2014年10月13日月曜日

「大学の講義風景―入学後最初の講義流通マーケティング入門にて―」


流通マーケティング学科の丸谷です。3回目の執筆です。このブログが充実した学生生活をイメージいただくことを目的としていることもあり、ゼミやそれに伴う課外活動について紹介しているようなので、私は敢えてゼミ課外活動同様に重要だけれど退屈と思われがちな講義について取り上げてみたいと思います。

私が担当している講義は、「流通マーケティング入門」と「グローバル・マーケティング論」ですが、今回は経営学部に入学したての1年生が履修する「流通マーケティング入門」について取り上げてみたいと思います。

皆さんは大学の講義というどのようなイメージを持たれているでしょうか?大学の講義の風景はこのブログでも森岡先生が意識している湯川教授が主役の「ガリレオ」シリーズや、大学が舞台の多くのドラマ作品などでも取り上げられているのでなんとなくイメージがわくのではないでしょうか?

湯川先生は物理学者なので経営学部とは多少イメージも異なりますが、201446月期に放映されていたドラマ「ブラック・プレジデント(フジテレビ系列で火曜日午後10時から放映、2014910日にDVDボックス発売済み)」では、毎回のように経営学部の授業風景が出てきます。このドラマは沢村一樹さん演じる叩き上げの急成長アパレル系企業の経営者が経営学部に社会人入学し、ブラック企業経営者ならではの視点で黒木メイサさん演じる経営学部の講師やその大学の学生達とかかわっていくというコメディです。
このドラマの授業風景で特徴的なのは、沢村さん演じる社長が階段教室と呼ばれる数百人収容可能な教室の一番前に毎回陣取り、その他の学生さんはなるべく後ろの方に座って授業を受ける光景です。大学の講義の多くは高校までとは異なり、自由席であるため早いもの順に席が決まるため、こういった光景になります。
私の担当する講義でも稀に一番前に座り積極的に質問に来る学生もいらっしゃいますが、ほとんどの場合、出入りがしやすい後ろの席から埋まり、1回目のガイダンスの授業での先生の授業のやり方を考えて、2回目以降は席取りを行っているようです。
私はこのような傾向を踏まえて、担当する『グローバル・マーケティング論』の講義を例にあげれば、当初一体感を持ってもらうために、枕の部分では、なるべく学生さんに話しかけるようにしています。私はメキシコで生まれたので、「メキシコっていえばどんなイメージ?」、サッカーの欧州チャンピオンズリーグやスポーツの国際的イベントの前後なら、「昨日・・・の試合どう思った?」、感動した映画があれば、「・・・って映画見た?」などといった感じです。
そうやって席を回って、ちょっと集中できていない学生さんやスマホを気にしている学生さんに積極的に話しかけることによって、一体感を持ってもらうようにします(ちなみに、私の講義ではガイダンスの中盤くらいに映画館と同じルールというように、スマホ携帯は電源を切って鞄にしまうこと、私語はしないこと、遅刻しないことを説明し、徹底するようにしているので、最初の時点ではスマホを見ている学生が稀にいます)。
心がけているのは、学ぶために講義に来ているのだから、正解を出した学生さん以上に、議論を広げるような間違いをした学生さんをどのように良い間違いなのか伝えることによって、講義への参加を促すことです。
 




大学の授業は高校までと違って90分と長いですが、単調にならないように教員は工夫をしています。例えば、講義が聞くだけにならないようにカッコつきのプリントを配布したり、教材に線を引くようにしたり、授業に関連ある編集したDVDを見たり、5-10分で取り組んでもらう課題を設定して、講義内で発表してもらったりしています。「流通マーケティング入門」は3つの部分に分かれていて、第1パートは流通とマーケティングとは何かを理解し、その違いを学習する。第2パートは流通の主要な担い手である小売業者と卸売業者の役割に関する基本的な内容を学習する。第3パートはマーケティングの概要を学習する。この科目は入門というだけあり、半期15回のうち第2パートが終わった後に中間試験、学期末に期末試験があります。

2年生以降の科目の多くでは、持込み許可物件が指定されているケースが多いのですが、入門科目の多くは、その学問分野の基礎的な内容を覚えてもらう必要があるため、持込み不可という条件での試験が多く、実際私の場合も専門科目である「グローバル・マーケティング論」ではテキスト配布プリント持込み可(書き込みも自由)ですが、入門科目は一切持込み不可です。

ちなみに、私はここ数年後期開講の「流通マーケティング入門」の再履修クラスも担当しているのですが、単位が取れなかった多くの学生さんは実力がないわけではなく、2時限目の開始は1040分からなのですが、大学の自由な雰囲気を謳歌しすぎたり、初めての一人暮らしでペースを上手く作れない等の理由で、講義の最初や試験前に寝坊したり欠席したりしたといった学生さんが多いようです。

もちろん、毎回の授業は入門だけに全て大事なのですが、入門とはいえ入門の最初の方の内容は非常に簡単ですし、試験前には当然試験を意識して授業を行いますから、これは高校でもやっていたと思うのですが、講義の初回や試験前に関しては普段にも増して欠席や遅刻をしないように気を付けると単位を落とす確率は低くなると思います。

文責:丸谷雄一郎(流通マーケティング学科 教授)