2019年5月20日月曜日

ファイナンスって何?

経営学部で企業金融論を担当している木下です。
東京経済大学では2020年度以降の入学生を対象として、ファイナンスコースが設置されます。そこで、今回は金融・ファイナンスの仕組みと役割について簡単にお話しようと思います。

金融とは、資金の貸し借りをする仕組みのことです。以下の状況を考えましょう。
・Aさんは、ビジネスのアイデアと実行する能力を持っていますが、資金がありません。
・Bさんは、ビジネスのアイデア等はありませんが、資金が余っています。
このとき、AさんとBさんが出会うことができれば、AさんはBさんから資金を借りてビジネスを行うことができます。金融という仕組みが無ければ、社会にとって有益なビジネスが発生しないかもしれません。金融は能力のある人材や資産を有意義に活用するための根幹であるとも言えます。AさんとBさんが出会うための仲介を行っているのが、銀行や証券会社等の金融機関です。銀行は預金者の代わりに企業を探して融資を行い、証券会社は投資家に企業の株式等を紹介してくれます。
資金が余っているといっても、長期で運用したい人もいれば、短期で運用したい人もいます。同様にリスクの許容量に関しても個人差があります。また、リスクある投資を行うときには、その分高い収益を期待するでしょう投資家が適切な投資を実現したり、企業が適切に資金を調達するためには、時間やリスクの価値を正しく測定する必要があります。これらの仕組みを考えるのがファイナンス理論であり、実証ファイナンスでは理論に合わせた統計手法を考えます。もう少し話を進めると、企業と銀行等の間の駆け引きについての話題があります。例えば、企業は業績が上手くいっているように見せて、銀行から資金を借りようとするかもしれません。すると、銀行はそれを見越して金利を高く設定してしまいます。どのようにして優良な企業を見抜くか?優良な企業はどのようにして銀行を信用させるか?という議論に発展していきます。

今回の話は金融市場に関するものですが、市場の役割、物事の数値化、駆け引きについては、他の分野でも同様の考え方が使われることも少なくありません。ファインナンスを学ぶことで、広く応用可能な考え方を身に着けることができます。
東京経済大学のファイナンスコースでは、上記のテーマ等について効率的に学べる科目と環境が用意し、意欲のある学生の皆さんをお待ちしています。

                         文責:木下 亮

2019年5月13日月曜日

【学問のミカタ】安い服の増加は良いこと?!

経営学部でマーケティング論などを担当する北村です。私の担当科目の1つに「ファッション・ビジネス論」があるのですが、今回はこれに関連する話です。


皆さんは自分の着ている服がどこで作られているか、考えてみたことがありますか?

今年度、ファッション・ビジネス論の初回授業で、受講者に服の生産地を確認してもらいました。服の左側に、白いタグがついており、洗濯表記などとともに生産地が記されています。

今回、生産地が「日本」だった人を挙手してもらったところ、当日出席していた300名ほどの学生のうち、手が挙がったのは10名いませんでした。これが日本の現状です。

日本では、1991年にはアパレル(衣服)の約半数が輸入品で、残りの約半数が日本製でした。しかし、この比率はみるみる減っていき、2017年には輸入品が数量(点数)ベースで97.6%に達しました。いまや服が100枚あったら、そのうち日本製は2枚か3枚しかない、ということです。



出所:経済産業省「工業統計」/総務省「経済センサス」、財務省「貿易統計」、日本繊維輸入組合「日本のアパレル 市場と輸入品概況」
(経済産業省製造産業局生活製品課「繊維産業の課題と経済産業省の取組」に掲載)

この背景は、服の生産コストを下げようと、1980年代後半、特に1990年代以降、中国など人件費の安い国の工場で縫製してもらい、完成した服を輸入する動きが加速したことにあります。1985年のプラザ合意により、1ドル250円ほどだった為替が1988年には1ドル120円ほどまで円高が進んだこと、その後やってきたバブル経済とその崩壊後の不景気などが理由です(なお、かつて輸入先の大半は中国でしたが、経済成長に伴い中国の人件費もどんどん上昇したので、今はベトナムやインドネシア、ミャンマーなど東南アジアでの生産が増えています)。


こうして服の生産コストが下がる、ひいては服の値段が下がるのと同時に、国内で出回る服(輸入品と国内生産の合計)の数は、同じ1991年に約13億点だったのが、2017年には約28億点と、2倍以上に増えています(下図の棒グラフと左軸)。日本の人口は約1億3千万人ですので、1991年には1人が10枚買うほどの量が出回っていたのが、いまや1人が21枚か22枚買うほどの量が出回っているということです。


出所:小島ファッションマーケティング
(『販売革新』2019年2月号に掲載)

この背景は、少子化による人口減少のため、日本市場だけで売上を維持するためには、1人の人にそれまでより多くの服を買ってもらう必要が生じたことにあります。トップス1枚とボトムス1枚でコーディネートを完結させず、重ね着や小物を使うのがおしゃれな着こなしだと、アイテムを増やしたのです。

また、同時期に、郊外にショッピングモールがどんどん増え、そのテナントとしてアパレルブランドが必要になったことも関係しています。それまで百貨店やファッションビルなどが主要な販路だったアパレル企業が、それと同じブランドをショッピングモールに出店すると、ブランドイメージが下がりかねません。また、ショッピングモールの客層にとっても、値段が割高に感じられたりします。そこで、ショッピングモール向けに、既存ブランドのサブブランド(価格帯をやや下げた妹ブランド)を立ち上げたりしたのです。

しかし、こうして生産コストが下がったことで服の値段が多少下がったとしても、欲しくない服は買わないですよね。実際、消費数量は、1991年の約11億から、2017年の約13億へと、わずかに増えただけでした。アイテムやブランドの追加により、出回っている服は増えたのに、消費は微増にとどまったのです。先ほどと同じ図の折れ線グラフと右軸を見て下さい。1991年に約90%だった消化率は、2017年に約48%にまで減少したと推定されています。いまや国内の服の2枚に1枚しか買われていない、ということです。


では、売れ残った服はどうなるのでしょうか?

良くも悪くも、日本には四季があります。いまは店頭に夏物が出回っていますよね。1月のセールや2月の追加セールでも売れ残った冬物は、いま店頭に並べても、買う人はいません。

かといって、翌年の同じ時期に売ればよいかというと、そうもいきません。服には流行があるからです。1つの流行は大体3年だと言われています(兆し、ピーク、落ち目が1年ずつです)。近年だと2015年にガウチョパンツ(裾に向かって幅が広がった、7分丈のパンツ)がブームになりましたが、今それを履くと、時代遅れです。服は食べ物のように腐らないのに、翌年は売れない、いわば「生もの」なのです。

よって、アパレル企業は、値下げセールをしてでも、できるだけ当該シーズン内に在庫を売り切ろうとします。すると、消費者は定価で買うのがばからしくなるので、セールを待ちます。結果、なおさら服が売れなくなり、余るのです。余った服は、廃棄するしかありません。同じ流行が続いているならば、少しは翌年の同じ時期に売れるかもしれませんが、1年分在庫を保管しておくにもコストはかかるので、捨てた方がよいのです(なお、最近では、英バーバリーが2017年度に42億円相当の商品を焼却処分していたことが発覚し、非難を浴びました。これはセールをしてブランドイメージが下がるのを避けたためです)。


以上、いまアパレル業界で起きていることは、次のようにまとめられます。

・消費者からすると、価格帯が下がるのは良いことだが、企業からすると、売上も市場規模も下がるので悪いことになる(高校生の皆さんも、数年後には社会人になります。消費者として嬉しかったことは、就職後、嬉しくないことになるわけです)。

・価格帯が下がったからといって、消費者は欲しくないものまで買うわけではない。それなのに値段を下げようとすると、品質を下げざるを得ない(流行りものは、品質が悪くても1シーズン着れば捨てていいや、という消費者も増える)。また、値下げすれば買ってくれると思いセールをすると、かえって定価で買う消費者も減る。

・こうして不良在庫が増えると、廃棄や焼却も増える。売れた場合でも、品質が悪く、消費者にとって思い入れもないので、1シーズンで捨てられる服が増える。作ってくれた労働者や、商品企画をした人にとって、ゴミになるのは悲しいこと。また地球環境にとっても、ゴミの増加は良くないこと。

果たして、この悪循環を抜け出すには、どうしたらよいでしょうか?いま世界中のアパレル企業が改革に取り組んでいるところです。皆さんもどうすればよいか、考えてみてください。


文責:北村 真琴

2019年5月8日水曜日

ゼミの新しい試み


かなり久しぶりの投稿になります。
経営環境論担当の石黒です。

今年度最初の投稿ということで、今回はゼミの活動報告をしたいと思います。
本年度のゼミは26名。
そのうち新規生は11名です。
本年度のゼミが始まり早くも1ヶ月。
徐々に仲良くなれてきたでしょうか。

本年度から新しく導入した物があります。
それが、「アイスブレイク」。
アイスブレイクは、初対面同士が議論をする際に、最初に簡単なゲームなどを行い、緊張をほぐすことです。
当ゼミでは、授業開始時にランダムにグループを組んでもらい、簡単なお題について話し合ってもらいます。

例えば、こんな感じ。。。
「石黒先生がギリギリで怒らないイタズラを考えてください」
「○○さん(ゼミ生)が思わず照れてしまう一言を言ってください」
主にゼミをネタにしたお題を出しています。
それなりの盛り上がりです。
お題を考えるのがなかなか難しいのですが・・・

導入した理由は2つあります。
1つ目は、議論の活発化です。
これまでのゼミでは、ゼミ生同士でなかなか意見を言えない状況にありました。
当ゼミは個人研究であるため、相手の研究分野に詳しくなく、遠慮している場面が多かったように思います。
しかし、その分野に詳しくないからこそ別の視点での考えが見出せることもあります。
アイスブレイクを通じて、もっと遠慮なく、自由な発想で意見交換をしてもらえればと思います。

2つ目は、新規生の壁をなくすためです。
お題はゼミに関することなので、必然的に新規生はお題になった人(例えば、私)の人柄、趣味などを継続生から教えてもらうことになります。
そうすることでいち早くお互いの人物像をつかみ、仲良くなるきっかけをつかんでほしいです。
後期には、逆に新規生をお題にしていこうと思います。


まだ効果は出ていないかな・・・?

BBQも企画中のようです。
みんなで楽しく議論して、今年も楽しいゼミにしていきたいですね。

経営学部 石黒督朗

2019年4月22日月曜日

大学の授業スタイルが多様化しています。

2019.04.22


東京経済大学経営学部の本藤です。

大学では、今年度の授業最初のシラバス授業も終わり、やっと本格的な授業がスタートしています。



今年の授業シラバス(授業概要の説明)に「実務経験」に関する表記が加わったのですが、カリキュラムを検討する大学生でも気付いた人は少ないかもしれません。これは、来年度から始まる「低所得世帯の学生を対象とした高等教育無償化」の対象となるための条件のひとつとして文部科学省から指示された変更になります。


その条件のひとつとして「卒業に修得が必要となる単位数の1割以上、実務経験のある教員による授業科目が配置され、学生がそれらを履修し得る環境が整っていること」という規定があります。それを受けて、今年度から授業内容の説明欄に「この授業は、担当教員の〇〇の実務経験を活かして行います」というような表記が追加されました。この場合、経営学部で正課授業として設置されているインターンシップ授業「企業研修プログラム」や実務家を招聘する「ファッションマーケティング」、起業家育成のための「ビジネス創造」なども、実務に直結する大学教育の対象になってきます。

これは、実際のビジネスにつながる大学教育、社会及び産業界における人材的ニーズに対応した大学教育が求められ始めたことを意味しています。とは言っても、本学経営学部の教員は、この実務家教員については新規採用などをしなくても十分に該当する教員が在籍しているので、大きなハードルにはなっていません。更に、経営学部という性質から、実務とかけ離れた授業というのはあまり見当たりません。


大学教員の中には、「自分は研究者だ」という意識が強い人と、「自分は教育者だ」という意識が強い人に分かれています。もちろん、十分な研究をしていないと十分な教育ができないですし、情熱をもって研究していないと情熱をもって講義ができないので、研究と教育は不可分の関係にあります。

僕は学部卒業後は、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)という外資系コンサルティング・ファームでコンサルタントとして勤務して、それから財団法人流通経済研究所という国内シンクタンクまで、10年以上の実務経験をへて大学教員に就いていますし、現在もマーケティング・ファームの取締役をしていたり、企業のコンサルティングをしたりしているので、研究者や教育者という意識よりもビジネスマンという意識の方が強かったりします(笑)


必然的に、大学院から大学教員になっている先生方と比較すると、授業やゼミでも学説や理論の説明からアプローチするよりも、事例からアプローチする方が好きですし、得意だと思います。高校時代の数学の授業をイメージすると、公式を説明してから問題を解くアプローチではなくて、問題を説明してから公式をあてはめていくアプローチと言えるかもしれません。個人的な印象としては、公式の理解を十分に促してからの方が、体系的に漏れなく学ぶには適しているアプローチのような気もします(隣の芝生はよく見えるだけなのかもしれませんが・・・)。


ただし、教育手法については、Active Learning(議論や提案を中心とした能動的授業)とかProject-baced Learning(課題解決型授業)は現代教育のトレンドになっていて、授業形態が多様化してきています。大切なことは、学生が自分にフィットした授業を多様な選択肢の中から選べる環境を提供することだと思います。

そこで文部科学省の規定した「卒業単位の1割以上」という数字に意味が出てくるのです。つまり、半分もの教員が実務経験者だったとしたら、もはや大学教育は社員研修になってしまいます。だから、そういう役割を担う人は1割から2割で十分ですという意味だと思います。


とは言っても、高校までの勉強は、多くの高校で大学入試のための受験勉強が主な内容になっています。これらは基本的に与えられた課題を解けるかどうかであって、問題や課題を発見するようなアプローチは極めて少ないのも事実です。これに対して、ビジネスの世界では様々な事実から、会社や組織の課題を抽出して解決していく能力が求められています。実は、その時に必要なスキルが、詳細な事実認識から緻密な検討を重ねていくロジカル・シンキングで培われるものであり、それは大学で全ての教員が教えられる考え方でもあるのです。学生諸君は、自分が邁進できるアプローチの選択肢が増えていると言えそうです。


文責:本藤貴康(流通論、流通マーケティング演習、アカデミックコンパス担当)
本藤ゼミブログ(http://hondo-seminar.blogspot.com/





2019年4月15日月曜日

特別企画講義「ビジネス創造」開講!


こんにちは。経営学部の関口和代です。
先週4月11日から、特別企画講義「ビジネス創造」が
2年ぶりに履修者約30名でスタートしました。

「ビジネス創造」は、ビジネスや起業に興味がある学生に、
ビジネスの基礎知識やビジネスを肌で感じることができる機会を提供しようと、
中小企業基盤整備機構/中小企業大学校東京校内にある
BusiNest(ビジネスト)さんの全面協力のもと企画された講義です。

 東京経済大学は1900年に大倉喜八郎によって設立されました。
http://www.tku.ac.jp/tku/founder/okura/

西洋諸国とならぶ商業の知識・道徳を備える人材を育てることを目的として
赤坂葵町(現:虎ノ門)に設立された大倉商業学校は、
大倉高等商業学校(大倉高商)、大倉経済専門学校を経て、
第二次世界大戦後、東京経済大学となりました。
大倉喜八郎は、その生涯で200社余りを起業した実業家です。
http://www.taisei.co.jp/140th/ourfounder/challenge.html

特別企画講義「ビジネス創造」を受講することによって、
ベンチャー精神、アントレプレナーシップ(entrepreneurshipといった
創立者の思いや来し方を認識するとともに、ミッションとパッション溢れる
新たなビジネスが立ち上がることを期待しています。

講義目的

シラバスにも書きましたが、ベンチャー精神やアントレプレナーシップは、
起業家だけでなく、組織人にとっても必要なものです。

「AI導入で仕事消滅」などとも言われています。
確かに、定型的な仕事は、ある程度代替されるかもしれません。
ですが、想いとスキルを持った人でなければ
新たな商品・サービスはもちろんのこと、
社会にインパクトを与えるようなビジネスや
社会に貢献するビジネスは出てこないでしょう。

本講義を履修することによって、ビジネスを立ち上げるスキルなどを
獲得するとともに、熱い想いを持った先輩起業家との交流から、
多くのことを学んでほしいと思っています。

 起業は特別なものでも一部の選ばれた人だけのものではない。
 実社会においては、組織にぶら下がっていては生き抜くことすら難しく、
 起業を考えないこと自体がリスクとなる。
 将来どの方面に進むとしても、自ら考え、計画し、行動する力が求められる。


特別企画講義「ビジネス創造」のシラバスには、上記のような一文があります。
繰り返しになりますが、本講義をきっかけとして、
アントレプレナーシップ(entrepreneurship)やベンチャー精神といった
創立者である大倉喜八郎の想いや行動力を再認識するとともに、
新たなビジネスが立ち上がることを期待しています。
 

先輩起業家との交流

今期も、3名の先輩起業家をゲスト講師として招聘いたしました。
聴講も受け付ける予定ですので、
ご興味のある方は事前にお問い合わせください。
(教室のサイズによってはお断りする場合もあります。)
第一回の523日(木)は、東京経済大学OB・OGの方です。
国分寺でカフェLife Size Cribeを経営されている吉田一毅氏
フェアトレード・ビジネスをされている久保田優氏です。

Life Size Cribe (吉田一毅氏)
http://www.cafe-magazine.com/?p=21130
https://www.facebook.com/lifesizecribe
スリーパンズ(久保田優氏)
http://threepans.jp/company/
http://www.fragmentsmag.com/2016/01/three-pans-interview/

第二回の73日(木)は、
日本環境設計株式会社の岩元美智彦氏です。
http://www.jeplan.co.jp/ja/

            (左:久保田氏 右:吉田氏)

プロによる講義・支援

「ビジネス創造」は中小企業基盤整備機構/中小企業大学校東京校内にある
BusiNest(ビジネスト)さんの全面協力により行われています。
BusiNestさんは、新規事業の立ち上げや既存事業の活性化、
異業種・異分野の交流を応援することを目的に、
20154月にスタートしたプロジェクトで、
オフィス・スペース、専属サポーターによる支援、
起業家・起業希望者の視野とネットワークを拡げるイベントの開催、
ビジネスを基礎から学べるプログラムなど、さまざまに支援活動を行っています。
http://businest.smrj.go.jp/


中小企業大学校・東京校は、東京経済大学からも近い東大和市にあります。
中小企業大学校は「中小企業基盤整備機構が、国の中小企業施策の
実施機関として、中小企業の人材育成を支援することを目的に
全国9箇所に設置・運営」されています。
東京校は、緑豊かな素敵な環境の中にあります。
http://www.smrj.go.jp/inst/tokyo/index.html

図書館での告知


図書館1階のブックウォールで、「ビジネス創造」を履修する上で
役立つような関連書籍や資料を展示しています。
ゲスト講師の方々のご紹介もしていますし、寄せられた感想の一覧も
展示する予定です。是非ご覧ください。

キャンパスベンチャーグランプリ


日刊工業新聞社などが主催する学生による新事業ビジネスコンテスト
「第14回キャンパスベンチャーグランプリ東京大会」(2017年度)に
おいて、2017年度1期の履修生チームが奨励賞を受賞しました。
受賞チームは、1期の履修終了後も引き続き、
BusiNestで本講義講師の馬込氏よりご指導をいただき、
ビジネスプランをブラッシュアップして臨んだ成果です。
彼等に続く学生起業家がたくさん出ることを期待しています。
https://www.tku.ac.jp/news/020248.html



(文責:関口和代)

2019年4月4日木曜日

春は新しい時代の始まり

皆さんこんにちは。経営学部教員の柴田です。
4月に入り、大学でも新しい年度、新しい学年が始まります。東京周辺では3月下旬の卒業式の頃には、ようやく咲き始めた桜が、4月の入学式の頃には、美しい桜吹雪となります。下の写真は3月29日(金)に撮影した、本学の国分寺キャンパスの様子です。年度末のため、閑散としたキャンパスに、桜が八分咲きとなっていますが、4月2日の入学式からは、満開の桜のもとに大勢の学生が集まることになります。


4月1日には、5月からの新しい年号の「令和」が発表されました。この「令和」は『万葉集』の中にある、大伴旅人の梅の花の歌の序文の「初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、」から採られた、ということです。『万葉集』の時代、というか、だいたい奈良時代までは、唐の影響から、桜よりも梅の花の方が好まれていたようです。『万葉集』の中で桜を詠んだ歌が43首だったのに対して、梅を詠んだ歌は110首もある、とのことです。ところが平安時代になると、桜が好まれるように変化します。平安時代前期に編纂された『古今和歌集』では、桜を詠んだ歌が70首であるのに対して、梅を詠んだ歌は18首程度に減っています。奈良時代には「お花見」というと観梅であったのに対して、平安時代から、現在のような桜の花を楽しむ行事に変化したと言われています。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、「令和」の時代にはさまざまな面でグローバル化が進んでいく時代となると考えられます。海外との交流もどんどんと進んでくると思います。「桜舞い散る中での入学式」あるいは「桜舞い散る中での入社式」さらには「新人歓迎のお花見会」というのは、私たち日本人の心象風景の中に深くなじんでいるものと思いますが、世界的に見ると、「4月一斉入学」とか「4月一斉入社」という仕組みはきわめて少数派に過ぎません。世界的には9月入学の国々が多く、また「必要に応じて随時採用の企業」が多いのが実情です。「令和」の時代には、多様性がさらに求められるようになるでしょう。
(文責:柴田 高)

2019年3月25日月曜日

ブラジルサンパウロの目抜き通り周辺に乱立するコンビニ事情


流通マーケティング学科の丸谷です。29回目の執筆です。私はグローバル・マーケティング論(簡単にいうと海外でどのようにマーケティングを行なっていくのか)を専門分野にしているので、海外に出張に行くことが多く、このブログでも米国、インド、中国、チリ、ペルーの出張の模様を取り上げてきました。

新興国のネット小売というテーマで文部科学省から2017年度から頂いている科学研究費による研究の関連取材で、ブラジルへ調査に行ったので、その内容の一部を紹介します。科学研究費での取材テーマはネット小売ですが(こちらに関しては後日公開予定)、ブラジルでも都市部を中心に、ネット小売は成長していますが、それと同時に利便性が高い近代的店舗を求めるニーズも着実に高まってきています。こうした状況はネットは同時ありませんでしたが、1970年代にコンビニが都市部で成長してきた状況に似ています。

ブラジルはBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)と呼ばれる5大新興国の1つであり、広大な国土に眠る多くの資源やそこに住む多くの人口ゆえに世界から常に注目される国です。人口の多さだけではなく、その多様性にも特徴があります。三角貿易(旧宗主国ポルトガル、ポルトガルが大航海時代先駆的に進出したアフリカの旧植民地、南米の唯一の植民地ブラジルをの間での貿易)によって、アフリカから多くの黒人が奴隷として輸出されました。

丸谷雄一郎『ウォルマートのグローバル・マーケティング戦略(増補版)』創成社、2018年より。
奴隷制度廃止後も、広大な国土を開拓する労働力として多くの人々が移民としてわたってきました。その中でも今回の取材地サンパウロには、ブラジルに150万人以上いるといわれる日系人の多くが住んでおり、特にリベルタージの東洋人街は世界最大の日系コミュニティを育んできた場所です。なお、その歴史に関しては、リベルタージの南で、下記の日系パレスから徒歩5分圏内に位置するサンパウロ日系移民資料館で詳しく見ることができます(映像や当時の状況がわかる展示物を用い、分かり易く日系移民の歴史を知ることができる上、図書室などもありおすすめのスポットです)。

ブラジル日系移民資料館の8階展示室前より
若干テーマから外れますが、リベルタージの日系人の皆さんは高齢化し、日本からの駐在員の多くはビジネス街のパウリスタ大通り近くに住むようになっていますが、どこか昔の沖縄の国際通りのような南国の古めかしい街並みを残すこの場所に魅力を感じ、私は定宿をリベルタージのランドマークの1つともいえる日系パレスホテルにしています。

少しレトロな日系パレスの外観
本論に話を戻しましょう。ブラジルの小売産業では、ネット小売の台頭とならんで、都市部での近代的な小型店舗の増加が注目されています(詳細は拙著『ウォルマートのグローバル・マーケティング戦略(増補版)、創成社、2018年)第11章に譲ります)。

ブラジルの小売産業を牽引してきた外資3社(フランス資本のカルフールとカジノと米国資本のウォルマート)を中心に、南米に勢力を拡大するハードディスカウンターヂアや日系人が営むニッチ企業ヒロタフーズも含めて勢力争いが行われています。特にサンパウロ中心部のパウリスタ大通り周辺では争いは激しく、数百メートルの中にカルフールが展開するカルフールエクスプレス、カジノ傘下のGPAグループが展開するミヌト・ポンジアスーカル、ヂア、ヒロタ・フーズが乱立しています。

パウリスタ大通り周辺の小型店舗乱立の様子
東京経済大学の近くにでもミニストップとセブンイレブンが近くにありますが、フランス資本の2強に関しては、カジノ系のミヌトが若干上の階層を狙っている感じがありますが、かなり標的もかぶっています。フランス系の特徴は店頭近くに野菜と果物専用のリン列棚を設置していることです。

落ち着いたカラーリングのカジノ系のミヌト
オレンジが少しビビットなカルフール・エクスプレス
上記の2強に対して、ヂアは世界的にはアルディとリドルという2強が有名なハードディスカウントストアが小型化したタイプであり、日本で似ているのはローソンストア100という生鮮も扱う100均に近い品揃えです。

残りのヒロタフーズは1972年に創業したファミリー企業であり、ヒロタ・フーズはファミリーマートに無印良品がおいてあったように、ブラジルでも店舗拡大を図っているダイソーから商品提供を受けると同時に、日本風おにぎりや弁当類やブラジルのパン類を豊富に取り揃え、店頭にイートインスペースを設けるなど工夫を行うことで独自の位置付けを狙っています。

ヒロタ・フーズ
近代的小型店舗の普及はネット小売の普及が急激に進む中でアルゼンチンのブエノスアイレスやチリのサンティアゴなど南米のその他の大都市でも同時に進んでいると現象であり、南米最大のビジネス街での風景を今回は具体的に報告してみました。皆さんも発展途上国に行く機会があればぜひ気をつけて街中を散策してほしい。
(文責:流通マーケティング学科 丸谷雄一郎)