流通マーケティング学科の丸谷です。68回目の執筆です。私はグローバルマーケティング論を専門とする教員です。本学には教員が自身の講義に実務家や外部の有識者を外部スピーカーとして招くことができる制度があります。今回は2025年12月にお招きした2人の講師によるご講演について取り上げます。
お一人目は、世界的NPO法人のフェローとして茨城県の公立小学校教員として活躍した後、現在英国バーミンガムに大学院留学している下境大貴先生です。彼は本学OBであり、留学中の英国よりZoomで使って収録しました。
下境先生には、『グローバルマーケティング論』の授業の中で、『社会変革のグローバルマーケティング』というテーマで、ご自身の日本での教員としての経験と英国で行った教育NPOを取材した内容を踏まえてお話ししてもらいました。
グローバルマーケティングでは、標準化と現地化のバランスをとることが大事といわれています。アメリカに起源を持つNPO本部が構築した国際ネットワークを通じて、下境先生が日本で所属したNPOと今回英国で取材した英国のNPOは、教育格差という世界中にある共通課題に対処すべくノウハウを共有してきました。
異なる状況において対処策は当然異なっており、日本では質を高める工夫、英国では機会の不平等を減らす工夫がされているようです。例えば日本では質を高めるために、下境先生も日本の小学校で行ってきたアクティブラーニングに関する様々な取り組みを、英国では人材戦略として、最高ランクの大学で学位を得た学生を採用し、「恵まれない地域」に配属し、人材不足の学校にとって彼らの存在自体が変革の一歩となっているそうです。
お二人目はJICA(国際協力機構)からパナマ共和国に派遣され、国際協力の実務を担当された武井優薫先生です。
武井先生には、今年初めて担当した『英語で学ぶ経営学』の授業において、『パナマでの2年間』というテーマで、外国語を用いて海外で国際支援活動をすることについて具体的にお話し頂きました。武井先生は大学院にて文化人類学を学ばれた後実際にパナマに赴任し2年間国際支援活動をされたとのことで、この科目の深い理解の前提となる文化という部分について、パナマの先住民コミュニティでの生活の実態を含めて講義頂きました。
特に印象深かったのは、「ムラ」を研究するのではなく、「ムラ」で研究するという文化の品質的な理解に関する手法である参与観察についての説明であり、効率性を重視する経営学とは真逆のアプローチでの活動は、現在主流のタイパといった考えとは真逆であり、刺激的でした。
なお、武井先生と知り合ったきっかけは、日本・パナマ友好協会(日本とパナマの間の友好関係を促進する団体)による交流イベントでした。同協会は長年にわたり、両国の国際交流で重要な役割を果たしており、長年発行されてきた機関誌は両国の交流の歴史やパナマの事情について日本語でわかりやすく示した貴重な資料であり、ラテンアメリカ協会事務局のホームページ(https://latin-america.jp/wp-content/uploads/2025/06/%E4%BC%9A%E5%A0%B1PANAMA38%E5%8F%B7.pdf)より、最新号などはみられるようです。パナマに関心のある方はぜひアクセスしてみてください。
(流通マーケティング学科 丸谷雄一郎)






