サブゼミ長に図書館展示について説明する図書館の展示担当者 |
彼女のカフェ愛は強く、カフェについて研究したいという意気込みは伝わり、研究の第一歩である、「テーマ選定」はスムーズに進むかと考えられましたが、意外に苦しみます。カフェという大枠までは早い段階で進んだのですが、「カフェの・・・」ということになると、やりたいことがいろいろあり、絞り切れなかったのです。ここでの苦労が3年生の頭まで1年間続きました。
しかし、ここでの苦労が彼女を成長させました。1つのテーマについて考え続けることによって、本当に自分が研究したいテーマを深掘りできたのです。この深掘りという過程は研究だけではなく、進学、就職など大事な決定をするためには非常に重要な過程です。何かについてなかなか決まらなくて、悩む方が多くいますが、しっかり悩んで決まらないというのは決して悪いことではなく、ここでいかに悩んだか、悩む前提となる努力や工夫をできたのかが、後に決定したことの成果の水準とその後のスムーズな展開につながります。今回の彼女の研究テーマ選択での悩みは、まさに悩むこと(テーマの深掘りでの努力)がしっかり成果につながった好例といえます。
彼女はなぜ「カフェ」なのかを深堀し、自分が何を研究すべきを考えていきました。従来にも増してカフェ巡りを行うと同時に、カフェに関する研究をいろいろと調べてみたり、先輩や同期に助言を求めたり、研究の基礎となるマーケティングの基礎を学び直したり、アルバイト先のカフェでの仕事を振り返ったりしたようです。
1年間の成果が3年生に入ってすぐ形となって現れます。「東経大生に地元国分寺のカフェの魅力を伝える」という内容に研究テーマが決まってからの進捗は早く、同期の一番最後にいた彼女が、一気に他のゼミ生を追い抜き、最後には研究ではトップで3年生を終えました。
また、勉強し直したマーケティングの内容を、サブゼミ長として後輩である2年生の指導に活かしていきました。しっかり悩んだ彼女の後輩への指導はきめ細かく丁寧であり、自分が苦労したからこその裏付けがある 親身な指導は後輩からも高い評価を得ており、彼女がいない場で後輩から 彼女への憧れの言葉を数回聞く程です。
丸谷ゼミでは2年間で就活を行うための準備をしっかり行います。2年時には自己分析のための人生の振り返り(ゼミ2年時前半)、他己分析(良さを他のゼミ生から指摘してもらう)やOBOG訪問(ゼミ2年時後半)などを行った上で、履歴書をしっかり作ります(ゼミ2年生入ゼミ時から各学期での成長を踏まえてブラシュアップし、最低5回修正、近年はインターシップ準備も指導しています)。ゼミ3年次には、某大手金融会社の人事を10年以上経験され独立されたプロや働き方評論家としてメディアにも多数出演されている大学講師、大手就職支援会社、就活を終えたばかりの4年生やゼミOBOGの方などと協力して、就活の面接指導やグループディスカッションの指導を行っています。
彼女は上記の就活を想定した場でも、こうした試行錯誤の経験から得た物事の本質を考え抜く力を土台にして、研究テーマであるカフェ、バリスタでのアルバイトの経験、サブゼミ長としての後輩の指導、カフェ巡りから得た経験という4つのテーマを履歴書にしっかり反映させ、アピールし、専門家らも高い評価を獲得しています。
そんなカフェの専門家である彼女の展示が1月末から行われます。この展示は彼女がゼミで作成した「研究ノート」の第3章で行った提案を受けての展示です(以下研究ノートの表紙部分と目次です)。
東京経済大学 経営学部 丸谷ゼミナール
平成30年度 研究ノート
「東京経済大学の学生に国分寺カフェの魅力を
認知してもらうには」
【目次】
第一章
はじめに
第二章
東京経済大学の学生に国分寺カフェの魅力が認知されていない原因
第三章
東京経済大学の学生に国分寺カフェの魅力を認知してもらうための方法
第四章
今後に向けて
なお、研究ノートとは、卒論の半分の分量で研究成果をまとめたものを1月初旬までに提出し、ゼミの単位に加えて「研究ノート」の単位として認定される、ゼミする東経大としてゼミを重視する姿勢をしっかり具体化した科目であり、数年前から開始されました。この科目設置後、しっかりと途中成果をまとめることによって、履歴書の主要4項目の最初の項目である大学時代の研究内容の欄を、しっかり書けるようになる上、一度成果をまとめているので面接でもしっかりアピールできるので、就活の際にも大いに役立っているとの報告がゼミでの4年生の就活報告でもあがっており、就職先のレベルの向上にも直接結びついているようです。
自身で作成した展示リストを見せながら図書館展示担当者に説明するサブゼミ長 |
「国分寺の清らかな水」を楽しみつつ、今回のカフェの展示をご覧ください。
(文責:流通マーケティング学科 丸谷雄一郎)