2016年7月4日月曜日

タイからの短期留学生と本学学生の交流プログラムを実施しました

皆さんこんにちは。経営学部教員の柴田です。
昨年から開講している特別講義「グローバルキャリア入門」の一環で、今年もタイ・バンコクの泰日工業大学経営学部の学生との交流プログラムを実施しました。この科目は、海外から日本に来る短期留学生と交流するインバウンド型のグローバル化と、日本から海外に出かけて現地で交流するアウトバウンド型のグローバル化の両方を体験するというユニークな試みを行う科目です。昨年の様子はこちらをご覧ください。

泰日工業大学生7人は5月9日(月)に来日し、10日(火)には、経営学部柴田ゼミとの交流イベントに参加して「日本とタイにある、同じ名前のコンビニエンスストアでも、なぜこんなに違いがあるのだろうか?」というテーマで、小グループごとに実際の店舗を見て廻りながら考察してもらいました。思いのほか、たくさんの違いが見つけ出せるのですが、「では、なぜ違いがあるのか?」を考えると、互いの文化や歴史的背景、社会情勢など多くの要素がからみあっていて、なかなか一筋縄では答えが出ません。さらに10日(火)夕方からは学長や国際交流委員長、国際交流主任の先生方にも加わっていただき、歓迎会を行いました。写真は、堺学長を囲むタイ人短期留学生の皆さんです。この歓迎会の様子は、堺学長のBlog学生記者の紹介記事にも取り上げられています。今年この共同プログラムに参加する本学学生のほとんどは、特別語学の「タイ語」も並行履修しているため、お互いに打ち解けるのも早かったように見受けられました。



11日(水)からは、いよいよ本学学生11人との本格的な交流プログラムが始まりました。今年も両国の学生に一緒に考えてもらう共通テーマは、「タイで日本の甘くない緑茶をもっとたくさん販売できるような事業のしくみを考える」というものです。前回も述べたように東南アジア各国で販売されている茶系飲料の多くが、日本人から見るとかなり甘みの強い加糖飲料です。泰日工業大学生の皆さんにも「普段自分がよく飲むPETボトル入りの茶系飲料」をタイから持ってきてもらいましたが、やはり、この中には加糖のものが多く見られました。その中で、甘くない緑茶の販売拡大を図るには、さまざまなアイディアが必要となるはずです。今回は、このテーマに合わせて、泰日工業大学生にも日本の緑茶の良さを理解してもらうために、国分寺市内で実際に茶畑を持って栽培し、収穫から茶葉の加工までを手掛ける松本製茶の見学を行い、さらに、殿ヶ谷戸庭園内の茶室紅葉亭での茶道体験、茶系飲料を生産するキリンビバレッジ湘南工場の見学、全国のイトーヨーカドーの中でもっとも緑茶飲料の売上高の大きい木場店の店舗見学、セブンアンドアイグループの本部で飲料を担当するバイヤーの方から直接お話しを聞く機会などを用意して、お茶の生産から販売までの一貫した流れを理解してもらえるようにいたしました。写真は、松本製茶の茶畑、キリンビバレッジの工場見学、セブンアンドアイグループ本部での様子です。





さらに、日本文化体験として、きものの着付けや生け花を体験してもらうとともに、経営学部の田島博和先生のお宅に家庭訪問も行い、日本語の授業や、英語による経営学の諸分野(経営学、マーケティング、会計学、経営情報)の授業を行い、相当充実した内容になったのではないかと思っています。





5月27日(金)には期間中の日本語の授業での発表会、28日(土)には共同プロジェクトの中間発表会を行いました。「中間」と表現するのは、8月下旬に、今度は本学学生がタイ・バンコクの泰日工業大学を訪問して、さらに共同プロジェクトをまとめていくことになるからです。今回も、タイ人学生には日本語で、日本人学生には英語でと、ハードルを高くして発表をお願いしました。タイと日本と離れていても、どちらも経営学部の学生ですから、SWOT分析とかマーケティングミックスの4Pなど、基本的な部分で共通する知識があるため、短い期間でまとめた割には、どのグループも興味深いものになっていました。担当教員としては、大きな手応えを感じています。

本学学生がタイ・バンコクで研修を行うのは、8月下旬になります。その様子はまた後程ご報告したいと思います。

(文責:経営学部 柴田高)