2015年3月9日月曜日

インド研究調査(前編)

流通マーケティング学科の丸谷です。5回目の執筆です。今回は講義が休みの期間でもあるので、研究者としての大学教員の側面について分かってもらうために、研究について書きたいと思います。少し長くなりそうなので、今回は前編です。
私はグローバル・マーケティング論の教員なので、研究もこの分野について行っており、夏と春の長期の授業がない期間を利用して、海外に研究調査に行きます。私の主な研究対象は世界最大の売上高を有するウォルマートのグローバルマーケティング戦略なので、ウォルマートの進出国を中心に研究調査に行くことになります。
ウォルマートは日本では西友というブランドで店舗を展開していますが、世界中に店舗があり、これまで米国、カナダ、メキシコ、中米地峡市場5か国(グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ)、ブラジル、アルゼンチン、英国、南アフリカ、中国のウォルマートを訪れていました(なお、チリは訪問のため米国まで行ったのですが、大地震が起こり計画が延期になりました)。
今回はウォルマートが進出済みである最後の残された大国インドに研究調査に行きました。
ウォルマートのインド進出は現在までのところ、現地政府の外資に対する小売出店規制のためキャッシュアンドキャリーと呼ばれる卸売のみの20店舗の進出に留まっています。
現在、インド政府は段階的に小売事業に関しても規制緩和を行ってきており、現在までのところ単独ブランドでの小売事業者の進出は解禁され、日本でも人気のあるイケアは既に進出を果たしています。
今回の目的は本格的な解禁が近づきつつあるインド小売市場について現地の状況を確認することにありました。
今回のルートは以下通りです。
 
インドと日本の時差は3時間半、首都デリーまでは約10時間かかります。
成田を午前11時半発のフライトでしたが、到着は夜になるので、ホテルへ移動し明日に備えました。
2日目からは強行スケジュール午前中にインド商工会議所にて幹部の方に(写真参照)、午後は日本貿易振興機構の現地事務所にて、受入側と進出側の立場からインドの小売事情についてお話を伺いました。合間には現地小売業者の店舗にも随時立ち寄り、お話もうかがいます。



3日目は午前中インドで最大の売上シェアを誇るスズキ自動車(現地では合弁で進出しているのでマルチスズキ)の現地幹部の方に(写真参照)、午後はデリー郊外のグルガオンのNTTコミュニケーションズインディア社の現地幹部の方に、大成功する老舗日本メーカーと新興の日本企業の幹部の立場から現地の小売事情についてお話を伺った後、夜にコルカタに移動しました。



4日目は午前中現地の日本総領事館に伺い、総領事と面会し、インドのハバナと呼ばれる昔ながらの情景が残るコルカタにおける小売事情についてお話を伺い、古くからの町並みが残る現地の小売事情を調査した後、夜にはバンガロールに移動しました。


結構ハードな日程でしたが、フライト時間も10時間、時差が3時間半と少ないだけ、現地調査の機会が多い中南米に比べて楽な方です(例えばブラジルなどには1日以上のフライト、時差も地球の真裏のため大きいので)。

丸谷雄一郎(グローバル・マーケティング論担当)