本年度から始まったタイ・バンコクの泰日工業大学経営学部との間で双方向の交流を行う、
「グローバルキャリア入門」という科目については、この「経営学部Blog」の中で、3月と6月に
ご紹介してきました。
http://tkubiz.blogspot.jp/2015/03/blog-post_12.html
http://tkubiz.blogspot.jp/2015/06/blog-post_7.html
今回は、8月1日から12日まで行った、本学学生のタイ・バンコク研修についてお伝えしましょう。
本年度は、男子4名、女子3名の学生が参加しました。まず泰日工業大学を訪問し、5月に日本に来た
学生と再会して、大学近くのデパートやスーパーなどで、共同プロジェクトのテーマである
「タイで日本の緑茶をもっと多く販売していくためには」について現地調査を行いました。
やはり現地でないと、なかなか分からない情報があるものです。ペットボトル入りの茶系飲料に
ついても、主流は甘さやフレーバーを加えたものですが、OishiやIchitanなどタイの現地企業の
製品の中にも「Non-sweet」という無糖製品が少しずつ増えており、それらはペットボトルに
白いキャップがつけられています。このような現地での情報を加えて、タイと日本の学生が
一緒になって小グループで考察を行い、最後に小グループごとに発表を行いました。日本で仲良く
なっていた学生と再度一緒にグループワークを行うため、短時間にもかかわらず、内容の濃い
発表であったと思います。泰日工業大学の先生方からも、これまでの日本の大学から訪問は
その場限りの交流に過ぎなかったのと比べて、やはり双方向の交流は内容が濃くなる、と
好意的な評価を頂きました。以下は、泰日工業大学での集合写真です。
8月5日から10日まで、タイで事業展開する日系企業4社を訪問し、見学とともに、実際に
現地で働く方たちのお話しを伺いました。最初に訪問した日産自動車では、空港に近い
新しい第二工場で、ASEAN圏で人気の高いピックアップトラックの生産ラインを見学させて
いただきました。次に訪問したみずほ銀行では、タイの経済の実情を詳しく説明して
いただき、その中で金融機関の果たす役割りについて知ることができました。
3番目の訪問先の東レでは、アユタヤの工場と、バンコク市内の開発センターの両方を
見学させていただき、Toray Industries (Thailand) Co.,Ltd.の丁野社長の講話をうかがい
ました。丁野社長は日系企業の作るバンコク商工会議所の理事も務められているので、
より広い立場から、日系企業の役割りや駐在員の生活について教えていただきました。
最後の訪問先は三井物産で、泰国三井物産の本社と、バンコク市内の関連会社のMOCAPを
見学させて頂きました。MOCAPはさまざまな企業のコールセンター業務をアウトソーシング
している会社で、最初は「総合商社がなぜコールセンターを?」と感じた学生も多かったのですが
実は情報と物流をつなぐ大事な仕事なのだと理解できたかと思います。以下は、東レの
アユタヤ工場で、ヘルメットと安全靴を装着して本格的?見学スタイルになった様子です。
今回は、それぞれの見学先で学生からも積極的に質問が出て、タイでの事業展開に対する
理解が深まったものと思います。最近は、全般的に海外で働こうという希望を持った学生の
数が減っているといわれています。その中で、「グローバルキャリア入門」という科目は
ASEAN圏で働くことに興味を持つ学生を少しでも増やしたい、ということから始めたわけですが、
このような試みは、現地バンコクの日系企業で実際に働く皆さんからも、かなり好意的に
受け止められたようです。ちょっと気がかりなのは、私たちが帰国した後、8月17日夜に
発生した爆発事件です。今後このようなことが起きないように、事件の一日も早い解決を
祈っています。
(文責:経営学部 柴田 高)