流通マーケティング学科の丸谷です。59回目の執筆です。今回は2023年7月8日-9日の2日間アジア市場経済学会第27回全国研究大会を開催したので、大学の重要な役割である研究成果の共有の手段である学会全国大会での活動について取り上げていきます。
私はグローバル・マーケティング担当の教員ですので、マーケティング関連の学会とともに、ラテンアメリカやアジアといった地域別で区分された学会の会員でもあります。多くの学会は地域別に行われる部会と呼ばれる研究を年に数回、全地域を対象にした全国大会を年に1回行い、上記の活動を通じた成果を幅広く社会に還元するために学会誌を発刊するというのが基本になっています。
私が今回実行委員長を仰せつかり開催したアジア市場経済学会も地域を2つに分けて東部と西部に分かれて数回部会で研究報告を行い、学会誌(アジア市場経済学会年報)を発行し、かつては紙での印刷が中心でしたが、現在では多くの学会と同様に、ネット上で誰でも容易に見れるようになっています(上記学会についての詳細は。アジア市場経済学会 (jafame.jp)を参照)。ちなみに、最新号では査読と呼ばれる学会員による掲載の可否を含むチェックを経て、アジアの市場での活動を研究対象とした8本の論稿が掲載されました。
コロナ禍になって以降学会の多くはZoomによるオンライン開催が主流となり、アジア市場経済学会もここ数年は対面での開催はされていませんでした。Zoomでの開催も参加のし易さというメリットもあるのですが、学会後に学会報告を踏まえた非公式の交流や意見交換が減るというデメリットは大きいです。特に経験やつながりの少ない若手研究者にとっては特定の領域の主要研究者と人脈ができるというメリットは大きく、私も院生の頃にできたつながりから専任の内定を頂いたり、分担執筆の機会を頂いたり、メリットを多く享受してきました。今回退任される会長から対面での開催をしたいので実行委員長になって欲しいという申し出があった際にも、諸先輩が若手研究者だった私のために培ってきた伝統を思い浮かべました。
学会の全国研究大会を開催するのには多くの学内の関係者の皆様の協力が不可欠であり、改めて東京経済大学の手厚い支援を実感することになりました。私が窓口となっている研究課に学会開催をしたいと相談すると、研究課を中心に体制が組まれ、日程や会場の設定など準備が進められ、1カ月前には当日までの準備や当日の運営に関係のある多くの部署の皆様を集めた会議も行われ、かなり細かい各部署とのすり合わせが行われました。
実際の運営に関しては実行副委員長をして頂いたかつての所属先で私のTAをしてもらっていた現在は学会の中心的存在の一人である先生が多くを担われ、私は大学側との交渉や会場となる本学所属教員しか担当できない主に会場管理を担いました。
学会開催の様子 |
学会が始まると活発な議論がなされ、当日参加の方もかなりあり盛り上がりました。特に、懇親会は久しぶりの対面ということもあり、例年ないぐらい活発な懇親がなされ、2時間の時間めいっぱい盛り上がり続けていました。この光景は昨年9月に行った久々のゼミ合宿の感じとも似ており、対面での開催のメリットを強く感じ、それなりに大変でしたがやってよかったという充実感が得られました。
懇親会の様子 |
大学の教員は教育者と同時に、研究者でもあり、学会は研究活動の1つの重要な手段であるので、今回は学会開催について取り上げました。
文責:流通マーケティング学科教授 丸谷雄一郎