2019年4月4日木曜日

春は新しい時代の始まり

皆さんこんにちは。経営学部教員の柴田です。
4月に入り、大学でも新しい年度、新しい学年が始まります。東京周辺では3月下旬の卒業式の頃には、ようやく咲き始めた桜が、4月の入学式の頃には、美しい桜吹雪となります。下の写真は3月29日(金)に撮影した、本学の国分寺キャンパスの様子です。年度末のため、閑散としたキャンパスに、桜が八分咲きとなっていますが、4月2日の入学式からは、満開の桜のもとに大勢の学生が集まることになります。


4月1日には、5月からの新しい年号の「令和」が発表されました。この「令和」は『万葉集』の中にある、大伴旅人の梅の花の歌の序文の「初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、」から採られた、ということです。『万葉集』の時代、というか、だいたい奈良時代までは、唐の影響から、桜よりも梅の花の方が好まれていたようです。『万葉集』の中で桜を詠んだ歌が43首だったのに対して、梅を詠んだ歌は110首もある、とのことです。ところが平安時代になると、桜が好まれるように変化します。平安時代前期に編纂された『古今和歌集』では、桜を詠んだ歌が70首であるのに対して、梅を詠んだ歌は18首程度に減っています。奈良時代には「お花見」というと観梅であったのに対して、平安時代から、現在のような桜の花を楽しむ行事に変化したと言われています。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、「令和」の時代にはさまざまな面でグローバル化が進んでいく時代となると考えられます。海外との交流もどんどんと進んでくると思います。「桜舞い散る中での入学式」あるいは「桜舞い散る中での入社式」さらには「新人歓迎のお花見会」というのは、私たち日本人の心象風景の中に深くなじんでいるものと思いますが、世界的に見ると、「4月一斉入学」とか「4月一斉入社」という仕組みはきわめて少数派に過ぎません。世界的には9月入学の国々が多く、また「必要に応じて随時採用の企業」が多いのが実情です。「令和」の時代には、多様性がさらに求められるようになるでしょう。
(文責:柴田 高)