今年は、緊急事態の中、多くの大学で対面型の講義が全面的に中止され、オンライン型の講義への移行が進んでいますね。皆さんの中には、大学の講義のオンライン化について不安や心配もあると思います。
そこで今回は、大学の教育とオンライン化について話をしたいと思います。ただ、アンケート調査をしたわけではなくあくまで私の事例の紹介ですので、その点は承知しておいてください。
もともと、オンライン化への移行というのは大学ではかなり前から進んでいまして、おそらく一番一般的なのは、学習支援システムの導入だと思います。
学習支援システムは、講義資料の配布、小テスト、レポート、プロジェクト(複数の学生でチームを作り課題を提出する)などを通しての学生一人ひとりの予習・復習・講義への参加状況を分析することが出来るシステムです。また、いわゆる掲示板機能がついているシステムでは、それを通じて、教員への質問や、講義へのコメントが出来、教員側からもそれに対して返答をすることが出来ます。本学でもmanabaという学習支援システムが、数年前から導入されています。
この支援システムを活用することで、教材の配布、各回の課題の提出、採点、学生の学習状況の把握が出来ます。
この学習支援システムは、 動画ファイルなどもアップできるものだったのですが、残念ながら今回の事態では、急激なシステム利用者の増加にシステムの増強が追い付かず、容量制限がかかってしまい、現在は、動画は外部にアップして、リンクを貼る形式にすることが勧められています。
その他にも、利用者の増加によって、学習支援システムの反応が遅くなる事例が他大学では発生していますし、これが著しい場合には、システムが落ちてしまう(動かなくなる)危険性も指摘されています。
そのため、私の場合は個人的にサーバーを設置し、moodleという学習支援システムをバックアップ用に準備しています。こちらでは、ファイルのアップ容量は1ファイル2GBまで、全体としてのアップ容量が50GBまで対応可能にしています。750kbpsであれば、90分の講義をフルに動画にしても0.5GB強ですから、一人の教員の半期のファイル容量としては十分な準備をしています。
この学習支援システムは、 動画ファイルなどもアップできるものだったのですが、残念ながら今回の事態では、急激なシステム利用者の増加にシステムの増強が追い付かず、容量制限がかかってしまい、現在は、動画は外部にアップして、リンクを貼る形式にすることが勧められています。
その他にも、利用者の増加によって、学習支援システムの反応が遅くなる事例が他大学では発生していますし、これが著しい場合には、システムが落ちてしまう(動かなくなる)危険性も指摘されています。
そのため、私の場合は個人的にサーバーを設置し、moodleという学習支援システムをバックアップ用に準備しています。こちらでは、ファイルのアップ容量は1ファイル2GBまで、全体としてのアップ容量が50GBまで対応可能にしています。750kbpsであれば、90分の講義をフルに動画にしても0.5GB強ですから、一人の教員の半期のファイル容量としては十分な準備をしています。
さて、このような学習支援システムですが、大学の学びというのは、「一方向」だけのものではありません。教員からの講義によって、知識を蓄えることと同時に、学生からのフィードバックや、学生相互の議論を通じて、多面的な物の見方を学び、自分自身の意見というものを構築することが重要です。しかし、学習支援システムでは、細かいグループ分けがしにくく、発言が全参加メンバーに見えてしまうことで、発言を避ける傾向が出てしまう場合があります。(学習支援システムの種類によっては、細かくグループ分けをすることが出来るものもあります。)
そこで、私の場合は、少人数のゼミなどでは、chatworkというビジネス向けのコミュニケーションツールを使っています。これは、グループ分けが各参加メンバーで設定できるので、研究テーマごとに班を設定する作業や、その班の中で更に、小さいテーマごとに参加メンバーを設定することが簡単にできる特徴があります。ファイルも送信できるので、現在はプレゼンテーションの動画をアップして、それに対して参加者がコメントをチャットで送るということをしています。
このプレゼンを動画で行い、コメントをチャットでというのは、比較的珍しいかもしれません。うちのゼミの場合は以前から、せっかくいいコメントをしてもらっても、記録がとれていない結果、忘れ去られてしまうという残念なことが起こっていまして、せっかくオンライン化するなら、その対策もちょうどいい機会なのでやってみようということで試行しています。
他大学も含めて、ゼミでのディスカッション部分では、Zoom(リアルタイムメッセージングとコンテンツ共有が可能なビデオ会議システム)などを使うケースが、多いのかもしれません。
このビデオ会議システムも注目されていますね。このシステムを使うと諸外国の大学との協働講義なども可能で、本学では2016年度に「スカイプを使用してタイの大学と協働授業」というものを行いました。
タイ・バンコクの泰日工業大学と相互交流を行いながら異文化コミュニケーション能力を高め、自らのグローバルキャリアへの意識を高めることを目的に開講された特別講義「グローバルキャリア入門」では、来日前の4月にスカイプを使い、泰日工業大学(タイ・バンコク)と繋ぎ、顔合わせを成功させました。その後、実際に来日した段階では、スカイプでの直接対話を通じて親密な関係になっていたこともあり、合同研究作業は非常にスムーズに進行していました。
そのほか、フレッシャーズセミナーという新入生向けの演習講義(ゼミ形式の少人数講義)では、Wordpressというホームページ作成システムを利用してもらい、実践的にオンラインでの情報発信スキルの育成にも取り組んでもらっています。今年は動画で行う予定ですが、図書の利用方法、プレゼン技法を実践的に学ぶためのビブリオバトルという書籍紹介の演習などもしています。
このように、大学での学びは、オンライン化への対応が比較的進んでいますし、むしろオンライン化することによって、「情報として残り、学習効果が上がる」という面や、「諸外国の大学とつながることでより多様性のある学習ができる」というポジティブな面があります。
その他、ここですべては挙げられませんが、本学では、教員相談員によるWEB学習相談(Zoomを使用)や英語学習アドバイザーへのWEB英語なんでも相談(Zoom使用)も在校生向けに5月11日(月)からスタートするなど、オンラインでも出来る限り学習を進めることの出来る取り組みもどんどんはじめています。
今回の緊急事態がどこまで続くのか中々先が見通せない中で、心配なことも多いかと思いますが、その中でも各教員それぞれ出来るだけ良い講義、良い学習環境を提供できるように心がけています。
この記事が、大学でのオンライン教育の学びがどのように行われているかの一例として、参考になれば幸いです。
(文責:経営学科 板橋雄大)