2016年10月10日月曜日

【学問のミカタ】 秋冬の売場スタート!

経営学部の本藤です。
受験生は、もはや直前期にさしかかりますね。「受験の天王山は夏休み」などと言われますが、なんだかんだ言っても秋冬が最も大切です。最後のロングスパートで頑張ってください。
大学生は、夏休みも終わって、後期授業真っ只中ですが、そろそろ学祭シーズンなので、勉学以外にも時間がとられる季節を迎えていますね。

頑張れ!受験生!
是非是非お立ち寄りください(笑)

今月の学問のミカタのテーマは「秋」。
漠然かつ広大なテーマです(笑)
困ったときは、すぐに売場ネタにいってしまいます・・・(;^_^A

実は、売場というのは3月頃と9月頃に「棚替え」と呼ばれる陳列商品の大幅な入れ替えが行われます。売場には、エンドやシーズン棚のように毎週見直されるプロモーション用の売場と、「定番」と呼ばれる不動の定位置が決められた売場がありますが、小売業にとっては、この定番売場が最も重要な売場になります。
チェーンによっては、まだこの棚替えが完了していないところもあるかもしれませんが、このブログがアップされる10月には全ての売場が一斉に「秋冬のラインナップ」に様変わりしていると思います。


この秋から、ドラッグストアの売場を占めるのは、気候の変化に伴う体調変化に関するものが増えてきます。風邪に関する商品、乾燥肌に関する商品などです。
本当は冬も気にしなくてはいけないのですが、夏場には目立っていた紫外線予防や汗じみ対策などは棚落ちする店舗も出てきます。


定番売場が、小売業にとってはもちろんですが、メーカーにとっても重要な売場である理由は、コロコロ変わるプロモーション売場と比較して、いつも売られている場所を長期に渡って確保できるからです。
メーカー各社は、自社製品(自社ブランド)を育てていかなくてはならないのですが、何をもって「育った」と言えるのかというと、新規購入者を獲得して、リピート購入者を増やしていくことで、商品育成・ブランド育成を果たしていきます。
ブームなどで単発的に売れるだけでは、メーカーは大きな利益になりません。持続的に支持してくれるお客様を拡大させていくことが営業目標になるので、そのために定番売場を確保することが必要になるわけです。


ただし、店頭の商品によってお客様の悩みを解決しようと思ったら、定番売場だけでは、ソリューション(解決策)を提供できないのです。
例えば、風邪をひいた時に必要な商品を考えてみると、風邪薬、マスク、うがい薬は基本アイテムですが、その他にも栄養ドリンク、氷のう、体温計などを買う人がいるかもしれません。もしかしたら、ロックアイスやポカリスエットのようなアイソトニック飲料も一緒に買いたい人がいるかもしれません。


そんな提案をするためにエンド展開やシーズン棚などの「出張場所」が必要になってきます。
この「出張場所」に、風邪をひいた人が必要なものをピックアップして集合させるので「集合陳列」と言ったり、散在している定番売場から外に出てくるので「アウト展開」と言ったりします(※このときリピート購入者がいるので、定番売場にある商品は、その場所を確保しています)。

本藤ゼミは、メーカーや専門商社を志望する人が多く、実際に就職していく人が多いのですが、直接的に売場をつくる小売業で働かないとしても、メーカーや専門商社で働くためには売場の知識は不可欠です。
みなさんも売場の変化を見ながら、季節を感じたり、ブランドを考えたり、お客様へのサービスを考えたりして過ごしてみると、色々な発見がありますよ。



【学問のミカタ】
他学部やセンターからも、同じ「食」をテーマとしたブログがアップされています。
高校生の皆さんは、他学部の【学問のミカタ】に是非ともお立ち寄りください。

・経済学部ブログ : 「競争と交渉の男女差
・コミュニケーション学部ブログ : 「芸術の秋を楽しむ
・現代法学部ブログ : 「秋 -風景に人の思いや社会の関わりを感ずる季節-
・センターブログ : 「フランスの秋あれこれ

文責:本藤貴康(流通マーケティング入門、流通論、地域インターンシップ担当)
本藤ゼミナールBLOG http://hondo-seminar.blogspot.jp/