2020年5月11日月曜日

 大学教育とオンライン化

 税務会計論、簿記会計、会計プロフェッショナル入門を担当している板橋です。
   今年は、緊急事態の中、多くの大学で対面型の講義が全面的に中止され、オンライン型の講義への移行が進んでいますね。皆さんの中には、大学の講義のオンライン化について不安や心配もあると思います。
 そこで今回は、大学の教育とオンライン化について話をしたいと思います。ただ、アンケート調査をしたわけではなくあくまで私の事例の紹介ですので、その点は承知しておいてください。

 もともと、オンライン化への移行というのは大学ではかなり前から進んでいまして、おそらく一番一般的なのは、学習支援システムの導入だと思います。

 学習支援システムは、講義資料の配布、小テスト、レポート、プロジェクト(複数の学生でチームを作り課題を提出する)などを通しての学生一人ひとりの予習・復習・講義への参加状況を分析することが出来るシステムです。また、いわゆる掲示板機能がついているシステムでは、それを通じて、教員への質問や、講義へのコメントが出来、教員側からもそれに対して返答をすることが出来ます。本学でもmanabaという学習支援システムが、数年前から導入されています。
 この支援システムを活用することで、教材の配布、各回の課題の提出、採点、学生の学習状況の把握が出来ます。
 
 この学習支援システムは、 動画ファイルなどもアップできるものだったのですが、残念ながら今回の事態では、急激なシステム利用者の増加にシステムの増強が追い付かず、容量制限がかかってしまい、現在は、動画は外部にアップして、リンクを貼る形式にすることが勧められています。
 その他にも、利用者の増加によって、学習支援システムの反応が遅くなる事例が他大学では発生していますし、これが著しい場合には、システムが落ちてしまう(動かなくなる)危険性も指摘されています。

 そのため、私の場合は個人的にサーバーを設置し、moodleという学習支援システムをバックアップ用に準備しています。こちらでは、ファイルのアップ容量は1ファイル2GBまで、全体としてのアップ容量が50GBまで対応可能にしています。750kbpsであれば、90分の講義をフルに動画にしても0.5GB強ですから、一人の教員の半期のファイル容量としては十分な準備をしています。
 さて、このような学習支援システムですが、大学の学びというのは、「一方向」だけのものではありません。教員からの講義によって、知識を蓄えることと同時に、学生からのフィードバックや、学生相互の議論を通じて、多面的な物の見方を学び、自分自身の意見というものを構築することが重要です。しかし、学習支援システムでは、細かいグループ分けがしにくく、発言が全参加メンバーに見えてしまうことで、発言を避ける傾向が出てしまう場合があります。(学習支援システムの種類によっては、細かくグループ分けをすることが出来るものもあります。)

 そこで、私の場合は、少人数のゼミなどでは、chatworkというビジネス向けのコミュニケーションツールを使っています。これは、グループ分けが各参加メンバーで設定できるので、研究テーマごとに班を設定する作業や、その班の中で更に、小さいテーマごとに参加メンバーを設定することが簡単にできる特徴があります。ファイルも送信できるので、現在はプレゼンテーションの動画をアップして、それに対して参加者がコメントをチャットで送るということをしています。
 
 このプレゼンを動画で行い、コメントをチャットでというのは、比較的珍しいかもしれません。うちのゼミの場合は以前から、せっかくいいコメントをしてもらっても、記録がとれていない結果、忘れ去られてしまうという残念なことが起こっていまして、せっかくオンライン化するなら、その対策もちょうどいい機会なのでやってみようということで試行しています。
 他大学も含めて、ゼミでのディスカッション部分では、Zoom(リアルタイムメッセージングとコンテンツ共有が可能なビデオ会議システム)などを使うケースが、多いのかもしれません。

 このビデオ会議システムも注目されていますね。このシステムを使うと諸外国の大学との協働講義なども可能で、本学では2016年度に「スカイプを使用してタイの大学と協働授業」というものを行いました。
 タイ・バンコクの泰日工業大学と相互交流を行いながら異文化コミュニケーション能力を高め、自らのグローバルキャリアへの意識を高めることを目的に開講された特別講義「グローバルキャリア入門」では、来日前の4月にスカイプを使い、泰日工業大学(タイ・バンコク)と繋ぎ、顔合わせを成功させました。その後、実際に来日した段階では、スカイプでの直接対話を通じて親密な関係になっていたこともあり、合同研究作業は非常にスムーズに進行していました。

 そのほか、フレッシャーズセミナーという新入生向けの演習講義(ゼミ形式の少人数講義)では、Wordpressというホームページ作成システムを利用してもらい、実践的にオンラインでの情報発信スキルの育成にも取り組んでもらっています。今年は動画で行う予定ですが、図書の利用方法、プレゼン技法を実践的に学ぶためのビブリオバトルという書籍紹介の演習などもしています。

 このように、大学での学びは、オンライン化への対応が比較的進んでいますし、むしろオンライン化することによって、「情報として残り、学習効果が上がる」という面や、「諸外国の大学とつながることでより多様性のある学習ができる」というポジティブな面があります。

 その他、ここですべては挙げられませんが、本学では、教員相談員によるWEB学習相談(Zoomを使用)や英語学習アドバイザーへのWEB英語なんでも相談(Zoom使用)も在校生向けに5月11日(月)からスタートするなど、オンラインでも出来る限り学習を進めることの出来る取り組みもどんどんはじめています。

 今回の緊急事態がどこまで続くのか中々先が見通せない中で、心配なことも多いかと思いますが、その中でも各教員それぞれ出来るだけ良い講義、良い学習環境を提供できるように心がけています。 
 この記事が、大学でのオンライン教育の学びがどのように行われているかの一例として、参考になれば幸いです。

(文責:経営学科 板橋雄大)
 

 
  

2020年5月4日月曜日

ケース・メソッドで取り上げる「ムーミン・バレーパーク」を現地調査


流通マーケティング学科の丸谷です。36回目の執筆です。私は流通マーケティング学科の必修科目であるケース・メソッドを担当しています。ケース・メソッドは、企業(非営利組織を含む)が行っているマーケティング活動の事例(ケース)に対して、既存の知識や理論を当てはめたり、新しい知識や戦略を生み出したりする教育方法(メソッド)です。

ムーミン・バレーパークの正門前にて
この科目では企業が実際に取り組むマーケティング活動の事例を取り上げる必要があり、私はマーケティングの中でも、専門がグローバル・マーケティング論(簡単にいうと海外でどのようにマーケティングを行なっていくのか)なので、海外から日本に参入してきた企業のうちなるべく大学生にとって身近な題材を取り上げてきました。具体的にはマクドナルド、スターバックス、ネスレなどです。

ケースはなるべく新鮮な内容がいいと考え、数年に一度変更しています。ケースは自身で執筆する場合もありますし、販売されているケースを使用することもあります。今回は2019年5月に慶応ビジネス・スクールから出版されたアールト大学ビジネススクールのArto Lindblom教授と慶応ビジネス・スクール浅川和宏教授作の「日本でのムーミン・テーマパークの設立」を使用することにしました。

販売ケースを利用する場合には、事業を円滑に進めるために資料を収集したり、実際に商品を購入して使ってみたり、サービスを体感してみたりしています。今回は2020年度に新規ケースの題材となっている埼玉県飯能市宮沢にある「ムーミン・バレー」に取材に行ってきたので取り上げます。

「ムーミン・バレーパーク」は埼玉県飯能市宮沢327-6にあるフィンランドの著名画家トーベ・ヤンソンさんが生み出した有名人気キャラクターのムーミン一家を題材にしたテーマパークです。このテーマパークとともに北欧生活をテーマにしたショッピングモール「メッツァビレッジ」と呼ばれる郊外型レジャー施設も併設されてます。

パークに併設されたメッツァビレッジ外観
今回授業で取り上げるケースでは主に立地選定、日本での現地適応、ターゲット市場設定、価格戦略、競合への対応、日本市場参入の是非といった幅広い内容が取り上げられています。ムーミン自体はケースの中でも「日本は第二の故郷ともいわれている(ケース5頁)」と示しているように、非常に有名であり人気もあるため、多くの情報が示され、多くの考察もなされています。

今回の取材前にも多くの事前資料を読み現地取材を行ったのですが、実際現地調査をして理解できたことは多くありました。調査結果をすべて書いてしまうと、受講生の皆さんの授業課題作成に影響を与えてしまうので、今回は最初の立地選定に関して簡単に触れておきます。

立地選定に関してはテーマパークがある場所の地名ともなっている宮沢湖の存在が大きく、宮沢湖の自然にうまくムーミンの世界観を当てはめているということでした。

ムーミンの世界観を表現するのに適した宮沢湖
ムーミンの魅力のうち彼らが暮らす北欧の大自然での彼らの生活があります。1つの考え方としては、この世界観を完全再現する方法もあります。例えば、ディズニーのキャラクターを題材にしたテーマパークのように莫大な金額をかけてかなりの精度で再現することは可能かもしれません。

しかし、ムーミンの生みの親であるトーベ・ヤンソンの自然を大事にする考えにも反するように感じました。私が「ムーミン・バレー」を訪れて最も感じたのは、愛・地球博の際に名古屋郊外長久手でジブリアニメ「となりのトトロ」の世界観が再現されたパブリオン「サツキとメイの家」の世界観と通じるものでした。

ジブリの打ち出す世界観と「ムーミン・バレー」の世界観は類似しており、「三鷹の森ジブリ美術館」よりもかなり郊外にあり敷地も広大であることから「サツキとメイの家」を思い起こさせたのではと思います。

もちろん、パピリオンとテーマパークではコンセプトが異なるので、アトラクション、食事、展示など多少の商業主義は感じます。しかし、それらの商業主義は素朴であり、世界観を壊すほどのものではありません。

ムーミンの世界観を示すために湖に建てられた小屋
ムーミンの世界を再現した展示室
ムーミンの世界を示した食事
ムーミンの家に夜映し出されたプロジェクション・マッピング
2022年秋には、愛知の愛・地球博記念公園内「ジブリパーク」がオープンする予定ですし、テーマパークの新潮流を関東で感じられる「ムーミン・バレー」を訪れてみてはいかがでしょうか。

なお、新型コロナウィルス対応のために、「ムーミン・バレー」及び「メッツァビレッジ」はお休みしております。早くの再開ができることを個人的にも祈念しております。
(文責:流通マーケティング学科 丸谷雄一郎)

2020年4月12日日曜日

春なのに、、、(vol.38 小木ゼミ通信 など)

 マーケティング論、ソーシャルマーケティング論、消費者問題担当の小木です。38回目の投稿となります。つらい時期に投稿順番が回ってきました、、、。でも、1カ月学部のブログが滞っているのは良くないので、少しでも書いておきたいと思います。

 ◆春なのに、、、


 とにかく明るい話題をと思うのですが、新型コロナウイルスの余波は想像以上に大きいですね。

 春なのに、、、、

 春は、卒業式、入学式、サクラ、誕生日など、気分が高揚する行事が目白押しだったんですけど、、、いまはどこもかしこも「大混乱」という言葉が最も現状を言い表しているかもしれません。3月末~4月中旬までを時系列に見ていきます。

 3月末の卒業式とゼミの卒業イベントはすべてキャンセル。ゼミの卒業生には、LINEなどのやり取りだけでバイバイは本当に悲しかったです。せめてもの救いは、後輩らがつくってくれた、私のメッセージ付きアルバムを贈ったことくらいですね。一緒に戦ってきた仲間ですから、本当に残念でした。でも敢えて言おう!卒業生の皆さん、卒業おめでとう!

 ゼミの選考は何とかできました。本当は全員とりたかったのですが、それが適わず残念でした。入ゼミできた方は、漏れた人たちの想いも背負って、ゼミを紡いでいってほしいと思っています。ゼミは、当面はオンライン授業でやっていきたいと思っています。
 
東日本大震災の時でさえ、サクラを静かに愛でたのですが、、、、今年は全く愛でることなく散ってしまいました。入学式やオリエンテーションもできませんでした。2020年の経営学部新入生558名のみなさん(他学部の新入生も)は、さぞかしがっかりとしたでしょうし、不安を感じておられるかと思います。でも、まずは入学おめでとうございます、と言わせてください。そして、4年間頑張って下さい。

 こうした未曾有の事態の余波は、本学に限らず、多くの大学にも多大なる影響を及ぼしています。そうした中で、高校生を含め、大学生など学生の皆さんがいますべきことは、各々が自覚し収束に向けた行動をすること、そして、この嵐の過ぎ去るのをじっと耐え、その間に、自身の力を十分に蓄えていくことだと思います。その蓄えた力を、正常に戻ったときに、一気に社会に還元して下さい。それが学生の皆さんができる一番良いことなのかなと思います。
 
 イタリア・ミラノの高校のドメニコ・スキラーチェ校長のメッセージに心震わされたり、業種の異なる大手メーカーが医療機器や医療資材の生産に取り組む姿に応援したくなったり、BCG接種に一筋の光明を見出したりと、少し安堵する話題は出てきています。
 たまには散歩したり、体を動かしたりすることもよいでしょうし、自分自身を見つめ直す時間に充てるのもよいでしょう。本をじっくり読んだり、これまでの自身の生活や勉強を振り返るのもよいでしょう。やることは、実は山ほどあります。この難局を、できるだけポジティブにとらえて、皆さんと一緒に乗り越えていきたいと思います。
 
 本当に明るい話題がないのですが、少しずつ本学も動き出しています。本学だけでなく、全ての大学は、それぞれが持ちうる資源で、学生にきっちりとした教育サービスの提供すべく知恵を絞り、頑張っています。皆さんもしっかりとついてきてほしいと思います。

 ◆小木ゼミ通信

*3月上旬 ゼミ優秀賞をいただきました。たぶん10年連続です!

*3月中旬 「こんなお菓子あったらいいなプロジェクト」の社長に向けてのプレゼンを行いました。社長も随分喜んでいました。

*3月中旬 入ゼミ選考会を行い、新2年生14名を迎え入れることになりました。頑張って下さい。

*3月末 ゼミ卒業生各々に、後輩ゼミ生から思い出アルバムを寄贈いたしました。

*4月中旬 小木ゼミから成績優秀者が多数出ることが分かりました(これまでの最高人数になると思われます)。詳細は、次回のゼミ通信でお知らせいたします。

 【最後に、ゼミ生に】
 *ゼミ生全員から誕生日おめでとうメッセージ動画で来たー!
 こんな時期なのに、明るい話題あった!もう本当に嬉しいです!いつも教室でお祝いしてもらっていたけど、今年は今年で忘れられない思い出に残る誕生日となりました!涙が出てきた。。。私は、幸せ者です。ありがとうございました!
 みんなでゼミ盛り上げてまいりましょう!


2020年3月16日月曜日

ゼミ活動支えた吉祥寺老舗カフェが続々閉店

流通マーケティング学科の丸谷です。35回目の執筆です。私は吉祥寺が高校時代の最寄り駅であったので30年以上通い、東京経済大学赴任後10年間在住しています。


ゼミナールを担当していると、緊急の学生さんからの相談や大学が休みの時期の面談を学外ですることがあります。学外面談の場所としても利用させていただいてきた吉祥寺の老舗喫茶店ナローケーズ、moi、近江屋の三店舗が昨年から次々と閉店してしまいました。
ナローケーズは吉祥寺北口出てすぐのサーティーワンアイスクリームのあるビル2階にありました。駅から濡れずに行ける立地、紅茶販売も行うこだわりの紅茶とそれに合わせたランチとデザート、適度な混み具合でした。

私はカフェを一つの研究対象としてこともあり、喫茶店の居心地の良さにはこだわりがありますが、上記三店は利便性、面談のしやすさ、雰囲気の3つを兼ね備えていました。

ナローケーズのランチセット
moiは駅から遠いのですが、周辺は全国屈指のパン屋ダンディゾンや知育玩具の老舗がある文化的な立地、こだわりのコーヒーに合わせた北欧テイストのランチはおいしく、適度な混み具合でした。
moiのタルタルサンドも絶品でした
近江屋は駅前のパルコの一階にあり、前にユニクロの旗艦店があり、待ち合わせの定番であり、こだわりのコーヒープラス昔ながらのピザトーストなどのメニューが人気で、こちらも適度な混み具合でした。
近江屋の店内
近江屋のピザトースト
吉祥寺には新たなカフェも続々オープンしていますが、老舗と新店の両方が共存しているところが大きな魅力だと思います。3店は決して人気がなくなったわけではないだけに閉店がとても残念です。

                   (文責:流通マーケティング学科 丸谷雄一郎)


2020年3月9日月曜日

店頭に出ている分で全部です!

2010.03.09

 経営学部の本藤です。
 新型コロナの影響が、国民生活の様々なシーンに及んでいます。
 安倍内閣は新型インフルエンザ等対策特別措置法改正案を国会に提出する見込み。
 安倍首相が「緊急事態宣言」をした場合、都道府県知事によって、外出の自粛から学校やイベント会場等の使用制限を要請することが可能となります。
 現時点では、まだイベント等の自粛要請を行ってはいませんが、テレワークや時差出勤の推進を「強力に」呼び掛けています。


 有名タレントのコンサート中止のニュースも多いのですが、大学でも様々なイベントが中止されています。また、海外渡航だけではなく国内旅行も自粛ムードが一段と強まり、不要不急の外出を控える人が急増してきています。多くの企業でもテレワーク利用の在宅勤務が進められつつあり、ビジネス関連のイベントも軒並み開催中止の連絡が飛び交っています。
 このように人の移動がなくなると、経済活動は一気に冷え込みます。特に、人の移動がなくなるので、航空業界や宿泊施設などの旅行に関わる業界は大きなインパクトを受けています。宿泊施設として、都内有名ホテルの価格が通常の半額レベルにまで落ち込んでいるところもあり、地方観光都市の高級旅館も事業継続を断念するところも出始めているほどです。
 同様に、外食チェーンや居酒屋チェーンなども軒並み前年同月比で20%以上の落ち込みを記録しているところも多く、例年送別会などの利用が集中していた3月から4月の前年同月比は厳しい状況になると思われます。


 その一方で、マスク不足や消毒用アルコール不足は深刻で、連日のように開店前のドラッグストアの店頭では、マスク購入のための行列ができています。ネット通販も、不当に高い売価で販売されており、中には売価は通常通りでも配送料金が通常の20倍もの設定で販売している悪徳業者も出てきています。このような転売業者などによる買い占めを防ぐために、政府による委託生産が多くの業界を巻き込んで進められており、政府が一括買取をして配付するというような対応を余儀なくされている状況です。
 ドラッグストア等の多くの小売業態では、通常でも非計画購買が75%程度発生するという調査結果がありますが、マスクを買いに来て、念のためティッシュやトイレットペーパーのような生活必需品をついで買いするという人も多かったのだと思われます。それが不足していないはずのペーパー類まで欠品状態に陥ってしまって、もはや小売店舗ではパニック状態です。


 そんななかドラッグストアの店員から顧客のクレームについて異口同音に聞かされる困ったケースは以下のようなクレームのようです。
「うちのおばあちゃんは体が弱くて、本当に必要だから何とかしてくれ!」
「開店1時間前から並んでいるのに1個しか売らないってどういうことだ!」
 この他にも、店舗のバックヤードに勝手に立ち入ってガサ入れする顧客がいるとか・・・
 更には、開店前から並んで、制限販売量を購入して、余計に1個売場の陰に隠して、あとで何食わぬ顔して買っていくとか・・・


 困りますよね。
 ドラッグストアをはじめとした小商圏型の生活業態は、安定的に生活必需品を供給する社会的商品流通を担っています。そこでは最近は発注業務はAIが行うところが増えてきており、これまでの実績値から適正量を発注しています。もはや2万アイテムもある商品を人間の手で発注する時代ではないのです。
 しかも、近年では店舗のバックヤードに在庫している商品は、特売商品などの一部の商品だけで、基本的には店頭在庫が店舗の全ての在庫であるケースがほとんでです。
でも、大量購入されるケースに備えて、小売業は各チェーンの流通センターに一定の在庫を保管しています。更に、中間流通を担う卸売業の流通センターにも在庫があり、必要に応じて小売業の流通センターに供給します。それでも不足している場合には、メーカーの流通センターから調達します。それまで欠品する状態をメーカー欠品と言われています。これだけ多段階に欠品を防止する社会的流通システムで対応しているにも関わらず、生活必需品が店頭から消滅するという事態が現在の状態で、ドラッグストアの売場で対応している店員では如何ともし難い状況なのを、生活者は十分に理解しなければなりませんね。



 マスクの生産については、シャープをはじめとして異業種メーカーも生産ラインを整えたというニュースがありました(精密機器を扱うメーカーは無塵状態のクリーンルームがあるため、その環境要件を備えているようです)。通常であれば、今月中にはかなりの供給状態になっていくはずですが、問題なのは海外でもネットを通じて買い漁られてしまうというマーケットになっているので予断を許しません。
 以前のマスク不足が深刻化した新型インフルエンザの際もそうでしたが、メーカー各社がフル稼働させてマスクを生産したのですが、その設備投資をマスクで回収する前にパニック状態が沈静化してしまったため、供給過剰になったマスクを店頭で処理しきれなくなってしまったことがあります。その結果、マスクの価格が下がりまくるという事態を招いてしまいました。通常、マスクは長期保管してからの利用も可能なので、今のパニック状態が終息したら、マスクの店頭需要が一気に冷え込んでしまうことが考えられます。


 WHO(世界保健機関)では、感染者にとって二次感染や三次感染を防ぐために必要ですが、感染予防のための科学的根拠はないと発表しています。


文責:本藤貴康(流通論、流通マーケティング演習、アカデミックコンパス担当)
本藤ゼミブログ(http://hondo-seminar.blogspot.com/)






2020年3月2日月曜日

「先生、ゼミで伸びる人ってどういう人ですか?」:ゼミでの学習を効果的にする方法

 経営組織論、ケース分析等の講義を担当している山口です。東経大では、もうすぐ来年度のゼミメンバーの選考が行われます。ゼミは、通常の講義とは異なり、エントリーシート・レポート・面接など、各ゼミが設定した選考を通った人でないと受講することができません。人気ゼミになると、18人の募集に50人以上が殺到するということもあり、どのゼミに応募するか、新2年生、新3年生の中には悩んでいる人もいることでしょう。

 さて、今回書きたいのは、ゼミで成長するためには、「どのゼミに入るか」だけでなく、「ゼミに入った後何をするか」も重要だということです。
 なぜこういうことを書くかといえば、「よいゼミ」に入れば自動的に誰でも高い能力を身につけられる、というわけではないからです。同じゼミで同じ内容を学習していても、どれだけその内容を身につけて成長できるかは、人によって違います。
 したがって、優秀な学生が殺到するようなゼミで落ちこぼれてしまった人よりも、第二希望のゼミに入ってもそこで中心的メンバーとして非常に努力した人のほうが、1年後により成長している、ということだってあり得るわけです。
 そうだとすれば、「どのゼミに応募するか」だけでなく、「そこでどうやって自分の実力を伸ばすか」を考えておくことも、ゼミでの1年間を有意義なものにするための非常に重要なポイントになるでしょう。
 そこで今回は、ゼミに入ったときに、そこで自分の能力を伸ばすためにはどうしたらよいか、について書いていきたいと思います。

1.ゼミを通じて能力をのばした人の特徴


 まず、「ゼミを通じて成長できた」と語る、2人の東経大卒業生の事例を紹介しましょう。彼女たちは、いずれもゼミを通じて、有名大学の学生も多く応募する人気企業に就職できるほどの力をつけた人たちです。(事例は個人が特定されないよう若干デフォルメしています)

(1)Aさんの事例
 Aさんは、1年の時から広告業界に就職したいと考え、2年の時に広告関係のゼミ(今は退職された先生のゼミ)に入りました。しかし、広告関係のゼミに入っただけでは、就職活動で有名大学の学生との競争に勝てないと考えた彼女は、広告に関連する授業は全て、コミュニケーション学部の専門科目も含めて履修し、広告についての知識を深めました。
 知識が蓄積されるにつれ、ゼミでも活躍できるようになったため、思い切ってゼミの先生に「広告業界に就職したい」と相談したところ、広告会社でアルバイトすることを勧められました。そこで、ゼミや授業での勉強と並行して、ある広告会社でのアルバイトを始めたところ、その知識の深さを評価され、「是非うちに来てほしい」と言われるようになりました。
 こうして、彼女は、通常の就職活動なしで、大学入学時から希望していた広告業界への就職を決めることができました。

(2)Bさんの事例
 Bさんは、ケース・メソッドによってマーケティングを学ぶゼミ(今は退職された先生のゼミ)に入りました。ゼミでケースを面白いと感じたBさんは、色々な企業のマーケティングを分析する能力を高めたいと考え、3つのことを行いました。
 第1に、企業の分析に必要なマーケティングに関する授業の履修です。いずれも優秀な成績を修めてマーケティングの知識を深めました。第2に、企業の分析スキルの向上です。流通マーケティング学科の「ケース・メソッド」の授業に加えて、経営学科の学生向けの「ケース分析」(当時は流通マーケティング学科の学生も履修できました)の授業も履修するなど、東経大で履修できるケース・メソッド関連の授業をいくつも受講し、企業の分析スキルを高めました。第3に、このようにゼミと授業を通じて高めた知識・スキルを使って、アルバイト先のカフェのマーケティングを考え、店内のポップなどについて、売上向上のための提言を行い、実行しました。
 こうしてゼミだけでなく、授業もゼミに関連するものにしたことで、実際の企業経営に応用できるくらいまでマーケティングの知識・スキルを高めた彼女は、就職人気ランキングで常にトップ20に入るような、世界的に有名な企業に就職し、自分の知識を活かせる仕事をしています。

 さて、この2人の事例からは、ゼミを通じて、社会でも通用する力をつけるくらいまで成長するには、あるポイントがあることがわかります。
 「ゼミで本当に成長するには、ゼミ以外の時間(授業やアルバイト)も、ゼミとベクトルを合わせた活動をしたほうがよい」ということです。

2月1日の慶応大学などとの合同ゼミで、100名の前で堂々とプレゼンするゼミ生(2年生)。
9月には直立不動で原稿を読むだけでしたが、最後は研究内容を完璧に理解し、原稿なしで身振り手振りも加えて聞き手に話しかけるプレゼンができるようになりました!
(彼は、ゼミを頑張りつつ、ゼミの関連科目も履修し、プレゼン前には家族の前でも練習したそうです)


 「えーっ!?そこまでしなければいけないの?」と思った人もいるかもしれません。
 しかし、よく考えてみれば、これは別に特別なことではないのです。例えば、公認会計士や税理士を目指している人にとって、資格試験予備校だけでなく、大学の授業やゼミでも資格試験に関連のある科目を履修するのは当たり前のことでしょう。彼らは、家でも試験勉強をするなど、1日のほとんどの時間を資格試験用に使っているはずで、こうして1日の時間のほとんどを資格試験にベクトルを合わせて使っているからこそ、他の大学生には得られないほどの高度な専門知識を4年間で獲得できるわけです。
 同じように考えれば、経営組織論のゼミであれ、マーケティング論のゼミであれ、ゼミに入っている間は、そのゼミで学ぶ内容に関連した分野を集中的に学び、その分野についての知識を総合的に深めていくことが、他者に負けない専門能力の獲得に重要であることがわかるでしょう。

2.ゼミで誰よりも能力を伸ばす方法:ゼミの関連科目を集中的に履修すること

 
 ゼミで成長するには、ゼミだけを頑張るのではなく、ゼミ以外の時間をどう使うかが重要だという話をしてきました。
 特に、ゼミの関連科目を集中的に履修することの重要性は、強調しておきたいと思います。というのは、過去に、非常に残念な経験をしたことがあるからです。
 山口ゼミでは、後期に数チームに分かれて、自分たちの好きな企業の事例を分析します。その際、あるチームに「この本を読んで、この企業の戦略について書かれた部分を要約してきたら?」とアドバイスしたところ、チームメンバーが「戦略」という用語の意味をきちんと理解できず、全く関係ない部分を抜き書きしてきたことがあったのです。
 「戦略」など、1年生の基礎経営学などで学ぶ非常に基本的な用語の一つひとつについて、ゼミで逐一解説していたら、ゼミが「基礎経営学」の授業になってしまい、ゼミ独自の活動ができなくなってしまいます。しかし、そうした基本的な用語がわからなければ、いくらゼミでテキストを読んでもその内容をしっかり理解できないでしょうし、ましてやそれを使って企業の事例分析をするのは不可能です。
 そのため、こうなると結局、「ゼミで頑張ったのに、あまり力がつかなかった」という不幸なことになってしまうわけです。
 ですので、「経営学の知識について、自信がないなあ」と思う人は、ゼミと並行してゼミ活動に関連した科目を中心に履修できるよう、是非、今から履修計画をしっかり考えておきましょう!
 なお、もし「どれがゼミに関連する科目かわからない」という場合は、山口ゼミではTwitterなどで「履修推奨科目」を公表していますし、ゼミの先生に相談すれば教えてくれると思います。
 是非、ゼミに入った1年間を充実したものにできるよう、最適な学習環境を自分で作っていってください!

3.「まだ自分の興味のある分野が何かわからない」という人へ

 
 「まだ自分が何に興味があるかわからないから、そんなにゼミの活動に関連した部分だけに特化して勉強したくない。もっと広く興味のある分野を探したい」という人もいるかもしれません。
 そういう人にも、ゼミに入ったら、あえて、その分野に集中して深く勉強することを勧めます。これまで色々な学生を見てきましたが、広い分野をちょっとずつかじった結果、好きな分野を見つけた人は意外と少ないように感じるからです。おそらく、広い分野のどれも取り組みが中途半端になった結果、「どれも自分に合っていない」と感じることが多くなりやすいからだと思います。
 山口ゼミの過去のゼミ生で、マーケティング系のゼミに落ちて二次募集で山口ゼミに来た学生がいました。自分の一番望む分野ではなかったかもしれませんが、ゼミでは私の解説を毎回逐一メモをとるくらい熱心にゼミに取り組み、ケース分析レポートも毎回1番よいものを書いてくるくらい頑張った結果、ゼミで議論した資生堂と小林製薬の事例が自分は大好きだということに気づきました。そこで、「両社のような流通の工夫についてより詳しく勉強したい」と、3年時に別のゼミに移り、最終的に自分の好きなその業界の有名企業からいくつも内定を獲得し、就職しました。
 彼は、2年の時から別のゼミで活動してきた学生よりも1年遅れて入った分、苦労したかというとそうでもなかったようで、むしろそのゼミの学生が知らない経営組織論・経営戦略論の知識に基づいて、他の学生とは違う観点からの意見を言えることがアドバンテージになったようです(実際、そのゼミの後輩が、私のところに「何を勉強したら、あんな優れた意見を言えるようになるか教えてください」と翌年聞きに来ていました)。ある分野についてしっかり学んでおけば、それを他の分野に応用することも可能なわけです。
 以上から、「何に興味があるかわからない」という人は、とりあえずある分野を(中途半端にではなく)がっつり勉強してみると、「自分はこれが得意だ」とか、「いや、これではなく、こういうものが好き」というのが見えてきやすくなると思います。
 大学生を見ていると、まだ自分の得意分野が何か、自分が好きなことは何かについて、気づいていない人も多いようです。それをみつける近道は、「探す」のではなく、「まず何か気になることをやってみること」です。「これは違う」「苦手」と気づくことから、自分のことがよく見えてくることもあるのです。
 今回紹介した3人の東経大卒業生のように、ゼミを通じて、自分の得意分野・好きなことを「発見」し、その分野の知識・スキルを深めていけたら理想的だと思っています。
(文責:経営学部准教授 山口みどり)

2020年2月23日日曜日

ゼミ選びのポイント(vol.37 小木ゼミ通信 ゼミ活動報告)


マーケティング論、ソーシャルマーケティング論、消費者問題担当の小木です。37回目の投稿となります。

最近、嫌なニュースばかりで気が滅入りますね。
これから入試や、卒業式や、入学式もあるのにとても心配です。
東京オリンピックも大丈夫かなあ。。
ウチのゼミでも、追い出し会を中止にしてしまいました(4年生の皆すまぬ)。
こんなときは、音楽でも聴いて気分転換です!髭男の「宿命」や「Pretender」をかけ続けています。髭男、マジいいね!


さて、私が姉貴のように慕っている方の姪っ子さんが宝塚デビューを最近果たしまして(月組「大楠てら」さんをよろしく!)、私もはじめて公演に行くことになりました。というのも、私が大学院生の頃、このタカラジェンヌが赤さんだったころのストローラーを引いていたことがあるからです(姉貴からストローラーを預けられていた)。あの赤さんが、いまや宝塚で一番大きい180㎝のタカラジェンヌになっているとは、、、月日の流れをしみじみ感じている次第です。しかも、本当にブレイクしそうな感じ!トップスター目指して頑張れ!最近、若い子たちが頑張っているのをみると、本当に応援したくなってきます。

公演の模様は、また今度レポートします。
宝塚のケースを書いてみたいなあ。ケースの授業で使ってみたい。

◆ゼミ選びのポイント


ところで、そろそろゼミ選びの時期になってきましたね。なんだかんだ言って、ゼミ選びはとても大切だと思います。そこで、私が思う、ゼミ選びのポイントのベスト3を紹介したいと思います。

第3位は、「やりたい(勉強したい)領域か、やりたい研究か」です。学生のゼミ選びをみていると、とにかくこれしか見ていないという感じです。この点は、とても大事ではあるのですが、私にとっては1・2番ではないですね。

第2位は、「先生やゼミの雰囲気が自分にあっているか。耐えていけるか。」です。長くゼミを続けていくためには、先生との相性、ゼミとの相性はとても大事です。どちらかというとやりたい領域よりも大事かもしれません。だからオープンゼミに行って自分の目で確かめることが重要なのです。

第1位は、「自分が成長できるゼミか、自分を成長させてくれるゼミか」です。これは、2位とも連動する話ですが、自己成長が適うゼミをぜひ選んでほしいと思います。

考える時間は残りあとわずかです。2月26日は各ゼミの入ゼミ試験方法がTKUポータルにアップされます。入ゼミ選考(面接など)は、各ゼミ3月16日~18日のどれかになりますが、小木ゼミは、3月17日9:30~行います。応募者は、エントリーシート及び成績表のコピーを持参して来て下さい。
2月26日 ゼミ選考方法 TKUポータルでアップ
3月11日㈬~12日㈭ TKUポータルで希望登録(これを忘れないように!)
3月17日㈫9:30~(教室未定:チェックのこと) 小木ゼミ 入ゼミ選考


◆小木ゼミ活動報告

この時期は、ゼミは基本オフですが幾つか活動成果があがっています。

国分寺物語

こくぶんじ写真コンクールの審査及び表彰式に参加します。また、2月中旬のシンポジウムでもパネリストを務めました。

こんなお菓子あったらいいなプロジェクト

3月16日に、いよいよ社長プレゼンです。すでにゼミ内でプレゼンした内容をブラッシュアップして、2年生4組が社長の前でプレゼンを行います。頑張って下さい。

ゼミ優秀賞の獲得

2019年度も、ゼミ優秀賞を獲得いたしました。10年連続です!これはちょっとすごいことではないかなと思います。これからも淡々と、自己成長に向かって、各ゼミ員は頑張ってほしいと思います。


小木