2019年9月17日火曜日

海外ゼミ研修@ハンガリー

経営学部の関口です。先週末、夏季恒例の海外ゼミ研修から戻ったところです。今年は、中欧・ハンガリーへ7泊9日で訪問しました。

なお、今年2019年は、日本・ハンガリー外交関係開設150周年の記念の年です。
今週、佳子内親王殿下が公式訪問されるご予定ですので、ニュース等でハンガリーの様子をご覧いただく機会が増えるかと思います。






現地では、ブダペスト商科大学での交流の他、三井物産ブダペスト事務所、マジャル・スズキ、イビデンの各社様に受け入れていただきました。

ブダペスト商科大学さんでは、学部長によるご挨拶の他、学科長を含む3名の先生によるレクチャーの後、日本語学習をしている学生の皆さんとランチを挟んでの交流をしました。日本留学経験のある学生から、まだ日本語学習を始めたばかりの学生まで、新入生オリエンテーションの期間にもかかわらず約10名が参加してくださいました。ランチ後の市内散策まで同行していただくなど、積極的に関与していただき感謝です。そのうちのお一人は、今週から日本留学の予定です。日本滞在中に、また是非交流をしたいと考えています。


三井物産さんでは、ナショナルスタッフ2名の方によるレクチャーの他、テクノロジー関連のスタートアップに投資する独立系ベンチャーキャピタルの方と、村上春樹さんをはじめとした日本作品をハンガリー語に翻訳されている翻訳家の方にもお話をしていただきました(スタートアップでハンガリーは注目の国でもあります)。4名とも日本留学経験があり、日本語はもちろん堪能ですが、ブダペスト商科大学の学生をはじめとして数か国語を話せる方が多いです。




ハンガリー市場でトップシェアのマジャル・スズキさんでも、会社説明及び工場見学の後、ナショナルスタッフの方と若手駐在員の方を囲んでの交流会をセットしていただきました。マジャルとはハンガリーのことを指しますが、社名に冠しているように、スズキさんの車は「我々ハンガリー」の車として認識されています。


イビデンさんでも同様に、会社説明及び工場見学の他に、各部門の責任者であるナショナルスタッフが同席してくださり、質問に答えていただきました。
各社様とも、当方のリクエストに快く応じていただき、濃密で素敵な時間を過ごすことができました。


ハンガリーの歴史、社会、経済、日本とのかかわりに関する事前学習はしていますが、やはり「百聞は一見に如かず」。今回の訪問を通して、参加学生それぞれ大きな気づきがあったものと思います。そのままにせず、是非行動へと結びつけてほしいと切に願っています。


オスマントルコやハプスブルク家による支配、第一次及び第二次世界大戦の戦禍、共産圏国家であったことなど、歴史の中でさまざまな経験をしてきたハンガリー。破壊されたり、その時々の支配勢力のシンボルが掲げられたり、用途を変えさせられたりしてきたものも数多く残っています。
今回同行していただいた現地ガイドの方は、日本史にも造詣が深く、「日本であれば江戸初期の建物」などと、私たちが理解しやすいように説明をしてくださいました。目前の建物や場所を世界史で学んだ出来事と関連して見ることができる貴重な機会となったと思います。


ハンガリーの街並みは、他のヨーロッパ諸国同様、統一感のあるものでした。ブダペストで最も高い建物は国会議事堂と聖イシュトヴァーン大聖堂で、高さ96メートルです。1896年の建国を記念しての高さです。それ以外の建物は一定の高さに抑えられていることも、素敵な景観に大きく影響しているのではないかと思います。
世界一、東洋一などとやみくもに高さを競わないところに歴史と矜持を感じました。


今回はブダペストのみでしたが、他にも素敵な町がたくさんあるハンガリー。それらを確かめに、また訪問したいと思います。
最後になりましたが、本研修の実施にあたりご支援ご協力をいただいた駐ハンガリー日本大使館の皆様に心より感謝しております。

[追記]自由行動日を中心に、学生達もおおいにブダペストを楽しんだようです。各地にある温泉。パプリカベースのスープ・グヤーシュ、国宝のマンガリッツァ豚、鴨、フォアグラ、トカイワインをはじめとしたワインなどなど..。
それらも含めた研修報告は10月24日実施予定ですので、是非、学生達の報告を聞きにいらしてください。


(文責:関口和代)

2019年9月9日月曜日

スポーツやビジネスにおける競争の公平性


流通マーケティング学科の北村です。
来年2020年は、東京で、オリンピックとパラリンピックが開催されますね。スポーツ観戦好きの私としては、東京が開催地に選ばれた時、自分の居住地で開催されるなんて一生に一度のことだと、とても有り難く、また嬉しく感じたものです。

さて、このオリ・パラ大会を世界中の人たちが現地やテレビなどで観戦するのは、選手たちが互いに最高のパフォーマンスを発揮して競い合う姿に、心を揺さぶられるからではないでしょうか。試合の結果を伝えるニュースを見聞きするのと比べると、観戦の感動や興奮はやはり大きいですよね。

ただしこの感動や興奮は、競技が公平に実施されていると思うからこそ、生まれると思うのです。もし、抜け駆けや八百長などがあると感じたら、しらけたり、チケット代金や観戦した時間を返せと腹立たしく思ったりすることでしょう。

しかし、勝ち負けにこだわる選手や、時には審判や観客は、不正な行為を働くかもしれません。それゆえ、公平な競争にするために、以下のようなルールや約束事があります。
  • 選手が薬物の力でパフォーマンスを向上させるのを防ぐために、ドーピング検査があります。
  • タイムを競う競技では、抜け駆けを防ぎ、号砲が鳴った後のスタートで揃えるために、フライング規定があります(陸上や水泳など。例えば陸上短距離では、0100未満がフライングと判定されます)。
  • 審判が自国の選手をひいきして高い点を付け、ライバル選手に低い点を付けると不公平だとして、採点競技では複数の審判の採点のうち最高点と最低点は得点を決めるのに採用しないというルールがあります(空手の型や、フィギュアスケートなど)。
  • 視覚障害者が鈴の入ったボールなど音を頼りにゴールを競うゴールボールでは、試合中に観客は応援や助言を送ることができません


ところが、こうしたルールや約束事も、完璧なものではありません。
陸上のセメンヤ選手は、オリンピックの800m走で2連覇した実力者です。彼女はもともとの身体的特徴として女性としては男性ホルモンの値が高いのですが、これは薬物摂取と同様にパフォーマンスの向上につながるとして抗議を受けました。結果、国際陸連は、彼女が薬などで男性ホルモン値を一定基準以下にしなければ競技に参加させないと決定しました。これに抗議する本人の訴えも退けられ、不正行為を働いたわけでもないのに彼女は競技に参加できていません。英BBCの記者は、もともとの身体的特徴として陸上のボルト選手の身長の高さはとがめられない(のに、なぜ彼女だけ?)とコメントしています(これに関し、おととい9/7に、彼女が女子サッカークラブに入団するというニュースがありました。競技種目を変更し、スポーツを続けるようです)。

またパラリンピックでは、公平性と競技性が問題となります。障害の程度に応じて選手を分類した上で競わせないと、公平ではありません。しかしそれを追求して、分類を細かくしすぎると、同じクラスのライバルが少人数となってしまいます。これではメダルの価値が下がり、観客もしらけるかもしれません。実際、東京大会の招致活動で活躍したトライアスロンの谷真海選手は、運動機能障害PTS4クラスという分類だそうですが、競技人口の少なさを理由に、東京大会ではこのクラスは実施種目から一旦外されました。その後、障害の程度で言えば1つ軽いクラスと合わせて実施されることが決まりました。彼女はセメンヤ選手と異なり競技には参加できますが、障害の軽い選手と競うわけです

ビジネスにおいても、関係者だからこそ知りえた情報で株取引を抜け駆け的に有利にするインサイダー取引や、自由な価格競争を阻害するカルテルなどが禁止されているのは、皆さんご存じだと思います。スポーツもビジネスも、公平性をどう確保するか、グレーゾーンにはどう対応するのかなどの取り決めが参加者に大きな影響を与えます。その分、ルールや制度の設計が重要となるわけです。


文責:北村 真琴

2019年9月2日月曜日

8月の終わり 追い込みのサブゼミ

みなさん、お久しぶりです。
経営学部の石黒です。

ようやく夏の暑さが和らいできましたね。
でも、石黒ゼミの夏はこれからです。
宮古島合宿が待っています。
楽しみで仕方ありません。
もはやゼミ生との会話の8割は合宿の話題で占められています。


そんな浮かれ気分の石黒ゼミですが、やらなければならないことがあります。
そうです、卒業論文を進めないと!
と、いうことで今回は先日行なったサブゼミについての話題です。



執筆途中の卒業論文を持ち寄り、検討会をしています。
ここで出てきた修正点を修正し、書き進めていきます。
これを何度も何度も繰り返していきます。
検討したのは以下の5つのテーマです。
「サッカークラブ・ホンダ自動車・エナジードリンク・バイク・スキー場経営」
だいたい1つのテーマで1〜2時間ほどかかります。
この日は13時に開始して20時過ぎに終了しました。
写真の姿はまだまだ元気な時ですが、終了時にはもはや抜け殻状態です。
夏期講習みたいになってますね(笑)

でも、仕方がありません・・・
今年の進捗状況は例年に比べるとかなり遅いのです。
例年は文字数を指定しながら進行をしていたのですが、今年は内容を重視するスタイルに切り替えたことが要因だと思います。
確かに文字数指定の方が進行は早いのですが、後から大幅な修正・削除をする場合が多く、最終提出前に修羅場になることもあります。
そのためのスタイルの変更なのですが、徐々に不安感が募ってきました・・・
これは合宿での追い上げが必要ですかね。
海、行ってる余裕があるだろうか・・・・


合宿の様子と、前回お話しした調査については次回に報告させていただきます。
筆者:石黒督朗

2019年8月26日月曜日

かつて8年間住んだ名古屋郊外赤池駅近くに巨大商業施設開店



  流通マーケティング学科の丸谷です。31回目の執筆です。私はグローバル・マーケティング論(簡単にいうと海外でどのようにマーケティングを行なっていくのか)を専門分野にしているので、海外に出張に行くことが多く、このブログでも米国、インド、中国、チリ、ペルー、ブラジルの出張の模様を取り上げてきました。

 しかし、私は大学時代から国内の小売企業についても研究を継続しています。私の大学時代の卒業論文は、1980年代当時急成長していたテナントの巧みな入れ替えで成功していた専門店ビルのパルコや建設会社という異業種から参入だからこそできた仕入れと販売を同じ人が行う東急ハンズについて取り上げました。

大学院の修士論文でも1990年代のバブル経済の崩壊まで日本の小売を牽引していた5大総合スーパー(ダイエー(イオンに吸収)、イトーヨーカ堂、ジャスコ(現イオン)、マイカル(現イオン傘下)、西友(元ウォルマート傘下)の研究でした。こうした研究は小売の本質的理解を深める意味でもサブテーマとして継続しており、「グローバル・マーケティング」とともに本学で担当している講義「流通マーケティング入門」でも「ロードサイド」と呼ばれる郊外における小売業の発展や集団立地の主要形態としてのショッピングモールの事例として活用しています。


 少し前置きが長くなりましたが、今回は前任校の愛知大学の教員時代に8年間住んだ名古屋郊外赤池駅近くに2018年にできた大型商業施設とその周辺の状況に関して取材してきたので、そのことについて取り上げます。
今回取材した地域(地下鉄鶴舞線赤池駅周辺)
 今回の取材対象である大型商業施設の最寄駅である赤池駅は、名古屋市南東部の天白区に隣接する日進市にある名古屋の地下鉄鶴舞線の終点駅であり、ここからトヨタ自動車のおひざ元である豊田市をつなぐ名鉄豊田線が相互乗り入れしています。

 私の前任校の愛知大学は愛知県では南山大学、名城大学、中京大学と並ぶ有名私大であり、本部は愛知県豊橋市にありますが、私の採用された経営学部は名古屋校舎にあり、当時名古屋校舎が名鉄豊田線で赤池駅から2つ目の黒笹駅にあったため(現在名古屋校舎は名古屋駅近くの笹島に移転)、地下鉄路線上で名古屋駅中心部へのアクセスもよく、大学にも自動車で通い易く(トヨタがあるだけであり、中京圏はほんの一部の中心部を除いて車社会であり、教員をしていた当時の大学生は大学進学が決まると免許取得に動いていました)、家賃も安い赤池駅に住むことになりました。

かつて住んでいたアパート(今も前の畑の状況は当時と変わらず、風が強いとほこりが大変そう)
当時の赤池駅は地下鉄の終点駅とはいえ、駅の前にロータリーがあるだけの寂しい駅でした。駅前のバス停も1時間に1本程度しか来ない路線があるだけ、食事場所もマクドナルドとシフォンケーキがおいしい喫茶店が一軒あるだけでした。

赤池駅を今回取材しようと考えたのは赤池駅近くにシネコンが入った大型商業施設ができたという記事を流通の専門業界誌『販売革新』20181月号記事「プライムツリー赤池 イトーヨーカドー赤池店 : 新挑戦ちりばめた食品改革モデル店 その取り組みはGMS改革まで届くか」にて発見したからでした。

2月にも九州の典型的な地方都市の小売事情を取材するために、福岡県、熊本県、宮崎県で現地を訪れました。しかし、一度の取材では発展経緯の理解や継続的な調査の困難さといった限界もあります(鹿児島県阿久根市の店舗は3度目でしたので、時系列での変化が確認できましたが)。赤池での大型商業施設の開店は私にとっては上記の限界を乗り越える機会になりました。8年住んでいた場所なら現地の消費事情にも精通していますし、現在の状況も当時知り合った同僚などから容易に確認できます。こうしたタイミングでゴールデンウイークが10連休となり、さらに愛知大学時代のゼミのOBOG会へのお誘いもあったので、調査を行いました。


 赤池に着くと、早速大型商業施設プライムツリー赤池(施設詳細については、http://www.prime-tree.jp/web/を参照)に向かいました。セブン&アイグループが運営するこのモールは駅からバス停1つ分歩く距離に立地しています。地下鉄と名鉄豊田線の連結駅という立地ゆえに電車利用も意識しつつも、幹線道路へのアクセスのしやすさを意識した巨大駐車場の配置から、自動車社会である名古屋郊外という立地を重視していることがわかりました。



赤池プライムツリーの外観
 赤池駅前は私が在住していた頃にはあまりなかった、高層マンションが多く建設されており、これらのマンションに入居する子育て世代を意識したテナント構成や商品の品揃えがなされていました。
赤池駅から国道153号線の間にできたマンション群
 このモールの目玉は商品販売だけでない体験であり、その象徴が東宝が運営するシネコン「TOHOシネマズ赤池」です。10スクリーンという数だけではなく、MX4Dといった最新設備を装備し、訪れた当日もMX4Dのスクリーンではハリウッド大作「アベンジャーズ・エンドゲーム」が上映されていました。
 また、ちょうど近くで中京圏最大のプロゴルフのイベントである中日クラウンズが開催されていたこともあり、もう1つの目玉である階段状になっている座席を有するステージでは中日クラウンズに関連するゴルフイベントが行われていました。



ゴルフイベントの様子


階段状になっているステージの座席
  駅周辺についても状況を確認するため、駅から以前に住んでいたアパートまで15分ほど歩いてみました。駅を少し離れると状況は依然とほとんど変わりありませんでしたが、変わりなく建つアパートの近くの交差点横に愛知岐阜三重の東海三県に店舗展開する地元食品スーパーのカネスエが営業しており、少しずつは利便性が向上していることが確認できました。

 
カネスエ浅田店外観

 今回は時間の制約もあり短時間での簡単な訪問調査となりましたが、地方の郊外立地の商業施設の典型事例として今後とも継続的に取材していきたいと考えてます。流通やマーケティングを理解するためには、実際の現場に行って継続取材することは非常に重要です。時間にある時期にぜひ関心を持って流通やマーケティングの現場を継続的に訪れてみてください。
(文責:流通マーケティング学科教授 丸谷雄一郎)

2019年8月19日月曜日

ロボットで仕事が変わる!

2019.08.19

東京経済大学の本藤です。
残暑が厳しいですね(もはやお盆明けなので夏休み真っ只中でも残暑です)。

ビジネスマンは、そろそろお盆休みも明ける頃でしょうか。
でも、社員がお休みをとっている最中でもビジネスは動き続けています(海外ではお盆休みじゃありませんから(笑))。休みなく動き続けるビジネスの世界では、会社でロボットが働き続けている会社が増えてきています。
ロボットと言っても、工作機械など工場で活躍するロボットではありません(工場のロボットも働き続けているかもしれませんが・・・(笑))。
今回紹介するのは、パソコンの中で働き続けるRPA(Robotic Process Automation)です。


いまビジネスの世界ではRPA(PC作業を代行するロボット)の導入による人時削減が注目を集めているのを知っていますか?
少し前まで、AI(人口知能)が人間の働く場所を奪い取ってしまうという話が議論されていたのですが、AIの本格的な普及の前に、パソコン作業を中心とした業務がRPAに取って代わられつつあります。


既に、メガバンクでは年間で何十万時間ものマンパワーを削減しているというニュースが数年前からリリースされています。仮に20万時間としても、1日8時間換算で25000人日ですから、年間労働日数が概ね250日と多めに見積もっても、年間100人の仕事がRPAによって代替されることになります。


このRPAと呼ばれるロボットは、パソコンで様々なネット情報を集めてリスト化するとか、それを適切なグラフを選択して、エクセル上で一覧表とグラフを作成して、そのファイルを定期的に担当者に送るとか、会議の前の案内を一斉に送るとか、分散しているデータを一定の法則にしたがってまとめるとか、逆に総括されているデータを分解して各部署にデータを送信するとか、定型的な判断が可能であれば、たいていのデスクワークはRPAが代行してくれます。

これによってオフィスのワークスタイルが大きく変わります。
当然のことながらRPAには労働基準法は適用されませんから、定型化できるパソコン作業であればミスなく24時間働き続けてくれます。むしろ人間であればミスをしてしまいそうな「複雑で膨大な定型作業」(そんな事務作業は世の中多かったりします)を文句ひとつ言わずにやり遂げてくれます。そんな仕事を、社員が退社してから出社するまでの間に完了してくれたりするのです(素晴らしい!)
そうなると、人間でなくてはできない仕事にマンパワーをシフトすることができるのです。


近年(近年というよりも結構昔からの傾向ですが)、オープンキャンパスなどで高校生の相談などを受けていても、あるいは大学生のキャリア相談にのっていても、企画の仕事がしたいというような志向を持っている若者が多いのですが、RPAの普及とともに、人間がやらなければならない定型作業は激減して、問題点の洗い出しや解決策の検討など非定型業務(考える仕事)の時間が格段に増えてくることになりそうです。この問題点の洗い出しなどでも、検討のための基礎資料をRPAが準備してくれますから、人が担うべき仕事の大変動が起き始めていると言えます。別の見方をすれば、これからの仕事では個人差が表面化しやすくなると言い換えられそうです。


日本を含めた人件費の高い国においては(日本の時給水準は世界トップ10にも入っていませんが)、社員がどれだけ会社に利益貢献したかが問われます。規定された時間、働いているジェスチャーだけで給与をもらえるようなことは絶滅します。特に、事務作業が多い官公庁や自治体、銀行や金融などのワークスタイルもパラダイムシフトされていくはずです。

実は、大学機能には教育と研究のほかに学生支援があるのですが、それぞれに膨大な事務作業を抱えています。
RPAの導入によって、学生対応を中心とした個別サービスに人員を増やすこともできますし、他大学や受験生に関する情報収集などのリスト化や学内書類整理といった事務作業をカットして企画業務にパワーシフトできたりします。
研究においてもデータ処理からデータ加工など複雑で膨大な定型作業があるのですが、これも省力化できます。


複雑で膨大な定型作業(膨大じゃなくてもいいんですけどね)がなくなっていく潮流は、ここ数年のうちに基本的な潮流になってくると思われます。
そして、以前は専門家しか業務規定できなかったRPAですが、最近は業務担当者が考えて規定できるような商品まで出てきています。ボクがお付き合いのあるメーカー数社で、数年前からRPA導入のプロジェクトチームが矢継ぎ早に設立されて導入を急いでいます。


このような潮流は、学生の就職活動の形も変えてきそうです。
個人面接の前に実施されるグループディスカッションも、以前は60分程度のフリー討論が主流だったのですが、近年は3日間に渡って協働作業を課す企業が増えてきました。しかも、実際の営業課題などを考えさせたりしているのです。
事務能力よりも企画能力、個人業務よりもグループワークへと求める人材は変わってきているように感じます。



文責:本藤貴康(流通論、流通マーケティング演習、アカデミックコンパス担当)
本藤ゼミブログ(http://hondo-seminar.blogspot.com/


2019年8月14日水曜日

夏休みをどう過ごせばよいのか?:大学での学習を効果的にするための夏休みの過ごし方

 経営組織論・ケース分析などの講義を担当している山口です。
 定期試験が終わって約2週間たち、夏休みも残り1か月ほどとなりました。
 大学教員にとっての夏休みは、ひたすら「自分の能力向上」に取り組む時期です。論文を書いたり、自分の研究にとって最適な研究の方法論について考え直したり、学会や研究会に参加したりして、少しでも自分の研究能力が向上するように努力しています。
 授業期間中に、講義やゼミなどで「他者(学生)の能力向上」に関わる以上、自分がより成長し、能力を向上させておく必要があるからです。

 では、大学生にとっての理想的な夏休みの過ごし方は、どのようなものでしょうか?
 もちろん、最近の大学生は忙しく、資格試験の勉強に集中的に取り組んだり、アルバイトをしたり、夏休みにしなければならないことが多々あるのは承知しています。しかし、大学教員としては、大学生には、夏休みを「1期にインプットしたことを定着させ、2期の研究のアウトプットのための土台を作る『橋渡し』の時期」として、ぜひ活用してほしいのです。

 あえてこのようなことをいう理由は、大学生、特にゼミに入っている学生にとって、2期は「知識のインプット」中心の学習から、「知識のアウトプット」中心の学習へと切り替えなければならない、一番大変かつ重要な時期だからです。
 例えば、2~3年生は、12月に行なわれる経営学部ゼミ合同報告会や他大学との合同ゼミに向けて、研究報告のプレゼンを作ったり、その内容をゼミ論文にまとめたりしなければなりません。レポートなどをまとめて各種のコンテストに応募するゼミもあります。4年生の中には、1月の締め切りに向けて、研究論文(卒論)を書く人もいるでしょう。

他大学との合同ゼミ報告会で、報告後に他のゼミの先生からコメントをいただき、議論するゼミ生
(報告をまとめるだけでなく、質疑応答にも、高い「論理的思考力」が必要になります)

 このような、2期における「知識のインプットからアウトプットへの切り替え」をスムーズに行えるようにするには、夏休みに何をしておけばよいでしょうか?

 私のおすすめは、「1日3問ずつ、論理的思考力を鍛えるドリルを解いてみること」です。具体的には、野矢茂樹著『論理トレーニング101題』(産業図書)をおすすめします。

 これを勧める理由は3つあります。
(1)研究に必要な「文章を読む力・書く力」の維持・向上
 上記で紹介した野矢先生の本の最初にもあるように、「論理の力とは、思考を表現する力、あるいは表現された思考をきちんと読み解く力」です。プレゼンや論文作成には、文章を正確に読んだり書いたりすることが不可欠なので、論理的思考力を夏休みにつけておけばスムーズに2期の学習が始められます。

(2)問題の答えをノートに書くことによる「アウトプット」の練習
 一般的には、独学は、1人で本を読むなど「インプット中心の勉強」になりがちです。しかし、ドリルだったら、問題の答えを書き出すことにより、インプットだけでなく、アウトプットの練習もできます。まずは短い語句・文章でいいので、アウトプットの練習をしておくと、2期にアウトプット中心の学習が始まったときに、対応しやすくなるでしょう。

(3)短時間でも毎日継続して学習に取り組む習慣をつける
 ゼミ論文は、1万字以上など、結構な分量があるので、「明日まとめて書こう」と思っても書けません。毎日少しずつでも取り組むことが重要です。このドリルは101問あるので、1日で全問解くことは困難ですが、1日3問ずつやれば、1回あたり30分もかからないでしょう。例えば、朝起きたら、まず3問解く。これを夏休みの間継続し、毎日少しずつ学習する習慣をつけておくことで、2期の論文やプレゼン作成が計画的に行えるようになるでしょう。
ついでに言うと、仕事で忙しくなる就職後も、語学や仕事に必要な資格の勉強などを続けるのに、こうした習慣をつけておくことは非常に重要です

 大学生の夏休み、いろいろしたいことがあって忙しいとは思いますが、朝の30分、1日3問だけ、論理トレーニングを一緒に続けてみませんか?

文献情報
野矢茂樹(2001)『論理トレーニング101題』産業図書.(定価2000円+税)

(文責:東京経済大学経営学部准教授 山口みどり)

2019年8月4日日曜日

オープンキャンパス便りなど(小木ゼミ通信 vol.33 国分寺物語、TFTランチ、日経円ダービー結果など)

マーケティング論、ソーシャルマーケティング論担当の小木です。
今回で33回目の投稿となります。


7月後半は採点・成績評価で大変でした。
8月に入れば、好きなことができると思いきや、この猛暑!もはや暑いを通り越して危険を感じる域です。これで、来年、オリンピックできるの?と思うわけですが、先日ニュースをみていたら、主催者側が実際のマラソンコースを来年のスタート同時刻に合わせて廻ってみたようです。結果、早朝にもかかわらず平均気温も30℃とのこと。選手は本当に大丈夫なのでしょうか。スタート時刻を思い切って、AM4:00くらいにした方がいいのではないかと本気で思ってしまいます。

そういえば、8月と言えば、オープンキャンパスです!


本学も8月1日・2日にオープンキャンパスが行われ、昨年同様、盛況でした!

8月24日(土)、25日(日)にも、オープンキャンパスが開催されますので、ぜひご来場下さい。詳しくは、本学オープンキャンパス(https://www.tku.ac.jp/opencampus/)をご覧ください。

ちなみに、8月24日(土)は、私も参加します!同24日には、小木ゼミのゼミ活動発表も12:30~13:10/E305(5号館3階)にて行わせていただきます。興味のある方は、ぜひお立ち寄りください。タイトルは、「企業とのコラボ企画~こんなお菓子あったらいいなプロジェクト、Web国分寺物語、TFT健康ランチ企画~」です!


6月・7月は、特に2年生が個人研究に四苦八苦しておりましたが、頑張って乗り切りました。成長著しいです。次は、夏合宿です。

以下は、今後の小木ゼミの活動予定です。


①国分寺物語
* 9月4日(水) 国分寺第2中学でレクチャー予定です
*11月1日~3日 葵祭にて、こくべじを販売する模擬店を出店いたします
*12月4日(水) 国分寺市との共催でコラボでサロン&国分寺物語シンポジウムを国分寺駅ビルホールで開催します!詳細は次回にお知らせいたします。


②TFT健康ランチ
*7月のTFT健康ランチの販売が終了いたしました!みなさまのおかげをもちまして、過去最高の売り上げを更新しました!1859食の売上です。37180円をTFTを通じて、アフリカの子どもたちの給食に寄付させていただきます。ありがとうございました。次回のTFT健康ランチは、12月を予定しています。すでに、試食会の準備は着々と進んでいる模様です。TFT健康ランチの取り組みは、過去の小木ゼミ通信をご覧ください。


③こんなお菓子あったらいいなプロジェクト
*夏休み期間中に、お菓子新商品の考案をゼミ生各自行います。社長プレゼンは、来年の2・3月になります。


④日経円ダービーの結果
日本経済新聞社主催の学生対抗円ダービーの6月末予想が発表され、小木ゼミが全国3位となりました!1年生のフレセミ(小木担当クラス)でも参加したのですが、そこの1チームも全国5位にランクイン!日経新聞からも取材を受ける展開に!詳しくは、こちら(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47129970Z00C19A7000000/)をご覧ください。



2019年 日経円ダービーの結果(第1回目)全国3位と5位に東経大(小木ゼミ)ランクイン!


⑤その他
* 8月24日(土) オープンキャンパス内にて小木ゼミの取り組みを発表します。
* 9月前半は、草津でゼミ合宿です。
*12月14日(土) 経営学部ゼミ発表会及び多摩大学AL祭りにて研究発表します。