こんにちは。経営学部でリスクマネジメント論および保険論を担当しております柳瀬です。2度目の担当です。今日は、大学の「顔」ともいえる図書館について、お話をしたいと思います。本日、皆さんと一緒に考えたいのは、「大学の“顔“を創るのは誰か?」ということです。
実は、本学の図書館はこの4月に新図書館として生まれ変わります。現在、急ピッチで館内の整備が進められ、新学期からの本格稼働を目指しております。先日、図書館員の案内で、開館前の館内を見学させてもらいました。本学の図書館の蔵書は、経済・経営関係を中心に相当な規模です。かなりマニアックな本もたくさん所蔵されています。ワクワクします。私たち大学教員にとって、ここは、まさに「興奮する場」なのです。
前置きはさておき、図書館といえば膨大な種類と量の「書籍」をイメージされる方が多いのではないでしょうか。もちろん、その通りです。ただ、最近の図書館は「書籍」だけではなく、専門的な「データベース」も完備しているという点、これも見逃すことはできません。
そもそも、「データベース」とは、特定のテーマに関連した様々なデータを集約・管理することで、ユーザーが容易にそれを検索し利用できるように整備されたものをいいます。たとえば、「全国のコンビニエンスストア等で先月1か月間に販売された乳製品の銘柄」という特定のテーマに関するデータを集約・管理している「データベース」があるとします。皆さんは、この「データベース」を活用することで、最近の売れ筋の乳製品を分析することができます。これにより、直感的な言い回しだけではなく、「数字」に裏づけられた丁寧な議論が可能となります。
実は、本学図書館では、国内外の様々な「データベース」を整備しています。特に、東京“経済”大学だけあって、企業の売上高や利益、株価といった「会社の数字」に関する「データベース」は大変充実しています。たとえば、Quick という会社が提供する企業財務に関する日本有数の「データベース」があります。この ”Astra
Manager” と呼ばれる「データベース」を使えば、全国の上場企業の「会社の数字」を過去数十年間にわたって入手することができます。 ”Astra
Manager” は、運用会社のファンドマネージャーや証券会社の調査部門など、いわゆるプロ中のプロが仕事で使う「データベース」でもあり、かなり専門的で詳細なデータの分析が可能です。
と、ここまでの話を聞いて、皆さんの中には、次のような疑問を持つ方がいるかもしれません。「企業分析のプロが使うような専門的な“データベース”を、まさか、大学生が使いこなせるはずがないだろう」と。いえいえ、舐めてもらっては困ります。ゼミナールでの研究、懸賞論文や卒業論文の執筆など、本気で取り組んでいる学生の中には、時期によっては一日中、「データベース」にのめり込む者も少なからずいます。彼らは、熱中することで、次第にそれを使いこなせるようになっていきます。要するに、「手を動かしながら繰り返す」ことで、誰でもある程度の分析はできるようになるのです。
もちろん、図書館では、随時、「データベース」の活用方法に関して、講習会を開きます。たとえば、「会社の数字」と格闘したい本気の学生には、またとないチャンスです。講習会では、「データベース」提供会社からその道のプロを講師として招へいし、講義を行ってもらいます。そこでは、本学教員も一緒に講習会に参加し、学生と一緒に学びます。さらに、2014年度からは、経営学部1年次の講義「基礎セミナーⅡ-企業財務分析入門」を開講します。ここでも、「データベース」を活用した企業分析の基礎を学ぶことができます。
<「データベース」講習会の様子>
こうして、「会社の数字」などの実際のデータを、繰り返し「触る」ことを通じて、学生の中にはその楽しさを実感する者も出てきます。こうなったら、もう大丈夫。放っておいても、一日中、「データベース」にのめり込みようになります。
<新図書館に設置されるデータベース室>
さて、ここまで読んでいただいた方には、冒頭の私からの質問、「大学の“顔“を創るのは誰か?」という問題の答えが見えてきたのではないでしょうか。そうです。学生、教員、職員...の興奮。つまり、利用者の「ワクワク」が大学の「顔」を創るのです。もちろん、利用者の大半を占めるのは学生ですから、彼らが、図書館で本気で熱中できる「何か」と出会うことができるかどうか、これこそが何よりも大切なことです。たまたま、今日は、「データベース」のお話をしました。言うまでもなく、他にもたくさんの出会いが、図書館にはあるはずです。
「仏作って魂入れず」なんてことにならないよう、ぜひ、新図書館で「ワクワク」を見つけていきたいと思います。皆さんもぜひ、ご一緒に。
「仏作って魂入れず」なんてことにならないよう、ぜひ、新図書館で「ワクワク」を見つけていきたいと思います。皆さんもぜひ、ご一緒に。
【参考URL: 図書館データベース一覧】
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