2025年12月15日月曜日

経営学部ゼミ報告会(12月13日)レポート

経営学部ゼミ報告会レポート 12月13日開催

広告論を担当している鴇田です。

12月13日に、経営学部ゼミ報告会が開催されました。

東京経済大学経営学部には35のゼミがあります。

その活動内容は担当教員によってまちまちですが、それぞれのゼミが独自の視点で社会やビジネスの課題に向き合い、学びの成果を発表の場へとつなげています。

ゼミとは?

ゼミとは、少人数のクラスで指導教員や仲間とともに研究テーマを掘り下げていく、大学ならではの授業です。

活発な議論や発表を通して、自ら考え学び続ける力を養います。

(東京経済大学HPより)

ゼミによっては、このゼミ報告会での発表を目標に4月から研究に取り組むところもあります。

一方で、学外で発表した研究成果を報告するゼミもあります。そのため、発表内容は実にさまざまです。


今回の経営学部ゼミ報告会では、18ゼミから62の報告が行われました。



鴇田ゼミからは、以下の3報告を行いました。

  • 推し活における羞恥心が及ぼす影響とその要因解明
  • 生成AIと人間の協働構造が広告およびブランド本物らしさに与える影響
  • ポジティブ・ポライトネス型広告とネガティブ・ポライトネス型広告が与える広告効果:ブランドの性格特性に着目して
 

これらは、今年度の関東学生マーケティング大会に参加した際の研究テーマです。何度も発表練習を重ねてきた内容だったので、当日は落ち着いて臨めるかと思いきや……。

当日は当初の予定より発表時間が3分短くなったこともあり、早口になってしまった場面も。

発表直前まで、最終調整に時間をかけている様子も見られました。


当日は本学の学生だけでなく、高校生や保護者の方の参加も見られました。そのため、大会での発表時とはまた違った緊張感があり、学生にとっても貴重な経験になったと思います。

大学でのゼミ活動に興味がある高校生も発表を見学できるので、ぜひ来年度の報告会にも足を運んでみてください。


また、全スケジュール終了後には懇親会も開催されました。

同日に行われた経済学部の発表会と合同で実施され、

美味しい料理を囲みながら発表の感想を話し合ったり、他ゼミの学生と交流したりして、楽しい時間を過ごすことができました!

東京経済大学のゼミについては、以下のページで詳しく紹介されています。

開講されている全学部のゼミ一覧も確認できます。

https://www.tku.ac.jp/department/seminar/

ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。

発表に臨んだ学生の皆さん、本当にお疲れさまでした!

2025年12月1日月曜日

アパレルのネット通販物流

 「物流論」・「流通情報システム論」を担当する宮武です。


前回は「物流」ってこんなイメージ、ということで、

参考となる動画や映画を簡単に紹介しましたが、

今回はインターネット通信販売(ネット通販)の物流について簡単に紹介していきます。


ネット通販といっても、色々な商品が取り扱われていますが、

今回はその中で、「アパレル(衣類)」を例にしてお話していきます。



1.アパレルがネット通販で購入される割合

経済産業省は毎年夏ごろに「電子商取引に関する市場調査」という報告書を公表しています。

2025年8月に公表された結果によると、

日本における2024年の「全ての商取引金額に対する、電子商取引市場規模の割合」(これを「EC化率」と呼んでいます)は、9.78%と推計されています。


だいたい、すべての買い物金額の10分の1がネット通販での買い物金額ということです。


さらに「衣類・服飾雑貨等」に限れば、23.38%

と全体に比べると高くなっています。

(ちなみに最も高いのは、「書籍、映像・音楽ソフト」の56.45%です。

 経産省統計では、電子書籍や音楽・動画配信はここに含まれていないので、

 このカテゴリーは実店舗で本やソフトを買うという人の割合は下がっていると言えるでしょう)



2.服を買うならどんなところで?

サブタイトルは縞野やえ先生の『服を着るならこんなふうに』を少し意識しました。


さて、みなさんはネット通販で服を買いますか?

買うとしたら、どんなサイトで買っていますか?


180cm弱、100kg強の私はもっぱらUNIQLOの通販です。

UNIQLOの場合、店頭在庫のサイズはだいたいXLまでなので、

私のような体型の人間はそもそもネット通販がメインです。


ちなみに、GAPであれば海外サイズ基準なので、XLでOKなのですが、

買いに行くこと自体が面倒で定番のオックスフォードシャツをやはりネット通販でポチってます。


このように、もはやオシャレをしたい、なんて考えがない消費者だと、

同じような服を同じサイトで買う、という行動をとりがちです。


サイズ感、色合い、質感、店員さんとの情報交換などなど、

趣味としてファッションを楽しみたい人には、物足りない買い物スタイルかもしれません。


しかし、最近ではット通販の特徴である安さと商品の豊富さ(+探しやすさ)も活かしつつ、

ファッション性が高い、たくさんの新作が出る、掘り出し物がある、

などの若い世代に手が届く(いわゆる「プチプラ」)、

トレンドも押さえた商品を販売するネット通販サイトも一般的なようです。

(自分が上記のような消費者なので、情報として知っていても伝聞系になるのはお許しください。)



みなさんの中にも、

Amazon楽天市場、前述のUNIQLOなどだけでなく、

ZOZOTOWNで複数のショップからお気に入りブランドの新作をチェックしたり、

GRL(グレイル)で手頃な価格帯の商品を探したり、

という人もいるかもしれません。


また、SHEINなどの中国系のネット通販サイトで海外から服を取り寄せたり、

着なくなった服をメルカリに出品したことがある人もいるでしょう。



3.商品はどこから送られる?

アパレル商品の製造から小売店までの物流は、

物流を勉強するうえでは教科書的な題材なのですが、

ここではまず小売店(ネット通販事業者)から消費者までの物流を見ていきます。


まずネット通販サイトには、

自社で仕入れた商品を販売しているサイト(自社型

いろいろなお店が出店しているオンライン上のショッピングモールを運営しているサイト(モール型

に分けることができます。


Amazonは元々自社型から展開していき、

最近では「Amazonマーケットプレイス」にみられるようなモール型の特徴が強くなっているサイトです。

アパレル商品などは、特にAmazonに出店している通販事業者が販売している割合が多い印象があります。


楽天市場はその逆で、モール型として展開している一方、

一部で「Rakuten Fashion」などでは自社型を採用しています。


また、ZOZOTOWNも基本は複数のショップがサイト内に展開するモール型です。


モール型の場合、実際に商品を発送するのは、

基本的にはモールを運営しているネット通販事業者ではなく、

モールに出店している販売事業者です。


ただし、Amazonも楽天も自分たちが管理する物流センターに出店者の商品を保管し、

注文が入れば段ボールなどに入れて発送するという物流業務を代行するサービスを実施しています。

これを「フルフィルメントサービス」と呼んだりしています。

(正確には、フルフィルメントサービスの範囲は物流に限らないのですが。)



一方、UNIQLO、GAP、GRL、SHEINなどは自社で製造した商品を自社で販売している、

SPA(Specialty store retailer of Private label Apparel)という製造小売業です。

(実際に製造しているのは委託工場なのですが、そこからの物流などはまた別でお話できれば)

当然、商品の保管や発送なども自社での責任で、物流事業者などに委託しながら行っています。


特に、UNIQLOの持つ有明の倉庫は、自動化が進み24時間体制で注文を受けての出荷体制を整えています。

なので条件が揃えば、夜に注文した商品が数時間後の翌朝には届くといった利便性があります。



4.商品は誰が運ぶ?

日本のネット通販の配送の多くは、ヤマト運輸佐川急便日本郵便などの宅配便事業者が支えています。


しかし、Amazonのように自社で配送も管理するネット通販事業者も出てきています。

(正確には、Amazonが個人の配送員に直接配送を委託したり、

 宅配便以外の物流事業者などを通してやはり個人の配送員に委託している形です。)


先ほど紹介したフルフィルメントサービスを利用して、

Amazonの物流センターから商品を送り出す場合、

このAmazon独自の配送サービスで商品を消費者に届けることができます。

一方、モールの出店者が自ら発送をおこなう場合は、

大手の宅配便事業者に配送を任せることが一般的です。


また大手のネット通販事業者でも、商品の保管や管理などは自ら主体で行っていても、

配送だけは宅配便事業者に任せることが多いです。

これは、それだけ配送がネット通販物流のコストとして大きいことの表れでもあります。


なお、SHEINは中国の物流センターから日本に航空便で輸送されていますが、

日本での配送は日本の宅配便事業者に任せている場合が多いようです。



今回はアパレル商品のネット通販での管理や配送について見ていきましたが、

なぜこれらの商品が、ましてやSHEINのように国外から運ばれているにも関わらず安いのか、

ということについて機会があればお話できれば、と思っています。



(文責:宮武宏輔)

2025年11月21日金曜日

市場規模を考えながら生活需要を開拓する

 2025.11.21

経営学部の本藤です。
高校3年生はいよいよ追い込み時期ですね。今週末の日曜日は指定校推薦選抜当日です。年内入試選抜が終わると、徐々に入試選抜本番の冬に突入します。今シーズンはインフルエンザがだいぶ早く流行しているようです。ボクの授業でも、ここ数週間は何人もの履修生からインフルエンザによる欠席連絡が入ります。体調管理には十分に注意しましょうね。


みなさんは風邪の予防にしていることはどんなことでしょうか?
外出中のマスク、帰宅後の手洗い・うがいをしている人は多いかもしれません。
ビタミンCをとると抵抗力が強まるとも言われてます。
入浴剤を入れて温浴効果を高めたりする人もいそうです。
インフルエンザの予防接種もこの時期に受ける人が多いですね。
葛根湯は風邪の初期症状だけではなく予防効果があると聞いたことがあります。
最近は、免疫力強化の乳酸菌飲料が何種類も売場で見かけるようになりました。

風邪やインフルエンザの予防にかかわる一般的な商品として、ハンドソープ、うがい薬、マスク、ビタミンサプリ、入浴剤、漢方薬・・・、インフルエンザの予防接種以外はドラッグストアで販売されているものばかりです(ちなみに、アメリカでは薬剤師がインフルエンザの予防接種できます。日本では、医師会が既得権を手放さないので、なかなか難しいようです)。
これまでは「治療」のための薬の需要が中心だったのですが、最近は「予防」の需要が拡大してきています。

これからのドラッグストアが開拓していこうとしているマーケットが、この「予防」市場なのです。


メタボリックシンドロームにならないように防風通聖散などの漢方薬がありますし、ロコモティブシンドロームにならないようにプロテインなどのサプリメントがあります。

考えてみると、歯磨き粉や歯ブラシなどのオーラルケアも予防市場ですが、これは既に一般に定着しているマーケットです。これも、最近ではホワイトニング、知覚過敏、歯周病など、虫歯以外の予防にもお金が使われるようになってきています。歯磨き粉や歯ブラシ以外にも、洗口液、液体歯磨、歯間ブラシ、フロスとサブカテゴリーは拡大の一途をたどっています。


これらは、主にパーソナル・ソリューションで、実はプライシング(価格設定)の影響はそれほど大きな商品ではありません。むしろ自分の悩みを解決してくれそうな商品に対しては、価格訴求商品を避ける傾向すら見られます。少し考えてみてください。どこのブランドか分からない半年くらい使えそうな大容量の歯磨き粉と、白い歯にしてくれそうな高めの歯磨き粉があったら、簡単に価格だけで判断できませんよね?
仮に、一時的に安い商品を購入しても、気になり続けている人が多ければ、次には購入してくれる人も多くなります。そこがスーパーマーケットとドラッグストアの大きな違いになってきます。やっぱりキャベツは10円でも安い方がいいと考えますし、牛乳や飲み物も同じような傾向が見られます。



そこで、超高齢社会になってきた日本でのチャンスは、生活習慣病の予防市場は無限のチャンスがありますし、無限の需要が眠っているのです。筋肉減少などの問題であるロコモティブシンドローム、肥満などの問題につながるメタボリックシンドロームの他にも、糖尿病、高血圧など様々な生活習慣病などは治療市場でさえ急増していますが、予防市場はケタが違うのです。特に、この予防市場は、ファミリー・ユースではなく、パーソナル・ユースなので、家庭のニーズではなく個々人のニーズによって牽引されます。
だから、その市場を開拓することは、大きな需要創造への取り組みとも言えるのです。


文責:本藤貴康(担当科目:流通論、ケースメソッド)
本藤ゼミナールブログはこちら⇒東京経済大学 本藤貴康ゼミナール







2025年11月3日月曜日

葵祭にいってきました

経営学部の木下です。

葵祭にいってきました。

ゼミの学生のものを中心に、色々な企画と模擬店を回ってきました。学生のサークルだけではなく、ゼミでの出店もあり今年は特に経営学部からの出店が多いようでした。展示企画を回ってスタンプを集めたり、アンケートに回答するだけで記念のタオルが貰えました。最後のビンゴ大会ではまったく当たる気配もありませんでしたが、なんだかんだで結構面白かったです。学園祭とはそういう趣旨のものではないでしょうが、市場や経営学的な観点から少し考えてみようと思います。

まず気になるのは模擬店はちゃんと利益を回収できているのか、ということですね。個別の模擬店の来客数や売上の予測はかなり難しいでしょう。価格を固定していては売れ残りが生じて在庫の処分コストもありますから、赤字になる可能性はあると思います。しかし、学園祭の多くの模擬店では、終わりが近づくにつれて値引きして販売します。実際のビジネスでは、安売りをするとそれを待つ客が増えてしまうため安易に行うことはできません。動学モデルやゲーム理論のテーマです。学園祭ではそういった駆け引きを行う必要がないため、最後は純粋な損得計算だけで動くことができるのです。少なくとも原価ギリギリの価格でも売り切ることができればいいので、赤字になっている模擬店はほとんどないと思います。ということで、学園祭のようなケースでは諸々の短期の理論をそのまま適用できると予想します。現実では厳密な最適価格や戦略等は分かるはずもありませんが、多めに仕入れて最初は強気の価格で攻める、という方向の戦略になるでしょう。実際にそうしているのではないでしょうか。

普段現金をあまり使わないので財布にあるかどうか不安でしたが、この日はたまたま数千円入っていました。キャッシュレスを導入してはどうかと思いましたが、それはやはり無理な話でしょう。キャッシュレスを導入することのコストの変化と集客力の増加の比較でやるべきかどうかは決まりますが、後者の効果があるとはとても思えません。「キャッシュレス決済できるなら葵祭に行こう!」となるような層は、ほとんどいないような気がするのです。もっとも、キャッシュレスを導入してみた世界も観測できませんから「気がする」としか言えません。キャッシュレスを導入して会計担当の人員を削減して商品開発等に回して品質を高める、というのも学園祭では何か変な気がします。キャッシュレスの手数料を払ってまでやる価値があるか、ということです。ということを考えていたら他大学の学園祭に行ったゼミ生からPayPayで支払い可能な模擬店があったと教えてもらいました。主流にはならないと予想していますが、これは日本全体のキャッシュレスの動向次第ですね。

実際のビジネスでは、リスク管理の話が追加されてきます。例えば、個別の予測は難しくても全体の来客数は例年と大きく変わらないはずです。そこでファイナンス論や保険論では、全体で管理して分配した方がリスクを少なくできる、という発想を持ちます。分散投資というやつですね。一方で、そんなことをしたら各模擬店が頑張る意欲を失ってしまう、という経営組織論的な発想もあります。モラルハザードというやつです。

もちろん利益を追求するのが学園祭の目的ではないと思います。販売して終わり、だとまるでビジネスライクで学園祭の趣旨ではないはずで、知り合いの企画や模擬店に行ってみてつながりを増やしたり、自分達のやっていることを知ってもらったりするのが本来の目的だと思います。

と、色々考えつつもこれは実際に出店せずに理屈を語っているだけですね。やってみなければ分からないことはたくさんあります。それが経営や経営学の難しくかつ面白いところではないでしょうか。え?じゃあ木下ゼミも出店してみろって?うーんそれはどうでしょうか。検討します。


                             木下 亮

2025年10月20日月曜日

フランスパリ近郊で試行錯誤するコストコ

 流通マーケティング学科の丸谷です。67回目の執筆です。私は「グローバル・マーケティング論」を専門としており、海外でどのようにマーケティングを行うかについて研究しています。年2回ある授業休止期間を利用し、海外現地調査のために出張し、このブログでも多くの国々での出張について取り上げてきました。今回は20258月にフランスで行ったコストコ現地調査を取り上げます。

 日本でも人気のコストコはアメリカ出身の企業ですが、会員制の倉庫型店舗を日本以外の国にも展開しています。同社の国際展開はこれまで日本に進出してきた流通企業に比べてもゆっくりであり、市場機会をどん欲に求めるというよりは、石橋を叩いてわたるペースです。私はこの進出ペースを、漸進的(ぜんしんてき)という表現で示してきました。

コストコのヨーロッパでの展開は1993年に同社の前身企業が既に進出していたアメリカの旧宗主国であるイギリス以外では2014年のスペイン進出までなされてきませんでした。スペイン進出以降2017年アイスランドとフランス、2022年スウェーデンと少しずつ進みましたが、各国での出店ペースはスペインでの展開に比べてゆっくりで、今回現地調査したフランスのみがパリ周辺に2店舗目を出店した以外は1店舗のみでした。この出店ペースは2014年進出のオーストラリアが15店舗、2019年進出の中国が7店舗と比較してもゆっくりとしたペースといえるでしょう。

フランスのコストコの出店場所

フランス2025年年末までにドイツとスイスとの国境近くのミュルーズに3店舗目を出店することが発表されており、英国、スペインに次ぐ出店ペースといえ、英国とスペインでは既に現地調査を行ったので(英国現地調査に関しては、https://tkubiz.blogspot.com/2023/09/blog-post.htmlを、スペイン現地調査に関してはhttps://tkubiz.blogspot.com/2025/03/を参照)、今回フランスで現地調査を行った。


リ到着翌日時差ボケが残る中でしたが、早速ホテルから相対的に近いコストコのフランス2号店(コストコポントー・コンボー倉庫店)に向かいました。宿泊したホテルの目の前のパリ市庁舎を意味するオテル・ド・ヴィル駅から地下鉄で2駅のリヨン駅でパリ近郊の大都市圏と郊外を結ぶ高速鉄道のネットワークであるエール・ウ・エールのA号線に乗り換え、9駅目のシャンピニー駅まで22分乗車しました。

パリ中心部からコストココポントー・コンボー倉庫店までの行程と周辺の店舗

 シャンピニー駅は中央線の各駅は停車するが、電車の乗り換えはない豊田駅や日野駅という感じの駅であり、駅前に数路線が走るバス停がありました。駅前のバス亭からレ 4 シェンヌ・ショッピング・センター(Ccial Les 4 Chênes)行きのバスの終点まで40分乗車すると、コストコポントー・コンボー倉庫店につきました。

 この店舗は2021815日に開店した店舗であり、物流が容易な郊外の幹線道路D4(県道4号線)沿いに立地し、巨大ショッピングモールの中核をなすテナントとなっていました。駅からコストコまでのバス沿線には郊外型の住宅が建設され、駅とコストコが入居する巨大モールの間には、フランス発祥で日本にもかつて進出したことがあるカルフールなどが出店する中規模モールも立地しており、バスの終点に立地するレ 4 シェンヌ・ショッピング・センターは近隣の住民向けというよりは、より広域からの集客を期待して建設されたモールのようでした。

閑散とした店内の様子

 広大なモールの外観を1周した後、世界共通の会員証を機械にかざして入店すると、会員はまばらで数えるほどしかおらず、英国、スペイン、オーストラリア、メキシコのどのコストコよりも売場に活気は正直全く感じられませんでした。当然会員が少ないので、配置された試食担当の店員さんも手持無沙汰であり、当然やる気も感じられず、非常に静かな店内でした。

駐車場が満杯のリドル

 平日昼間という時間帯のせいかなと考え、モールに入るその他のテナントもくまなく回ってみたところ人はまばらでしたが、隣接するハードディスカウントストアのリドルはコストコよりこじんまりした店内が多くの顧客で賑わい、駐車場もほぼ満杯であり、レジに人が多くならび、店内にも活気がありました。少なくともこうした郊外立地ではハードディスカウントストアの方があっていることが明らかでしたし、駐車場や併設されたガソリンスタンドの稼働状況をみても広域からの集客も少なくとも大成功しているとはいえなさそうでした。

フランス1号店ヴィルボン・シュル・イヴェットの一定の活気がある店内の様子

 数日現地競合店を現地調査した後、2017622日に開店したフランス1号店ヴィルボン・シュル・イヴェットも現地調査しました。1号店はホテルから10分ほど歩く地下鉄サン・ミッシェル・ノートルダム駅からエール・ウ・エールのC号線30分程乗車し、エピネイ・シュル・オルジュ駅で下車し、さらに駅前のバス停から30分程バスに乗り到着しました。1号店も2号店とパリ中心部からの方向は異なるが、エール・ウ・エール沿線からバスで30分程度という立地であり、幹線道路も近いことから広域集客を意識した立地であることはわかる。

 1号店も訪ねたのは平日午前中でしたが、2号店に比べると会員が店内に多くおり、英国やスペインの店舗ほどではないが、2号店ではみられなかった、カートに大量の同社のプライベートブランドであるカークランドのPB商品を積む顧客が散見され、店員も手持無沙汰ということもなく、自身の仕事をもくもくとこなしていた。

 コストコのフランスでの出店ペースは1号店から2号店出店まで約4年、さらに3号店出店予定まで約4年である。今回の現地調査で確認できたように、1号店と2号店を比較すれば明らかに1号店の方がにぎわっているし、オペレーションもしっかり構築されているようであった。1号店での一定の成果を踏まえて2号店も出店したがあまりうまくいってない状況を踏まえると、パリ近郊へのこれ以上の出店は厳しいと考えるのは合理的判断といえよう。3号店は大都市パリの近郊とは全く異なる初の地方出店であるだけに、フランスで一定程度蓄積した経営資源をいかに地方で活用するかにも注目し、機会を見つけて現地調査してみたい。

(文責 流通マーケティング学科教授 丸谷雄一郎)

2025年10月6日月曜日

教員の研究生活:学会ってどんなことするの?

こんにちは,経営学部講師の岩田聖徳です。
前回はゼミ教育のお話をいたしましたが,今回は教員の研究生活をチラ見するブログ記事にしてみようと思います。

学生から見て,大学の先生=授業をする人,という認識が強いと思いますし,まして学外の方や受験生からみるといっそう教員の普段の生活が想像しにくいかもしれません。
ちょうど,8月に自分の研究を報告するために米国に出張してまいりましたので,どんなことをしていたのかを紹介してみようと思います。


学会に行ってきました!

今回は,American Accounting Associationという,会計学関連の国際学会に出てきました。「学会って何?」と思われる方のために軽くご説明すると,学会というのは似た専門の研究者たちが集まって,研究を報告してコメントし合ったり,交流をしたりするための組織のことです。

今回は米国イリノイ州,シカゴで学会が開かれました。米国は大学院生の時以来で2回目だったのですが,シカゴに着いたときの第一の感想は「高層ビル多っ」でした。

全米でも有数の大都市ということで,その経済力を見せつけられた感じがしました。写真は学会会場に向かう道の風景です。生トランプタワー,初めて見ました。




















今回はハイアット・リージェンシーというホテルの会議場での開催でした。初日は,学会に多大な貢献をした著名な教授陣によるスピーチがあり,多くの参加者が真剣な眼差しで聞き入っていました。

普段の学会に参加するときは大学の大講義室で行われることも多いのですが,ホテルの会議場だと雰囲気がまるでライブ?のようでした。
















大ホールでの講演が終わったあとは,3日間にわたり参加者による怒涛の研究報告が行われます。毎日,朝から夕方まで30分ずつ違う発表を聞く,という感じだったので,夕方になるころには頭がクラクラする程度には知的体力を使います。
この研究報告の風景は,さすがに個人の顔や発表内容が映ってしまうので,ブログには載せないようにします。(一番雰囲気が伝わるのはその写真なんですがね…笑)

岩田も2日目に自分の研究を報告して,他の参加者に研究を改善するためのアドバイスを貰ったり,他の発表者の研究にコメントをしたりしていました。

個人的に,こうした学会に参加して一番よかったなあと思う瞬間は,他の参加者から「君の発表面白かったよ!」とか,「君のコメント参考になったよ!」と言ってもらえて,発表後に交流ができたりしたときです。

研究は最終的な成果物になるまで長い時間のかかる地道な作業なので,良い「仕事仲間」のような関係を世界の色々な国の研究者と築けると,大きなモチベーションになります。こうした刺激があるのも,研究活動の良いところだなと思います。

今回は,現地の大学からの参加者の方と学会中の議論を通じて仲良くなり,休み時間に一緒に会場近くのお店でランチをしました。ちょっと量が多いけど,名物のパンケーキが良いとのことでしたので,それにしました。

後で,米国での「ちょっと量が多いパンケーキ」の意味を一旦考えてから注文すればよかったな,と思いました(※味は美味しかったです。次の日の朝ごはんにしました)。

ちなみに,彼から聞いた豆知識なのですが,シカゴは建築で有名なのだそうです。確かに,街にそびえ立つ高層ビル群をよく見てみると,それぞれが独特な形をしていました。

学会期間は3日間でしたが,たくさんの知的刺激があり,非常に濃い時間でした。大学での研究が楽しそうだなと思った方は,関心のある分野の「学会」を調べてみても面白いかもしれません。興味深い研究や活動に出会えるかもしれません。

(文責:経営学部専任講師 岩田聖德)

2025年9月22日月曜日

大学の”ゼミ活動”〜4日間のゼミ合宿編〜

 経営学部で広告論を担当しています、鴇田です。

今回は、9月8日〜11日に行われたゼミ合宿について紹介したいと思います。


東京経済大学のゼミ

「ゼミする東経大」(参考:https://www.tku.ac.jp/department/seminar/)にもある通り、東京経済大学では多くのゼミが開講されています。


ゼミ内の活動もさまざまで、それぞれのゼミに特徴があります。

外部の大会に出たり、企業と商品開発を行ったり、専門書籍の輪読を行ったり…それ以外にも長期休み中に合宿を行なって、学外で勉強するゼミも多いです。

合宿の企画自体をゼミ生が行う場合も多く、私が担当するゼミでも、基本的には合宿の企画をゼミ生が担当します。


今回は、鴇田ゼミで行われた夏合宿のレポートをしたいと思います!



◎夏合宿1日目

今年のゼミ合宿は、静岡県伊東市で行われました。

15時に伊東駅に集合したゼミ生たちと、合宿を行う「ドリームプラザ伊豆」まで移動します。




宿の都合で1日目にBBQをすることになっていたのですが、なぜかBBQの予約ができていないことが判明!

急所ドンキホーテでBBQ用のお肉を購入してきました。

火おこしは山形出身Hくんの担当です。






◎夏合宿2日目

2日目は朝から研究発表を行います。

4年生の卒論発表の後に、2・3年生による関東学生マーケティング大会に向けたグループ研究発表が続きます。

間にお昼を挟むのですが、今回は4年生Hくんがビビンバ丼を作ってくれました!


発表後その後は間髪入れずに夏合宿の特別ディベートの解題を行い、夕方16時からディベートがスタート。




いつもの教室とは違う場所で行うディベートだったので、普段はあまり発言しない学生の声をたくさん聞くことができました。



◎夏合宿3日目

3日目は勉強から解放されて、伊東オレンジビーチで海を散策。




美味しい海鮮丼を食べたり、なぜか御殿場アウトレットで買い物をしたりして過ごします。

毎年アウトレットで高価な買い物をするゼミ生がいたりして、風物詩化しています。




夜は懇親会を行い、空が明るくなるまで起きているゼミ生もちらほら。。。



◎夏合宿4日目

毎年宿のチェックアウトに間に合うかどうかヒヤヒヤする最終日の朝。

朝まで起きていたゼミ生が、きちんと時間に起床していたのにホッとしました。

4日目は静岡で有名な炭火焼きハンバーグ「さわやか」にいく予定だったのですが、まさかの木曜が定休日、ということで断念。


かわりに沼津のハンバーグ屋さん「そよかぜ」で昼食をとりました。






4日間にわたるゼミ合宿、いつものゼミ活動とは違う雰囲気で勉強ができました。

新学期が始まるまでの課題も明確になったところで、4年生は卒業論文の完成、2・3年生は大会に向けての論文完成に向けて頑張って欲しいですね。


大学のゼミ活動は、高校生までのHRや部活動などとは違った体験がたくさんできます。

もちろん楽しい遊びばかりではなく、毎日遅くまで残ってグループ活動を行ったり、個人で研究を進めたりして、大変なこともたくさんあるかと思いますが、

せっかくの大学4年間の中で、何かに本気で取り組んでみるのも悪くないんじゃないでしょうか?


冒頭に紹介したように、東経大にはたくさんのゼミがあり、それぞれのゼミでさまざまな活動が行われています。

ぜひ、HPやSNSを覗いて、気になったゼミの活動をのぞいてみてください!



(文責:鴇田彩夏)