2018年6月11日月曜日

カンブリア宮殿にウエルシア池野会長登場!

2018.06.11

東京経済大学の本藤です。
 先日5月31日放送のカンブリア宮殿(テレビ東京)に「ウエルシアホールディングス」の池野隆光会長が登場しました。2017年にガイアの夜明け(テレビ東京)にも出ていたのですが、今のドラッグストア業界の置かれている環境が伝わってきました。このウエルシアホールディングスは、現在ドラッグストア業界のツートップ(もう一社はツルハホールディングス)の一翼を担っています。


 小売業界では成長率が鈍化していたのですが、近年再び市場規模を拡大させてきています。JACDS(日本チェーンドラッグストア協会)によれば、その最大の牽引役は「食品」と「調剤」だと発表しています。
 この「食品」のドラッグストアにおける売上構成比は年々伸びていて、企業によっては、もはや売上の半分以上を食品カテゴリーで獲得している場合もあります。そういうドラッグストアの店舗は400坪から600坪(コンビニエンスストアの10倍から20倍)という巨大な売場面積に達しています。


 ドラッグストアの一般用医薬品(OTC)の売場は、どんなに品揃えを強化しても、それほど売場面積の拡大が必要になることはありません。売場が大きくなってしまうのは、やはり食品がスーパーマーケット並みになってきているということを意味しています。ドラッグストアで販売している食品は、主に冷凍食品や加工食品、乳製品や納豆などの日配品で構成されていたのですが、このところ生鮮食品を扱う店舗も増えてきています。



 なぜ食品の重要性が高まってきたのでしょうか?
 10年くらい前までは、ドラッグストアの来店頻度は月3回が一般的な利用状況でした。でも、スーパーマーケットやコンビニエンスストアは週3回の利用が平均的な利用状況です。そうなると、お客様との接点は、スーパーマーケットやコンビニエンスストアと比較すると4倍程度の開きが出てきてしまいます。
 しかも、これら3つの小売業態は、生活者の習慣として、「最も近い店舗」を利用する傾向が強いので、「ついで買い」され易いのは来店頻度の多い店舗になりがちなのです。そこで、いまこの3つの業態の品揃えは、どんどん似通ってきています。

 カンブリア宮殿でウエルシアホールディングスの池野会長が「ライバルはコンビニ」と言っていたのは、いまのそんな小売競争を端的に示したコメントなのです。


文責:本藤貴康(担当科目:流通論、流通マーケティング演習)
本藤ゼミナールBLOG http://hondo-seminar.blogspot.jp/