2019年6月17日月曜日

ドラッグストア業界が変わる?

2019.6.17

経営学部の本藤です。
梅雨の季節が始まりました。念のため傘を持ち歩かなくちゃいけなくて面倒な季節ですね。(でも今日は夏日(汗)。不思議な天候で体調不良です(+_+))

僕の大雑把な研究領域は、流通とかマーケティングという営業系に焦点をあてています。
このマーケティングというのも、メーカーが商品をつくって、卸売業が運んで、小売業が販売するという流通チャネルを戦略的にコーディネートするってことで、僕の研究データは、ドラッグストアの販売データを利用することが多く、この業界の動向には常にアンテナを張っています。


そこで最近気になってる経済ニュースが「ココカラファインをマツモトキヨシとスギ薬局が争奪戦を展開!」です。

実は、ドラッグストア業界は、この合従連衡が常態的に起きています。
先述のニュースで登場するココカラファインも、セガミメディクス、セイジョー、ジップドラッグ、ライフォート、スズラン薬局、メディカルインデックスなどのドラッグストア・チェーンの合併を起源としています。実は、この他にも中小チェーンを継続的に加え続けています。
昨会計年度まで業界トップのウエルシアについても、今会計年度でトップに躍り出たツルハについても同様です。地域密着型の中小チェーンが経営統合して今の売上高を飛躍的に拡大させてきています。

上場企業間では、マツモトキヨシがミドリ薬品を、ウエルシアが寺島薬局とCFSコーポレーションを経営統合や買収したというような経緯もありますが、近年では未上場企業の子会社化が基本的な業界再編の流れでした。

しかし、今回のココカラファイン争奪戦はレベルが違います。イメージとしては、コンビニ業界であればローソンとミニストップが一緒になるような話。あれ?分かりづらいですかね(笑)

基本的には、上場ドラッグチェーンは、食う側であって、ココカラファインのような大手チェーンを取り込めるなんて、業界各社は想定もしていなかったと思うのです。だから、「マツキヨとココカラが業務資本提携の相談を始めました」というニュースリリースが行われたら、即座にスギ薬局(スギHD)が「それがありなら私も手を挙げます」という展開になったようです。でもって、話をしていくうちにココカラ争奪戦だった話に3社が統合する話も選択肢に入ってきて、業界に甚大な再編をもたらす可能性も出てきたようです。


これまでのドラッグストアの業界再編は、足し算的な合従連衡が多かったんですよね。
どこかの地域チェーンを大手チェーンが組み込んでいくような。それで売上が加わって、仕入れ交渉力(バイイングパワー)を強化して、安く仕入れたり条件をよくしたりっていう感じです。

ここに来て無視できない要素があるんです。
それがIOT(モノのインターネット)だったり、生活者のライフログ(生活全般のビッグデータ)だったりの収集・活用が、AI時代に不可欠な取り組みになってきています。
となると、商品開発、広告、物流、営業、販売など様々なシーンでビッグデータを活用することになり、小売業のデータの価値が飛躍的に高まっています。
つまり、より多くの店舗を保有するチェーン、より多くの顧客を持つチェーンの戦略的価値が、売上高や店舗数とともに急上昇することを意味するのです。


足し算だった統合や合併が、掛け算になるような環境変化が起きています。

文責:本藤貴康(流通論、流通マーケティング演習、アカデミックコンパス担当)

本藤ゼミブログ(http://hondo-seminar.blogspot.com/









1 件のコメント:

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