2024年5月27日月曜日

メキシコシティで活躍する日本人女性パティシエ

 流通マーケティング学科の丸谷です。65回目の執筆です。私は「グローバル・マーケティ

ング論」を専門としており、海外でどのようにマーケティングを行うかについて研究して

います。年2回ある授業休止期間を利用し、海外現地調査のために出張してきました。こ

のブログでは、米国、インド、中国、チリ、ペルー、ブラジル、ケニア、ガーナ、英国な

ど、多くの国々での出張について取り上げてきました。


 授業期間外の時期には世界に出張する際にも取材の合間の時間などを使って、現地食材

使ったケーキ屋さんをなるべく訪ねています。例えば、このブログでもトシヨロイヅカ北

について取り上げていますhttps://tkubiz.blogspot.com/2016/10/blog-post.html

ここ2回メキシコの小売という研究にまつわる少し硬い内容について取り上げてきました

で、取材の合間に出会ったメキシコシティで活躍する日本人パティシエが経営するケーキ屋

さんMaris Pastry(https://www.marispastry.mx/nosotros)について取り上げます

メキシコで活躍する日本人女性パティシエのマリさん

 店主の日置マリさんは兵庫県明石市生まれで、貿易、財務、経理事務に従事後、カナダの

モントリオールで洋菓子の製造を経験した後、2009年よりメキシコシティに在住し、2010

年より本格的スイーツ販売を開始しました。彼女は「日本のクオリティー、インターナシ

ョナルなレシピとアイデア」でというコンセプトで活動されており、今回訪れたカフェが

併設された直営店の他に、メキシコの代官山的な場所であるローマ地区に小さな販売店を

営まれています。客層は幅広く、日系カフェ、カフェテリア、レストラン、スーー、在メ

キシコ日本大使館も含まれているそうです。カフェで頂いたケーキのうち、マラクジャのム

ースは絶品であり、日本のクオリティーどころかプラスアルファの価値を提供されていまし

た。

今回頂いた2品のケーキ

 お話を伺ったところでは、ホームパーティー好きな国民性や文化もあって、コロナ禍以前

にはそういった需要にも大きく、コロナ禍以降回復しつつも、インフレの影響で100人の

パーティーが50人規模になったりしているといった実情も教えてくれました。

メキシコ産レモンを使ったレモンケーキ

 さらに、自身のアレルギーを持つ経験から食制限のあるケーキや焼菓子(砂糖、グルテン

、卵、乳製品不使用やヴィーガン)のレシピも日々研究されており、製造販売だけでなく

、その国に根付いた厳選した素材で風土・風習も考慮した、その土地での味=「地に着い

た味」の研究、執筆活動なども行っており、本学図書館で借りれる『メキシコ料理大全』

(誠文堂新光社、2015年)では、メキシコのスイーツの事情に関しても解説されています。

 実際、帰り際によろしければといって頂いたメキシコ産の甘すぎないレモンを敢えて使用

したケーキは、本来の穏やかな酸味が豊かな味わいを出しており非常においしく頂いた。

メキシコにはケーキの本場ともいえるフランス風の本格的なケーキを出すお店も進出して

おり、一定のクオリティーでした。しかし、マリさんのケーキは日本的なケーキの味わい

を維持しつつも、世界からの評価も高いメキシコの柑橘系の食材の良さもしっかり活かし

ていました。メキシコシティに訪れた際には立ち寄ってみてはいかがでしょうか

(文責:流通マーケティング学科 丸谷雄一郎)。