2024年10月14日月曜日

SNS総フォロワー290万人以上ゼミOG「くぼたび」さんをお招きして

 流通マーケティング学科の丸谷です。67回目の執筆です。私はグローバル・マーケティング論を専門とする教員です。本学には教員が自身の講義に実務家や外部の有識者を外部スピーカーとして招くことができる制度があります。今回は丸谷ゼミOGで旅に生きるアラサー夫婦としてSNS総フォロワー数290万人の大人気ユーチューバーのクボタビさんを外部スピーカーとしてお招きしたので取り上げます。ゼミOGの講演を取り上げるのは20221212日に取り上げた「日本一新大久保に詳しい」としてご活躍されているもーちぃさんに次いで2人目です。


クボタビさんは202012月からSNSで夫婦する旅しながら動画をアップし始め、コロナ禍で全国の観光地が疲弊する中でルールをしっかり遵守した上でリアルな情報を伝える動画が人気となり、47都度府県全てが主役になることを目指して、魅力があるのにしっかり情報が伝わっていない地域の情報を伝える仕事をされています。自身が出演するだけではなく、インフルエンサーチームを運営する、SNSコンサルティングを行うなど多彩な活動をされています。20246月にはこれまでの活動やお勧めの旅先を盛り込んだ書籍『くぼたび流暮らす旅のしおり(株式会社KADOKAWA刊)』も出版され、既に5刷となっています。

講義は簡単な自己紹介の後、ご自身のアップされた大洗ホテルのショート動画(https://www.tiktok.com/@kubo_tabi/video/7416633001179761937)をみてもらい、どのようなSNSのテイストなのか理解してもらった上で始まりました。


ご夫妻は全国を旅する中でコロナ禍魅力があるのに疲弊する地方の実情を憂い、SNSを最大限活用して状況を改善し続けています。ご夫妻の活動開始当初コロナ禍だったため、外国人観光客はほとんどいなくなっていました。しかし、現在では非常に多くなっており、日本語の発信だけではなく、最近はインバウンド客も意識した内容の情報発信も始めているそうです。私は講義ではアウトバウンドを中心に取り扱っているので、非常に有用でした。

講義内では疲弊する地方の実情や一部の観光地に人が集まりすぎている現状についてデータを用いて示した上で、SNSを活用する際の留意点や競争が激しいSNSの中で活動を維持するために重視している独自性について具体例をあげながら講義されていました。


特に感心したのは紹介する対象選定へのしっかりとしたこだわり、綿密な取材と下準備を入念に行った上での取材交渉、視聴者の反応データに基づく動画の改善といった部分でした。紹介する対象の選定ではいくら条件がよくても自身が紹介するに値しない内容は選ばないということが徹底され、取材交渉では自身のこれまでの活動をしっかりまとめた資料を持参し紹介すべき内容について語りながら綿密に交渉がなされ、動画の改善は動画から離脱した理由を徹底して分析されているそうです。5年の経験が実り現在に至っていることがわかる内容でした。


講義終了後質問タイムでは、東京経済大学の卒業生ならではの質問「東京経済大学の魅力をSNSを通じてアピールするには」といった内容もあり、豊かな自然環境と充実した施設をあげられており、ご夫妻の柔らかい雰囲気と相まって和やかな雰囲気でご講演は終わりました。

(文責:流通マーケティング学科 丸谷雄一郎)