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| 新興セレブのアナ・パウラ |
この映画は一見すると、日本語タイトルである『グッド・ワイフ』、メキシコ版アカデミー賞アリエル賞4部門(主演女優賞、衣装デザイン賞、メイクアップ賞、音楽賞)受賞、宣伝に用いられているセレブ奥様を写したキービジュアルゆえに、単なる新興国のセレブ映画とも受け取れます。私も2020年7月の公開当時コロナ禍でのオンライン対応に追われ、公開されたことはわかっていたのですが、見に行くことがなく公開が終わってしまっていました。
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| 新興セレブのアナ・パウラ |
流通マーケティング学科の丸谷です。42回目の執筆です。私はグローバル・マーケティング論(簡単にいうと海外でどのようにマーケティングを行なっていくのか)を専門分野にしているので、海外に出張に行くことが多く、このブログでも米国、インド、中国、チリ、ペルー、ブラジル、ケニア、ガーナの出張の模様を取り上げてきました。しかし、コロナ禍で海外出張はしばらく難しそうなので、これまでやろうと考えていてできていなかった日本に進出している外国企業について取材しています。今回はスターバックスコーヒーの日本における最近の取り組みのうち、大学に立地する多摩地区で行われている工夫について取り上げていきます。
スターバックスに関しては、2016年に同文舘出版より出版した『小売&サービス業のフォーマットデザイン』という拙著において「カフェ業界」を取り上げた際に、今やサードウエーブコーヒーの日米の代名詞となった丸山珈琲(過去の丸山珈琲取材に関してはhttp://tkubiz.blogspot.com/2017/12/blog-post.htmlを参照)とブルーボトルコーヒーを取材した際に取り上げて以降継続的に注目し取材してきました。
スターバックス・コーヒーの日本進出は1995年で北米以外初の海外進出であり、アフターヌーン・ティーやキハチ(KIHACHI)の展開で飲食での実績があるサザビー(現サザビーリーグ)社と合弁で参入しましたが、2014年にはサザビーリーグ社との合弁を解消し、スターバックス・コーポレーションの完全所有子会社となっています。完全子会社後は米国本社との一体感をさらに強めながら、2015年5月には最後の未出店県鳥取県に出店を果たしています。
1つ目にとりあげるのは、スターバックスコーヒーnonowa国立店での取り組みです。このお店は聴覚に障がいのある従業員を中心に、主なコミュニケーション手段として手話を採用したサイニングストアで、この国立店が5店舗となるそうです(その他にマレーシア2店舗、アメリカ1店舗、中国1店舗)。
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| スターバックスコーヒージャパンnonowa国立店の外観 |
店内に入ると、すぐに目に入ったのが多くの手話での会話を促す工夫と実際に手話で会話する顧客の姿でした。注文しようとレジに向かうとレジ前に手話での会話を促すPOPがあり、レジにも実際にどのように手話で注文するか書かれたPOPがありました。
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| 手話での会話を促す手書きPOP |
今回の注文では、注文カウンター担当者はたまたま健常者、受け取りカウンター担当者は、視覚障害者だったのですが、商品受け渡しの際には店内に整備された番号が出る電光ボードを使うのかなと思いレシートの番号を確認して待っていたのですが、お客さんが並んでいなかったこともあるのか、1つ1つ商品を掲げて示し商品を渡した上で、私が返すのを忘れそうになっていたソイラテ注文用者を確認するための小さなボードを、小さな箱に戻してください指示を分かりやすく身振りで行ってもらいました。
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| 受け取りを容易にする電光ボード |
店内にも聴覚を使わずに視覚で確認できる様々な工夫がなされており、このお店の位置づけを示し、自社の取り組みをアピールするための工夫がなされていました。
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| 並ぶ際の足元の店内サイン |
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| 取材も多いので人権配慮の注意のためのPOP |
2つ目にとりあげるのはスターバックスコーヒー西東京新町店での取り組みです。この店舗の取り組みは地域に愛されてきた老舗「珈琲館
くすの樹」にあった樹齢約300年のクスノキ(西東京市保存樹木)を保存し、伝統を意識しつつ新たなコミュニティの中核となるための工夫です。
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スターバックスコーヒー西東京新町店の外観 |
「珈琲館 くすの樹」は食べログでも3.5越えの高評価(3.56)を獲得する老舗喫茶店であり、2019年4月15日に閉店するまで、昭和、平成の40年間地元で愛されていました。老舗喫茶店の閉店に関しては、2020年3月のこのブログでもゼミでの相談などで協力して頂いていた吉祥寺のナローケーズ、moi、近江屋の老舗三店舗についてかつて取り上げました。こうした老舗喫茶店はお店の雰囲気を構成する空気自体がお客さんのそれぞれの想い出、例えば私の場合には就活やその前後の不安や悩みを語る学生さんの姿とつながっており、かけがえのない場所として記憶されています。
今回の取り組みはこうした想い出の場所をリニューアルしつつも維持したことに強い意味があり、スターバックスが掲げるサードプレイス(自宅と職場以外にくつろげる第3の場所)というコンセプトにも合致した取り組みといえます。
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| くすのきの説明 |
訪れて最初に目がいくのが「珈琲館 くすの樹」の象徴ともいえる樹齢約300年の「クスノキ」であり、このクスノキにインスパイアされて建築された店舗は、ドライブスルーやペットとの来店といった現代的ニーズに対応しつつも、スターバックスが2017年の『京都二寧坂ヤサカ茶屋店』開店以降進める現地へのより強いリスペクトが現れる店舗の建築の流れに即したものでした。店内の天井は高く、内装も木の温かみを強く打ち出した雰囲気でした。
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| しっかり整備されたドライブスルー・レーン |
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| 愛犬との散歩に対応した外の席の様子 |
グローバル・マーケティングでは、世界中で同様の取り組みをすることによって効率性を求める標準化(世界的標準化)と各市場にきめ細かく対応することによって現地での顧客満足を追求する現地化(現地適応化あるいは適合化)をいかにして両立するのかということと、世界に展開するからこそ獲得できる知識やノウハウをいかに活用するのか(知識やノウハウの相互移転)が重要です。
今回取り上げたスターバックスコーヒー・ジャパンの2つの店舗での取り組みは標準化された店舗の全都道府県出店完了と日本進出を支えたきた日本企業との合弁解消後の取り組みであり、nonowa国立店の取り組みは、世界中に展開するチェーンだからこそ可能である外国の先行ノウハウの導入事例ですし、西東京新町店の取り組みは、標準化の後に重要視している現地化の取り組みです。
緊急事態宣言が解除されたタイミングで感染対策をしっかり行いつつ、大学からもそう遠くない多摩地区でのグローバル・マーケティングの2つの新たな取り組みの場所に足を延ばしてみてはいかがでしょうか。
(文責:流通マーケティング学科教授 丸谷雄一郎)
| デカトロン関東1号店周辺の地図 |
デカトロン1号店はイオン幕張店が入るモールの1階部分の大部分を占有していました。
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| 1階の大部分を占有しているがわかる店内図 |
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| デカトロン関東一号店レイアウト |
平日の昼間ということもあり店内はすいており、多く配置されている店員の皆さんはウインターシーズンに向けての準備や多く配置された体験ゾーンのメンテナンスを行いつつも、ゆったりと店内で歓談する姿が多くみられました。何人かに話しかけてみると明るくフレンドリーであり、雰囲気はアップルストアと少し似ている感じました。
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| 体験するスペースが充実 |
しばらく観察しているとファミリー層が多い立地ということもあり、小さな子供が店内に置かれたキャンプのテントに入る姿や、最近はやりの子供用のキックボードを店内で試す姿が散見されました。店員さんによるとイベントもようやく行えるようになってきたそうで、「こんなイベントがあるんで」とチラシとともに紹介されました。
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| 頂いたイベントのチラシ |
店から直接つながる屋外スペースでも週末などにはでられるとのことで、かなり巨大な店舗をゆったりと使っているようでした。
日本への対応がかなと考えられる野球のティーバッティング体験などもあり、試行錯誤しながら日本市場を学習している状況が垣間見えて興味深かったです。
(文責:流通マーケティング学科教授 丸谷雄一郎)
流通マーケティング学科の丸谷です。第40回目の執筆です。私はグローバル・マーケティング論(簡単にいうと海外でどのようにマーケティングを行なっていくのか)を専門分野にしているので、現地調査で頻繁に海外を訪問します。このブログでもこれまでも海外調査で訪問した企業に関する新たな試みについて取り上げてきました。私はスウェーデンのエルムフルトに訪れて現地調査をして以来、機会を見て米国、中国、ドミニカ共和国の店舗を訪問し、日本でも立川、船橋、福岡の店舗を訪れてきました。今回は今年6月に開店し話題となっているスウェーデン初の家具店イケアの都市型店舗原宿店にようやく訪問できたので取り上げます。
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| イケア原宿店外観 |
イケア原宿店はJR原宿駅の目の前に開業した複合商業施設「ウィズ ハラジュク」内に立地しています。従来のイケアはスウェーデンの国旗をイメージさせる黄色と青のカラーの外観が象徴的でしたが、原宿店は都市型店ということもあり、従来のイメージを覆すガラス張りの外観であり、外観で遠くから見ても分かりやすくし、スウェーデン発雰囲気をある意味安易に打ち出す従来のCOO(原産国)効果を狙ったやり方を改善しようという取り組みがあらわれていました。ちなみに、原産国効果を狙った分かりやすい例としては、日本発を打ち出すためにカタカナを用いた赤白で構成されているユニクロのロゴがあげられます。
皆さんイケアという企業についてどのようなイメージでしょうか?北欧発のデザインがお洒落な郊外立地の家具の大型店舗という感じではないでしょうか?
イケアはセルフ組み立て方式の北欧テイストの家具を販売するというコンセプトのお店を世界50か国以上に展開しています。日本にも北は仙台、南は福岡まで9店舗の大型店舗、1店舗のB2B対象店舗、札幌と岡山に2か所の商品受け取りセンターがあります。図表は私も分担執筆した書籍(佐々木保幸、鳥羽達郎編著『欧州小売企業の国際展開』、中央経済社、2019年)より抜粋したものです。
図表からもわかるように、イケアは大型店舗をロードサイドと呼ばれる都市郊外を中心に出店してきました。しかし、同社日本7号店に当たる東京経済大学に近い立川店ではこれまでとはかなり異なるチャレンジをしています。ここの店舗の特徴は従来の郊外型の店舗とは少し異なるターゲットを取り込もうとした点です。立川店は近隣に団地やマンションが多い駅チカ立地ということもあり、セルフ組み立て方式の前提となってきた自動車での持ち帰りを重視しないやり方を提案したことで開店時は注目を集めました。
| イケア立川店(組み立てサービスや配送サービスを重視) |
ちなみに、イケア立川店の周辺は再開発がさらに進み、2020年4月にはグリーンスプリングス(GREEN SPRINGS)という公園、劇場、ホテル、オフィスなどを有する大型複合施設がコロナ禍で開業し、2020年6月には最上階インフィニティプールが話題のソラノホテルも開業しました。地方から東京に上京される学生も当然ターゲットになっており、学生さんの中もイケアで家具を購入される方もいらっしゃいます。イケアの店内では今や名物となっている安価なスウェーデン料理も提供されているので訪れてみるといいかもしれません。
イケア原宿店は日本では初めての都市型店です。イケアは2018年10月にロンドン、2019年4月にニューヨークに都市型店を出店済みであり、東京での取り組みもこの流れの中にあります。出店の背景にはこのブログでもたびたび取り上げている都市部でのネット小売普及があり、従来の郊外型大型店舗中心の出店からの転換があります。
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| オンラインをアピールする店内POP |
イケア原宿店もネットとの融合に向けた取り組みが工夫されていました。その1つが専用のアプリを使って商品タグのQRコードを読み取るとAR技術によって再現された家具が現れる仕組みです。実際にソフトをダウンロードしやってみました。機動性にやや難は感じましたが、1つの試みとしては面白いなと感じました。
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| イケア原宿専用アプリ |
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| イケア原宿アプリを体感 |
イケアの特徴である提案型の陳列も1階には「眠る」「整える」、2階には「くつろぐ」「料理する」というように区分され、今回のコンセプトである都市型店舗らしさに基づいていました。
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| イケアの提案型陳列 |
イケアのスウェーデン料理を出す店内レストランは立川店のところでも紹介しましたが、都市型店舗ならでは工夫がなされ、1階の入口付近では北欧イメージが強いシナモンロールなど軽食を出すカフェとスウェーデンをイメージできる食も購入できる「スウェーデンコンビニ」を、2階の店内奥では従来のスウェーデン料理を出すカフェテリアが小規模に展開されていました。
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| スウェーデン名物シナモンロールセットと乳脂肪分なしのアイス |
今月末には2019年10月31日に日本から撤退した「Forever21」の旗艦店の跡地に、都心出店2号店として今度は7フロア1455坪の大型店舗を出店するそうである。合わせて訪ねてみるのも面白いかもしれない。
(文責:流通マーケティング学科 教授 丸谷雄一郎)
マーケティング論、ソーシャルマーケティング論を担当しています、小木です。41回目の投稿です。
日本のマンガ・アニメが文化(サブカルチャー)として捉えられ、国内外で大いに盛り上がりを見せていることは周知の事実です。マーケティングの観点からみると、『鬼滅の刃』などはとてつもなく上手な売り方をしています。もちろん、原作のパワーがあってなせる業なのでしょうが、潔い完結の仕方(今から読んでも到達できるくらいの絶妙なボリューム)、最終話の際の原画コピー付き(有料)の販売、単行本初回限定販売の際にキャラクターグッズ付きの販売、テーマソング・挿入歌・声優による盛り上げ方、劇場版への切り替えによるここ数年の公開、子ども・大人問わずファンにさせる戦略など、まさにマーケティングの髄を施したものになっています。10月26日の速報によりますと、劇場版『鬼滅の刃』の興行収入は、公開から10日間で107億円突破で、観客動員数も790万という歴代の日本映画史上最速を記録したとか。まだまだ公開されたばかりなので、どこまで記録を延ばすか楽しみです。ちなみに、歴代興業収入1位は『千と千尋の神隠し』で308億円(100億円突破が25日間)、2位以下は『君の名は。』(興行収入250億円、100億突破28日間)、『ハリーポッター賢者の石』(興行収入203億円、100億突破28日間)となっています。鬼滅の刃劇場版「無限列車編」は単行本7巻あたりですので、ピークはまだまだ先であって、今後おそろしい興行収入になるかもしれません。
拙著『マーケティングEYE【第5版】』(小木紀親、中部経済新聞社、2020年)でも「マンガ市場にみるマーケティング戦略」を書いてあるので、ご覧ください。
さて、そんなマンガ・アニメですが地域活性化と非常に強い結びつきを持っています。現在、外国との往来は滞っていますが、アニメのゆかりの地(聖地)と呼ばれる場所は、どこもかしこも国内外のファンで盛況でした。たとえば、『君の名は。』(飛騨市、高山市)、『聲の形』(大垣市)、『スラムダンク』(鎌倉市)など枚挙に暇がありません。
ちなみに、アニメやマンガのゆかりのある地を訪れることを「聖地巡礼」と呼び、それを核に地域活性化を狙った動きも出ています。最近訪問したところで言えば、春場ねぎ作『五等分の花嫁』(愛知県・東海市)の聖地がありましたが、娘に「五等分の花嫁、パパ知らないの」と言われたので、悔しくなって訪問してみました。まだ盛り上がりに欠けますが、太田川駅前から日本福祉大学にかけての地域がマンガに描かれており、もし東経大もマンガ・アニメなどの舞台になっていたら、聖地巡礼などで大いに盛り上がるだろうから、何か良い手はないものかとしばし考え込んでしまいました(ウチのゼミOBの妹さんがマンガ作家の卵なので連載になったら東経大を書いてもらおうと思っています)。
また、新潟市はマンガ作家(『翔んで埼玉』の魔夜峰央、『うる星やつら』『犬夜叉』の高橋留美子、『DEATH NOTE』の小畑健など)を多く輩出しているとして、新潟市上げてのマンガによる地域活性化(聖地巡礼)を狙っています。
このあたりは、前述の著書にまとめてありますので見てほしいです。
国分寺物語
講演会を開催すべく検討中です。こくぶんじ写真コンクールの審査員・国分寺物語賞の表彰式参加が決まりました。その他、InstagramやFacebookでの配信を行っています。
TFT
12月TFTメニューが生協で販売される予定です(詳細はまた別途いたします)。おうちでTFTなど、コロナ禍でも活動しています。
日経円ダービーの表彰
日経円ダービーは総合で5位となり、表彰状をいただきました。ありがとうございます。
ゼミ紹介・オープンゼミ
アカデミックコンパス内で10月28日分(1月13日まで配信)として、小木ゼミが紹介されています。webオープンゼミのお知らせもしていますので、1年生のみなさんは合わせてごらんください。
多摩大学AL祭り参加・ゼミ研究発表に参加
12月12日㈯、両方ともWebオンラインで多摩大学AL祭りとゼミ研究発表会で、それぞれ企業コラボ、個人研究を発表します。
知財活用スチューデントアワード2020年度本選出場
学内選考を経て、小木ゼミの1チームが本選に出場することになりました。こちらも頑張ってほしいものです。
といったように、何だかんだで、ゼミは忙しく動いております。ゼミ生の皆さん、お疲れ様です。このまま2020年度も駆け抜けましょう。「全集中 小木の呼吸 拾の型 希望!」って感じで。
流通マーケティング学科の丸谷です。39回目の執筆です。私はグローバル・マーケティング論(簡単にいうと海外でどのようにマーケティングを行なっていくのか)を専門分野にしているので、海外調査に頻繁に訪問します。このブログでもこれまでも海外調査で訪問した国について取り上げました。今回は2020年2月から3月にかけて訪れたガーナについて取り上げます(6月22日プログでも若干ふれています)。
1960年代にはガーナのカカオ生産は世界最大でした。現在でもGDPの約2割、雇用の約半数を占める農業において主要作物ではありますが、1957年の独立当初、資金不足であった政府はカカオ産業を統括し、生産者からの買い上げ価格を低く抑えすぎていたために、カカオ豆密輸出が横行し、ガーナ産カカオ豆の生産量減少を招いてしまいました。近年になり構造調整によって民営化をすることによって回復しつつある状況ですが、かつての繁栄はありません。
現在ガーナの輸出を現在支えるのは鉱物と原油生産である。最大の輸出品目は南アフリカに次ぐ第2位の金です。ガーナの金鉱は南アの金鉱に比べて露天掘りであることもあり採掘掘コストが安価であり国際競争力が強力です。今回現地調査で訪れた内陸のクマシ近くの都市オブアシには世界第9の金山があります。金の交易を中心に内陸で栄えたアシャンティ王国は19世紀末から20世紀初頭の数次にわたり当時植民地化を進めていたイギリスと激戦を繰り広げました。そして、1901年にイギリスの植民地となった際にも 黄金海外を意味する 英領ゴールドコーストという名前となりました。
原油生産は2007年に発見されたギニア湾の油田が2010年から本格的に商業生産が開始され、Jubilee 油田、T.E.N.(Tweneboa,Enyenra and Ntomm)油田に加えて、2018年5月にはSankofa Gye Nyame 油田の採掘が開始され、現在3つの油田で採掘がなされており、石油依存度が高まっています。
そんな西アフリカの資源輸出大国ガーナですが、かつて金と並んで輸出していたのが奴隷でした。アシャンティ王国は、自分たちと他の部族の黒人を捕まえて、白人たちに売り利益をあげていたのです。今回白人を海外へ送り出す拠点となった場所を訪れることができました。
奴隷貿易の拠点となった場所は、ヴォルタ州、グレーター・アクラ州、セントラル州、ウェスタン州の城塞群として世界遺産となっています。今回訪れたのはケープコースト城とエルミナ城でした。
ケープコースト城は当初は金や木材の輸出拠点でしたが、18世紀頃には英国がアシャンティ王国から買い入れた奴隷を世界に送り出す拠点となりました。奴隷として待機させられていた黒人たちがいた牢屋は劣悪であるのに対して、城砦を管理する英国人側の居住場所は風通しもよくその眺めも素晴らしく、コントラスは衝撃でした。
活気のある城砦前の現状
エルミナ城も奴隷拠点となりましたが、こちらは大航海時代に繁栄を誇ったポルトガルの拠点となった場所で、サハラ砂漠より南のアフリカ(サブサハラアフリカという呼ぶ)で最古の欧州建築で、欧州による最初のギニア湾の拠点として有名です。このブログでもブラジルに関して取り上げた際に、ポルトガルの三角貿易については取り上げていますが、三角貿易について改めて考えさせられました。
エルミナ城の外観
コロナ禍での渡航制限が厳しくなる直前でいくつかアポイントがキャンセルになることもありましたが、アフリカとラテンアメリカとの関係を振り返る意味でも貴重な機会となりました。西アフリカは遠いですが、コロナ禍が終わり再び自由な往来ができる日には機会があればぜひ訪れて欲しい場所です。
(文責 流通マーケティング学科教授 丸谷雄一郎)