2018年7月30日月曜日

フレッシャーズ・セミナーaでの図書館展示

流通マーケティング学科の丸谷です。25回目の執筆です。今回は1年生の科目であるフレッシャーズセミナーaの授業で行っている図書館の展示企画について報告します。 
この科目は1年生の1期(4月~7月)までに設定されている20名程度が履修する少人数科目です。ゼミを重視する東京経済大学は、2期(9月~1月)にもフレッシャーズ・セミナーbという少人数科目を設置し、少人数科目を継続的に履修できる環境を整えています。
私の担当するフレッシャーズ・セミナーaではゼミ生企画による展示企画を授業の課題として行うことになりました。


授業は半期15回ですが、大まかな流れとしては、第1回目授業でのオリエンテーションとチーム分けの後、第2回目に資料検索実習兼展示方法のレクチャーを行った後、第3回から合計6回にわたりテーマ選定のためのグループ報告とその他のチームの皆さんとの議論を行った後、企画展示の準備を行い、実際に展示してみる仮展示を経て(図書館の方と私が担当するマーケティングのゼミの皆さんによるアドバイスを頂きます)、修正し本展示開始となります。
 
なお、フレッシャーズ・セミナーaでは、今回の展示のテーマとも関連する人権委員会による人権に関する学習とキャリアセンターの方によるキャリア形成に関する講習も各1回組み込まれています。そのため、仮展示は第11回と第12回の授業ではいよいよ図書館にて実際に展示の準備を行いました。

展示仮レイアウト

展示素材作成
説明を追加

展示素材


展示本の展示のための登録

第13回授業では展示のための登録が終わった展示本と作成した展示素材を展示し調整し、仮展示を完成させました。

仮展示完成
第14回授業では図書館の方と私が担当するマーケティングのゼミの皆さんによるアドバイスに基づいて修正案を考えて頂きました。


アドバイスを考える丸谷ゼミのゼミ生



第15回授業では、修正案に基づいて修正してもらったその他のグループの本展示を相互に論評してもらい、さらに修正を行っていきました。結果的に以下のような展示となりました。図書館1階マガジンラックの前のブックウォールCにて、ぜひご覧ください。



              
                       (文責:流通マーケティング学科 丸谷雄一郎)

                             






                     







































             



2018年7月23日月曜日

【学問のミカタ】Amazonが覆しつつある常識・・・

2018.07.23

 東京経済大学で、流通論及び流通マーケティング演習を担当している本藤です。
 先週月曜日7月16日正午から翌17日まで「Amazonプライムデー」が行われました。
Amazonの売価設定は、基本的にネット内で優位性のある価格帯になるように管理されていますが、年に一回のスーパーセールが開催されました。期間中は、アクセスできなかったり、カートに商品追加できなかったりなどのシステム・トラブルなどあったようですが、過去最高の売上と新規会員獲得を記録したとの発表がありました。さすがAmazonです。


 Amazonは、僕が大学院の頃(15年くらい前)は書籍のネット通販でしたが、どんどん取り扱いカテゴリーを拡大して、昨年4月には、日本のAmazonでも「Amazonフレッシュ」が立ち上がり、生鮮食料品の扱いを始めています(対象地域限定)。これはレシピからのプロモーションもあり、非食品以上に関連購買を促せそうな印象です。
 更に、近年はネットにとどまらずリアル店舗への布石も打ち始めています。


 ちょうど1年前くらいに「Amazon Go」についてはブログでも取り上げましたが、レジもなく、専用アプリを通して個人認証されて入店するリアル店舗です。センサーで買い物商品を認識し、代金決済は登録している口座から引き落とされます。したがって、スーパーマーケットでよく目にするレジ待ち行列がないようです。もうすぐ(この秋には)同じシアトル内に2号店を出店する予定になっているということです。Amazonは走り続けます。


 昨年8月には、「Amazonがホールフーズを1.5兆円で買収した」というニュースが流れてきました。ホールフーズは、米国内では安定した地位を獲得している高級スーパーですが、この買収によって他の小売企業の株価が下がるくらいのインパクトでした。これは、Amazonが関与するホールフーズが強くなるという思惑なのか、Amazonがネット小売としてリアル店舗を凌駕してくるという思惑なのか定かではありません。


 日本の生活者は、欧米の生活者と異なって、先進国の中でも断トツに(ネットよりも)リアル店舗の利用率が高いという消費者特性があります。これは、ずっと継続する傾向なのでしょうか?
 人口減少が深刻化している日本では、今後減少する人手不足解消策として「働き方改革」へとハンドルがきられており、今後も「ネット通販よりリアル店舗」の傾向が続くのか予断を許しません。


 この「働き方改革」では、女性や高齢者の労働力を活かせる社会を実現するという方針が盛り込まれています。既に「専業主婦」は激減しており、少なくとも「兼業主婦」が大半を占めているように感じます。更に、正社員の副業を受け入れる企業も増えつつあり、人口減少の中で、社会全体における生産人口(勤労者)を捻出する方法を模索しています。このような社会的なパラダイムシフトは、小売業ビジネスに大きな影響を与えます。

 多くの家庭のなかで「働ける人は働く」という状況になると、日中にスーパーマーケットで買い物をする人がいなくなってくることは明らかです。必然的に、仕事帰りや週末に買い物をする人が増えてくることになります。そうなると、小売店舗の立地として駅ナカや駅前立地が有利になってくることが考えられます。もっと時間がなくなってくると、リアル店舗に買い物に行かず、生鮮食料品も「Amazonフレッシュ」のようなネット通販で購入する購買行動が主流になってくる可能性が高まってきます。

 そこで問題が生じてきます。日中に買い物をする人がいなくなるということは、同時に日中に在宅している人もいなくなる可能性が高まるのです。そのような家庭では、どのようなニーズが出てくるでしょうか?
 これに対してのサービスとして、自宅前に宅配ボックスを設置する方法が広がりつつあります。最近は、冷蔵宅配ボックスなども発売されていますが、これが駅ナカに設置されている駅もあります。このほかにも、最寄駅や最寄バス停などに近接出店しているコンビニエンスストア、スーパーマーケット、ドラッグストアなどが商品受取窓口として機能することも考えられます。特に、コンビニエンスストアは、今のところ24時間営業を継続しているので、宅配受取窓口としては好都合な小売業態と言えます。


 ここで、再びAmazonが買収したホールフーズの話に戻ります。
 ホールフーズは、米国を中心に440店舗を有していて、主に富裕層の住宅近辺に展開するスーパーマーケットチェーンです。生鮮食料品の受取チャネルとしては適格な条件を備えているとも考えられます。しかも、ホールフーズだからと言って、必ずしもスーパーマーケットの品揃えに縛られる必要はありません。Amazonは、好立地の小売店舗を大量に獲得したということになります。※このあたりは今後の動きを注目したいところです。


 Amazonのビジネスモデルは、膨大な購買データを戦略的に活用するビジネスモデルであり、レコメンデーション(推奨販売)や定期配送などの生活提案を個々の顧客に対して行っています。Amazonが積み上げ続けるこのビッグデータが差別的優位性として活かされているのです。現時点では、食料品カテゴリーの購買データは潤沢とは言えない状況で、ホールフーズの購買データを入手して、アッパー(富裕)層のデータを収集できる環境が整備されたとも捉えることができます。このデータの蓄積に伴って、生鮮食料品カテゴリーにおいても提案力を強化し、ネット受注してリアル受渡しされるようなO2O(オンライン・トゥ・オフライン)を導入することが予想されます。スーパーマーケットで配布されているレシピを片手に、商品を探すのは時間のない買い物客にとっては煩わしい作業かもしれません。特に、日本では仕事帰りに買い物するとなると、いかにショートタイム・ショッピングを実現させるかが大切なポイントになってきます。それを考えると、ネット上でレシピに一括購入ボタンがあれば、買い物時間は大幅に効率化できてしまうのです。


 それだけでなく、近年盛り上がりを見せながら、なかなか成功事例にたどりつかないオムニチャネル構想への布石にもなります。ネットからリアルに送客するだけでなく、リアルからネットに送客する選択肢も提供するものです。翌日や当日配送を実現しつつあるAmazonであれば、ロングテールと呼ばれる売れ筋ではない商品も対応できてしまいます。Amazonのデータ量であれば、このような多角的複合的小売業態も夢物語と言い切れず、数年後には実現させてしまうことも十分に考えられます。

 Amazonは、ビッグデータを推進力として、ネット通販とリアル店舗を様々な形で進展させていける要素を集めまくって、突如として物凄い小売業態を現実化させてしまうかもしれません。


文責:本藤貴康(担当科目:流通論、流通マーケティング演習)
本藤ゼミナールBLOG http://hondo-seminar.blogspot.jp/


【学問のミカタ】
東京経済大学では、各学部で高校生向けに分かり易く専門分野の教員がブログを公開しています。是非、お立ちよりください。

経済学部ブログ「復興支援の経済学」
コミュニケーション学部ブログ「アスリートは勝負をどう学ぶのか」
現代法学部「裁判員って何をするの?」
センター日記「ドイツの政治教育」
キャリアデザインプログラム「就職活動ではなく「入社活動」を!」




2018年7月1日日曜日

今年の夏もTFT健康ランチで決まり!(小木ゼミ通信vol.27 ゲスト講義は突然に、国分寺物語、OCなど)

マーケティング論、ソーシャルマーケティング論担当の小木です。
今回で27回目となります。


 さて、今回のラインナップは、次の通りです。

1.今年の夏もTFTランチが熱い! 7月2~6日、9~13日実施!
2.ゲスト講義は突然に(株式会社NAGAOKA 長岡香江社長 登壇!)
3.その他(国分寺物語、成績優秀者表彰、オープンキャンパス)


 1.今年の夏もTFTランチが熱い!~7月2~6日、9~13日実施!~


2018年度夏の「TFT×東経大生協×小木ゼミコラボ:健康ランチ販売プロジェクト」での日程と内容が決まりました!今年も東経大生協の協力を得て、6月7日に試食会が行われ、メニューなど詳細が決定しました。

 東経大・小木ゼミが進める本プロジェクトは、

 小木ゼミ女子プレゼンツのプロジェクト

 なのです。

 本取り組みは、すでに6年目を迎え、東京都内の大学でもまだ数校しか行っていないものです。本プロジェクトは、皆さんが購入してくれた健康ランチの売上の一部(20円)をアフリカの子どもたちの給食に寄付する取り組みです。

 これまでのTFTメニューをまとめてみます(詳しくはバックナンバーをご覧下さい)。
第 1弾 2013年夏  キーマカレー
第 2弾 2013年冬  ふわとろオムライス
第 3弾 2014年夏  たっぷるこぎ丼
第 4弾 2014年冬  2種ルゥ☆ふわとろオムライス
第 5弾 2015年夏  先取り夏のマサラ・ナン・カリー&サラダ
第 6弾 2015年OC   ふわとろオムライス
第 7弾 2015年冬  俺のがっつり鶏丼 VS 私のホワイトオムティ
第 8弾 2016年夏  鶏とポテトベストマッチ鶏丼、真夏のトマチー鶏丼、ガーリィ豚丼
第 9弾 2016年OC   ふわとろオムライス
第10弾 2016年冬     BBNB 卵とろーりピリ辛ビビンバ丼
第11弾 2017年夏  ぷっタル丼 / バジトマティーナ丼
第12弾 2017年OC ふわとろオムライス
第13弾 2017年冬  ガッツリ!ジューシー!俺の鶏丼/肉盛!~ナムルと温玉のせ~
 
 そして、2018年夏にお届けする第14弾は、次の通り!

「とろたま生姜焼き丼」左と「とろたまネギトロ丼」右


TFT健康ランチ名と販売期間:

*7月2日(月)~6日(金)

小木ゼミTFT「とろたま生姜焼き丼」(410円:390円+寄付金20円)


*7月9日(月)~13日(金)

小木ゼミTFT「とろたまネギトロ丼」(430円:410円+寄付金20円)


場   所:東経大生協食堂




TFT試食会の模様 2018


 2.ゲスト講義は突然に(株式会社NAGAOKA・長岡香江社長登壇!)

忙しいからだめかなと思いつつ、だめもとでゲストの依頼をしたら「OK!」との連絡!急遽、6月27日(水)に、流通マーケティング入門とゼミのゲスト講義に、「株式会社NAGAOKAの長岡香江社長」が登壇いたしました!
 株式会社NAGAOKAは、レコード針においては、なんと現在では世界独占の企業で、いま大注目の企業のひとつです。1980年代のCDの登場、2000年度代以降の音楽デジタル化の波に抗い、レコード針の生産を続けてきました。ここにきて、レコードブームの到来と、ライバル企業の脱落で、レコード針では世界独占企業となってしまったのです!2016年には、桑田佳祐さんの16枚目シングル「ヨシ子さん」に「♪~ナガオカ針しか記憶にねぇよ~♪」で歌詞にNAGAOKAが登場しています。
 ただし、株式会社NAGAOKAの全体の売り上げからしたら、レコード針は20%程度しかなく、実はその他で頑張っている企業なのです。主にAVアクセサリー生産や機械部品など、BtoB(Business to Business)が主流で、今後は、カーナビやハイレゾイヤホン、各種オーディオ周辺機器などBtoC(Business to Consumer)も視野に入れた世界展開をもくろんでいます。
 長岡香江社長とは、名古屋出身の同郷で、かわいがってきた後輩(逆かも)でもあり、昔からの悪友ですが、いまは日本を代表する女性社長として大注目の人物です。なかなかお声をかけられないレベルにまでいってしまいました。千駄ヶ谷に新社屋が出来たばかりの伸び盛りの会社に注目です!
 講義は、流通マーケティング入門・小木クラスの1年生も、小木ゼミ生も大満足している様子でした。ゲスト講義は突然に!またの機会を考えたいです。

NAGAOKA・長岡香江社長とゼミ生とのショット



 3.その他(成績優秀者表彰、国分寺物語、オープンキャンパス)


 ①成績優秀者表彰
 成績優秀者表彰が5月16日に開催!小木ゼミからは、経済・経営両学部合わせて4名が選出されました!昨年は、2名と寂しかったので、今年は倍増の4名!嬉しい限りです。成績優秀者の皆さん、おめでとうございます。


 ②Web「国分寺物語」
 新たに2年生のゼミ生を加え、今年も「国分寺物語」がキックオフしました。早速、4月には国分寺駅北口の再開発ビル内のcocobunnjiのこけら落としイベントで、さらには6月4日に「こくベジ」イベント(http://www.kokuvege.jp/)のボランティアとして参加しました。
 今年の学年企画は、「こくベジ」を使った商品開発と聞いています。第1弾として、清水農園さんのブルーベリーを使って、喫茶店とコラボしてのスイーツの販売を企画しています!
 乞うご期待のほど!

清水農園・清水さんと何やら作戦を練っておるゼミ生



 ③小木ゼミは、8月1日のオープンキャンパス(ゼミ紹介)に出ます!
 東経大・夏のオープンキャンパス(8月1日、2日、25日、26日)の話題ですが、今年も小木ゼミは、経営学部ゼミ紹介のコーナーにて8月1日にアテンドさせていただきます。
ゼミ紹介の内容は、「企業とのコラボ企画~お菓子の新商品開発、Web国分寺物語、TFTランチ企画~」です。関心のある、高校生諸君は、8月1日に来てください(それ以外のオープンキャンパスの日もね)!



 今年の夏も、東経大オープンキャンパスで決まり!


 多くのご来訪、心よりお待ち申し上げます。

   
                            文責:小木紀親

2018年6月26日火曜日

「面白いは正義!」の石黒ゼミ


ようやく夏らしい天気になってきましたね。
熱中症には十分に気をつけてください。
経営学部の石黒です。
今回は今年度初の投稿ということで、「ゼミ」について書いていきます。


今年度の石黒ゼミは総勢24名。
4年生が7名、3年生が11名、2年生が6名です。
当ゼミは完全に個人研究をしているので、24の研究テーマがあるわけです。


例えば。。。。

「ホンダは何故営業利益が伸びないのか?F1は失策。。。?」
「日本の動物園は何故赤字?レジャー施設からの脱却を求めて」
「勝てなくても儲かります!正しいサッカーチーム運営とは?」
「テーマパーク戦略の革命 USJの居抜き戦略」
「バイクは何故売れない!ヤンキー文化とバイク」
                              などなど


中には女性用アンダーウェアについて研究しようとするゼミ生もいたりします。
僕では明らかに知識不足ですので、先輩女子に期待しましょう。
他にもあまりに奇抜すぎて、ここでは説明できないものまで。。。
「面白ければいいじゃない」がモットーなので仕方ないかな?

今年の予定としては、4年生は卒論執筆、3年生はゼミ研究報告会、2年生は研究テーマ、問題意識の設定です。
例年は4年生に報告会を任せていたのですが、今年からは卒論に集中してもらうことにしました。
年末は卒論の締め切り直前で、4年生には修羅場が待っています。



 (テーマ :「おもてなし」って実は悪では?経営者の思考放棄?悪用?に迫る!)


写真は、4年生が書いてきた卒論の途中経過を説明しているところです。
自分が書いてきた内容を章、節ごとに箇条書きにして板書してもらっています。
こうすると、全体の構成、論理性などを客観的に把握し、おかしな部分に気づくことができます。
ちなみに写真の女子学生は、板書している最中にほぼ同じ内容を2回繰り返し書いていることに気づき、軽い絶望を感じているところです。

レポートや論文は、客観的・論理的に書かなければ意味がありません。
感想文とは全く違ったスキルが必要で、練習しなければ書けません。
何度も書いて、削除・修正を繰り返します。
大変です。。。。辛いです。。。


もちろん、辛いことばかりではありません!!!

ゼミの後は気の合う仲間と「お食事」にGO!!!
普段は話せない悩みやおバカな話題でいつも盛り上がっています。
基本的にお祭り気質な学生が揃っていますので、誕生日パーティーもやりますよ。
(サプライズ風に)





     私も祝ってもらいました。
     良いゼミ生ですね(泣)
     

  もちろん、今年も沖縄合宿!
  台風にリベンジです!!!!






執筆:経営学部 石黒督朗


2018年6月17日日曜日

会社入門の授業でビジネスゲームを行いました

 皆さんこんにちは、経営学部教員の柴田高です。
 今回は、1年生向けの授業「会社入門」の中で行ったビジネスゲームについてご紹介しましょう。
 「会社入門」という科目は、経営学部に入学したばかりの学生に向けて、株式会社というものが何を目的としていて、どのような組織で、どのようにして仕事を進めているのかを、できるだけ分かりやすく、具体的に紹介する科目です。アメリカで発展してきた経営学という学問分野は、大企業、とりわけ製造業(メーカー)の発展の歴史的分析の上に体系化されてきました。これから経営学というものを学んでいく上で、株式会社という存在をきちんと理解することがとても重要なのですが、会社員の経験もなく、今年の3月まで高校生だった新入生にとっては、実感を持って理解することがなかなか難しいかもしれません。私自身は、大学教員として奉職する前に、たまたま大手製造業の社員だったので、会社を内側から眺める機会に恵まれていたのですが、これを新入生の皆さんに伝えようとすると、それはそれで結構難しいものがあります。そのため、2017年度からまず「会社入門」という科目を用意して、会社の概要を理解してもらうようにした訳です。

 この「会社入門」では、通常の週は担当教員が説明を行う、ごく普通の授業形式なのですが、途中で2回、グループワーク形式によるビジネスゲームを行っています。これには日本証券業協会の証券知識普及プロジェクトから無償で提供して頂いている「ケーザイへの3つのトビラ」という教材を利用しています。6月11日(月)の授業では、この中の「ワールドトレジャーランド再生計画」というビジネスゲームを行いました。ここでは学生一人一人がテーマパーク「ワールドトレジャーランド」を経営する取締役の一人になったつもりで、経営者の意思決定のプロセスを学びます。近年、売上減少が続くこのテーマパークでは4人の担当社員が「設備投資を増やす」「スタッフの質を向上させる」「広告・宣伝を増やす」「無駄な費用を削減する」などの対応案を持ってきます。経営者の1人としては、まず4人の意見に耳を傾け、その効果を自分なりに評価します。以下の写真は、その評価を行っているところです。


 次に、4人から6人のグループを作り、これが「ワールドトレジャーランドを経営する取締役会のメンバーである」と想定して、各取締役の意見をもとに議論を行って会社としての一つの意見に集約する「取締役会」を開きます。以下の写真は、取締役会としてグループごとに話しをしているところです。


 各グループでは、自分たちが選択した案をもとに、それを具体的にどのように進めていけば業績を向上させることができるかを考え、発表資料にまとめます。この発表資料に基づき、実行案をそれぞれのグループごとに代表取締役社長を務めるリーダーが発表します。これは株主総会での会社側の事業計画の提案に相当します。学生の皆さんは、今度は各自が株主の1人になったつもりで、自分たち以外のグループの中では、どのグループの発表内容がいちばん優れているか、評価シートに記入していきます。以下は、グループごとの発表の様子です。

 このようにして、会社における意思決定のプロセスを疑似体験してもらうわけです。終了後、学生の皆さんに感想を記入してもらうと、「会社経営の難しさを実感した。特に株式会社は株主の配当のことを考え経営しなくてはいけないことの重要性がわかった。」とか「解決策はいろいろあり、その事業計画が成功するかどうかで売上も変わってくるということがわかった。」「自分の意見が通るとは限らず上手くまとまらない可能性があるとわかった。また、自分の意見には責任が生じるのだと実感した。」などの意見が多く集まりました。この場を通じて、教材を提供して頂いている日本証券業協会の皆様にも感謝の気持ちを述べたいと思いますし、新入生の皆さんも、ビジネスゲームを通じて会社というものの理解が進んだのではないかと思っています。






2018年6月11日月曜日

カンブリア宮殿にウエルシア池野会長登場!

2018.06.11

東京経済大学の本藤です。
 先日5月31日放送のカンブリア宮殿(テレビ東京)に「ウエルシアホールディングス」の池野隆光会長が登場しました。2017年にガイアの夜明け(テレビ東京)にも出ていたのですが、今のドラッグストア業界の置かれている環境が伝わってきました。このウエルシアホールディングスは、現在ドラッグストア業界のツートップ(もう一社はツルハホールディングス)の一翼を担っています。


 小売業界では成長率が鈍化していたのですが、近年再び市場規模を拡大させてきています。JACDS(日本チェーンドラッグストア協会)によれば、その最大の牽引役は「食品」と「調剤」だと発表しています。
 この「食品」のドラッグストアにおける売上構成比は年々伸びていて、企業によっては、もはや売上の半分以上を食品カテゴリーで獲得している場合もあります。そういうドラッグストアの店舗は400坪から600坪(コンビニエンスストアの10倍から20倍)という巨大な売場面積に達しています。


 ドラッグストアの一般用医薬品(OTC)の売場は、どんなに品揃えを強化しても、それほど売場面積の拡大が必要になることはありません。売場が大きくなってしまうのは、やはり食品がスーパーマーケット並みになってきているということを意味しています。ドラッグストアで販売している食品は、主に冷凍食品や加工食品、乳製品や納豆などの日配品で構成されていたのですが、このところ生鮮食品を扱う店舗も増えてきています。



 なぜ食品の重要性が高まってきたのでしょうか?
 10年くらい前までは、ドラッグストアの来店頻度は月3回が一般的な利用状況でした。でも、スーパーマーケットやコンビニエンスストアは週3回の利用が平均的な利用状況です。そうなると、お客様との接点は、スーパーマーケットやコンビニエンスストアと比較すると4倍程度の開きが出てきてしまいます。
 しかも、これら3つの小売業態は、生活者の習慣として、「最も近い店舗」を利用する傾向が強いので、「ついで買い」され易いのは来店頻度の多い店舗になりがちなのです。そこで、いまこの3つの業態の品揃えは、どんどん似通ってきています。

 カンブリア宮殿でウエルシアホールディングスの池野会長が「ライバルはコンビニ」と言っていたのは、いまのそんな小売競争を端的に示したコメントなのです。


文責:本藤貴康(担当科目:流通論、流通マーケティング演習)
本藤ゼミナールBLOG http://hondo-seminar.blogspot.jp/



2018年6月4日月曜日

パナマを知るための70章(第2版)

流通マーケティング学科の丸谷です。24回目の執筆です。私はグローバル・マーケティング論(簡単にいうと海外でどのようにマーケティングを行っていくのか)を専門分野にしているので、海外の経済やビジネスについて取材して記事を書いてくれという依頼がたまにあります。

今回は一般の皆さんに、なかなかなじみの薄い地域に関して依頼された仕事がかなり充実した一般向けの書籍『パナマを知るための70章(第2版)』として明石書店より出版されたので、紹介していきます。

皆さんパナマと聞いて何を思い浮かべられるでしょうか?
グーグルで検索すると、関連ワードの順番はパナマ文書、パナマ運河となっています。

パナマ文書に関しては、私がたまたま担当することになり、第49章においてコンパクトに解説しております。簡単に言えば、パナマ文書とは、2016年4月3日にパナマ市内に事務所を置くモサック・フォンセカ法律事務所が国外のサーバーからのハッキングを受け漏洩した機密内部文書(2.6テラバイト(文書現物にするとトラック1000台分)であり、この機密文書漏洩を契機にして、タックスヘイブン(租税回避地)への関心が急激に高まることになりました。

           旧モサック・フォンセカ法律事務所(国本伊代撮影) 

パナマ運河に関しては、私の担当章ではないですが、第Ⅲ部、第Ⅳ部、第Ⅴ部で詳細に解説されており、2016年6月26日に足掛け9年かけて、当初の予定より2年遅れて拡張工事が完成したことによって関心が高まっています。

パナマという国の成り立ちに関しては、この運河建設と切り離すことができないのです。パナマは現在中米の南端の国という認識が一般的になっていますが、1903年に独立するまでは南米コロンビアの北部地域にすぎなかったのです。この独立にはパナマ運河建設計画が大きくかかわっており、パナマ運河の利権が欲しかった米国が当時コロンビアの地方であった現在のパナマにあたる部分の分離・独立の動きを支援することによって独立したのです(詳細は、第19章と第20章参照)。

独立後米国はその見返りに、パナマ運河の利権を独占することになり、パナマ運河の権利がパナマに返還されたのは独立後約100年を経た1999年末でした。


今回の依頼は改訂であったので、最近のパナマのビジネスに関して5章分くらいでした(最終的には4章分となりました)。書籍を出版した明石書店は、世界の様々な地域に関する書籍を出版している出版社です。

特に『・・・を知るための』という名称で出版されているエリアスタディーというシリーズは、地域の図書館などにも所蔵されている定番シリーズとなっております。2018年1月末現在161冊出ています。私はこれまでにも2011年に『現代メキシコを知るための60章』、2013年に『ドミニカ共和国を知るための60章』、2017年に『カリブ海を知るための70章』(詳細は、経営学部ブログhttp://tkubiz.blogspot.jp/2017/07/70.html)』という3冊に参加させていただきました。

当初はメキシコなど有名な諸国を扱ったシリーズでしたが、ネットを通じた情報発信が充実していく中で、最近はマニアックな諸国に関する信頼性が高い情報を求めるニーズが高まったようで、それにこたえる形でかなりドミニカ共和国といったマニアックな国やカリブ海世界といったように、より細かい地域を扱った内容が増えてきています。そして、ある程度有名なパナマに関しても、2004年の初版発行から13年を経て第2版といった形でより詳細な新しい情報も付け加える形になっています。

原稿テーマを考える事前取材では、これまでの3冊同様まずは図書館等で日本文と英文を中心に書籍やデータベースを当たり、ある程度テーマを絞った段階で、JICA(国際協力機構)によって海外派遣されている支援を行う皆様や様々なNGO、個別に情報発信を行っている旅行社の皆様など、ネット情報を確認しました。 

私が今回担当した章は、以下の4章となりました。

43章 パナマ独自の小売産業の発展――地元資本による緩やかな近代化
44章 マグロの養殖という新たな産業――パナマにおける近畿大学の挑戦
47章 パナマ運輸産業の発展――立地を生かして発展を目指すコパ航空
49章 タックスヘイブン――「パナマ文書」が明らかにした租税回避地

どの章も執筆している自身にとっても非常に興味深く、特にインタビューさせて頂いた近大マグロで有名な近畿大学の水産研究所の澤田好史教授のパナマでのマグロ養殖の挑戦のお話は知らない事実ばかりで大変興味深かったです。

パナマは、名前は知っているけれど、なかなかなじみの薄い国だとは思いますが、今回出版した拙著が関心の高まりの1つのきっかけとなれば幸いです。

(文責:丸谷雄一郎(流通マーケティング学科 教授)