2018年6月26日火曜日

「面白いは正義!」の石黒ゼミ


ようやく夏らしい天気になってきましたね。
熱中症には十分に気をつけてください。
経営学部の石黒です。
今回は今年度初の投稿ということで、「ゼミ」について書いていきます。


今年度の石黒ゼミは総勢24名。
4年生が7名、3年生が11名、2年生が6名です。
当ゼミは完全に個人研究をしているので、24の研究テーマがあるわけです。


例えば。。。。

「ホンダは何故営業利益が伸びないのか?F1は失策。。。?」
「日本の動物園は何故赤字?レジャー施設からの脱却を求めて」
「勝てなくても儲かります!正しいサッカーチーム運営とは?」
「テーマパーク戦略の革命 USJの居抜き戦略」
「バイクは何故売れない!ヤンキー文化とバイク」
                              などなど


中には女性用アンダーウェアについて研究しようとするゼミ生もいたりします。
僕では明らかに知識不足ですので、先輩女子に期待しましょう。
他にもあまりに奇抜すぎて、ここでは説明できないものまで。。。
「面白ければいいじゃない」がモットーなので仕方ないかな?

今年の予定としては、4年生は卒論執筆、3年生はゼミ研究報告会、2年生は研究テーマ、問題意識の設定です。
例年は4年生に報告会を任せていたのですが、今年からは卒論に集中してもらうことにしました。
年末は卒論の締め切り直前で、4年生には修羅場が待っています。



 (テーマ :「おもてなし」って実は悪では?経営者の思考放棄?悪用?に迫る!)


写真は、4年生が書いてきた卒論の途中経過を説明しているところです。
自分が書いてきた内容を章、節ごとに箇条書きにして板書してもらっています。
こうすると、全体の構成、論理性などを客観的に把握し、おかしな部分に気づくことができます。
ちなみに写真の女子学生は、板書している最中にほぼ同じ内容を2回繰り返し書いていることに気づき、軽い絶望を感じているところです。

レポートや論文は、客観的・論理的に書かなければ意味がありません。
感想文とは全く違ったスキルが必要で、練習しなければ書けません。
何度も書いて、削除・修正を繰り返します。
大変です。。。。辛いです。。。


もちろん、辛いことばかりではありません!!!

ゼミの後は気の合う仲間と「お食事」にGO!!!
普段は話せない悩みやおバカな話題でいつも盛り上がっています。
基本的にお祭り気質な学生が揃っていますので、誕生日パーティーもやりますよ。
(サプライズ風に)





     私も祝ってもらいました。
     良いゼミ生ですね(泣)
     

  もちろん、今年も沖縄合宿!
  台風にリベンジです!!!!






執筆:経営学部 石黒督朗


2018年6月17日日曜日

会社入門の授業でビジネスゲームを行いました

 皆さんこんにちは、経営学部教員の柴田高です。
 今回は、1年生向けの授業「会社入門」の中で行ったビジネスゲームについてご紹介しましょう。
 「会社入門」という科目は、経営学部に入学したばかりの学生に向けて、株式会社というものが何を目的としていて、どのような組織で、どのようにして仕事を進めているのかを、できるだけ分かりやすく、具体的に紹介する科目です。アメリカで発展してきた経営学という学問分野は、大企業、とりわけ製造業(メーカー)の発展の歴史的分析の上に体系化されてきました。これから経営学というものを学んでいく上で、株式会社という存在をきちんと理解することがとても重要なのですが、会社員の経験もなく、今年の3月まで高校生だった新入生にとっては、実感を持って理解することがなかなか難しいかもしれません。私自身は、大学教員として奉職する前に、たまたま大手製造業の社員だったので、会社を内側から眺める機会に恵まれていたのですが、これを新入生の皆さんに伝えようとすると、それはそれで結構難しいものがあります。そのため、2017年度からまず「会社入門」という科目を用意して、会社の概要を理解してもらうようにした訳です。

 この「会社入門」では、通常の週は担当教員が説明を行う、ごく普通の授業形式なのですが、途中で2回、グループワーク形式によるビジネスゲームを行っています。これには日本証券業協会の証券知識普及プロジェクトから無償で提供して頂いている「ケーザイへの3つのトビラ」という教材を利用しています。6月11日(月)の授業では、この中の「ワールドトレジャーランド再生計画」というビジネスゲームを行いました。ここでは学生一人一人がテーマパーク「ワールドトレジャーランド」を経営する取締役の一人になったつもりで、経営者の意思決定のプロセスを学びます。近年、売上減少が続くこのテーマパークでは4人の担当社員が「設備投資を増やす」「スタッフの質を向上させる」「広告・宣伝を増やす」「無駄な費用を削減する」などの対応案を持ってきます。経営者の1人としては、まず4人の意見に耳を傾け、その効果を自分なりに評価します。以下の写真は、その評価を行っているところです。


 次に、4人から6人のグループを作り、これが「ワールドトレジャーランドを経営する取締役会のメンバーである」と想定して、各取締役の意見をもとに議論を行って会社としての一つの意見に集約する「取締役会」を開きます。以下の写真は、取締役会としてグループごとに話しをしているところです。


 各グループでは、自分たちが選択した案をもとに、それを具体的にどのように進めていけば業績を向上させることができるかを考え、発表資料にまとめます。この発表資料に基づき、実行案をそれぞれのグループごとに代表取締役社長を務めるリーダーが発表します。これは株主総会での会社側の事業計画の提案に相当します。学生の皆さんは、今度は各自が株主の1人になったつもりで、自分たち以外のグループの中では、どのグループの発表内容がいちばん優れているか、評価シートに記入していきます。以下は、グループごとの発表の様子です。

 このようにして、会社における意思決定のプロセスを疑似体験してもらうわけです。終了後、学生の皆さんに感想を記入してもらうと、「会社経営の難しさを実感した。特に株式会社は株主の配当のことを考え経営しなくてはいけないことの重要性がわかった。」とか「解決策はいろいろあり、その事業計画が成功するかどうかで売上も変わってくるということがわかった。」「自分の意見が通るとは限らず上手くまとまらない可能性があるとわかった。また、自分の意見には責任が生じるのだと実感した。」などの意見が多く集まりました。この場を通じて、教材を提供して頂いている日本証券業協会の皆様にも感謝の気持ちを述べたいと思いますし、新入生の皆さんも、ビジネスゲームを通じて会社というものの理解が進んだのではないかと思っています。






2018年6月11日月曜日

カンブリア宮殿にウエルシア池野会長登場!

2018.06.11

東京経済大学の本藤です。
 先日5月31日放送のカンブリア宮殿(テレビ東京)に「ウエルシアホールディングス」の池野隆光会長が登場しました。2017年にガイアの夜明け(テレビ東京)にも出ていたのですが、今のドラッグストア業界の置かれている環境が伝わってきました。このウエルシアホールディングスは、現在ドラッグストア業界のツートップ(もう一社はツルハホールディングス)の一翼を担っています。


 小売業界では成長率が鈍化していたのですが、近年再び市場規模を拡大させてきています。JACDS(日本チェーンドラッグストア協会)によれば、その最大の牽引役は「食品」と「調剤」だと発表しています。
 この「食品」のドラッグストアにおける売上構成比は年々伸びていて、企業によっては、もはや売上の半分以上を食品カテゴリーで獲得している場合もあります。そういうドラッグストアの店舗は400坪から600坪(コンビニエンスストアの10倍から20倍)という巨大な売場面積に達しています。


 ドラッグストアの一般用医薬品(OTC)の売場は、どんなに品揃えを強化しても、それほど売場面積の拡大が必要になることはありません。売場が大きくなってしまうのは、やはり食品がスーパーマーケット並みになってきているということを意味しています。ドラッグストアで販売している食品は、主に冷凍食品や加工食品、乳製品や納豆などの日配品で構成されていたのですが、このところ生鮮食品を扱う店舗も増えてきています。



 なぜ食品の重要性が高まってきたのでしょうか?
 10年くらい前までは、ドラッグストアの来店頻度は月3回が一般的な利用状況でした。でも、スーパーマーケットやコンビニエンスストアは週3回の利用が平均的な利用状況です。そうなると、お客様との接点は、スーパーマーケットやコンビニエンスストアと比較すると4倍程度の開きが出てきてしまいます。
 しかも、これら3つの小売業態は、生活者の習慣として、「最も近い店舗」を利用する傾向が強いので、「ついで買い」され易いのは来店頻度の多い店舗になりがちなのです。そこで、いまこの3つの業態の品揃えは、どんどん似通ってきています。

 カンブリア宮殿でウエルシアホールディングスの池野会長が「ライバルはコンビニ」と言っていたのは、いまのそんな小売競争を端的に示したコメントなのです。


文責:本藤貴康(担当科目:流通論、流通マーケティング演習)
本藤ゼミナールBLOG http://hondo-seminar.blogspot.jp/



2018年6月4日月曜日

パナマを知るための70章(第2版)

流通マーケティング学科の丸谷です。24回目の執筆です。私はグローバル・マーケティング論(簡単にいうと海外でどのようにマーケティングを行っていくのか)を専門分野にしているので、海外の経済やビジネスについて取材して記事を書いてくれという依頼がたまにあります。

今回は一般の皆さんに、なかなかなじみの薄い地域に関して依頼された仕事がかなり充実した一般向けの書籍『パナマを知るための70章(第2版)』として明石書店より出版されたので、紹介していきます。

皆さんパナマと聞いて何を思い浮かべられるでしょうか?
グーグルで検索すると、関連ワードの順番はパナマ文書、パナマ運河となっています。

パナマ文書に関しては、私がたまたま担当することになり、第49章においてコンパクトに解説しております。簡単に言えば、パナマ文書とは、201643日にパナマ市内に事務所を置くモサック・フォンセカ法律事務所が国外のサーバーからのハッキングを受け漏洩した機密内部文書(2.6テラバイト(文書現物にするとトラック1000台分)であり、この機密文書漏洩を契機にして、タックスヘイブン(租税回避地)への関心が急激に高まることになりました。

           旧モサック・フォンセカ法律事務所(国本伊代撮影) 

パナマ運河に関しては、私の担当章ではないですが、第Ⅲ部、第Ⅳ部、第Ⅴ部で詳細に解説されており、2016626日に足掛け9年かけて、当初の予定より2年遅れて拡張工事が完成したことによって関心が高まっています。

パナマという国の成り立ちに関しては、この運河建設と切り離すことができないのです。パナマは現在中米の南端の国という認識が一般的になっていますが、1903年に独立するまでは南米コロンビアの北部地域にすぎなかったのです。この独立にはパナマ運河建設計画が大きくかかわっており、パナマ運河の利権が欲しかった米国が当時コロンビアの地方であった現在のパナマにあたる部分の分離・独立の動きを支援することによって独立したのです(詳細は、第19章と第20章参照)。

独立後米国はその見返りに、パナマ運河の利権を独占することになり、パナマ運河の権利がパナマに返還されたのは独立後約100年を経た1999年末でした。


今回の依頼は改訂であったので、最近のパナマのビジネスに関して5章分くらいでした(最終的には4章分となりました)。書籍を出版した明石書店は、世界の様々な地域に関する書籍を出版している出版社です。

特に『・・・を知るための』という名称で出版されているエリアスタディーというシリーズは、地域の図書館などにも所蔵されている定番シリーズとなっております。20181月末現在161冊出ています。私はこれまでにも2011年に『現代メキシコを知るための60章』、2013年に『ドミニカ共和国を知るための60章』、2017年に『カリブ海を知るための70章』(詳細は、経営学部ブログhttp://tkubiz.blogspot.jp/2017/07/70.html)』という3冊に参加させていただきました。

当初はメキシコなど有名な諸国を扱ったシリーズでしたが、ネットを通じた情報発信が充実していく中で、最近はマニアックな諸国に関する信頼性が高い情報を求めるニーズが高まったようで、それにこたえる形でかなりドミニカ共和国といったマニアックな国やカリブ海世界といったように、より細かい地域を扱った内容が増えてきています。そして、ある程度有名なパナマに関しても、2004年の初版発行から13年を経て第2版といった形でより詳細な新しい情報も付け加える形になっています。

原稿テーマを考える事前取材では、これまでの3冊同様まずは図書館等で日本文と英文を中心に書籍やデータベースを当たり、ある程度テーマを絞った段階で、JICA(国際協力機構)によって海外派遣されている支援を行う皆様や様々なNGO、個別に情報発信を行っている旅行社の皆様など、ネット情報を確認しました。 

私が今回担当した章は、以下の4章となりました。

43章 パナマ独自の小売産業の発展――地元資本による緩やかな近代化
44章 マグロの養殖という新たな産業――パナマにおける近畿大学の挑戦
47章 パナマ運輸産業の発展――立地を生かして発展を目指すコパ航空
49章 タックスヘイブン――「パナマ文書」が明らかにした租税回避地

どの章も執筆している自身にとっても非常に興味深く、特にインタビューさせて頂いた近大マグロで有名な近畿大学の水産研究所の澤田好史教授のパナマでのマグロ養殖の挑戦のお話は知らない事実ばかりで大変興味深かったです。

パナマは、名前は知っているけれど、なかなかなじみの薄い国だとは思いますが、今回出版した拙著が関心の高まりの1つのきっかけとなれば幸いです。

(文責:丸谷雄一郎(流通マーケティング学科 教授)