2017年7月17日月曜日

将来のスゴい小売店の形を考えると・・・

2017.07.17

東京経済大学経営学部の本藤です。
僕たちの生活は、日進月歩の情報技術と一緒に進化しています。
電磁調理器を使ったコンロを使って朝食を作るかもしれませんし、電車やバスで通学している人はSuicaやPASMOでピピッとタッチして乗車したり、改札を通過する人が多いですよね。途中のコンビニではnanacoで決済したり、進んでいる高校では出席も学生証がIDカードになっていて、自動的に出席処理が行われているところもあるかもしれません。

最近、注目を集めているのがAI(人工知能)です。
これまでの情報技術は、ありとあらゆる人に対して共通したサービスを画一的に効率的に処理をしていくような活用が一般的でしたが、このAIでは個々の人に対して、それぞれの行動パターンに応じて提案していこうとするものです。
このAIが本格的に私たちの生活に浸透していくと、日常的な仕事(業務)も半分以上がコンピュータに取って代わられることになるとも言われています。

そんな進化し続ける情報技術ですが、これを前提として様々な未来型小売店舗が考えられてきています。


これは、昨年末に公開された「amazon go」のイメージ動画ですが、精算処理は自動的にamazonに登録しているクレジットカードに請求されるため、レジがありません。




このような店舗が増えてくると、いまパート不足に喘いでいる小売業の人手不足は解消されるかもしれませんが、主婦の就業機会が激減する可能性もあり、勤労者でもあり消費者でもある生活者にとって朗報と言えるのかどうか・・・

ただ、混んでいるスーパーなどでのレジ行列というストレスから解放されますね。
おそらく視覚障がい者には音声アシストは比較的容易にできそうですし、探している商品の売場が分からない時もスマホでサポートできそうですし、商品の説明もスマホを通してできそうな気がします。

気になるのは、全てのコミュニケーションがスマホを通じて行われていて、Face to Faceのコミュニケーションが消滅してしまっていることです。
日本は社会構造として単身世帯が最も多くなっていますが、高齢者も例にもれず単身世帯が増えています。この人たちのコミュニケーションの機会のほとんどが店頭で行われる日常会話という現状を考えると「人と話をする」という行為が、どんどん縁遠くなっていく危険性も感じます。

そこでアジア版のamazon goとも言われているファミリーマートとLINEでイメージした未来型コンビニエンスストアが、以下の動画で表現されています。これは先月公開されたばかりの動画ですが、AIが大活躍していて、個々の顧客の購買履歴などから判断して、それぞれの顧客にフィットした推奨や情報提供が行われています。



この動画では、朝起きてから出勤するまでのビジネスマンの生活イメージを描いています。
店員と顧客だけではなく、コンピュータシステムとのコミュニケーションもイメージされていて、amazon goと比較しても店内に活気と笑顔があることを意識したイメージ動画になっています。

現在、多くの企業がこのような小売業の進化の形を構想していますが、どのような未来型小売店舗のモデルが正解なのか予断できません。amazon goは既に実現させつつありますが、これも3月に公開予定だったのが延期されていて、いつ実現するのかどうかも分からなくなってきています。
最終的には生活者の多くが快適だと感じる形に向かって試行錯誤が続けられていくことになります。
最近は、共働き世帯が増えてきて、日常生活の必需品を買う際に「時短」という言葉が広がっているように、簡単であれば簡単であるほど好ましいという考え方もあるのですが、人と人との接点が省かれていくのは少し寂しいような気がします。小売業の将来の形をイメージする力も、学生時代に何を考えて過ごしてきたかによって大きく差が出てきますね。

文責:本藤貴康(流通論、流通マーケティング入門、地域インターンシップ担当)