2016年2月22日月曜日

1年生による図書館展示の試み(個人による改善編)

流通マーケティング学科の丸谷です。10回目の執筆です。今回は前回のグループ編に引き続き、1年生の科目であるフレッシャーズセミナーbの授業の一環として行っている図書館の展示企画について報告いたします。なお、フレッシャーズセミナーbとこの科目において図書館展示を行うことになった経緯に関して詳細については、2015年12月21日にアップした1年生による図書館展示の試み(グループ編)http://tkubiz.blogspot.jp/2015/12/blog-post_21.htmlを参照下さい。

前回は第9回目までに行った、4グループに分かれての図書館展示の作成までについて報告しました。今回は第10回目以降に行った個人による改善編について報告いたします。なお、グループ展示に関しては、図書館のホームページhttp://www.tku.ac.jp/library/news/017051.html で紹介していただいたこともあり、関心を持って頂いたコミュニケーション学部の松永智子先生より関連文献をご提供を頂くなど、貴重なリアクションを多く頂きました。

個人の改善提案は展示開始以降頂いた図書館の方々や私が担当する2-4年生までが在籍するゼミの学生のコメントを踏まえてなされました。

第10回授業時に頂いたコメントを整理し、第11回目以降数回かけて、各人がレジュメを作成していきました。各人は毎回改善提案の報告を作成し、作成した報告を全員が順位を付けて評価し、評価できる内容は評価し、あいまいな部分はブラッシュアップしていきました。

最終回では各人が原則1か所の改善提案を具体的に行い、実際に改善を行っていきました。
以下は各人の改善提案のための報告と報告に基づいて作成した改善するためのPOPなどの素材です。

改善提案 テーマ ラグビー
 
                                                       
改善提案 テーマ 温泉

                                                改善提案 テーマ 水族館動物園
                
改善提案 テーマ 雑誌
 
 実際の図書館での作業は開館中であることに注意して、テーマごとにグループ分けし静かに行いました。
 


 

 
黙々と作業するゼミ生
 
 全員の改善提案に基づいて展示の修正を行った後、修正後に全体のバランスを見て更なる改善がなされ、一部は授業終了後にさらに修正を加えることになりました。
 
                     全体のバランスを確認するゼミ生
 
 改善された展示はしばらくの間展示して頂けるようなので、図書館1階マガジンラックの前のブックウォールDにて、ぜひ一度ご覧ください。
                
 
                          改善後の展示
 
 今後とも機会があればこのような取り組みを行っていく予定ですので、今後の展示に向けてご意見等がございましたら、丸谷(maruya@tku.ac.jp)までご連絡頂ければ幸いです。
 
文責 丸谷雄一郎(流通マーケティング学科 教授)
 
 
 
 
 

2016年2月15日月曜日

スキービジネスを経営学的に考えると

皆さん、こんにちは。経営学部教員の柴田です。
2月の中旬というと冬の真っただ中で、今シーズンは暖冬と言われていましたが
さすがに各地のスキー場には十分な積雪量があるようです。私も、学生時代から
スキーが大好きで、大学教員というと、1月末から4月初めまでは授業がなく、
(もちろんこの間にも仕事はいろいろとあるのですが)時々平日に自由な時間が
取れるので、日帰りで空いたスキー場でスキーを楽しんでいます。それでも
趣味と実益を兼ねて、スキー場ビジネスの研究も行っているわけで、このような
「ポストバブル期のスキー場経営の成功要因」などという論文にまとめたりしています。
下の写真は、1月末に行ったガーラ湯沢スキー場から越後湯沢の街並みを眺めた
ところです。


痛ましいスキーバスの事故

1月15日未明に、国道18号線碓井バイパスでスキーバスが転落し、15人の方が
亡くなるという事故が起きました。亡くなられた乗客はいずれも激安スキーバスツアーに
参加した大学生で、ゼミの指導教員であった、法政大学の尾木直樹教授の憔悴した
姿が何度もテレビに登場するのを見ていると、大学教員としては、とても他人事とは
思えません。ご家族の方、関係者の方には謹んでお悔やみ申し上げたいと思います。
ではなぜ、このような事故が起きるのか、どこに問題点があるのか、これを経営学の
視点から考えてみましょう。

安心できる激安と、不安な激安

大学の新入生と話していると、「激安」という言葉に魅力を感じる人が結構多い
ようですね。「私が評価する外食チェーン」という題名で作文してもらうと、
(具体名を出すと差し障りがありますが)価格の安さをセールスポイントとしている
チェーンを取り上げる学生が多く見られます。「安くすることは、良いことだ。」と
いう暗黙の前提があるように思えます。でも、本当に良いことでしょうか?
小学校5年生の算数で「売上=費用+利益」という、ビジネスの基本中の基本の公式を
習います。「安くする」ということは費用や利益を減らしていくことを意味します。
この関係をしっかり理解すると、激安でも安心していられるのか、心配な激安かを
見極める目安となります。

普通に費用を投じて作ったものを安く売る場合、単純に考えると利益だけが減少します。
アパレル商品の期末バーゲンとかアウトレットセールス、賞味期限が迫った弁当の
値引き販売などが、このような例ですが、それは既に販売した商品で十分利益が出て
いるので、全体から見ればほんの一部の残りを早く売り切り、現金化したい、という
意図の現れです。それを承知で購入し、たとえば弁当も今すぐ食べる、というのであれば、
まあ中身について心配はないでしょう。ただ、これは本来であれば、もっと早く
売り切りたい商品を値引くため、恒常的なビジネスにはしにくいし、激安品を常に
大量に販売することができません。

次に「中抜き」によるコストダウン、費用削減を考えてみましょう。各地にある道の駅では
周辺の農家が栽培した新鮮な野菜が、産地直送で安い価格で販売されています。
これは輸送経費や市場での卸売業などの経費という中間費用を省いているから可能に
なることです。これは本当に安心できる格安商品なのですが、どうしても局地的な
ビジネスにとどまり、誰でもどこでもその恩恵を受けられる、という性格のものでは
ありません。

あるいは、費用の一部を他の組織が負担してくれる場合があります。昨年、各地の
自治体がプレミアム付き商品券を発行しました。たとえば、1万円で購入した商品券で
1万2千円分の買い物ができるというものです。差額の2千円は税金を使って補てん
するわけです。これにより、消費が刺激され、地元経済にお金が回るようになる、
という効果を期待しているわけです。まあ、このような地域振興政策が「良い政策」と
言えるかどうかは論議が分かれるでしょうが、利用客自身が支払うお金は減っても
購入した商品の品質には心配がないでしょう。

不安の多い激安ビジネス

一方、提供される商品やサービスの品質に不安の生じる激安ビジネスもあります。
そこを皆さんとしっかりと見極める必要があります。
商品1つあたりの売上を減らしてもビジネスを継続できるようにするためには、
費用や利益を圧縮しなければなりません。そのためには「まとめて作れば、費用も
安上がりに作れる」という大量生産を行い、「1つあたりの利益は少なくても、
たくさん売れば全体で大きな利益となる」という大量販売を行わなければなりません。
20世紀に産声をあげた経営学は、このような大量生産・大量販売を促進する学問として
体系化されてきました。このようなビジネスの仕組みがうまく機能するためには
市場が成長期にあり、どんどん規模が拡大していくことが必要です。1960年代の
日本のように高度成長経済の時期であれば、まさに大量生産・大量販売によって
市場に優れた商品を行きわたらせ、生活を豊かにすることができます。
ただし、市場が拡大しないどころか縮小するような時期に入ってしまうと、無理を
重ねて費用を削減し、安さを目立たせて、なんとかライバル企業から一人でも多くの
顧客を奪い取ろうと変な努力を必要としてきます。まずいことにライバル企業が
さらに安い商品を市場導入すると、もっともっと費用を削減してもっともっと
安さを目立たせる、という激安商品の悪循環に陥ってしまいます。そうなると、
費用削減のためには、見かけだけはなんとか立派に保っても、手を抜ける部分は
手を抜き、品質も本来維持すべき水準から落としていくことになりがちです。
これは不安の生じる激安ビジネスと言わざるを得ません。

実は縮小しているスキー・スノーボード人口

1月に転落事故をおこしたスキーバスツアーも、激安価格がセールスポイントの
ツアーのようでした。これまでの事故調査の報道を見ている限りでは、上記の
ような「不安の生じる激安ビジネス」の落とし穴にはまっていたように思えます。
海外から日本を訪れる観光客の増加にともない、貸切バスの需要自体は拡大傾向に
あり、車も運転手も引っ張りだこなのですが、スキーバスツアーは事情が異なります。
上記の私の論文を読んでもらうと、より詳しくわかるのですが、スキーやスノー
ボードへの参加人口は、以下の通り、1993年をピークとして、縮小傾向にあります。
実際にゲレンデで滑っていても、昔より空いているように感じます。


出典:余暇開発センター、自由時間デザイン協会、社会経済生産性本部から刊行の
各年度の『レジャー白書』から筆者作成

潜在的需要者が年々減少している中で、激安ビジネスを展開するのは、無理があり
過ぎます。バス運行会社は国が定める基準(約27万円)を下回る金額(約19万円)で
スキーバスツアーを引き受けていたということです。年配の、大型バスの運転経験の
乏しい運転手を採用し、有料の高速道路ではなく無料の一般道を通行する、というのも、
過剰な費用削減の結果だったのでしょう。

賢い消費者になろう

経営学は、世の中の生きた姿を学ぶ学問です。経営学の視点から見ると、常識はずれの
激安商品には、やはり非常識な費用削減がつきものだ、と言わざるをえません。
どこかに必ず無理があり、大きなリスクを伴うものであるわけです。このような目で
スキーバス転落事故を見てみると、本当に悲しい思いがしますし、このような事故に
巻き込まれないためにも、私たちはもっと賢い消費者にならなければならない、と思います。


スキー場で大倉喜八郎さんと出会う

いささか重苦しい話題が続きましたので、最後に少しは楽しい話題を。
新潟県のスキー場周辺で飲食店に入ると、本学の前身・大倉商業学校の
創立者、大倉喜八郎さんのポスターをしばしば目にします。


「なんでこんなところで喜八郎さんにお目にかかるのか?」と思うのですが、これは
サッポロビールの新潟県地域限定ビール「風味爽快ニシテ」のポスターなのです。
新潟県は大倉喜八郎さんの出身地であり、明治の実業家である大倉喜八郎さんが
創業した数多くの企業の一つがサッポロビール、というわけです。



このブログを読まれる方は未成年が多いのかもしれませんが、成人の方はぜひ
新潟のスキー場で、大倉喜八郎さんに思いをはせながら、このビールを味わって
いただきたいと思います。

(文責:柴田 高)








2016年2月2日火曜日

【学問のミカタ】 義理チョコ文化はマーケティング戦略としての基本形!

経営学部の本藤です。
もうすぐバレンタインデーですね。
バレンタインデーというのは、中学校や高校では一大イベントなんでしょうね。
僕の個人的な思い出としては、楽しいイベントだった記憶はないのですが、最近は「義理チョコ」という「新兵器」が登場して、バレンタインデーもスポーツ得意のイケメン周辺限定イベントではなくなっているようです(笑)


そもそも日本で広がったバレンタインデーの習慣は「女性が男性に愛を告白する」ことをイベントとしていることは宇宙の常識として知られています。それを百も承知の上で、「義理チョコ」という存在に目を付けて、バレンタインデー市場の裾野を拡大したプロモーションは、マーケティングとして基本的な市場拡大のための戦略です。


マーケティング戦略の考え方として、ターゲットとなる主要顧客層を想定することが一般的なアプローチです。このターゲットを絞り込むプロセスがマーケット・セグメンテーション(市場細分化)と言い、性別や年代別、価値観や行動パターンなど様々な切り口で、全体市場を分割して検討されます。したがって、当初の日本型バレンタインデーでは「好きな男の子に告白できずに悶々と過ごしていた女の子」が、チョコレートを売り込むターゲットだったと考えられます。

そんなターゲット設定ですから、誰も彼もがバレンタインデーにチョコを買うという事態には至りません。挙句の果てには、(中学生当時の自分の過去を思い返すと)バレンタインデーの前には、チョコが食べたいと思っても、お店でチョコを買いづらかったりする事態すら生じてしまいます。


でも、世の中の心優しい?女性は、「本藤君は、もらえなそうだからあげるよ」などと言いながら、単なる友達にもチョコをあげる「ターゲット顧客」が生まれて、それがエスカレートしていきます。今では、日常的にお世話になっている人にあげる「義理チョコ」だけではなく、女の子同士で交換する「友チョコ」などの習慣も増え始めています。
※我が家の中学二年の娘は女子中に通っているにも関わらず、(おそらく)彼氏がいるわけでもないのですが、バレンタインデー前の準備は物凄い剣幕でキッチンを占有して、30人分とかの「友チョコ」製作に勤しんでいます。


マーケティングでは、ターゲットとなる顧客グループ毎に、製品開発や品揃えを考え、それに応じた価格を想定して、価値伝達のための情報提供を考え、販売する場所を検討します。つまり、すべての起点であり、大前提となるのが「ターゲット設定」になります。
ここで注意しなくてはならないのが、「義理チョコ」や「友チョコ」の消費者と購入者です。一概に「ターゲット」と言っても、バレンタインデーのチョコの場合、プレゼントする人が購入者としてのターゲットですが、消費者はプレゼントされた人になります。
愛を伝えられる商品とはどんな商品(チョコ)なのか?
日頃の感謝の気持ちを伝えられる商品とはどんな商品(チョコ)なのか?
仲良しの友達に喜ばれる商品(チョコ)なのか?
そして、それをプレゼントする人(購入者)が、「たしかにこれは伝わる」と店頭で感じるようなパッケージだったり、価格だったり、プロモーションだったりを工夫していく必要があります。


市場が飽和してきたと考えたときに、ビジネス側は、市場全体の拡大を図ることを考えなければなりません。そういう意味では、バレンタインデーを女性全体を取り込んだイベントにつなげられた展開は、ビジネスにとってはありがたい展開だったと言えそうです。とは言っても、ここまで拡大したのは、僅かな市場動向を捉えて、ビジネスチャンスへとつなげた企業努力の賜物と言えます。

もう入試本番ですね。
チョコレートは集中力を高める効果があると言われています。
虫歯に気を付けながら、チョコを食べて、本番に臨んでくださいね。


本藤貴康(流通マーケティング入門、流通論、地域インターンシップ担当)
本藤ゼミナールBLOG http://hondo-seminar.blogspot.jp/

2016年1月24日日曜日

2015年度もいよいよ大詰め(小木ゼミ通信 vol.12 ~小木ゼミの近況報告、企業コラボ進捗状況、今後のスケジュールなど~)

経営学部の小木です。今回で12回目の小木ゼミ通信です。

クリスマス・正月返上で、本の執筆、各種採点、論文の校正、学会論文審査、各種問題作成など、全く休む暇がありません。当然、家族の評判もよろしくありませんが、先日、間隙をぬって「スターウォーズ エピソードⅦ ~フォースの覚醒~」を見てきました。無理矢理時間をつくって見に行ったのですが、私的には想定の範囲内で、もうちょいという感じでした(BB-8はカワイイ!)。まあ期待がかなり大きかったということでしょう。

期待と言えば、スターウォーズ(SW)で騒いでいる人って、30代半ば~40代後半が圧倒的に多いような気がします。ゼミ生と話していても「スターウォーズって何ですか」的な質問も出るほどで、私からしたら信じられませんし、その時は「時代のキーワード」だと一喝しています。

でも、商売的にみれば、完全に40代くらいを狙ったSWイベント・SW商品は多いなと実感しています。確かに、40代の人数は20代の倍近くいますからね。どの分野でも、これからもずっとバブル世代を狙って商売をし続けることでしょう。

うーん、やっぱ、私もライトセイバー買っちゃおうかな・・・・・・。


 さてさて、以下が、今回のラインナップです。
1.小木ゼミの近況報告
2.小木ゼミの企業コラボの進捗状況
3.今後のスケジュール(入ゼミ面接など)



1.小木ゼミの近況報告
 
 
 企業コラボについては2.にまわすとして、前回Vol.11からの動きとしては、ゼミのOBOG会(11月21日)、ゼミ研究報告会(12月12日)、オープンゼミ(12月~1月各水曜日)、クリスマス会&幹部交代式(12月16日)、卒論提出(1月上旬)などが主だった動きだったでしょうか。

 ①ゼミOBOG会
 ゼミのOBOG会では30名ほどのOBOGが集まってくれて、現役ゼミ生を合わせて、総勢70名ほどの会となりました。会場では、ゼミ活動報告会や就職相談会も開かれるなど、OBOGと現役生の交流が盛んに行われていました。本当に、ゼミ生(OBOGを含む)が育っていくのをみるとうれしいです。そういえば、4年生12名も就職が全員決まり、3月には卒業です。嬉しいが、寂しいです。





 
 
 ②経営学部ゼミ報告会
 ゼミ研究報告会では、3年ゼミ生が頑張っていました。個人的には、発表者の3人はすばらしかったです!なんといっても、個人研究を行う小木ゼミとしては当たり前のことですが、すべて個人で責任を負います。他のグループで壇上に上がるのとは違って、ひとりで発表・質疑応答を行う姿は本当に立派でした。個人面談している1年生からも「本当にすごかった」とか、「これをみて小木ゼミを希望したい」などの声をたくさんいただきました。来年度以降も、新しいゼミ生らがそのフォースを受け継いでいってほしいと思います。

大盛況でした!

 ③オープンゼミ
 ゼミ個別説明会及びオープンゼミでは、本当にたくさんの1年生が来てくれました。ありがとうございました。小木ゼミのスタンスとしては、オープンゼミ用の着飾ったメニューではなく、普段のありのままのゼミ活動を見せてきました。いかがだったでしょうか。基本、毎週行われる研究発表は地味な活動ですが、こうした地道な積み重ねがきっと力になると信じてやっています。



 ④クリスマス会&幹部交代式
 恒例のキャンパス内で行われるクリスマス会&幹部交代式では、全ゼミ生40名が集まり、5時間に渡って様々な出し物や持ち寄った食事、プレゼント交換などで大いに盛り上がりました!最後は感動・涙ありの幹部交代式で締めました。

プレゼント交換 3班
 

 ⑤卒業論文提出
 小木ゼミの4年生は、全員が卒論ゼミ(卒業論文)を登録します。今年も何とか12名が卒論を出すことができました(学内最多です)。多くの学生が卒論を書かないでいる中で、また卒論を書かなければ、小木ゼミのOBOGとしての称号は得られないという、わずかなモチベーションの中で書いているという意味では、私はゼミ生を誇りに思っています。
 卒論を書く人が減っていますが、高校生の皆さんには、大学に入ったら卒論までしっかりとやるという気持ちで入学してほしいと思っています。


2.小木ゼミの企業コラボの進捗状況


 ①TFT×東経大×小木ゼミ(健康ランチ企画販売)
 12月初旬に行われた「私のオムディ」(281食)及び「俺の鶏丼」(429食)の売上数は合計で710食で、過去最高売り上げを達成いたしました。1杯あたり20円×710食=14200円をTFTを通じてアフリカの子供たちの給食に寄付いたします。ご協力ありがとうございます。次回は、7月を予定しています。

 ②ニッポニアニッポン×小木ゼミ(Webサイト「国分寺物語」)
 1日おきのFacebookへの投稿、国分寺第2中学への成果報告会への参加、第2回「国分寺物語」シンポジウムの開催(12月2日)、国分寺市役所などとの連携など、活発な活動を継続しています。2月には、国分寺市観光協会主催の写真コンクールに審査員としても参加します。「国分寺物語賞」もできました。どしどしご応募ください。

 ③イーグル製菓×小木ゼミ(「こんなお菓子あったらいいなPJ」)
 ゼミ内選考会(1月13日)を経て、いよいよ2月上旬に鈴木栄光堂&イーグル製菓の社長へのプレゼンに臨みます。今回は7本のプレゼンが用意されていますが、どのように評価されるかドキドキです。

 以上、企業コラボはそれぞれ進行中ですが、高校生の皆さんや高校の先生方で興味がある方は、大学までお問い合わせください!


3.今後のスケジュール(入ゼミ面接など)


 小木ゼミの主な今後のスケジュールをお知らせしておきます。

◆2月上旬 イーグル製菓への社長プレゼン(学内)
*本プロジェクトは東経大・進一層トライアル資金を得て行っています。

◆3月22日(火)午前~ 入ゼミ面接(小木ゼミ) *登録3月15日・16日
*小木ゼミへの入ゼミ希望者はエントリーシート及び成績表コピーをもって面接に臨んで下さい。各ゼミのエントリーシート用紙は2月以降にTKUポータルで配布されます。小木ゼミ情報は、小木紀親ゼミナールtwitter @ogi_seminarで随時流していきます。またTKUポータルでは、全てのゼミのシラバス(ゼミ概要)が11月後半の時点で配信されていますので、それをチェックするのも良いでしょう。

◆3月23日 卒業式 / 24日 卒業イベント

2016年1月19日火曜日

レポートできました!

こんにちは!
経営学部の吉田靖(経営財務論担当)です。
このブログを書いている1月18日、大学ではそろそろ学期の締めくくりの時期です。
受験生は入学試験、大学生は学期末の試験やレポートに追われる日々が続きますね。体調に注意して頑張りましょう!
関東地方は朝方まで雪でした。積雪のために苦労して通学通勤された方も多かったことでしょう。
雪が降って晴れた場合、大学からは写真のような雪景色の街の向こうに富士山が見えます。ただしこの写真は2014年2月に撮影したものです。
 
吉田ゼミも1月19日が最終日ということで、ゼミのみなさんにはレポートを出してもらい、製本したところです。
今回のテーマは東日本大震災から1か月間の株価の推移です。
1月17日は阪神淡路大震災が起きた日で、今年で21年目ですね。今、大学生の人が生まれた頃の出来事です。そして今年の3月11日で東日本大震災から5年です。
 
 
 
さて、株価って何でしょう?ということは、私の経営財務論の授業で1年間掛けて勉強するのですが、ひと言で言うと、株式会社が資金調達のために株券を発行して、投資家からお金を集め、株券を持っていると株主総会に出て会社の重要事項を決めたり、利益がでると配当を受け取ったりすることができて、その株券を売買するときの値段ということになります(ひと言ではなかったでしょうか・・・)。
証券取引所に上場されている株式は自由に売買できてその値段が発表されいます。
下の写真は東京証券取引所です。よくニュースに登場しますね。
 
 
 
会社の利益は毎期変動しているので、将来の利益がみんなが予想していたよりも増えそうなニュースがあると株価が上昇し、逆だと下落する傾向があります。自分が株式を買ってから値上がりすれば、自分の資産価値が増えたことになりますね。ただし値下がりすると資産価値は減ったことになります。みんな自分が投資してから値上がりすることを望んでいますが、必ずしもそううまくいきません。
特に金融危機や大災害が発生すると、株価が下落する株式が増えます。しかし、その下落の程度は、会社によって異なりますし、場合によっては値上がりするものもあります。
このような株価の変動とそれによる投資の収益率が東日本大震災発生時にどうであったかをゼミ生にレポートしてもらいました。
 
その中から典型的なものをご紹介しましょう。
まず、株価が下落した会社としてよく知られている東京電力です。
震災前は利益が安定している会社だと思われていたのですが、原発事故により一挙に10分の1近くまで値下がりしました。
 
次は株価が上昇した例です。建設業は復興需要が期待されることにより株価が上昇する会社が多くなっていますが、もし震災発生前日に株式を購入して1カ月後に株式を売却した場合に建設業で最も収益率が高かった会社です。
さて、なぜこの会社の株価の上昇が大きかったのでしょうか?ヒントは会社名です。みなさんも会社のウェブサイトを見るなどして調べてみましょう。
 
 
 最後に陸運業の株式に、もし震災前日から1か月間投資した場合に収益率(リターン)がどうなっていたかを順に並べて見てみましょう。
 
 これを見て何か気がつくことがありますか?
傾向としては、東北から関東に営業地域がある私鉄と関西などの私鉄では差がありますね。21年前の阪神淡路大震災の時はどうだったのでしょうか?
 
ブログなので以上はレポートのほんの一部分ですが、どこかに書いてある答えを探すのではなくて、何故こういうことが起きるのだろうかということを自分で考えて推論し、自分でデータを集めて検証していくという姿勢を大事にしていきたいと思っています。
 
   吉田靖(よしだ やすし)
 

2016年1月13日水曜日

国際交流を通して学んでほしいこと


経営学部の関口和代です。
今回は、2015年夏に海外ゼミ研修で訪問した
リランカのケラニア大学の方々との交流についてご紹介したいと思います。
大学の支援を受けて、20151219日と20日の2日間交流しました。
さいたま市にある国際交流基金・日本語国際センターで3月上旬まで研修中の
ドゥレーシカー先生をはじめ、信州大学、宇都宮大学、群馬大学、創価大学で、
夏までの1年間学ぶ予定の学生達が参加してくださいました。

19日は、キャンパス案内、葵陵会館でランチ、
ディスカッションをした後、
小金井公園内にある「江戸東京たてもの園」を見学し、
吉祥寺でお好み焼きを食べながらの懇親会でした。












東経大の寮である「国際交流会館」に一泊し、20日は、渋谷、スカイツリー、
浅草寺を参詣した後、水上バスでお台場へ。

本企画を担当した学生達は、ケラニア大学の学生と
打ち合わせを重ね、いろいろと準備をしてくれました。
約4か月ぶりの再会、とても楽しい2日間となりました。



京経済大学には、上記のような「海外大学との交流企画」への
支援制度もあり、さまざまな協力を得ることができます。
再会し、ディスカッションをはじめ、楽しい時を過ごすこと
以外に、本企画を通して、もう一つ意識して欲しいことが
ありました。それは、アイデンティティの確認です。

今回の交流企画に参加した東経大の学生は全て日本人で、
東日本出身者(もっといえば南関東出身者)がほとんどでした。
日本国内でも、「関ヶ原」を境に東西でカップ麺の味付けが異なったり、
モノの呼び方や使い方など、地域によっていろいろな違いがあります。
私自身、関西系の会社に転職した時に、「ほかしといて」と言われ、
意味がわからず、「保管しておいてって言われたのかな?」と思った経験があります。
残念ながら、東京経済大学の学生の多様化は進んでいませんので、
日常的には、言葉や用法等をはじめとしたさまざまな違いを意識することが少ないのです
が、今後、さまざまな背景を持つ人との交流の場面において必要なことの一つに、
そのような相違に対する感受性、その受容や理解があると思います。
その前提として、自分自身のアイデンティティが何かを、漠然とでもいいのでわかって
いることがあります。何らかの基準(あるいは軸)がないと、相違に気づくことが
できないからです。
 

海外ゼミ研修や今回のような国際交流企画を通して、
そのアイデンティティの基礎となる私たちの文化や風習について、
その背景を含めて説明できるようになってほしい、
相手が理解しやすいように伝えられるようになってほしいと願っています。

今回、限られた時間ではありましたが、スリランカの方々に、日本の文化・風習の一端に
触れていただきました。今回みんなで巡った国分寺、渋谷、浅草、お台場が、
どのような歴史や背景を持つ場所なのか、スリランカのお寺と仏像と浅草寺とでは
どのような違いがあるのか、おみくじ、破魔矢、お守り、御朱印帳とは何か等を
説明するためには、当然、自分自身で調べなくてはなりませんし、
無意識に行っていたことや使っていた言葉にも「意味」があることを学んでほしいなと
思っていました。


アイデンティティを確認するためには他者の視点重要です。
今後もできる限り、そのような機会を設けていきたいと思っています。
「日本人の常識は世界の非常識」等と揶揄されることもありますが、
来年度の海外ゼミ研修の候補地もだいぶ絞られてきました。
安全性が確保できることを大前提としつつ、
(日本人としての)アイデンティティを意識できる場所に行きたいなと考えています。

とはいえ、海外に行かないとダメということではありません。
日本国内でも、少し意識を変えるだけで多くの気づきがあります。
皆さんも、身の回りのことに今少し注意を向け、
なぜそうなのか等を考えてみてはいかがでしょうか。


(文責:関口和代)

2016年1月7日木曜日

【学問のミカタ】 大晦日や三が日でもスーパーは営業中!

あけましておめでとうございます。
みなさんにとっての2015年はどのような成長を手にした年だったでしょうか?
何かを目標に励んだ人も、目標を探して励んだ人も、1年365日を過ごしていれば、誰でも何かしらの成長を手にしているものと思われます。
反省することも手にした成果のひとつですから・・・


あらためまして経営学部の本藤です。
今回の全学共通テーマは「お正月」です。
「お正月」は、多くの家庭で、おせち料理が食卓に並びそうです。
お雑煮などもお正月料理としてしか食卓に乗らないメニューかもしれません。
おせち料理は全国で似通ったものだと思いますが、お雑煮は地域によって様々です。
これは地域によってというよりもご家庭によって様々かもしれませんね。
僕の出身地である長野市であっても、お正月に友人の家でお雑煮をごちそうになった時に、全く違った具材だったり出汁だったりして驚いた経験があります。



ところで、みなさんのご家庭では、その食材は、どこで買いますか?
最近は、ネットスーパーや宅配サービスが普及してきていて、なかには「おせちセット」が配達されるご家庭もあるかもしれませんね。

とは言っても、多くのご家庭では、近くの食品スーパーに買いに行くのではないでしょうか?
小売業が大晦日まで営業するようになったのは、そんなに昔の話ではありません。
1996年にダイエーが元日営業をしたようなのですが、大晦日は営業しても元日だけお休みして、二日から営業を再開するスーパーが多いようです。
でも、GMS最大手のイトーヨーカ堂をはじめとして、大晦日も三が日も営業している店舗も多くなっています。

元旦営業をするイトーヨーカ堂
元旦だけ休みで大晦日も2日も営業するヤオコー

一般に、小売業は競争が激しい業界です。
メーカーがブランドや品質を訴求する非価格競争という戦場だけで競争している企業もありますが、小売業が非価格競争だけで戦うことは極めて難しいビジネスです。
特に、「消費者が習慣的に近接した店舗を利用する」最寄品を中心に扱っている食品スーパーとかドラッグストアなどの最寄型小売業態では、価格競争の要素を排除することはできません。
ただし、最寄型小売業のなかでもコンビニエンスストアだけは価格で集客していない点が特徴的ですが、近年ではコンビニエンスストアも価格競争の要素が入り込み始めていますが・・・

ですから、小売業にとって理想的な商環境は、競合がいない地域に出店することが望ましいと言えそうです。小売業にとっての「立地」という要素は、物凄く重要な戦略要素になります。
とは言っても、人口の多い首都圏、近畿圏などをはじめとしたところでないと、なかなか売上の数字が伸び悩むことも多く、生活者の少ない地域は「買い物難民」と呼ばれるように、最寄型小売業が存在しない地域も出てきます。

そんな中で、小売業の営業時間に目を向けてみましょう。
これまで大晦日から正月三が日までお休みだった小売業が営業したら、どのような状況が期待できるでしょうか?
最近は、多くの小売業が大晦日も元日も営業をするようになってきていますが、それまでは競合する小売業が営業していないのです。これは、遠くからお客様が来てくださる可能性が高まります。それだけではなく、競合に奪われていたお客様を取り戻すチャンスになる可能性もあります。
いまでは多くの小売業が営業するようになってきてしまったので、今度は自分のお店だけ閉めるわけにもいかなくなっていますが・・・

これと同じようなことは正月に限らずに起きています。
それが深夜営業です。
一人暮らしの生活者が増えていたり、共働き世帯が増えていたりしていて、日中に買い物をする人が減っています。逆に言えば、日中に買い物できない人が増えているとも言えます。彼らは、都市部に住んでいても「買い物難民」になってしまっていました。
彼らは、コンビニエンスストアで惣菜やお弁当を買うか、帰り道の食堂で夕食を食べるしかありませんでした。
そこで、都市部の食品スーパーの営業時間が、どんどん遅くなってきています。
そうなると、もはや価格訴求だけが問題ではなくなってきます。自宅の近くのコンビニエンスストアで買えばいいと考えさせてはなりませんから、品揃えも大切かもしれません。

営業時間の延長は、お客様の争奪戦のほかに大きな戦略要素があります。
日中の営業時間にはオフィス街で仕事をしている人の帰宅時間帯である夜間に営業すると、これまでとは全く異なるお客様の来店機会が提供できます。
極端な表現をすれば、新規で出店するのと同じような集客機会を確保できる場合があります。

深夜営業店舗が増えているウエルシア薬局


本藤貴康(流通マーケティング入門、流通論、地域インターンシップ担当)

本藤貴康ゼミナールBLOG http://hondo-seminar.blogspot.jp/