2017年11月12日日曜日

【学問のミカタ】「考・学問のすゝめ」(小木ゼミ通信 番外編)


 マーケティング論、ソーシャルマーケティング論、消費者問題などを担当しています、経営学部の小木紀親です。

 23回目(vol.23)の投稿となりますが、はじめて【学問のミカタ】を書かせていただきます。


 今回は、文字通り学問について述べたいと思います。

 以前、本ブログで吉田靖先生が「学問のすゝめ」について書かれていたのですが、それは唸るほどの深いものでした。私も、吉田先生に倣って、「考・学問のすゝめ」において、あれやこれや述べてみたいと思います。


 周知のように、『学問のすゝめ』は、『文明論之概略』、『福翁自伝』などともに、福澤諭吉先生が著した有名な書です。もちろん、福澤先生においては、慶応義塾大学の創立者であること、一万円札の肖像になっていることなどでも有名です。ちなみに、福澤先生と呼ぶのは、慶應義塾においては「先生」は福澤先生一人であることに由来しています。たとえば、私自身も、慶應義塾で兼任講師として講義をしていますが、私が休講した場合の掲示は、今でも「小木君 マーケティング論 休講」となります。それだけ、塾では福澤諭吉なる人物は、偉大な人物として崇拝されています。


 翻って、福翁(福澤諭吉)は『学問のすゝめ』において「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」という有名な言葉を残していますが、その真意は「次なるくだり」をしっかりと見ておく必要があります。次なるくだりとは、「人は生まれながらにして貴賤・貧富の差なし。ただ学問を勤めて物事を良く知る者は貴人となり富人となり、無学なる者は貧人となり下人となるなり。」です。これは、仕事や身分に差があることは、生まれつきではなく、学んだか、学ばなかったかにあると、言っているのです。簡単にいってしまえば、ちゃんと勉強しないとダメだよ、ということです。

 戊辰戦争時、上野の山で激しく砲撃がなっていても、三田の山で血気にはやる学生に対して「いまは学問に打ち込み、力を蓄えることが肝要である」と、福翁が諫めたのはあまりにも有名な話です。それだけ、福翁が学生時分の学問の大切さを真剣に考えていたという証左でもあります。


福澤諭吉生誕の地碑(大阪・中之島)
実は、福澤諭吉は大阪の中津藩屋敷で生まれています。


生誕の地碑の脇にあります(大阪出張で撮影)。


 そうはいっても、今日では生まれた家庭で収入差もあり、そもそもスタートラインが違うじゃないかという輩もいますが、福翁のこのくだりは明治時代に述べられたものであり、明治時代は今日よりもさらに差別や格差が大きくあったはずだと考えられます。


 現在、「学ぶべきはずの学生」にとって大事なことは、高校や大学において問題意識をしっかりもち、がむしゃらに学問に勤めることであると考えます。各々が成長していくためには、そうした重要性を、学生となろうとしている(学生となった)皆さんがどのようにとらえていくか、すべてはその一点にかかっていると言えましょう。


 とはいえ、私自身は、単なる「お勉強」をしなさいというつもりは毛頭ありません。「学問」を拡大解釈して、高校時代、大学時代に何かに燃えるものがあって、それにがむしゃらに邁進できれば、それはそれで良いかとも思っています。

 授業でも、ゼミ活動でも、語学や資格取得でも、課外活動でも、必ずやった分だけ自身の成長に跳ね返ってくるはずです。ぜひ、(拡大した)学問を究めようとする「姿勢」を大切にして、がむしゃらにことを終えたときの爽快感を体感できるように頑張ってほしいものです。


 そんながむしゃら感を受けとめる器(うつわ)は、我が東京経済大学には必ずあると思うので、気概のある学生は「国分寺の山」に集ってほしいと願っております。


 閑話休題。


 実は、私、福澤翁の言葉では、「愈究愈遠(いよいよきわめて、いよいよとおし)」や「自我作古(われよりいにしえをなす)」が好きです。

 とりわけ、自我作古(じがさっこ)の真意は、自らが開拓者となり、後世に影響を与え続けるものというのではなく、後を継ぐ者が自分を乗り越え、自らが過去になることを受け入れる勇気ある言葉と解釈できます。

 すでに、小木ゼミからは、2人の研究者(大学教員)が出て、私を追い抜いた形になっています(まあ、まだまだ負けていませんが)。その2人に限らず、ゼミ生全員が私を踏み台にしてどんどん越えていってもらえることこそが、私にとって何よりもたまらなく嬉しいです。


 本学の新入生や、本学を目指す高校生には、上記を全部ひっくるめた「心意気」で、ぜひ何かに(学問に)がむしゃらに向かう姿勢で、頑張ってほしいと願ってやみません。



                 小木紀親(経営学部 教授)





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