観光客が減ることはないでしょう。


しかし、こんなに観光業で儲かっている沖縄。
その平均賃金は、、、、24万4400円・・・・・
全国平均よりも6万円も低いです。
順位で言えばワースト5・・・・
「えっ、なんでこんなに低いの??」と思うのではないでしょうか。
ちなみにこの数値は、前年度から見れば伸びてはいますが、それほど大きな伸びは見せていません。
なぜ、これだけ観光業での収入が伸びているにもかかわらず、沖縄の賃金は増加しないのでしょうか?

この疑問に対して、当ゼミはこんな仮説を立ててみました。
「沖縄の観光業で働いている人で沖縄県民少ない説」

当ゼミは、沖縄の観光業と自然保護の両立を実現するエコツーリズムを調査、体験するために毎年沖縄でゼミ合宿を行ってきました。
そこで感じたのは、意外なほどマリンレジャーをはじめとする観光業で働いている人が沖縄県民ではないことでした。
「よく言われるんだけどね〜。東京から来たんですよ。」
「僕は北海道ですよ。こんなに焼けてますけどね?」
いったい何回こんな返事を聞いたことか・・・


今回のゼミ合宿では、観光業で働く方々にインタビューして仮説の検証をしつつ、「なぜ、沖縄県の人たちは観光業で働いていないのか?」を分析してみようと思います。
調査結果は後日この場を借りて報告したいと思います。
と、いうことで
「晴れてくれ!沖縄!!」

文責:石黒督朗

2019年7月1日月曜日

1年生の「会社入門」の授業でビジネスゲームを行ないました。

 皆さんこんにちは、経営学部教員の柴田です。よろしくお願い致します。
 経営学部では1年生向けに専門分野の入門編となる、基礎的な知識を身につけるための授業をいくつか開講しています。その一つに「会社入門」という科目があります。経営学で学ぶ、おもな対象となるのは、会社(ほとんどの場合、株式会社)の事業活動です。会社は、私たちの日常生活の中ですぐ身近なところにたくさんあるのですが、残念ながら小学校から高校まで、これについて「学ぶ」という機会は、ほとんどありません。また、大学の新入生の中で「正社員として会社で働いた経験がある。」という学生は、きわめて少ないのが現状です。そこで、東京経済大学の経営学部では、2017年度よりカリキュラムを修正して、1年生のまず最初の学期に、会社というものがどのような存在か、会社を取り巻く産業・市場・業界とは何なのか、会社を構成する株主や経営者とはどのような存在なのか、会社の中で働く人はどのような仕事をどのように進めているのか、会社の事業をうまく進めていくには何が必要なのか、などの事柄をしっかり身につけてもらおうと、「会社入門」という科目を開講することにしたわけです。

 この「会社入門」では、通常の週は担当教員が説明を行う、ごく普通の授業形式なのですが、例年途中で2回、グループワーク形式によるビジネスゲームを行っています。これには日本証券業協会の証券知識普及プロジェクトから無償で提供して頂いている「ケーザイへの3つのトビラ」という教材を利用しているものです。今年の1回目のグループワークは、6月17日(月)の授業で、この中で最初に出てくる「ワールドトレジャーランド再生計画」というビジネスゲームを行いました。ここでは学生一人一人がテーマパーク「ワールドトレジャーランド」を経営する取締役の一人になったつもりで、経営者の意思決定のプロセスを学びます。近年、売上減少が続くこのテーマパークでは4人の担当社員が「設備投資を増やす」「スタッフの質を向上させる」「広告・宣伝を増やす」「無駄な費用を削減する」などの対応案を持ってきます。経営者の1人としては、まず4人の意見を分析して、その効果を自分なりに評価します。次に、3人から5人のグループを作り、これが「ワールドトレジャーランドを経営する取締役会のメンバーである」と想定して、各取締役の意見をもとに議論を行って会社としての一つの意見に集約する「取締役会」を開きます。以下の写真は、取締役会としてグループごとに話しをして、株主総会での発表を準備しているところです。



 各グループでは、自分たちが選択した案をもとに、それを具体的にどのように進めていけば業績を向上させることができるかを考え、発表資料にまとめます。この発表資料に基づき、実行案をそれぞれのグループごとに代表取締役社長を務めるリーダーが発表します。これは株主総会での会社側の事業計画の提案に相当します。学生の皆さんは、今度は各自が株主の1人になったつもりで、自分たち以外のグループの中では、どのグループの発表内容がいちばん優れているか、評価シートに記入していきます。以下の写真は、グループごとに発表している様子と作成した発表資料です。



 このようにして、会社における意思決定のプロセスを疑似体験してもらうわけです。終了後、学生の皆さんに感想を記入してもらうと、「経営をするのはとても難しく、話し合いが大変だったが、班のメンバー全員で考え、アイデアをだすということが楽しいとわかった。」とか「会社はたくさんの人から成り立っていて、株主がいて始めて事業できるとわかった。また会社の問題点から立て直す時、事業計画を一つに絞ってやっても必ずうまくいくとは限らず、一筋縄ではいかなくてとても難しいことだとわかった。」「一時期売り上げが伸びたからと言ってその案件がずっと有効とは限らない。お客さん側の欲求は目まぐるしく変わり、常にその欲求、要望に答えていかないと会社として生きてはいけないと分かった。」などの意見が集まりました。この場を通じて、教材を提供して頂いている日本証券業協会の皆様にも感謝の気持ちを述べたいと思いますし、新入生の皆さんも、ビジネスゲームを通じて会社というものの理解が進んだのではないかと思っています。
(文責:柴田 高)

2019年6月24日月曜日

ニューヨーク・ソーホーのアマゾンが展開する新型店舗を訪れて


流通マーケティング学科の丸谷です。30回目の執筆です。私はグローバル・マーケティング論(簡単にいうと海外でどのようにマーケティングを行っていくのか)を専門分野にしているので、海外に出張に行くことが多く、このブログでもインド、チリ、中国、ペルー、ブラジルの出張の模様をこれまで取り上げてきました。

昨年の10月のブログでは、2017年度より科学研究費を頂いて行っている「ネット小売普及以降の小売国際化現地化戦略モデル構築のための研究」というテーマの研究のために訪れた、アマゾンの有人店舗のうち、シアトルで訪れた無人コンビニ『アマゾンゴー』とアマゾンサイトで評価が高い本を販売する書店『アマゾン・ブックス』についてとりあげて好評だったので、今回は3月のニューヨーク出張で訪れた別の2形態の店舗『アマゾン・4スター』と『アマゾン・ポップアップストア』について取り上げます。

世界のネット小売を牽引してきたアマゾン・ドットコムは1994年米国ワシントン州シアトルにて創業し、現在も本部を昨年取材したシアトルにおいています。同社は米国以外にも現在14カ国向けにネット小売を展開しており、今回取材したニューヨークは世界経済を牽引する都市というだけではなく、地元住民の反対で撤回されましたが、ニューヨーク市クイーンズ地区ロングアイランドシティに第2本社を置くことを一度は決めたほど重要な拠点の1つです。

ニューヨークの絶景(最新穴場絶景ポイント:ブルックリン橋前の1ホテルより)
アマゾン・4スター(Amazon 4-Star)は20189月にニューヨークのマンハッタン島の流行発信地区であるソーホー地区に初出店した業態です。店舗の周辺にはMOMA(ニューヨーク近代美術館)のデザインストアやベストセラー作家がイベントを行う有名ブックカフェがあり、世界最先端都市ニューヨークにおいてもトレンド発信基地になっている場所です。

ソーホーの隣ノリータの有名ブックカフェ
業態としての特徴は、ネーミング通り、アマゾンの顧客がネット上で示しているカスタマーレビューで星4つ以上を獲得した商品を選定して取り揃えることにあります。

出入口では満足度測定器がお出迎え
カスタマーレビューを利用するという点では、アマゾン・ブックスと同じですが、商品の種類が異なり、本も一部ありますが、同社が展開するアレクサなどのAIスピーカーやキンドルなどの電子書籍リーダー、ホームアンドキッチン商品及び玩具など実際に触れてみて良さがより伝わる商品を品揃えしています。

主要な商品であるホームアンドキッチン商品
主要な商品である玩具
特に重さが重要な鍋や調理家電、ちょっとした便利さを提供する調理器具などに関しては、いくら何キロと書かれていても、実際に現物を持たないと使い勝手が想像しにくいなと店舗で実際に展示されている商品をみて感じました。

また、実際の商品の使い勝手に関しては、微妙な声の反応が見たいスマートスピーカーやページのめくり心地が見たい電子書籍リーダーにもいえるので、こうした店舗はネット小売を補完する存在として今後も重要だといえます。ゾゾスーツが話題になった割にはうまくいっていないのも着心地といった微妙な感覚の問題があるといえ、ネット小売を中心に展開しているからこそ提案できる、実店舗(じつてんぽ) といえそうです。

微妙な感覚といえばヘッドホンも
今回新たな業態ということでもう1つ訪れた「アマゾン・ポップアップストア」は予想よりもこじんまりしていました。こちらは上記の実店舗の強みをアマゾンが自社ブランドで展開する商品販促に使ったお店であり、販売ではなく期間限定の宣伝ブースという感じでした。取材した店舗はニューヨークの中心のマンハッタン島ではなく島からでた郊外のクイーンズのクイーンズセンターモール(Queens Center mall)の中の人通りが多い場所にありました。

アマゾン・ポップアップストア
アマゾンも注目する世界の最先端都市ニューヨークには最新トレンドを反映したお店が多くあり、常に入れ替わっていきます。今回の取材は南米出張の時差調整もかねての短期間でのものでしたが、昨年9月に訪れた際に気になり、今回宿泊したブルックリンのウィルアムズバーグのホテル周辺にもスケッチブックプロジェクトと呼ばれノートサイズのスケッチブックを購入して、好きなデザインのスケッチブックを作り展示を頼めば展示してもらえるという参加型アートギャラリーやジーンと呼ばれるブルックリン・アート・ライブラリー、ジーン(ZINE)と呼ばれる小冊子を世界中から集めて販売するジーン専門書店、サクラブラマンジェなど和の要素を取り入れたデザートを出す専門店などが隣接してあり、とても刺激的な体験をできた。


ブルックリン・アート・ライブラリー
マンハッタンを一通り回ったら、次はブルックリンやクイーンズにも足を延ばしてみることをお勧めしたい。
(文責:流通マーケティング学科 丸谷雄一郎)



2019年6月17日月曜日

ドラッグストア業界が変わる?

2019.6.17

経営学部の本藤です。
梅雨の季節が始まりました。念のため傘を持ち歩かなくちゃいけなくて面倒な季節ですね。(でも今日は夏日(汗)。不思議な天候で体調不良です(+_+))

僕の大雑把な研究領域は、流通とかマーケティングという営業系に焦点をあてています。
このマーケティングというのも、メーカーが商品をつくって、卸売業が運んで、小売業が販売するという流通チャネルを戦略的にコーディネートするってことで、僕の研究データは、ドラッグストアの販売データを利用することが多く、この業界の動向には常にアンテナを張っています。


そこで最近気になってる経済ニュースが「ココカラファインをマツモトキヨシとスギ薬局が争奪戦を展開!」です。

実は、ドラッグストア業界は、この合従連衡が常態的に起きています。
先述のニュースで登場するココカラファインも、セガミメディクス、セイジョー、ジップドラッグ、ライフォート、スズラン薬局、メディカルインデックスなどのドラッグストア・チェーンの合併を起源としています。実は、この他にも中小チェーンを継続的に加え続けています。
昨会計年度まで業界トップのウエルシアについても、今会計年度でトップに躍り出たツルハについても同様です。地域密着型の中小チェーンが経営統合して今の売上高を飛躍的に拡大させてきています。

上場企業間では、マツモトキヨシがミドリ薬品を、ウエルシアが寺島薬局とCFSコーポレーションを経営統合や買収したというような経緯もありますが、近年では未上場企業の子会社化が基本的な業界再編の流れでした。

しかし、今回のココカラファイン争奪戦はレベルが違います。イメージとしては、コンビニ業界であればローソンとミニストップが一緒になるような話。あれ?分かりづらいですかね(笑)

基本的には、上場ドラッグチェーンは、食う側であって、ココカラファインのような大手チェーンを取り込めるなんて、業界各社は想定もしていなかったと思うのです。だから、「マツキヨとココカラが業務資本提携の相談を始めました」というニュースリリースが行われたら、即座にスギ薬局(スギHD)が「それがありなら私も手を挙げます」という展開になったようです。でもって、話をしていくうちにココカラ争奪戦だった話に3社が統合する話も選択肢に入ってきて、業界に甚大な再編をもたらす可能性も出てきたようです。


これまでのドラッグストアの業界再編は、足し算的な合従連衡が多かったんですよね。
どこかの地域チェーンを大手チェーンが組み込んでいくような。それで売上が加わって、仕入れ交渉力(バイイングパワー)を強化して、安く仕入れたり条件をよくしたりっていう感じです。

ここに来て無視できない要素があるんです。
それがIOT(モノのインターネット)だったり、生活者のライフログ(生活全般のビッグデータ)だったりの収集・活用が、AI時代に不可欠な取り組みになってきています。
となると、商品開発、広告、物流、営業、販売など様々なシーンでビッグデータを活用することになり、小売業のデータの価値が飛躍的に高まっています。
つまり、より多くの店舗を保有するチェーン、より多くの顧客を持つチェーンの戦略的価値が、売上高や店舗数とともに急上昇することを意味するのです。


足し算だった統合や合併が、掛け算になるような環境変化が起きています。

文責:本藤貴康(流通論、流通マーケティング演習、アカデミックコンパス担当)

本藤ゼミブログ(http://hondo-seminar.blogspot.com/