2014年12月9日火曜日

流通論って何を勉強するの?

 こんにちは。
 流通論を担当している本藤貴康です。
 ずっと「流通論担当」という自己紹介をしてきたように思うのですが、流通論と言ってもピンと来ない人も多いかもしれませんね。簡単に言うと、流通というのは商品流通のことをメインに考える研究領域になります。

 商品流通というのは、大きく見ると「メーカー」⇒「卸売業」⇒「小売業」⇒「消費者」という流れ(チャネル)になるのですが、このメーカーから消費者までの売買活動や売買行為全体の流れ(金額)が大きくなると“経済が活性化”するということになるわけです。
 モノ不足の時代であれば、メーカーが如何に効率的に大量の製品を送り出すかがその鍵を握っていて、モノ余りの時代であれば、消費者が如何に多くの商品を購入するかが鍵を握ることになります。そういう意味では、いまのような時代には「小売業」と「消費者」の間の流通量(販売量)を増やすことが社会的要請でもあり、ここがボク(本藤)の研究領域のメインステージでもあります。

 そこで注目されているのが、ここ2年くらいで急激に注目度が上がってきた統計学やデータ分析というアプローチ手法です。これは数学が必要な印象を受けますが、そんなことはありません。それよりも重要なのは「仮説構築」です。「こうした方が買いたくなるんじゃないかなぁ」とか「こういう言葉を使った方が分かり易いんじゃないかなぁ」とか「スーパーマーケットよりもネット販売でしょ」という仮説です。そして、この仮説に基づいて店頭実験をしたり消費者調査をしたりして、その仮説をブラッシュアップしていきます。その結果は、構成比で分析したり、売上の数量や金額を比較したりして検証します。実際のメーカーや卸売業や小売業のビジネス現場でも、データ分析の基本は円グラフ(構成比)や棒グラフ(絶対値比較)や折れ線グラフ(比率比較)です。小学校や中学校でやるデータ分析レベルです。

 このあたりはボク(本藤貴康)の得意分野です。近年急速に広まりつつあるID-POSデータの実践的な活用方法について、ゼミでは既に導入しているのですが、今年度は12月から授業(
流通論)でも教え始めました。ボクの授業やゼミでは、数学ができなくても全くハードルのないデータ分析アプローチです。
 もちろんネット上のビッグデータを考えると、推計統計学を本格的にできた方がいいに決まっています。数学にアレルギーがなければ、これからそのスキルの価値が落ちることのない先進的な統計学のスキルは、同じ流通論を担当していて、マーケティング・リサーチ論を教えている田島先生が東経大で教鞭をとっています。この先生が、超難解な統計学をメチャクチャに分かり易く教えてくれます。流通分野に関しては、実務営業色の濃いボク(本藤)と統計学などのスキルにつながる田島先生というのは東経大流通分野自信の布陣です。
 マーケティングと流通というのは研究領域が重なりまくっていて、なかなか線引きができないのですが、マーケティングについても、サービス・マーケティングの北村先生はきめ細かな講義や演習は定評がありますし、ソーシャル・マーケティングの小木先生はマーケティングの視点を教えてくれます。海外流通に詳しいグローバル・マーケティングの丸谷先生、アカデミックな本流のマーケティングを教えている近藤先生と森岡先生はマーケティングの全体像を体系的に教えてくれます。あらためて挙げてみると多士済々です。流通分野やマーケティング分野での専門知識を学ぶ上で、東京経済大学は素晴らしい環境があります。

(文責:本藤貴康)