2016年7月11日月曜日

【学問のミカタ】暑い季節の悩みは何ですか?

経営の本藤です。
今月の【学問のミカタ】の共通テーマは「夏」・・・
今年の関東は深刻な水不足のニュースが流れていますが、長期予報では、気温が「平年並みか高め」で、降水量は「平年並みか多め」とのことです。
今年の夏は、夏らしい夏になりそうな予報ですね。


そこで、みなさんに質問です。
暑いときの悩みはなんですか?

回答例として考えられるのは・・・
①汗をかいて汗染みが気になる(高校生だと気にならないかもしれませんが・・・)。
②紫外線で肌荒れを起こしてしまう(最近は敏感肌の人が増えています)。
③熱帯夜で寝苦しい(睡眠不足になりがちですよね)。
④屋外の部活で熱中症にならないか不安(最近は屋内でもあり得ます)。


このような生活者の悩みはマーケットを生み出して、ビジネス・チャンスになります。
自分たちがツラいなぁ~と感じることは多くの人がツラいと感じるはずで、そこにソリューション・ビジネスが生じるのです。


①では、「Ban汗ブロックロールオン プレミアムラベル」(ライオン)が発売されています。沢尻エリカのCMが目を引きますね。通常よりも高価格であるにも関わらず、多くのドラッグストアで目立つ場所に陳列されていて好調です。従来品とともにプレミアム感を漂わせるゴールド・パッケージで、より効きそうな商品になっていて、効くのであれば少し高い方を選ぶという人を捕まえたようです。  
 その他にも「Riffあせワキパット」(小林製薬)は、脇汗を吸収するパットを洋服の内側に貼り付ける商品があります。もしかしたら、夏用のシャツで脇汗が出ても分からない素材などの潜在需要もあるかもしれません。
 最近「デ・オウ」(ロート製薬)に「MARO」(ストーリア)と体臭対策のブランドが目につきます。これらは主に加齢臭を中心とした対策商品のようですが、汗をかきやすい時期には必需品になってくる可能性もあります。


②紫外線対策(UVケア)については、以前にボクの【学問のミカタ】で取り上げたので、そちらでお読みいただきたいと思います。

③寝苦しい時は、どうしていますか?布団をはぐのも立派なソリューションです。しかし、それだけでは体感できる効果は足りませんね。そこで一晩中エアコンをつけるのもソリューションです。でも一晩中エアコンを稼働させ続けるのは体にいいのか悪いのか・・・。
 となると、扇風機というソリューションもあります。ホコリのない部屋であればいいのですが、扇風機でホコリが舞い飛びそうな気もします。それに風切り音も気になります。この音の原因は、風を生み出すプロペラが必ずカバーの網を通過してくるからです。これらの問題を取り去ったのが「タワーファン」(ダイソン)です。空気清浄機付きファンで、プロペラがなく快適な扇風機です。
 我が家では、息子は暑くなってくると氷枕を使い始めます。息子は頭寒足熱は体にいいと信じているようですが、これもソリューションですね。寝苦しい夜に氷枕って一般的なのでしょうか?もしも一般的でなければ、需要喚起によってマーケット創造の可能性があります。エアコンや扇風機の家電量販店の需要をドラッグストアの需要に転換できます。


④熱中症は怖いですよね。毎年お年寄りが屋内の熱中症で亡くなられていますし、部活でも熱中症で死亡事故がニュースで取り上げられます。熱中症対策として、水分の補給も重要なのですが、塩分の補給も忘れてはいけません。塩分も含まれていて、体への吸収率の高い「ポカリスエット」(大塚製薬)は熱中症予防の代表格です。
 塩分の補給に注目したのが「熱中飴」(井関食品)です。名前がダイレクトで、何のためのソリューション商品か瞬間的に理解できます。
 その他にも、クールサポーターのようなものは無数に商品化されていますし、本来は打撲などの応急処置に使われていた冷却スプレーを冷やしタオル作成ツールとして発売されたりしています。


このように、消費者が不快に感じたり、悩みを感じたりするシーンにはビジネスが発生するという事実です。日常生活において何か不便、不満、不快、不安を感じたら、そこに大きなマーケットが潜んでいるかもしれません。
「暑くて怠いね」とか友達と不平を共有し合うのではなく、不便、不満、不快、不安などに遭遇したら、何かビジネスになるんじゃないかと発想できるようになれば、暑い夏の暑さも和らぐかもしれませんね。


【学問のミカタ】
他学部やセンターからも、同じ「乗り物」をテーマとしたブログがアップされています。
高校生の皆さんは、他の【学問のミカタ】に是非ともお立ち寄りください。
・経済学部ブログ「試験対策として重要なのは・・・!?」
・コミュニケーション学部ブログ「なつのいちにち
・現代法学部ブログ「東京物語と夏、老いた親の居場所
・センターブログ「だめよ〜だめだめ、サンゴの移植でさんご礁は復活しないの

文責:本藤貴康(流通マーケティング入門、流通論、地域インターンシップ担当)
本藤ゼミナールBLOG http://hondo-seminar.blogspot.jp/