2013年11月17日日曜日

異文化体験  -海外ゼミ研修旅行での気づき-

 こんにちは。経営学部の関口和代です。
 1年次の必修科目「基礎経営学」の他に、「人的資源管理論」「産業心理学」等を担当しています。科目名だけでは何を専門にしているかわからないと思いますので、ごく簡単ですが説明したいと思います。 経営活動(あるいは組織運営)をする上で、重要な働きをするものを経営資源といいます。ヒト・モノ・カネ・情報の4つが代表的な経営資源ですが、そのうちの「ヒト」に関することを中心に取り扱う科目が「人的資源管理論」や「産業心理学」です。
 経営活動(組織運営)の要である「ヒト」についてのアプローチの仕方はいろいろありますが、ゼミでは、企業あるいは組織に関係する人材が、モチベーションを高く持ち、能力を十二分に発揮し、活き活きと働くためにはどうしたらよいかということを中心に研究を進めています。

ゼミのテーマ

2013年度のゼミでは「グローバル人材」をテーマとしています。ここ数年、新聞やニュース等で頻繁に、グローバル人材が必要であるとか、どのように育成したらよいか等と取り上げられています。
 グローバル人材ってそもそも何だろう、企業も大学もなぜグローバル人材を育成しようとしているのだろうということをゼミ全体で検討した後、グループに分かれてより具体的なテーマを設定し、グローバル展開している企業や、東経大をはじめとした各大学での取り組み事例等をもとに調査・研究をしています。
 文献研究の他、グローバル展開されている企業の方々にインタビュー調査もしていますが、やはり、海外ビジネスの様子を体感することが重要! ということで、本学の海外でのゼミ活動に対する支援制度を利用し、今年も夏季休暇期間を利用して海外ゼミ研修旅行を実施しました。
(前回のブログを執筆された柴田高先生のゼミもこの制度を利用されています。)


2011年、上海の復旦大学にて。
復旦大学内のレストランで懇親会。

 これまで韓国・中国・ベトナム・タイを訪問し、各国に進出している日本企業の他、
現地企業へ伺い、さまざまなことを学習してきました。特に、現地に進出している
日系企業の方と積極的に交流し、日本のビジネス環境等との相違点、
マネジメントにおける難しさや工夫されていること等を教えていただきました。
また、現地でお仕事をされている日本人駐在員の方は、仕事のことだけでなく、
現地での生活の大変さや楽しさ、やりがい等についても率直にお話しくださり、
大変参考になりました。


2012年 ベトナム・ホーチミンのエースコックさんを訪問。



ベトナム・ハノイのキヤノンさんを訪問。
 




 
 


世界遺産のハロン湾にある洞窟で。


 
 「公務員志望だから」「就職先は国内の消費者や取引先が相手だから」私には関係ない
と思っている人もいるのですが、本当にそうでしょうか。
たとえば、訪問先の上海では、地方自治体の出先機関がたくさんありました。
私たちの生活も仕事も、もはや日本国内だけで完結していないことにも
目を向けてもらえたらと思っています。
 海外で働くことに対してネガティブなイメージを持つ学生もいるのですが、
大変なこと、つらいこともたくさんある中、前向きに明るく、
たくましくお仕事をされている方々のお話を伺うことで、
絶対イヤ」「マジ、無理」「海外いくことになったら会社辞めると思う..」から、
「何とかなるかも~」「もしかしたら楽しいかも♪」へと意識も変わるように思えます。
 言い古された言葉ですが、やっぱり百聞は一見にしかずだなと
学生達を見ていて感じています。


 
2013年 タイ・バンコク郊外のパナソニックさんを訪問。





パタヤ近くのサイアムヤマモリさんを訪問。
タイの大手財閥CPグループの食品会社
CPフーズさんを訪問。


 









海外大学との交流

 また、海外研修では、同世代の大学生との交流にも力を入れています。
これまで、韓国・華城の協成大学校、中国・上海の復旦大学、タイ・バンコクの泰日工業大学
皆さんと交流してきました。べトナムは日程の関係上、大学での交流はできなかったのですが、
日系企業に勤務する20歳代半ばのベトナム人の方達と交流しました。
バンコク・泰日工業大学にて。
泰日工業大学での懇親会。


 交流先の各大学のご厚意で、サッカーやバスケの交流戦、
学部長や学長アドバイザーの方達によるレクチャー、
グループ・ディスカッション、ウェルカム・パーティー等を実施していただき、
大変得難い機会となりました。
 簡単な英語での交流が主ですが、同世代の若者が、何を考えているのかを知る
良い機会となっています。将来展望や目的意識を持ち、
積極的・主体的に専門以外のことも幅広く学習し、
自分の意見を臆することなく述べる姿勢や、複数言語を使いこなすスキル等、
その姿に刺激を受け、少しでも良い方向に変わってもらえればと思っています。



 
アユタヤ
バンコク
バンコク
 
 
 日本にいても、もちろん異文化体験はできますが、
一週間程度と滞在期間は長くはないものの、海外研修では日本とは異なる環境の中で
より多くのことが得られます。
 初めての海外旅行という学生も多く、健康面や安全性などのリスクも
国内研修に較べて高いため、引率は精神的にも体力的にもプレッシャーを
感じますが、海外研修を通して成長する姿を目の当たりにできる貴重な機会でも
ありますので、今後もできる限り続けていきたいと思っています。
できるかどうかじゃない。なりたいからなるんだ。
by モンキー・D・ルフィー
< Pattaya Beach>

 


 ここまで、海外ゼミ研修旅行のことを中心に書いてきましたが、海外に行かなければダメということではありません。大学にも海外出身の教職員や留学生の方達がいらっしゃいます。皆さんが一歩踏み出すだけで、日本国内でも多くの異文化体験はできます。海外ゼミ研修がそのきっかけになってくれればと思っています。
 そして、皆さんの背中をそっと後押しする仕掛けも東京経済大学にはあります。ぜひ積極的に活用してほしいなと思います。

■グローバル・キャリア・プログラム
http://www.tku.ac.jp/department/tku-c-sys/advanced/gcpro.html
■国際交流
http://www.tku.ac.jp/campus/exchange/


海外ゼミ研修の報告は11月22日(金)に、グローバル人材に関する各グループの報告は12月21日(土)の経営学部研究報告会で行います。興味のある方は、どうぞご参加ください。


文責:関口和代(経営学部教授)