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これまでは泰日工業大学との相互交流が中心だったのですが、2018年度は泰日工業大学の都合が合わず、パニャピワット大学 (PIM) との交流となりました。今回の海外ゼミ研修のテーマは「日本企業の海外での事業展開と異文化コミュニケーションを学ぶ」というところにあり、見学先などもそれに合わせてアレンジしています。また、経営学部の山本晋先生のゼミとの合同研修となり、以下の写真の通り、30人の学生・院生の参加する大規模な団体旅行となりました。
8月23日(木)朝、羽田空港に全員集合し、空路バンコクに移動して、この日からバンコク市内のシーロム地区のホテルに宿泊しました。
8月24日(金)には、午前中アユタヤのハイテク工業団地内にあるキヤノンのプリンタ工場を見学し、日本人駐在員の皆さんからタイでのビジネスや生活について体験談をうかがうことができました。以下の写真は工場の建物の前での集合写真です。
キヤノンの工場では、社員食堂で社員の皆さんと同じような(多少「お客様用」にバージョンアップしていましたが、基本的には同じだと思います。)昼食をお出しいただき、実際にタイで働く場合と同様の体験をさせて頂きました。これは貴重な経験になったことと思います。
アユタヤのハイテク工業団地には、東レをはじめとしていくつもの日系企業が進出していますが、2011年には洪水があり、各社とも大きな被害が出ました。写真の背景となっている建物でも、床から1メートル以上の高さまで水が上がってきた、ということです。キヤノンの工場の復旧の経緯は、以下の「東洋経済ON LINE」の記事で読むことができます。
24日の午後には世界遺産にも登録されているアユタヤの歴史公園の遺跡を見学して、象にも乗ってみました。
8月25日(土)の午前中は、バンコク市内の見学を行い、エメラルド寺院、王宮、ワット・アルン(暁の寺)、ワット・ポー(涅槃寺)などを回りました。この記事のトップの写真はワット・アルン(暁の寺)で女子学生の皆さんにタイの民族衣装を着てもらって撮影したものです。(男性用の貸衣装はあまり需要がないのか、ほんの数人分しか用意がなく、このような集合写真になってしまいました。)また、以下の写真はエメラルド寺院の入り口での集合写真です。
さらに25日の夕方からは、滞在先のホテルにバンコク周辺に在住の本学卒業生の皆さんにお集まりいただき、海外で働くこと、海外で生活することの体験談をお聞かせいただきました。今回集まって頂いた卒業生の皆さんは、たまたま全員が経営学部卒の方たちで、話しが弾み、学生の皆さんも、バンコクでの生活をより深く実感できたことと思います。
8月26日(日)はグループ行動日として、何人かずつの小グループに分かれ、自分たちの見てみたいもの、行ってみたいところを回る日にしています。夕方からナイト・マーケットに出かけたグループが多いのですが、引率教員としては、とにかく全員無事に戻ってきたのでホッとしているところです。
8月27日(月)と28日(火)の2日間は、バンコクの北西部にあるパニャピワット大学 (PIM) を訪問して、27日は、日本語学科の2年生、28日は3年生と交流しました。このパニャピワット大学は、タイ国内でコンビニエンスストア・チェーンの7-イレブンを経営するCP ALLという財閥系企業が設立した大学で、学内にも7-イレブンが2店舗も出店し、学生のインターンシップなどにも使われています。さらに「働きながら学ぶ」ことが重視され、通常の経営学部や外国語学部などに加えて、カフェの運営方法を学ぶコースや、航空会社の客室乗務員や地上係員を養成するコースなど、職業に直結した学科もあります。27日の午前中には、学内見学に加えて、カフェの厨房設備を備えた実習室で、タイ式の紅茶の入れ方などの実習も行いました。
27日の午後は、5つのグループに分かれて、日本語を勉強中の2年生と一緒に学内の7-イレブンを見学して、日本のセブンイレブンとの相違点を議論して、なぜそのような違いが生じるのかをグループごとに発表してもらいました。
さらにこの日の夜は、シーロムにある「和食処みずこし」というお店を訪問しました。このお店は今回参加した学生のお父上が経営しているお店です。
日本企業の海外進出というと、大企業の現地法人を連想しがちですが、実際には、さまざまなかたちでの進出があり、私たちの身近なところでも国際化が進んでいるのです。
28日には、本学学生にもパニャピワット大学の3年生の前で英語でのプレゼンテーションにチャレンジしてもらい、さらに5つのグループに分かれて、電気自動車の普及についてどのように考えるかをディスカッションしてもらって、その結果を日本人学生・タイ人学生の両方から発表してもらいました。
8月29日(水)には、午前中にチャオプラヤー川の川岸にあるコンテナバージ(艀)用ターミナルを見学しました。ここは、日本郵船、商船三井、川崎汽船という日本の海運大手3社がコンテナ船事業を統合して設立した「オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)」の現地法人であるONEタイランドの運営する港湾施設で、バンコク周辺の日系企業の工場で生産された製品の多くもここから出荷されます。
さらに29日の午後には、今回の旅行の手配をお願いした日新航空サービスの親会社である、倉庫・物流大手の日新の持つ物流倉庫を見学しました。写真は、最初にレクチャーを受けている様子ですが、窓の向こう側は、顧客企業の製品や材料を積み上げた倉庫設備になっています。
以上のような訪問・見学日程を終えて、8月30日(木)夕方には全員無事に羽田空港に戻ってきました。このように、通常の観光客向けパッケージツアーでは体験できないような「日本企業の海外進出と異文化コミュニケーション」の実情を見聞・体験できたことと思います。タイで働く日本人ビジネスマンの皆さんが口をそろえて「これからASEAN圏との交流はますます盛んになり、ASEAN圏での事業に興味を持つ若手社員が必要」とお話しされます。これからもそのような人材育成に力を入れていきたいと思っています。
(文責:経営学部・柴田高)