2017年10月29日日曜日

英語でプレゼンする経営学-外国書講読

 皆さんこんにちは、経営学部教員の柴田です。
 今回は、私が本年度担当している科目「外国書講読」の授業についてご紹介したいと思います。この「外国書講読」という科目は、特定の担当教員に固定されているわけではなく、年度により担当教員が変更になり、内容もさまざまです。従来は、教員の得意分野の英語で書かれた専門書を用意し、学生が分担する部分を決めて日本語に訳し、順番に内容を発表するという輪講形式の授業を行うことが多かったと思います。私も十数年前に担当した時は、そのような形式で進めました。今回、久しぶりに担当者に指名された際に、教務主任より「英語で学ぶ経営学、という内容で」という指示があり、「それならば、英語で教員が教える経営学、英語を学生が使う経営学、という内容にしましょう。」と提案させていただきました。その結果、ただ単に教員が教壇で英語をしゃべり、それを学生が席で聞いているだけ、という授業ではなく、教員が英語で説明した後に、学生がそれに従って考えてきた内容を英語でプレゼンテーションする形式の授業を行うことになりました。

 経営学は、現実の企業の活動を分析する学問であり、その分析のためによく使われるツールがいくつかあります。たとえば、企業の置かれている状況をできるだけ冷静・多面的に分析するSWOT分析という手法があります。企業が内部に持つ強みと弱み、企業を取り巻く外部環境の中の事業機会と脅威をできるだけ多く列挙して、状況を把握し、今後の戦略を考える出発点とするものです。授業の中では、マクドナルドや吉野家を例にSWOT分析の結果を示し、学生の皆さんにはスターバックスの分析結果を発表してもらいました。

 前回、私が9月にこのBlogを担当した時には、タイ・バンコクでの海外ゼミ研修の様子をご紹介しました。
その際に、タイで活躍される日本人ビジネスマンの皆さんからお話をうかがいましたが、皆さん口を揃えて、英語で自分の考えを伝えることが大事、とにかく自分から英語で話してみること、と強調されていました。ゼミ生の中には、その言葉に刺激されて?、この科目を追加履修することにした人もいます。人前でのプレゼンテーションで大事なことは、(日本語の場合も結局は同じなのですが)とにかく大きな声で堂々と、ゆっくりと、多少大げさなくらい抑揚をつけて、(原稿ばかりを見続けるのではなく)聞いている人たちの顔を見ながら話しをすることです。

 「英語を人前で話すなんて、とても、とても。」と感じられる方も多いかも知れませんが、初歩的な英語でのプレゼンテーションには、独特の「型」があります。この「型」をMicrosoft Wordのフォームにして、そこに自分の考えに沿った語句を入れていくと、だんだんそれらしい原稿ができあがります。英文そのものは、一部の専門用語を別とすれば、中学生でもわかりそうな単純明快なもので構いません。それをいくつか積み重ねていくことで、相手に考えを伝えます。そのため、日本語の段階で、英語に訳しやすそうな文章の組み合わせに「言いかえる」センスは必要で、これは「英語の能力」ではなく、「日本語の能力」と言うべきものです。複雑な文法を駆使するような言い回しは、聞き手にとっても分かりにくいもので、避けるべきなのです。後は、それをもとに度胸をつけて人前で話す経験を積むことが大事です。

 これから、事業の国際化・グローバル化はますます進んでいきます。日本国内だけで事業をしているつもりでも、世界各地に仕入先ができたり、海外からの顧客が取引を求めて来る機会は増加するはずです。取引先がアメリカやイギリスでなくても、やはり英語でコミュニケーションをとれることは、とても大事になります。皆さんも英語でのプレゼンテーションにチャレンジしてみませんか?

(文責:経営学部 柴田高)