2015年1月12日月曜日

海外ゼミ研修を終えて・・・

皆さん、こんにちは。
経営学部の関口和代です。

昨年度のこのブログでも書きましたが、
海外ゼミ研修についてご報告したいと思います。

昨年度は、タイを訪問しましたが、
今年度(2014年9月)はトルコを訪問しました。
http://www.tku.ac.jp/news/014494.html


訪問先の候補として、私が考える条件は、
 ・学生時代の一般的な旅行先でないこと
 ・経済が発展中であり、エネルギッシュであること
の2つを基本としています。
そして、もう一つ重要な点は、安全・安心な国・地域であることです。
日本も完全に安全・安心とは言い切れませんし、ましてや、日本国外。
言語・習慣・気候その他、異なる場所ですので、
当然、リスクはありますが、それでも、出来得る限り、
リスクを最小限にできるな国・地域を選択しています。

海外ゼミ研修を実施する目的の一つは、
日本とは異なる状況のもとで短期間の滞在とはいえ
何かを感じとってほしいと思っていますので、
毎回、訪問先には頭を悩ませています。


これまでの海外ゼミ研修では、
韓国・中国・ベトナム・タイを訪問してきましたが、
今回のトルコは、2つの点でこれまでの研修とは異なりまます。

一つは宗教です。ご存じの方も多いと思いますが、トルコはイスラム教の国です。
政教分離の国ですので、他のイスラム国家に比べると、宗教的な制約は
緩やかといえますが、いたるところにモスクがありますし、
礼拝の呼びかけ(アザーンといいます)も流れます。
ヴェール(ブルカ)等を用いている方も多く、
日本の生活とは大きく異なる雰囲気を感じる国と言えます。

















二つ目は、これまで、東アジア・東南アジア地域の国を
訪問してきましたが、日本から直行便で13時間近くかかる
トルコは、東洋と西洋にまたがる国であるという点です。
地政学的にも重要な場所にありますし、歴史的にもとても興味深い国です。

 
















日本とのつながりも強く、1890年のトルコのフリゲート艦「エルトゥールル」号が
和歌山県沖で座礁し、それを住民が救助・介助したことに始まる長い友好の歴史があります。
このことは、長くトルコの教科書にも掲載されていました。

約100年後の1985年、イラン・イラク戦争で、
イラン在留日本人の救出にトルコ航空機が出動し、
約200名以上が救出され、日本に帰国することができました。
戦争状態の他国に、日本人を救出するための飛行機を飛ばす
決断をしたトルコ政府及び国民には感謝の言葉しかありません。

日本の航空会社は、乗務員の安全確保等の観点から
救援に向かうことはできませんでした。
時間制限がある中、トルコ政府等に働きかけたのは、
トルコ駐在の総合商社の方だったと、
首都アンカラにある日本大使館の方に伺いました。
帰国後、その商社に勤めていた方に伺ったところ、当然、社内の方は
ご存じのことですが、それを大々的に公表することはしてこなかったとのことでした。
この一連の出来事は映画化され、今年2015年に公開予定です。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150110-00000021-san-l30
https://www.facebook.com/Ertugrul.movie





 












ボスポラス海峡トンネルを走る地下鉄です。大成建設さんが作られました。



長々と書いてきましたが、今回、言いたかったことの一つは、
グローバルに活躍する人の条件は「語学力」だけではないということを
お伝えしたかったのです。
また、グローバルに活躍するというと、
日本国外で活動しているイメージを持たれるかもしれませんが、
決してそうではないということも、です。
「日本人」でなければ出来ない仕事は、もはやほとんどありません。
日本国内でも、多様な背景を持つ方と協働する、
共に活動することが当たり前になっています。
地方公務員の方も、国外拠点で仕事をすることもありますし、
たとえば、窓口に来られる方の国籍も多様になっています。


準備その他も大変ですし、研修中に何が起こるかわからない、
大きなリスクがある中で、海外ゼミ研修を実施する理由の一つは、
大学生のうちに、出来る限りさまざまな背景を持つ方々と交流をしてほしいからです。
そして、人と人との交流は、皆さんの大きな財産となるだろうと、財産としてほしい、
と思ってのことです。

ただ、誤解してほしくないのですが、
日本国外に出なくてはならないということではありません。
日本にいても、さまざまな背景を持つ方が沢山います。
大学生までは年齢その他、同質的な方との交流が主ではありますが、
それでも、まずは自分と意見が異なる方と接することから
始めてみることが重要だと思います。

上記のことと関連してきますが、
2015年度新設科目として「グローバルキャリア入門」がスタートすることになりました。
バンコクでインターンシップ/フィールドスタディ等を実施する特別講義です。
本ブログを執筆されている柴田先生と加藤先生がご担当されます。
とてもユニークなプログラムになると思います。私も楽しみです。


それでは、皆さんにとって、
2015年が素晴らしい年となることを願っております。

 












(文責:経営学部 関口和代)