いよいよ新年度がスタートです。
マーケティング論とか流通論の観点では、店頭でもネットでも「売れるものを売る」のが大基本です。お客様の目がとまりやすいテレビCMが頻繁に流されている商品だったり、ネット上で話題になっている商品だったり・・・。
そのために企業も仕掛けてきます。例えば、リセ(ロート製薬)は充血に効き目のある目薬ですが、タレントに橋本環奈を起用しています。先月『セーラー服と機関銃』の主役という話題性と認知率の上昇を見込んだキャスティングでした(映画の興業成績はともかく・・・)。
【画像】ロート製薬ホームページ(http://jp.rohto.com/rohto-lycee/) |
そんな流行商品の他に露出度が強くなるのは、季節によって売れ方が変わる季節商品です。
そのため、小売店頭では季節によって「棚替え」なる作業が行われます。その並べ方(陳列)を考えるのが大変な作業なので、小売業の商品部(バイヤー)とメーカーや卸売業の営業担当者の商談は半年近く前から行われることが多くなります。
そこで「春」に売れる商品を考える際に参考になるのが「季節指数」と呼ばれるものが参考にされます。この季節指数は年間売上平均値に基づいた各月売上実績の倍率で導かれます(他にも様々な算出方法があります)。
これに基づいて、全国のドラッグストア20社のデータに基づいて4月と5月を見てみると、4月に売れるもの第一位は「防虫剤(1.58倍)」、第二位が「UVケア(1.51倍)」、第三位が「鼻炎用薬(1.34倍)」です。因みに5月は、第一位に「虫よけ剤・虫よけ器(2.84倍)」、第二位に「UVケア(2.19倍)」、第三位に「ゴキブリ捕獲器(2.14倍)」です。
虫が増えてくる季節で、予防対策カテゴリーが売れてきます。
UV対策カテゴリーも4月から上位ランクに登場して、5月には更に伸びる商品のようです。
このような季節商品は、概して年間にいくつも売れる商品ではないので、最初の需要期に自社店舗あるいは自社ブランドを買ってもらわなければ、その季節の売上を競合に奪われてしまうので、各社ともに早め早めに店頭展開する傾向が強くなります。
高校生のみなさんは、4月に購入するものは何でしょうか?
大学生が4月に最も出費がかさむのは授業のテキストかもしれません。
しかも、履修人数よりも少なめにしか学内生協などで販売しませんので、売り切れなどに見舞われるケースもあったりします。
いずれにしても、春は新生活の始まりですから、心機一転するための買い物も多くなりそうです。みなさんの買い物も日本経済の活性化に貢献しています(笑)
【学問のミカタ】
他学部やセンターからも、同じ「春」をテーマとしたブログがアップされています。
高校生の皆さんは、他の【学問のミカタ】に是非ともお立ち寄りください。
経済学部「誕生月と成績との関係とは!?」
http://tkueconomics.blogspot.jp/2016/04/blog-post.html
経営学部「春に売れるものって何?」
http://tkubiz.blogspot.jp/2016/04/blog-post.html
コミュニケーション学部「春をつかまえる」
http://comtku.blogspot.jp/2016/04/blog-post_21.html
現代法学部「住民と市民 -「春」に寄せて- 」
http://genho-tku.blogspot.jp/2016/04/blog-post_28.html
全学共通教育センター「春の星座」
http://tkucenter.blogspot.jp/2016/04/blog-post_25.html
文責:本藤貴康(流通マーケティング入門、流通論、地域インターンシップ担当)