2026年3月9日月曜日

25年度の仕事・ゼミなどの総括をします! ~25年度の小木・小木ゼミの総括とゼミ選びのポイント 小木ゼミ通信 vol.47~

  マーケティング論、ソーシャルマーケティング論、消費者問題、流通マーケティング入門などを担当しています、小木紀親です。47回目のブログとなります。最近は、年1~2回しか書いていないので、久しぶりの投稿となります。

 今回は、25年度の仕事上・ゼミなどの総括として、いろいろと思いを綴っていきたいと思います。読み手には、高校生の皆さん(入学される方を含む)、在学生の皆さんなど様々いるでしょうが、小木と小木ゼミの1年間の動向を簡単にみていただけたらと思います。


◆25年度の小木・小木ゼミの総括

 とにかく、この1年はジェットコースターのような1年でした。

 仕事上では本当に良い年でした。教育活動はしっかりやれましたし、書籍(単著改訂)1冊、テキスト1本、論文2本と、これまでにない業績を上げることができました。質はともかく「やればできる」、「やる時にやらねば」という気持ちで、土日休日、夏休みや冬休み返上で、(授業や出張以外)ずっと書斎机の上のPCと格闘しておりました。高校生や大学生の皆さんからすると、大学の先生は普段は何をしているんだろうと思うのでしょうが、研究活動に没頭するとこんな状況になります。

 またカミサンや子ども関連も順調でして、これもまた言うことなしでしたし、資産運用も絶好調でした(「消費者問題」の授業では1コマくらいは資産運用について話しますが、図書館のブックウォールに私の推薦図書コーナーを作ってもらいましたので、ご興味のある方は見て下さい)。投資と言えば、今注目しているビジネスモデルの「カブアンド」(ざっくり言うと商品・サービスを購入すると当該社の株がもらえるもの)への投資(応援)が面白くなってきました。昨年末にも当ブログでも紹介しましたが、いよいよ株式上場の一歩手前まできています。現在、私は、90万人の株主(これは日本の上場している会社の5~6番目くらいの株主数)の中で上位0.2%(1800番くらい)に入っているらしく、どうやら大株主になっており、上場したときにどのくらいの値がつくか楽しみにしています。まあ夢を買ったということでしょうか(期待しすぎないようにしています)。横浜Kアリーナで行われた株主総会らしきものも大変盛り上がっており、およそ既存の会社のイメージではありません。

 ただ、ジェットコースターの底としては、10月に義父、2月に母を亡くし、一時大変な状況になりました。でも、すべて待ってくれるわけではありません。できるだけ早く通常運転に戻すよう日々努力しております。ここから学んだことは、活動を続けていく上ではは、常に最悪のことを想定しておくこと、あるいは常にバッファーを設けておくことです。

 一方、ゼミでは、これまでにないくらいの成果を上げました。東京都、JR東日本、TFT、ニッポニアニッポン(国分寺物語)、NAGAOKAなどとのコラボは、すべてうまくいきました。さらに、西武信金主催の学生アイディアコンテストで最優秀賞(2年生チーム)、消費者庁・消費者教育学会主催の消費者学生セミナーでも最優秀賞、優秀賞(3年生)を獲得しました。新たな試みのRE:キャッププロジェクトとしてリサイクルコースターを制作しました。これに加えて、各自で個人研究も進めているわけですから、私の学生時代から比べたら(私なんて本当に何もしていないに等しい)、いまのゼミ生らは本当に頑張っていると思います。とりわけ、これからゼミに向かう新2年生(1年生)は、進一層の心意気で、ゼミ活動に邁進してほしいと思います。


◆小木ゼミ活動報告

この1年間の小木ゼミの活動を簡単にまとめておきたいと思います。

〇個人研究

各自、個人研究、研究ノート、卒業論文などを進める。


〇国分寺物語

葵祭にこくベジの店に出店(こくベジを使ったスープカレーとブルーベリーの販売)/こくベジ販売やぶんぶんウォークなどのお手伝い/こくぶんじ写真コンクールの審査及び表彰式に参加/国分寺第2中でのレクチャーなど


〇RE:キャップ プロジェクト

主に国分寺キャンパスで回収したペットボトルを活用して、ハニカム構造のアップサイクルコースターを制作・販売。まだ生協で販売継続しますので、ぜひ購入して下さい。


〇西こくぶんじ・お土産プロジェクト

西国分寺駅にて、アンビー提供のお菓子などを小木ゼミ生が販売

アンビーとのお菓子コラボを模索

本プロジェクトがJR東日本内での地方創生アイディアコンテスト(120案応募)でファイナリスト4案に選ばれ(優秀賞は獲得)、4月20日に最優秀賞をかけたプレゼンに臨みます。なぜか私もプレゼンターに...。

〇東京都・消費生活への若者提言

東京都の依頼を受けて、東京都の消費生活への提言を、小木ゼミ生が都庁でプレゼン

最終的な案がポスター化され、新宿などのデジタルサイネージや、都内の大学、高校にも展開


〇TFT(テーブルフォートゥー)

6月末~7月初め、11月末~12月初めに、TFT×生協×小木ゼミによるTFT健康ランチを販売。1食販売あたり20円をアフリカの子どもたちの給食に寄付。今年はおよそ5万円程を寄付。


〇NAGAOKA

NAGAOKAの長岡香江社長らの前で「こんな商品・販売あったらいいなプロジェクト」で、各商品・サービス・販売方法をプレゼン。各賞を獲得。


〇西武信金主催ビジネスアイディアコンテスト


12月初旬 本戦決勝にて、最優秀賞を獲得


〇消費者庁・消費者教育学会主催 消費者学生セミナー


消費者学生セミナーのプレゼン提案において、最優秀賞、優秀賞の獲得


〇その他

夏合宿(新潟)/経営学部ゼミ研究報告会にて研究報告/多摩大学AL祭にて招待ゼミとして発表/愛のエプロン大会を開催/Xmas会及び幹部交代式/OBOG会の開催/卒業生の追い出しイベント/新女子寮会館のネーミングにゼミ単位で応募し、「葵レジデンス」を命名 などなど


たくさん、たくさん活動しました!


◆ゼミ選びのポイント

 さてさて、そろそろゼミ選びの時期になってきました(経営演習・経済演習・総合教育演習は、本年度は3月17日㈫、18日㈬、19日㈭が選考日で、エントリーはその前の週にあります。お忘れなきよう、自分でチェックして下さい)。昨年は、小木ゼミは1年生(新2年生)応募者が少なかったのですが、人数を絞って活動を行いました(よく頑張ってくれました)。今年は新2年生(1年生)は13名ほどは取りたいので、今年は小木ゼミに入ゼミするチャンスです。ぜひ応募してみて下さい。

 なんだかんだ言って、ゼミ選びはとても大切だと思います。おそらくこの記事を見ている1年生は問題ないのでしょうが、見ていない多くの無関心層にも是が非でもみてもらいたい!という想いを込めて、私が思う、ゼミ選びのポイントのベスト3を紹介したいと思います。


【第3位】:「やりたい(勉強したい)領域か、やりたい研究か」です。学生のゼミ選びをみていると、とにかくこれしか見ていないという感じです。この点は、とても大事ではあるのですが、私にとっては1・2番ではないですね。というか、果たして自分が思い描いているようなやりたいことではないことが多く、慎重に見極める必要があります。

【第2位】:「先生やゼミの雰囲気が自分にあっているか。耐えていけるか。」です。長くゼミを続けていくためには、先生との相性、ゼミとの相性はとても大事です。どちらかというとやりたい領域よりもはるかに大事かもしれません。

【第1位】:「自分が成長できるゼミか、自分を成長させてくれるゼミか」です。これは、2位とも連動する話ですが、自己成長が適うゼミをぜひ選んでほしいと思います。

 2月末に各ゼミの入ゼミ試験方法がTKUポータルにアップされています。入ゼミ選考(面接など)は、各ゼミ3月17日~19日のどれかになりますが、小木ゼミは、毎年中日に行います。したがって、今年は3月18日㈬9:30~行います(一部Zoomでお昼やります)。応募者は、エントリーシート及び成績表のコピーを持参して来て下さい。のっぴきならない用事がある場合は、Zoomでの参加を許可します。小木ゼミについては、シラバス、アカコンや経済学部ゼミ資料、流マ入門テキスト、さらにはXやインスタでも見ることができますので、いろいろと情報を集めて下さい。ちなみに、小木ゼミは、32名(男子6名/女子26名)の大変元気なゼミです。

2月20日 ゼミ選考方法 TKUポータルでアップ
3月中旬 TKUポータルで希望エントリー登録(これを忘れないように!)
3月18日㈬9:30~(教室未定:チェックのこと) 小木ゼミ 入ゼミ選考日

 考える時間は残りあとわずかです。本当にゼミ大切です!春休みは、バイトや遊びだけで過ごすのではなく、十分に悩んでゼミ選びしっかりとして下さい。

 小木

2026年2月24日火曜日

なぜSHEINの服はこんなに安いの?

「物流論」・「流通情報システム論」を担当する宮武です。


前回は、アパレルのネット通販物流ということで、

  • どんなサイトで服を買うのか

  • その服はどこから送られてくるのか

  • 誰が運んでいるのか

といった話をしました。


最後に少しだけ触れましたが、

「なぜこれらの商品が、ましてやSHEINのように国外から運ばれているにも関わらず安いのか」

という疑問が残っていたと思います。


今回は、この「なぜそんなに安くできるのか」という点にしぼって、お話していきます。

※SHEINのアプリのロゴ


1.安く作って、一気に運ぶ

だいたいの方がイメージするように、シンプルな理由のひとつは
大量生産と一括輸送です。

船での輸送は、国際的な競争が激しいうえに、一度に大量の貨物が運べます。
時間さえかければ、人件費の安い地域で生産した商品を、比較的安いコストで世界中に運べるしくみになっています。

だから、世界のいわゆるファストファッションブランドは、安価な商品を提供しやすいのです。

特に、自分たちで生産から販売まで管理する SPA(製造小売業) と呼ばれるアパレル企業はこの傾向が強く、

  • UNIQLO

  • GAP

などが代表例として挙げられます。

みなさんの服を見てみると、タグに「○○製」と書いてあるはずです。
これを書いているときに私が着ていた服は、「ベトナム」「インドネシア」「中国」製でした。

ただし、船で数か月かけて運ぶと問題になることがあります。
それは、消費者のニーズとずれてしまう可能性があることです。

流行を追いかけようと思うと、とてもではありませんが、
「デザインを決めてから数か月待って、ようやく店頭やサイトに並ぶ」というスピードでは間に合いません。

そのため、こうしたファストファッションの中でも、

  • 定番のデザイン

  • 毎年ある程度売れることが分かっているアイテム

の比率が高くなりがちです。
一方で、「流行最前線」を攻めるには、もう少し違うやり方が必要になります。



2.作った商品を素早く市場に投入するには?

ここまで見てきたように、

  • 安く作る

  • まとめて船で運ぶ

というやり方は、「定番品」を長く売るには相性が良い方法です。

一方で、最近のファッションの世界では、

  • SNSで急に流行が生まれる

  • インフルエンサーが着たアイテムが一気にバズる

といったことが当たり前になりました。

そうなると、

「数か月かけて船で運んでいるあいだに、流行が終わってしまう」

というリスクが大きくなります。

そこで出てくるのが、いわゆる「スピード重視」の作り方と運び方です。


ちなみに、ファストファッション系でも「ZARA」はこの運び方をしています。

ファッションの流行拠点であるヨーロッパを中心とした生産拠点を持ち、

飛行機で運ぶというやり方をしているので、物流系の教科書的な書籍でもよく取り上げられる事例です。


また、スピード重視といえば、注文からなるべく早く届ける、ことが求められるネット通販でしょう。

ZARAの例では店舗向けの輸送になるので、飛行機とはいえある程度まとまった量で運ぶことになります(まとめるほど、「コスパ」は良くなりやすいです)。


ところが、ネット通販の注文単位では、一度に運ぶ量がかなり少なくなります。


ということは、国外向けのネット通販(越境EC)で安い服を扱うのは難しい?ということになりますが、

そこで現在世界中で幅広く展開している企業が中国のSPA型越境ECサービスである「SHEIN」を思い浮かべる人もいるかもしれません。




3.SHEINの生産の工夫

お手頃価格の商品を速く運ぶためにはどうすればよい?という解決策として、

売れ筋商品をしっかり売って、無駄な生産をしない、という言うのは簡単だが難しい方法があります。


SHEINでは、次の方法でそれを実現しています。

  • 作る量を最初からドカンと大量に決めてしまうのではなく、まずは少ない量だけ作って「試しに売ってみる」。

  • その売れ行きを見ながら、本当に人気が出たものだけ増産する。


こうすると、

  • ハズれたデザインを大量に余らせるリスクを減らせる。

  • 当たりのデザインには、生産と輸送のリソースを集中的に回せる。

というメリットがあります。


ただし、これを世界中のお客さん相手にやろうとすると、

  • どこで作るのか(工場・生産地)。

  • どこに在庫を置くのか(倉庫の場所)。

  • どれくらいのスピードで運ぶのか(船か飛行機か)。

といったことを、セットで考えなければなりません。


SHEINは現在、世界中に商品の保管拠点を設置していますが、

そこに商品をたくさん置きすぎると、上に書いたような柔軟な対応が難しくなります。


じゃあ、世界中に生産拠点を置けばよい、という話になりますが、

多くの消費国では人件費が高く、とてもでないですがSHEINの商品のような安価での販売ができなくなります。


柔軟性を重視すればコストがあがり、コストを抑えると柔軟性が下がる、

そんなトレードオフな関係をSHEINがどう解決しているのか、という鍵は

中国におけるネット通販に特化した生産拠点「EC村」の存在です。



4.中国の「EC村」(「SHEIN村」):安さを支える生産地

SHEIN のビジネスモデルを語るときに、よく出てくるキーワードが
「EC村」や「SHEIN村」 といった言葉です。

中国の一部の地域では、

  • 縫製工場や小さなアパレル事業者がびっしり集まっている。

  • ネット通販向けの少量多品種の注文を、短納期でこなすことに特化している。

ようなエリアが生まれています。


SHEIN以外の中国発越境ECサイトの「Temu」なども、このEC村に支えられているといわれています。


イメージとしては、

  • 生地の調達

  • 裁断・縫製

  • プリントや刺繍

  • 検品・簡易な撮影

  • 梱包・出荷

まで、ネット通販向けの工程がぎゅっと集まった地域です。


こうした場所は、中国の主要都市から若干離れた地域にあり、

  • 都市部よりも地価や家賃が相対的に安い。

  • 家族経営など、小規模な事業者が柔軟に仕事を受けられる。

  • ネット通販プラットフォーム(SHEINなど)から、細かい注文が大量に流れてくる。

といった要素が重なり、「安く・早く・たくさん作る」ための土台ができています。


SHEIN は公式にも、需要に合わせて小ロットで素早く生産する

「オンデマンド型」のサプライチェーンを強調しており、

在庫を持ちすぎないことでコストを抑えていると説明しています




5.SHEIN村の現実:BBCが報じた長時間労働

しかし、この「SHEIN村」のような地域で、
働く人たちの労働条件が本当に適切なのか? という点については、多くの指摘があります。

英BBCが行った調査をまとめた記事や、市民団体のレポートによれば、

  • 広州周辺のSHEIN向け工場で、週あたりおよそ75時間前後働いている労働者がいること。

  • これは中国の労働法が定める上限を大きく超える長時間労働であること。

  • 「月に31日あれば31日働く」「1日10〜12時間は当たり前」といった証言があること。

などが報じられています。



BBC News Japan「週75時間労働も……SHEINの格安衣服を作る工場をBBCが取材」※英語ニュースですが、日本語字幕もあります。


また、スイスのNGO「Public Eye」などの調査では、

  • 非常口や通路がふさがれた危険な作業環境

  • 社会保険の未払い

  • 出荷枚数に応じて支払われる出来高制の賃金で、生活賃金を下回る収入

といった問題も指摘されています。


SHEIN自身は、

  • サプライヤーに対する監査の強化

  • 労働時間や安全基準の改善

  • 子どもを働かせていた工場との取引停止

などを行っていると説明していますが、

それでもなお、国際機関や人権団体からの批判は続いています。

ここで大事なのは、

「生産の工夫で安くなっている部分」と、 

「極端に低い人件費や過酷な働き方で安くなっている部分」

を、きちんと区別して考える必要があるということです。


ただ、これらはSHEINに限った問題ではなく、

20年ほど前からいわゆるファストファッション系の生産体制で問題提起されてきたことでもあります。



6.「安さ」の裏側をどう考えるか

高校生のみなさん、というか大半の消費者からすると、

「安くてかわいい服が手に入るなら、それでいいじゃないか」

という感覚も、もちろんあると思います。


一方で、BBCのような報道が問いかけているのは、

「その安さは、そこで働く人たちの時間や健康をどこまで削って成り立っているのか?」
「それは、労働の対価として適切と言えるのか?」

という点です。


大学の授業やゼミでは、

  • 企業のビジネスモデル

  • 物流のネットワーク設計

  • 労働条件や環境負荷、税制や規制のあり方

などを一緒に見ながら、こうした問いを少しずつ掘り下げていきます。


私の場合は物流あたりが専門領域ですが、

授業やゼミの担当の先生によって、焦点を当てる場所が違うのが大学の勉強の面白さであり、難しさかな、と思っています。


その勉強を、東京経済大学の経営学部で、

さらに私の授業やゼミで一緒に考えることになれば嬉しいです。




(文責:宮武宏輔)

2026年2月9日月曜日

東京経済大学 一般選抜試験本番

 2026.02.09

経営学部で流通論を担当している本藤貴康です。いま入試委員長を拝命しており、その担当領域はオープンキャンパスを含めた入試関連業務全般と広範囲に渡ります。

東京経済大学の一般選抜試験は、全学統一選抜の2月3日を皮切りに、個別方式として2月7日から9日にかけて開催されました。個別方式の初日2月7日は地方試験会場を並行開催します。昨年はこの2月3日の新潟地区は物凄い大雪で、解答用紙の回収チャネルを考え直しました。採点業務と合否判定を経てから合格発表というタイムテーブルを考えると、解答用紙の遅配は業務上の影響があるためです。私たちの日常生活で考えると、想定していた特急電車に数秒の差で乗り遅れた結果、次に20分遅れの各駅停車に乗ることになり、数秒の遅れが最終的には1時間の遅れになってしまうような事態が生じうるのです。いずれにしても、選抜入試業務にとっての天敵は天候などのアクシデントと言えそうです。

ちなみに、東京経済大学の最寄駅はJR国分寺駅なのでJR中央線です。国分寺は、このほかに西武国分寺線と西武多摩湖線の発着駅でもあります。隣駅の西国分寺駅はJR武蔵野線も走っており、下り方面に3駅隣はJR立川駅です。この立川駅はモノレールのほかに南武線が走っています。さらに3つ下るとJR八王子駅で、ここは埼玉方面へのJR八高線、横浜方面へのJR横浜線の発着駅です。自宅から2時間以上かけて通学している学生もいることを考えると、受験生に影響を与える公共交通機関はかなり遠くの線まで及びます。

今年は2月8日に国分寺キャンパスで何年ぶりかというレベルの降雪がありました。数日前から心配な天気予報は出ていたことは出ていました。雪が降ったとしても公共交通機関に大きな乱れが生じていなかったら特別に配慮する必要はありません。しかし、前夜から雪が降り続き、国分寺を中心とした交通ネットワークも例外なく、時間を追うごとにその影響範囲が拡大していきました。

そもそも生命線でもあるJR中央線と西武線が遅延運行。9:20にはJR南武線が運転見合わせ。9:30にはJR横浜線が運転見合わせ。この時点で試験開始時刻を1時間遅らせることを試験本部で決定しました。その直後の10:02にはJR中央線が運転見合わせ。ただ、天気予報を踏まえて受験生は早めに自宅を出ていたようで、既に9割方の受験生は到着していたので、1時間遅れで試験開始。

それでも遅れてくる遠方からの受験生に対応するために、1科目目の受験開始から1時間後にもうひとつの教室で並行実施させました。その後さまざまなイレギュラーな事態を吸収しながら、18:00前には試験本部解散にたどり着きました。

最悪の天候で不測の事態が多かったのですが、真剣に本学を志願して受験してくれている方々に対して最大限の誠意を示しながらの入試実施を心がけました。受験生のみなさん、残り1カ月くらいかかる人もいるとは思いますが、体調に気を付けて頑張ってください。

文責:本藤貴康(流通論担当、教授、入試委員長)

2026年1月26日月曜日

幸せの黄色い教科書

こんにちは 経営学部の吉田靖です。

1月下旬、受験生は入試、大学生は期末試験。まさに『冬の陣』の真っ最中ですね。皆さんの奮闘が伝わって来ますが、今が踏ん張りどころです。寒いので体調にも気をつけましょうね。

勉強の時に使うのが教科書・参考書・問題集ですね。小学校以来、みなさんはどのくらいの本で勉強しましたか?今がこれらを集大成する時ですね。

大学に入学するとさらに教科書が増えますが、高校の数学の教科書はこれからも是非身近においてください。特に経営学部ではきっと役に立ちます。 

さて、私は昨年、大学の授業でも教科書として使う本を共著で講談社から出すことができました。  『ExcelとRで学ぶビジネスデータサイエンス入門』です。高校生でExcelを使っている人は多いと思いますが、前半はExcelを使った株式等の分析方法をできるだけやさしく書いています。是非読んでみてください。表紙が黄色なのでこのブログのタイトルにしました。

ExcelとRで学ぶビジネスデータサイエンス入門 表紙 

この本の特徴としては、できるだけ現実の経済データを使って説明し、通常入手が難しいデータもファイルで提供していますので、読者は同じ分析をして実感できることです。 

公的に提供されていないデータをファイルで提供しようとすると、著作権などいろいろな問題が起きます。しかし本書では、それをクリアできるデータを読者向けサポートウェブサイト(ここをクリック)に掲載しています。例えば、米国の株価指数のS&P500なども利用可能です。大学以前の金融経済教育の重要性が叫ばれているのに、日本の株価指数ではこのようなことができないことはとても残念です。

なお、東京経済大学はデータベースが充実していますので、学生になればものすごくたくさんのデータを教育目的で利用することができますので、安心してください。 

この本の後半はRという誰でも無料で使える統計分析用のソフトウェアを紹介しています。このプログラムもサポートウェブサイトからダウンロード可能です。以前はこのようなプログラミング言語は少々敷居が高かったかもしれません。しかし、今は生成AIを使ってプログラムを作成することも可能で(本書ではAIの説明はしていませんが)、ずいぶん使いやすくなっていると思います。

データサイエンスの教科書といえば 『データ分析のための統計学入門』 (原著第4版、翻訳初版第4刷、原題: “OpenIntro Statistics Fourth Edition”、著者:David.M.Diaz, Mine Çetinkaya-Rundel,  Christopher D. Barr、翻訳:国友直人、小暮厚之、吉田靖)という本も出しています(詳しくはこちら(日本統計協会のウェブサイト))。この本は、問題を解くことを中心とした解説になっていて、日本の統計学の教科書にはあまりないパターンです。ページ数の割には安価ですが、原著のPDF版はなんと無料を含む任意の非負の金額でOpen Introのウェブサイトでダウンロードできます。日本語版も出版されているものとは少し違いがありますが、翻訳者のうちの1人のウェブサイトからダウンロード可能ですので検索してみてください。私のゼミではこの本を使っています。

   

 最後になりますが、日本証券アナリスト協会の第2次レベルのテキスト『証券分析とポートフォリオマネジメント』詳細は日本証券アナリスト協会のウェブサイト)も多くの著者と共に執筆しており、毎年改訂しています。このテキストはファイナンスを勉強するためにとてもよい本なのですが証券アナリスト資格試験の第1次レベルに合格してから第2次レベルの受講を申し込んだ人だけに送られていますので、書店では販売していません。大学でファイナンスの勉強をして、金融機関などに就職したら是非ともチャレンジしてください。

それでは、授業でお会いしましょう。 

吉田靖 (担当科目:経営財務論、ファイナンス論、ビジネスのためのデータサイエンス入門、ファイナンス・経営のための数理入門など) 


2026年1月12日月曜日

外部スピーカーから社会変革と国際支援の実態を学ぶ

 流通マーケティング学科の丸谷です。68回目の執筆です。私はグローバルマーケティング論を専門とする教員です。本学には教員が自身の講義に実務家や外部の有識者を外部スピーカーとして招くことができる制度があります。今回は2025年12月にお招きした2人の講師によるご講演について取り上げます。










お一人目は、世界的NPO法人のフェローとして茨城県の公立小学校教員として活躍した後、現在英国バーミンガムに大学院留学している下境大貴先生です。彼は本学OBであり、留学中の英国よりZoomで使って収録しました。

下境先生には、『グローバルマーケティング論』の授業の中で、『社会変革のグローバルマーケティング』というテーマで、ご自身の日本での教員としての経験と英国で行った教育NPOを取材した内容を踏まえてお話ししてもらいました。

グローバルマーケティングでは、標準化と現地化のバランスをとることが大事といわれています。アメリカに起源を持つNPO本部が構築した国際ネットワークを通じて、下境先生が日本で所属したNPOと今回英国で取材した英国のNPOは、教育格差という世界中にある共通課題に対処すべくノウハウを共有してきました。



下境先生によれば、教育の格差といっても、日本では教育機会は平等であるが、質を高める必要があり、英国では機会自体が不平等な状況にあるそうです。

異なる状況において対処策は当然異なっており、日本では質を高める工夫、英国では機会の不平等を減らす工夫がされているようです。例えば日本では質を高めるために、下境先生も日本の小学校で行ってきたアクティブラーニングに関する様々な取り組みを、英国では人材戦略として、最高ランクの大学で学位を得た学生を採用し、「恵まれない地域」に配属し、人材不足の学校にとって彼らの存在自体が変革の一歩となっているそうです。

お二人目JICA(国際協力機構)からパナマ共和国に派遣され、国際協力の実務を担当された武井優薫先生です。


武井先生には、今年初めて担当した『英語で学ぶ経営学』の授業において、『パナマでの2年間』というテーマで、外国語を用いて海外で国際支援活動をすることについて具体的にお話し頂きました。武井先生は大学院にて文化人類学を学ばれた後実際にパナマに赴任し2年間国際支援活動をされたとのことで、この科目の深い理解の前提となる文化という部分について、パナマの先住民コミュニティでの生活の実態を含めて講義頂きました。

特に印象深かったのは、「ムラ」を研究するのではなく、「ムラ」で研究するという文化の品質的な理解に関する手法である参与観察についての説明であり、効率性を重視する経営学とは真逆のアプローチでの活動は、現在主流のタイパといった考えとは真逆であり、刺激的でした。

なお、武井先生と知り合ったきっかけは、日本・パナマ友好協会(日本とパナマの間の友好関係を促進する団体)による交流イベントでした。同協会は長年にわたり、両国の国際交流で重要な役割を果たしており、長年発行されてきた機関誌は両国の交流の歴史やパナマの事情について日本語でわかりやすく示した貴重な資料であり、ラテンアメリカ協会事務局のホームページ(https://latin-america.jp/wp-content/uploads/2025/06/%E4%BC%9A%E5%A0%B1PANAMA38%E5%8F%B7.pdf)より、最新号などはみられるようです。パナマに関心のある方はぜひアクセスしてみてください。

(流通マーケティング学科 丸谷雄一郎)

2026年1月5日月曜日

先生も実は同じように悪戦苦闘しています:教員個人の研究活動とゼミ探求

 あけましておめでとうございます。経営学部講師の岩田です。

なかなか教員の研究活動や,普段そこで感じていることは学生さんからは見えづらいかもしれません。旧年中の振り返りも兼ねて,普段の研究生活をチラ見せしてみます。


「査読」

研究と一言で表現しても,スタイルは人それぞれです(例:論文執筆重視,社会実装重視)。とはいえ,学部を卒業して研究を突き詰める人たちが通う大学院では,まず研究の手法や考え方を学ぶために「論文を書く」というところからスタートすることが一般的です。


論文執筆の最終的な出口は学術的な雑誌への掲載というのが一般的ですが,これにはしばしば「査読」というプロセスがあります。

査読というのは,近い専門領域の研究者が他の研究者の書いた論文を審査して,「この論文はこの雑誌に掲載してもよいか?」というのを評価するシステムです。

その厳正な審査を突破することで,科学的な批判に一定程度耐えた成果物として学術誌に論文を掲載することができます。


この「査読」というのが審査する側もされる側も非常に大変nやりがいのあるプロセスで,ある研究を始めてから査読付学術誌への掲載に至るまでのほとんどの時間はこの「査読」への対応に投入されることになります。


ゼミでの探求は教員もしている「研究活動」そのもの

大学の先生というと,沢山のことを知っている専門家,あるいは授業で「正しい知識」を教える存在と認知されているかもしれません。

東経大では少人数のゼミで研究活動をし,教員は指導的な役割を果たしています。僕も,ゼミ生に毎週「こういう分析の仕方もありますよ」などとアドバイスすることはよくあります。


ですが,自分の研究活動となると,姿は少し変わります。査読では「ここの議論には問題がある」「分析方法に改善の余地がある」など,専門の同業者からの手厳しいツッコミを沢山受けます。

国際的に著名な学術誌ともなると採択は極めてハードルが高く,審査継続の通知よりもrejection(不採択)の通知を受け取ることのほうが圧倒的に多いです。

そうした学術誌は,「重要だけど皆が分かっていないことを,厳密に解明・分析する」ことを求めてきます。シンプルに難しいですよね。

2025年はこれまで進めてきた研究のいくつかが実った年でした。それと同時に,「We regret to inform you ...(訳:残念なお知らせですが…)」から始まるメールも10件近く受け取った記憶があります。


そういった意味では,ゼミで普段教えている教員も,「何でも知ってる先生」というよりは,「研究活動についてちょっと前を走っている先輩」と表現するほうがいいのかもしれません。

(注)今の僕の所感です。20年後くらいには違うこと言ってるかもしれません。色々な先生の話を聞いてみてください。

いざ探求を進めてみると,教科書で読んだことと実際の現場にズレを感じたり,そもそも「教科書に書けるほど厳密に実証された証拠が見当たらない」こともあったりします。ゼミ生からの成果報告を聞いて「こんな感じなんだな」と知識がアップデートされたことも沢山あります。


研究は,知識を覚えるというよりも,「まだ誰もはっきりと分かっていない問い」に向き合い続けることが求められます。ゆえに,査読というプロセスは(時に掲載を諦めたくなるほど)大変です。しかし同時に,他者からの批判を通じて自分の考えが少しずつ磨かれてまとまっていく,創造的な時間でもあります。

ゼミでの探求も,あるいは実務家として未知の経営状況に向き合うことも,本質的にはこうした研究活動と地続きに思えます。もし将来,アカデミックな道に進むことがなくても,分からないものに耐えながら考え続ける経験や,それと格闘するための科学的思考の訓練は,きっとどこかで役に立つと思います。


ぜひ,一緒にゼミで研究しましょう!(宣伝)


(文責:岩田聖徳)

2025年12月15日月曜日

経営学部ゼミ報告会(12月13日)レポート

経営学部ゼミ報告会レポート 12月13日開催

広告論を担当している鴇田です。

12月13日に、経営学部ゼミ報告会が開催されました。

東京経済大学経営学部には35のゼミがあります。

その活動内容は担当教員によってまちまちですが、それぞれのゼミが独自の視点で社会やビジネスの課題に向き合い、学びの成果を発表の場へとつなげています。

ゼミとは?

ゼミとは、少人数のクラスで指導教員や仲間とともに研究テーマを掘り下げていく、大学ならではの授業です。

活発な議論や発表を通して、自ら考え学び続ける力を養います。

(東京経済大学HPより)

ゼミによっては、このゼミ報告会での発表を目標に4月から研究に取り組むところもあります。

一方で、学外で発表した研究成果を報告するゼミもあります。そのため、発表内容は実にさまざまです。


今回の経営学部ゼミ報告会では、18ゼミから62の報告が行われました。



鴇田ゼミからは、以下の3報告を行いました。

  • 推し活における羞恥心が及ぼす影響とその要因解明
  • 生成AIと人間の協働構造が広告およびブランド本物らしさに与える影響
  • ポジティブ・ポライトネス型広告とネガティブ・ポライトネス型広告が与える広告効果:ブランドの性格特性に着目して
 

これらは、今年度の関東学生マーケティング大会に参加した際の研究テーマです。何度も発表練習を重ねてきた内容だったので、当日は落ち着いて臨めるかと思いきや……。

当日は当初の予定より発表時間が3分短くなったこともあり、早口になってしまった場面も。

発表直前まで、最終調整に時間をかけている様子も見られました。


当日は本学の学生だけでなく、高校生や保護者の方の参加も見られました。そのため、大会での発表時とはまた違った緊張感があり、学生にとっても貴重な経験になったと思います。

大学でのゼミ活動に興味がある高校生も発表を見学できるので、ぜひ来年度の報告会にも足を運んでみてください。


また、全スケジュール終了後には懇親会も開催されました。

同日に行われた経済学部の発表会と合同で実施され、

美味しい料理を囲みながら発表の感想を話し合ったり、他ゼミの学生と交流したりして、楽しい時間を過ごすことができました!

東京経済大学のゼミについては、以下のページで詳しく紹介されています。

開講されている全学部のゼミ一覧も確認できます。

https://www.tku.ac.jp/department/seminar/

ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。

発表に臨んだ学生の皆さん、本当にお疲れさまでした!

2025年12月1日月曜日

アパレルのネット通販物流

 「物流論」・「流通情報システム論」を担当する宮武です。


前回は「物流」ってこんなイメージ、ということで、

参考となる動画や映画を簡単に紹介しましたが、

今回はインターネット通信販売(ネット通販)の物流について簡単に紹介していきます。


ネット通販といっても、色々な商品が取り扱われていますが、

今回はその中で、「アパレル(衣類)」を例にしてお話していきます。



1.アパレルがネット通販で購入される割合

経済産業省は毎年夏ごろに「電子商取引に関する市場調査」という報告書を公表しています。

2025年8月に公表された結果によると、

日本における2024年の「全ての商取引金額に対する、電子商取引市場規模の割合」(これを「EC化率」と呼んでいます)は、9.78%と推計されています。


だいたい、すべての買い物金額の10分の1がネット通販での買い物金額ということです。


さらに「衣類・服飾雑貨等」に限れば、23.38%

と全体に比べると高くなっています。

(ちなみに最も高いのは、「書籍、映像・音楽ソフト」の56.45%です。

 経産省統計では、電子書籍や音楽・動画配信はここに含まれていないので、

 このカテゴリーは実店舗で本やソフトを買うという人の割合は下がっていると言えるでしょう)



2.服を買うならどんなところで?

サブタイトルは縞野やえ先生の『服を着るならこんなふうに』を少し意識しました。


さて、みなさんはネット通販で服を買いますか?

買うとしたら、どんなサイトで買っていますか?


180cm弱、100kg強の私はもっぱらUNIQLOの通販です。

UNIQLOの場合、店頭在庫のサイズはだいたいXLまでなので、

私のような体型の人間はそもそもネット通販がメインです。


ちなみに、GAPであれば海外サイズ基準なので、XLでOKなのですが、

買いに行くこと自体が面倒で定番のオックスフォードシャツをやはりネット通販でポチってます。


このように、もはやオシャレをしたい、なんて考えがない消費者だと、

同じような服を同じサイトで買う、という行動をとりがちです。


サイズ感、色合い、質感、店員さんとの情報交換などなど、

趣味としてファッションを楽しみたい人には、物足りない買い物スタイルかもしれません。


しかし、最近ではット通販の特徴である安さと商品の豊富さ(+探しやすさ)も活かしつつ、

ファッション性が高い、たくさんの新作が出る、掘り出し物がある、

などの若い世代に手が届く(いわゆる「プチプラ」)、

トレンドも押さえた商品を販売するネット通販サイトも一般的なようです。

(自分が上記のような消費者なので、情報として知っていても伝聞系になるのはお許しください。)



みなさんの中にも、

Amazon楽天市場、前述のUNIQLOなどだけでなく、

ZOZOTOWNで複数のショップからお気に入りブランドの新作をチェックしたり、

GRL(グレイル)で手頃な価格帯の商品を探したり、

という人もいるかもしれません。


また、SHEINなどの中国系のネット通販サイトで海外から服を取り寄せたり、

着なくなった服をメルカリに出品したことがある人もいるでしょう。



3.商品はどこから送られる?

アパレル商品の製造から小売店までの物流は、

物流を勉強するうえでは教科書的な題材なのですが、

ここではまず小売店(ネット通販事業者)から消費者までの物流を見ていきます。


まずネット通販サイトには、

自社で仕入れた商品を販売しているサイト(自社型

いろいろなお店が出店しているオンライン上のショッピングモールを運営しているサイト(モール型

に分けることができます。


Amazonは元々自社型から展開していき、

最近では「Amazonマーケットプレイス」にみられるようなモール型の特徴が強くなっているサイトです。

アパレル商品などは、特にAmazonに出店している通販事業者が販売している割合が多い印象があります。


楽天市場はその逆で、モール型として展開している一方、

一部で「Rakuten Fashion」などでは自社型を採用しています。


また、ZOZOTOWNも基本は複数のショップがサイト内に展開するモール型です。


モール型の場合、実際に商品を発送するのは、

基本的にはモールを運営しているネット通販事業者ではなく、

モールに出店している販売事業者です。


ただし、Amazonも楽天も自分たちが管理する物流センターに出店者の商品を保管し、

注文が入れば段ボールなどに入れて発送するという物流業務を代行するサービスを実施しています。

これを「フルフィルメントサービス」と呼んだりしています。

(正確には、フルフィルメントサービスの範囲は物流に限らないのですが。)



一方、UNIQLO、GAP、GRL、SHEINなどは自社で製造した商品を自社で販売している、

SPA(Specialty store retailer of Private label Apparel)という製造小売業です。

(実際に製造しているのは委託工場なのですが、そこからの物流などはまた別でお話できれば)

当然、商品の保管や発送なども自社での責任で、物流事業者などに委託しながら行っています。


特に、UNIQLOの持つ有明の倉庫は、自動化が進み24時間体制で注文を受けての出荷体制を整えています。

なので条件が揃えば、夜に注文した商品が数時間後の翌朝には届くといった利便性があります。



4.商品は誰が運ぶ?

日本のネット通販の配送の多くは、ヤマト運輸佐川急便日本郵便などの宅配便事業者が支えています。


しかし、Amazonのように自社で配送も管理するネット通販事業者も出てきています。

(正確には、Amazonが個人の配送員に直接配送を委託したり、

 宅配便以外の物流事業者などを通してやはり個人の配送員に委託している形です。)


先ほど紹介したフルフィルメントサービスを利用して、

Amazonの物流センターから商品を送り出す場合、

このAmazon独自の配送サービスで商品を消費者に届けることができます。

一方、モールの出店者が自ら発送をおこなう場合は、

大手の宅配便事業者に配送を任せることが一般的です。


また大手のネット通販事業者でも、商品の保管や管理などは自ら主体で行っていても、

配送だけは宅配便事業者に任せることが多いです。

これは、それだけ配送がネット通販物流のコストとして大きいことの表れでもあります。


なお、SHEINは中国の物流センターから日本に航空便で輸送されていますが、

日本での配送は日本の宅配便事業者に任せている場合が多いようです。



今回はアパレル商品のネット通販での管理や配送について見ていきましたが、

なぜこれらの商品が、ましてやSHEINのように国外から運ばれているにも関わらず安いのか、

ということについて機会があればお話できれば、と思っています。



(文責:宮武宏輔)

2025年11月21日金曜日

市場規模を考えながら生活需要を開拓する

 2025.11.21

経営学部の本藤です。
高校3年生はいよいよ追い込み時期ですね。今週末の日曜日は指定校推薦選抜当日です。年内入試選抜が終わると、徐々に入試選抜本番の冬に突入します。今シーズンはインフルエンザがだいぶ早く流行しているようです。ボクの授業でも、ここ数週間は何人もの履修生からインフルエンザによる欠席連絡が入ります。体調管理には十分に注意しましょうね。


みなさんは風邪の予防にしていることはどんなことでしょうか?
外出中のマスク、帰宅後の手洗い・うがいをしている人は多いかもしれません。
ビタミンCをとると抵抗力が強まるとも言われてます。
入浴剤を入れて温浴効果を高めたりする人もいそうです。
インフルエンザの予防接種もこの時期に受ける人が多いですね。
葛根湯は風邪の初期症状だけではなく予防効果があると聞いたことがあります。
最近は、免疫力強化の乳酸菌飲料が何種類も売場で見かけるようになりました。

風邪やインフルエンザの予防にかかわる一般的な商品として、ハンドソープ、うがい薬、マスク、ビタミンサプリ、入浴剤、漢方薬・・・、インフルエンザの予防接種以外はドラッグストアで販売されているものばかりです(ちなみに、アメリカでは薬剤師がインフルエンザの予防接種できます。日本では、医師会が既得権を手放さないので、なかなか難しいようです)。
これまでは「治療」のための薬の需要が中心だったのですが、最近は「予防」の需要が拡大してきています。

これからのドラッグストアが開拓していこうとしているマーケットが、この「予防」市場なのです。


メタボリックシンドロームにならないように防風通聖散などの漢方薬がありますし、ロコモティブシンドロームにならないようにプロテインなどのサプリメントがあります。

考えてみると、歯磨き粉や歯ブラシなどのオーラルケアも予防市場ですが、これは既に一般に定着しているマーケットです。これも、最近ではホワイトニング、知覚過敏、歯周病など、虫歯以外の予防にもお金が使われるようになってきています。歯磨き粉や歯ブラシ以外にも、洗口液、液体歯磨、歯間ブラシ、フロスとサブカテゴリーは拡大の一途をたどっています。


これらは、主にパーソナル・ソリューションで、実はプライシング(価格設定)の影響はそれほど大きな商品ではありません。むしろ自分の悩みを解決してくれそうな商品に対しては、価格訴求商品を避ける傾向すら見られます。少し考えてみてください。どこのブランドか分からない半年くらい使えそうな大容量の歯磨き粉と、白い歯にしてくれそうな高めの歯磨き粉があったら、簡単に価格だけで判断できませんよね?
仮に、一時的に安い商品を購入しても、気になり続けている人が多ければ、次には購入してくれる人も多くなります。そこがスーパーマーケットとドラッグストアの大きな違いになってきます。やっぱりキャベツは10円でも安い方がいいと考えますし、牛乳や飲み物も同じような傾向が見られます。



そこで、超高齢社会になってきた日本でのチャンスは、生活習慣病の予防市場は無限のチャンスがありますし、無限の需要が眠っているのです。筋肉減少などの問題であるロコモティブシンドローム、肥満などの問題につながるメタボリックシンドロームの他にも、糖尿病、高血圧など様々な生活習慣病などは治療市場でさえ急増していますが、予防市場はケタが違うのです。特に、この予防市場は、ファミリー・ユースではなく、パーソナル・ユースなので、家庭のニーズではなく個々人のニーズによって牽引されます。
だから、その市場を開拓することは、大きな需要創造への取り組みとも言えるのです。


文責:本藤貴康(担当科目:流通論、ケースメソッド)
本藤ゼミナールブログはこちら⇒東京経済大学 本藤貴康ゼミナール







2025年11月3日月曜日

葵祭にいってきました

経営学部の木下です。

葵祭にいってきました。

ゼミの学生のものを中心に、色々な企画と模擬店を回ってきました。学生のサークルだけではなく、ゼミでの出店もあり今年は特に経営学部からの出店が多いようでした。展示企画を回ってスタンプを集めたり、アンケートに回答するだけで記念のタオルが貰えました。最後のビンゴ大会ではまったく当たる気配もありませんでしたが、なんだかんだで結構面白かったです。学園祭とはそういう趣旨のものではないでしょうが、市場や経営学的な観点から少し考えてみようと思います。

まず気になるのは模擬店はちゃんと利益を回収できているのか、ということですね。個別の模擬店の来客数や売上の予測はかなり難しいでしょう。価格を固定していては売れ残りが生じて在庫の処分コストもありますから、赤字になる可能性はあると思います。しかし、学園祭の多くの模擬店では、終わりが近づくにつれて値引きして販売します。実際のビジネスでは、安売りをするとそれを待つ客が増えてしまうため安易に行うことはできません。動学モデルやゲーム理論のテーマです。学園祭ではそういった駆け引きを行う必要がないため、最後は純粋な損得計算だけで動くことができるのです。少なくとも原価ギリギリの価格でも売り切ることができればいいので、赤字になっている模擬店はほとんどないと思います。ということで、学園祭のようなケースでは諸々の短期の理論をそのまま適用できると予想します。現実では厳密な最適価格や戦略等は分かるはずもありませんが、多めに仕入れて最初は強気の価格で攻める、という方向の戦略になるでしょう。実際にそうしているのではないでしょうか。

普段現金をあまり使わないので財布にあるかどうか不安でしたが、この日はたまたま数千円入っていました。キャッシュレスを導入してはどうかと思いましたが、それはやはり無理な話でしょう。キャッシュレスを導入することのコストの変化と集客力の増加の比較でやるべきかどうかは決まりますが、後者の効果があるとはとても思えません。「キャッシュレス決済できるなら葵祭に行こう!」となるような層は、ほとんどいないような気がするのです。もっとも、キャッシュレスを導入してみた世界も観測できませんから「気がする」としか言えません。キャッシュレスを導入して会計担当の人員を削減して商品開発等に回して品質を高める、というのも学園祭では何か変な気がします。キャッシュレスの手数料を払ってまでやる価値があるか、ということです。ということを考えていたら他大学の学園祭に行ったゼミ生からPayPayで支払い可能な模擬店があったと教えてもらいました。主流にはならないと予想していますが、これは日本全体のキャッシュレスの動向次第ですね。

実際のビジネスでは、リスク管理の話が追加されてきます。例えば、個別の予測は難しくても全体の来客数は例年と大きく変わらないはずです。そこでファイナンス論や保険論では、全体で管理して分配した方がリスクを少なくできる、という発想を持ちます。分散投資というやつですね。一方で、そんなことをしたら各模擬店が頑張る意欲を失ってしまう、という経営組織論的な発想もあります。モラルハザードというやつです。

もちろん利益を追求するのが学園祭の目的ではないと思います。販売して終わり、だとまるでビジネスライクで学園祭の趣旨ではないはずで、知り合いの企画や模擬店に行ってみてつながりを増やしたり、自分達のやっていることを知ってもらったりするのが本来の目的だと思います。

と、色々考えつつもこれは実際に出店せずに理屈を語っているだけですね。やってみなければ分からないことはたくさんあります。それが経営や経営学の難しくかつ面白いところではないでしょうか。え?じゃあ木下ゼミも出店してみろって?うーんそれはどうでしょうか。検討します。


                             木下 亮

2025年10月20日月曜日

フランスパリ近郊で試行錯誤するコストコ

 流通マーケティング学科の丸谷です。67回目の執筆です。私は「グローバル・マーケティング論」を専門としており、海外でどのようにマーケティングを行うかについて研究しています。年2回ある授業休止期間を利用し、海外現地調査のために出張し、このブログでも多くの国々での出張について取り上げてきました。今回は20258月にフランスで行ったコストコ現地調査を取り上げます。

 日本でも人気のコストコはアメリカ出身の企業ですが、会員制の倉庫型店舗を日本以外の国にも展開しています。同社の国際展開はこれまで日本に進出してきた流通企業に比べてもゆっくりであり、市場機会をどん欲に求めるというよりは、石橋を叩いてわたるペースです。私はこの進出ペースを、漸進的(ぜんしんてき)という表現で示してきました。

コストコのヨーロッパでの展開は1993年に同社の前身企業が既に進出していたアメリカの旧宗主国であるイギリス以外では2014年のスペイン進出までなされてきませんでした。スペイン進出以降2017年アイスランドとフランス、2022年スウェーデンと少しずつ進みましたが、各国での出店ペースはスペインでの展開に比べてゆっくりで、今回現地調査したフランスのみがパリ周辺に2店舗目を出店した以外は1店舗のみでした。この出店ペースは2014年進出のオーストラリアが15店舗、2019年進出の中国が7店舗と比較してもゆっくりとしたペースといえるでしょう。

フランスのコストコの出店場所

フランス2025年年末までにドイツとスイスとの国境近くのミュルーズに3店舗目を出店することが発表されており、英国、スペインに次ぐ出店ペースといえ、英国とスペインでは既に現地調査を行ったので(英国現地調査に関しては、https://tkubiz.blogspot.com/2023/09/blog-post.htmlを、スペイン現地調査に関してはhttps://tkubiz.blogspot.com/2025/03/を参照)、今回フランスで現地調査を行った。


リ到着翌日時差ボケが残る中でしたが、早速ホテルから相対的に近いコストコのフランス2号店(コストコポントー・コンボー倉庫店)に向かいました。宿泊したホテルの目の前のパリ市庁舎を意味するオテル・ド・ヴィル駅から地下鉄で2駅のリヨン駅でパリ近郊の大都市圏と郊外を結ぶ高速鉄道のネットワークであるエール・ウ・エールのA号線に乗り換え、9駅目のシャンピニー駅まで22分乗車しました。

パリ中心部からコストココポントー・コンボー倉庫店までの行程と周辺の店舗

 シャンピニー駅は中央線の各駅は停車するが、電車の乗り換えはない豊田駅や日野駅という感じの駅であり、駅前に数路線が走るバス停がありました。駅前のバス亭からレ 4 シェンヌ・ショッピング・センター(Ccial Les 4 Chênes)行きのバスの終点まで40分乗車すると、コストコポントー・コンボー倉庫店につきました。

 この店舗は2021815日に開店した店舗であり、物流が容易な郊外の幹線道路D4(県道4号線)沿いに立地し、巨大ショッピングモールの中核をなすテナントとなっていました。駅からコストコまでのバス沿線には郊外型の住宅が建設され、駅とコストコが入居する巨大モールの間には、フランス発祥で日本にもかつて進出したことがあるカルフールなどが出店する中規模モールも立地しており、バスの終点に立地するレ 4 シェンヌ・ショッピング・センターは近隣の住民向けというよりは、より広域からの集客を期待して建設されたモールのようでした。

閑散とした店内の様子

 広大なモールの外観を1周した後、世界共通の会員証を機械にかざして入店すると、会員はまばらで数えるほどしかおらず、英国、スペイン、オーストラリア、メキシコのどのコストコよりも売場に活気は正直全く感じられませんでした。当然会員が少ないので、配置された試食担当の店員さんも手持無沙汰であり、当然やる気も感じられず、非常に静かな店内でした。

駐車場が満杯のリドル

 平日昼間という時間帯のせいかなと考え、モールに入るその他のテナントもくまなく回ってみたところ人はまばらでしたが、隣接するハードディスカウントストアのリドルはコストコよりこじんまりした店内が多くの顧客で賑わい、駐車場もほぼ満杯であり、レジに人が多くならび、店内にも活気がありました。少なくともこうした郊外立地ではハードディスカウントストアの方があっていることが明らかでしたし、駐車場や併設されたガソリンスタンドの稼働状況をみても広域からの集客も少なくとも大成功しているとはいえなさそうでした。

フランス1号店ヴィルボン・シュル・イヴェットの一定の活気がある店内の様子

 数日現地競合店を現地調査した後、2017622日に開店したフランス1号店ヴィルボン・シュル・イヴェットも現地調査しました。1号店はホテルから10分ほど歩く地下鉄サン・ミッシェル・ノートルダム駅からエール・ウ・エールのC号線30分程乗車し、エピネイ・シュル・オルジュ駅で下車し、さらに駅前のバス停から30分程バスに乗り到着しました。1号店も2号店とパリ中心部からの方向は異なるが、エール・ウ・エール沿線からバスで30分程度という立地であり、幹線道路も近いことから広域集客を意識した立地であることはわかる。

 1号店も訪ねたのは平日午前中でしたが、2号店に比べると会員が店内に多くおり、英国やスペインの店舗ほどではないが、2号店ではみられなかった、カートに大量の同社のプライベートブランドであるカークランドのPB商品を積む顧客が散見され、店員も手持無沙汰ということもなく、自身の仕事をもくもくとこなしていた。

 コストコのフランスでの出店ペースは1号店から2号店出店まで約4年、さらに3号店出店予定まで約4年である。今回の現地調査で確認できたように、1号店と2号店を比較すれば明らかに1号店の方がにぎわっているし、オペレーションもしっかり構築されているようであった。1号店での一定の成果を踏まえて2号店も出店したがあまりうまくいってない状況を踏まえると、パリ近郊へのこれ以上の出店は厳しいと考えるのは合理的判断といえよう。3号店は大都市パリの近郊とは全く異なる初の地方出店であるだけに、フランスで一定程度蓄積した経営資源をいかに地方で活用するかにも注目し、機会を見つけて現地調査してみたい。

(文責 流通マーケティング学科教授 丸谷雄一郎)